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提案手法のシミュレーションによる検証

第 4 章 拡張感度解析に基づく送電線混雑管理手法

4.3. 提案手法のシミュレーションによる検証

本節では、IEEE30モデルに拡張感度解析に基づく送電線混雑管理手法及び混雑解消後の託送経 路特定手法を適用し、有用性の検証を行う。送電線混雑管理手法は、一般電気事業者による送電 線混雑の処理に適用することも可能であるが、本論は系統の利用状況に基づく託送料金設定手法 を提案することを目的としているため、シミュレーションでは 4.2.3 項で述べた託送実施者が送 電線混雑解消のために発電振替を実施するケースを取り扱う。

具体的には、図4.3-1のIEEE30モデルにおいて133kV側の発電所と33kV側の負荷間に以下の 4 ケースを想定し、それぞれ送電線混雑解消及び混雑解消後の託送経路を特定した。なお、第 2 章及び第3章で使用したモデルは発電機数が4機であったが、図4.3-1はノード14に発電機を加 え、5機に変更している。

発電振替先の発電所が一箇所として考慮

【ケース1】ノード1(発電所)-ノード29(需要家)

【ケース2】ノード8(発電所)-ノード23(需要家)

発電振替先の発電所が複数箇所の場合を含め考慮

【ケース3】ノード1(発電所)-ノード29(需要家)

【ケース4】ノード8(発電所)-ノード23(需要家)

はじめに、発電振替先の発電所を一箇所とし、送電線混雑の解消及び混雑解消後の託送経路を 特定する。

144

4.3-1 シミュレーションケース

2 1

3

4

5

6

7 8

9

1 0 12 11

13 14

15

16 17

18 19

20 21

22

23 24 25

26

27

28 30 29

G G G

G C C

G

ケース1、3 ケース2、4

145

(1) 【ケース1】ノード1-29間の託送(発電振替先:一箇所)

ケース 1 の送電線混雑解消及び混雑解消後の託送経路特定を行う。第 2、3 章でシミュ レーションを実施した潮流状況において、新規にノード1-29間に10[MW]の託送を想定し た。以下に図4.2-1のアルゴリズムとの対応を示す。

[step1]IEEE30モデルの送電線容量は表4.3-1 である。潮流計算により託送時の送電線潮流 を計算した結果が表4.3-2 である。表4.3-2における潮流の符号は表2.6-2の対応表の左ノ ードから右ノードの潮流を正としている。表4.3-1の送電線容量と表4.3-2の送電線潮流を 比較すると、ブランチ15(ノード4-12)に送電線混雑が発生していることがわかる。

4.3-1 IEEE30モデルの送電線容量

ブランチ

送電線 容量[MW]

ブランチ

送電線 容量[MW]

ブランチ

送電線 容量[MW]

1 62 15 40 29 20 2 62 16 20 30 20 3 62 17 20 31 20 4 62 18 20 32 20 5 62 19 20 33 20 6 62 20 20 34 20 7 62 21 20 35 20 8 40 22 20 36 40 9 40 23 20 37 20 10 40 24 20 38 20 11 40 25 20 39 20 12 40 26 20 40 40 13 40 27 20 41 40 14 40 28 20

146

4.3-2 ノード1-29間の託送における送電線潮流(混雑解消前)

[step2]ノード2、5、8、14のいずれかの発電所に発電振替を行うことにより送電線混雑を 解消する。

[step3,4]発電振替を行う発電所は一箇所のため、発電振替を行うノードの発電振替係数を1 と設定し、各発電所へ振替を行う際の過負荷解消効果指数を算出する。計算結果が表4.3-3 である。

ブランチ

送電線 潮流[MW]

ブランチ

送電線 潮流[MW]

ブランチ

送電線 潮流[MW]

1 8.4 15 41.9 29 0.0 2 28.9 16 0.0 30 5.6 3 30.0 17 9.3 31 8.7 4 26.1 18 16.4 32 2.3 5 17.4 19 5.1 33 2.1 6 30.9 20 2.9 34 3.6 7 6.0 21 1.5 35 1.5 8 18.0 22 5.2 36 26.5 9 5.0 23 1.9 37 14.6 10 33.6 24 7.6 38 10.4 11 31.8 25 9.9 39 0.6 12 17.9 26 7.5 40 11.4 13 0.0 27 17.6 41 15.2 14 31.8 28 8.8

147

4.3-3(a) 過負荷解消効果指数(ケース1

振替発電所 ブランチ

番号

ノード2 ノード5 ノード8 ノード14 1 -0.8313 -0.7498 -0.6543 -0.6423 2 -0.1679 -0.2621 -0.3654 -0.4148 3 0.0814 -0.0514 -0.1993 -0.2602 4 -0.1644 -0.2565 -0.3576 -0.4057 5 0.0267 -0.5804 -0.1392 -0.1173 6 0.0605 -0.1180 -0.3159 -0.2649 7 -0.0793 -0.2857 -0.5117 -0.0449 8 0.0263 0.4267 -0.1375 -0.1158 9 -0.0259 -0.4195 0.1352 0.1141 10 0.0002 0.0006 -0.8524 -0.0137 11 0.0029 0.0103 0.0161 -0.2212 12 0.0016 0.0058 0.0091 -0.1247 13 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 14 0.0029 0.0103 0.0161 -0.2212 15 -0.0053 -0.0193 -0.0371 -0.6106 16 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 17 -0.0005 -0.0019 -0.0040 -0.6118 18 -0.0023 -0.0082 -0.0162 -0.1467 19 -0.0026 -0.0093 -0.0169 0.1478 20 -0.0005 -0.0018 -0.0039 0.4034

148

4.3-3(b) 過負荷解消効果指数(ケース1

振替発電所 ブランチ

番号

ノード2 ノード5 ノード8 ノード14 21 -0.0025 -0.0092 -0.0168 0.1472 22 -0.0013 -0.0048 -0.0085 0.1311 23 -0.0013 -0.0048 -0.0085 0.1305 24 -0.0013 -0.0048 -0.0085 0.1305 25 0.0013 0.0049 0.0087 -0.1335 26 0.0026 0.0093 0.0169 -0.1480 27 0.0003 0.0012 -0.0002 -0.0390 28 0.0002 0.0008 -0.0001 -0.0254 29 0.0003 0.0012 -0.0002 -0.0387 30 -0.0014 -0.0051 -0.0113 0.1332 31 0.0006 0.0020 -0.0004 -0.0639 32 -0.0014 -0.0051 -0.0112 0.1330 33 -0.0009 -0.0031 -0.0116 0.0705 34 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 35 -0.0009 -0.0031 -0.0116 0.0704 36 0.0009 0.0031 0.0116 -0.0704 37 0.0000 0.0000 0.0000 0.0002 38 0.0000 0.0000 0.0000 0.0001 39 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 40 0.0002 0.0007 0.1394 -0.0143 41 0.0007 0.0025 -0.1262 -0.0564

149

[step5]ブランチ15(ノード4-12)の超過潮流量と表4.3-3のブランチ15の過負荷解消効果 指数から式(4.2-2)により振替発電量を算出した結果が表4.3-4である。託送が10[MW]であ ることを考慮すると、一箇所への発電振替により混雑解消可能な発電所はノード 14 のみ であることがわかる。

表 4.3-4 必要発電振替量(ケース1)

振替発電所 ノード2 ノード5 ノード8 ノード14 発電振替量

[MW] 364.15 100.00 52.02 3.16

[step6]次にノード14の発電所へ発電振替による他送電線の混雑発生有無を式(4.2-3)により 検討する。いずれの送電線についても式(4.2-3)を満たしているため、新たな送電線混雑の 発生がないことがわかる。

[step7][step5]及び[step6]の結果より、振替可能な発電所がノード14のみのため、ノード14 を発電振替先とする。表4.3-4 よりノード 14 へ 3.16[MW]の発電振替を行った潮流状況を 示したものが表 4.3-5である。表4.3-5 のブランチ15 に注目すると、発電振替前は送電線 容量40.0[MW]に対し送電線潮流量が41.9[MW]と送電線混雑が発生していたが、発電振替 後は40.0[MW]となり混雑が解消されていることがわかる。また、表4.3-5の各送電線の潮 流量と表 4.3-1 の送電線容量を比較すると、いずれも送電容量以下となっており、他送電 線にも新たな送電線混雑を生じていないことがわかる。

以上の手順により、ノード1からノード14へ託送量10[MW]のうち3.16[MW]を発電振 替することにより、新たな送電線混雑を引き起こすことなく、ノード4-12間の送電線混雑 が解消されている様子がわかる。次に、この時の託送経路を特定する。

150

4.3-5 ノード1-29間の託送における送電線潮流(混雑解消後)

[step8]発電振替後のノード 1 及びノード 14 の発電量は送電損失を考慮しない場合、

6.84[MW]、3.16[MW]となる。従って発電量の割合より、それぞれの発電振替係数を0.684、

0.316と設定する。

[step9]需要家ノードの有効電力を操作変数として線路電力潮流感度を算出する。ノード29 への託送のため、得られた線路電力潮流感度行列の 29 列目が託送経路特定に必要な感度 となる。29列目を抜粋したものが表4.3-6である。表4.3-6における感度の符号は表2.6-2 の対応表の左ノードから右ノードの潮流を正としている。

[step10]表4.3-6より託送経路の特定を行ったものが図4.3-2である。図4.3-2における実線 矢印は感度が0.1以上の経路を示したものである。また表 4.3-6のブランチ番号と図4.3-2 のノード番号の対応は表2.6-2の通りである。

ブランチ 送電線 潮流[MW]

ブランチ

送電線 潮流[MW]

ブランチ

送電線 潮流[MW]

1 6.4 15 40.0 29 -0.2 2 27.5 16 0.0 30 6.0 3 29.2 17 7.4 31 8.5 4 24.8 18 15.9 32 2.7 5 17.1 19 5.6 33 2.3 6 30.1 20 4.2 34 3.6 7 5.8 21 2.0 35 -1.3 8 17.7 22 5.6 36 26.3 9 5.3 23 2.3 37 14.6 10 -33.6 24 -7.2 38 10.4 11 31.1 25 9.5 39 0.6 12 17.5 26 7.1 40 11.4 13 0.0 27 17.5 41 15.0 14 31.1 28 8.7

151

始めに表4.3-6において、ノード1の発電所に接続されているブランチ1、2とノード14 の発電所に接続されているブランチ17、20に注目する。ブランチ1、2の感度はそれぞれ 0.4749、0.2589 であるので、0.4749+0.2589=0.7378 より、ノード 1 の発電所では託送量の 73.78%を発電していることがわかる。一方、ブランチ 17、20 の感度はそれぞれ-0.1649、 0.1550であるので、潮流方向を考慮すると0.1649+0.1550=0.3199より、ノード8の発電所 では託送量の31.99%を発電していることがわかる。以上から両発電所で託送量の105.77%

を発電していることがわかる。ここで、各発電量を発電振替係数と比較すると、ノード14 の発電所は 31.6%の設定に対し 31.99%と設定値に近い出力となっているのに対し、ノー ド1の発電所は送電損失分を負担しているため、68.4%の設定に対し73.78%と設定より出 力が大きくなっていることがわかる。次にノード 29 の需要家に接続されているブランチ 37、39に注目する。ノード29に接続されているブランチ37、39の感度はそれぞれ0.7452、

-0.2812 で あ る の で 、 ノ ー ド 29 に 流 れ 込 む 合 計 は 、 潮 流 方 向 を 考 慮 す る と 0.7452+0.2812=1.0264より、全託送量の102.64%となっている。以上より、ノード4-12間 の送電線混雑を解消するためにノード 14に発電振替が実施され、ノード 1、14 の発電所 とノード29の需要家間に託送が行われていることがわかる。

次に、送電線混雑が生じていたブランチ 15(ノード 4-12 間)に注目する。潮流断面は 異なるもののノード1-29の託送経路を示している図2.6-15と比較すると、ブランチ15の 潮流は第2章のケースではノード4からノード12の方向に託送の16.31%であったのに対 し、発電振替後のケースでは逆方向のノード 12からノード 4 の方向に託送の 2.68%と相 殺するように流れており、これにより混雑解消が図られていることがわかる。

152

4.3-6 送電線混雑解消後のノード114-29間の託送における線路電力潮流感度

ブランチ 線路電力 潮流感度

ブランチ

線路電力 潮流感度

ブランチ

線路電力 潮流感度 1 0.4749 15 -0.0268 29 0.1252 2 0.2589 16 0.0000 30 0.1693 3 0.1386 17 -0.1649 31 0.2070 4 0.2539 18 0.0579 32 0.1686 5 0.1042 19 0.0802 33 0.3730 6 0.2333 20 0.1550 34 0.0001 7 0.4140 21 0.0799 35 0.3759 8 0.1031 22 0.0440 36 0.6577 9 -0.1019 23 0.0438 37 0.7452 10 0.1290 24 0.0438 38 0.2928 11 0.0541 25 -0.0448 39 -0.2812 12 0.0299 26 -0.0803 40 0.1315 13 0.0000 27 0.1265 41 0.5295 14 0.0541 28 0.0827

153

4.3-2 送電線混雑解消後のノード114-29間の託送経路特定結果

G

2 1

3

4

5

6

7 8

9 10

12 11 13

14

15

16 17

18 19

20 21

22

23 24 25

26

27

28 30 29

G G G

G

C C

154

(2) 【ケース2】ノード8-23間の託送(発電振替先:一箇所)

次にケース2の送電線混雑解消及び混雑解消後の託送経路特定を行う。ノード8-23間に 10[MW]の託送を想定した。

潮流計算により託送時の送電線潮流を計算した結果が表4.3-7である。表4.3-7における 潮流の符号は表2.6-2の対応表の左ノードから右ノードの潮流を正としている。表4.3-1及 び表 4.3-7 よりブランチ 10(ノード 6-8 間)で送電線容量 40.0[MW]に対し送電線潮流 43.0[MW]、ブランチ15(ノード4-12間)で送電線容量40.0[MW]に対し送電線潮流44.5[MW]

と二箇所で送電線混雑が発生していることがわかる。そこで、ノード1、2、5、14のいず れかの発電所に発電振替を行うことにより送電線混雑を解消する。

表 4.3-7 ノード8-23間の託送における送電線潮流(混雑解消前)

ブランチ

送電線 潮流[MW]

ブランチ

送電線 潮流[MW]

ブランチ

送電線 潮流[MW]

1 1.7 15 44.5 29 0.2 2 25.4 16 0.0 30 10.1 3 28.3 17 10.1 31 9.1 4 22.6 18 19.0 32 -3.3 5 15.9 19 4.2 33 -3.1 6 27.4 20 3.7 34 3.6 7 -1.7 21 0.6 35 -6.7 8 16.5 22 4.0 36 21.2 9 6.5 23 0.8 37 7.0 10 -43.0 24 -8.8 38 7.5 11 33.4 25 11.1 39 3.5 12 18.8 26 8.4 40 11.7 13 0.0 27 17.8 41 9.6 14 33.4 28 9.0

155

図4.2-1のアルゴリズムに従い、各発電所の過負荷解消効果指数を求めたところ表4.3-8 のようになった。

4.3-8(a) 過負荷解消効果指数(ケース2

振替発電所 ブランチ

番号

ノード1 ノード2 ノード5 ノード14 1 0.6415 -0.1900 -0.1003 0.0361 2 0.3585 0.1900 0.1003 -0.0361 3 0.1958 0.2766 0.1462 -0.0538 4 0.3518 0.1864 0.0985 -0.0352 5 0.1367 0.1629 -0.4420 0.0271 6 0.3105 0.3700 0.1953 0.0629 7 0.5041 0.4233 0.2225 0.4873 8 0.1352 0.1611 0.5627 0.0268 9 -0.1333 -0.1589 -0.5545 -0.0263 10 0.8410 0.8386 0.8483 0.8762 11 -0.0159 -0.0130 -0.0057 -0.2392 12 -0.0090 -0.0073 -0.0032 -0.1348 13 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 14 -0.0159 -0.0130 -0.0057 -0.2392 15 0.0363 0.0309 0.0174 -0.5743 16 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 17 0.0038 0.0034 0.0021 -0.6096 18 0.0159 0.0136 0.0079 -0.1303 19 0.0166 0.0140 0.0075 0.1656 20 0.0037 0.0033 0.0020 0.4069

156

4.3-8(b) 過負荷解消効果指数(ケース2

表 4.3-8より各送電線混雑の解消に必要な発電振替量を計算した結果が表 4.3-9である。

表4.3-8のブランチ15の過負荷解消効果指数に注目すると、ノード1、2、5はそれぞれ0.0363、

振替発電所 ブランチ

番号

ノード1 ノード2 ノード5 ノード14 21 0.0165 0.0139 0.0075 0.1652 22 0.0083 0.0070 0.0037 0.1396 23 0.0083 0.0070 0.0036 0.1392 24 0.0083 0.0070 0.0036 0.1395 25 -0.0085 -0.0072 -0.0037 -0.1432 26 -0.0166 -0.0140 -0.0075 -0.1664 27 0.0002 0.0005 0.0014 -0.0390 28 0.0001 0.0003 0.0009 -0.0254 29 0.0002 0.0005 0.0014 -0.0388 30 0.0110 0.0096 0.0060 0.1440 31 0.0003 0.0008 0.0023 -0.0640 32 0.0108 0.0094 0.0059 0.1425 33 0.0113 0.0104 0.0083 0.0823 34 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 35 0.0115 0.0106 0.0084 0.0841 36 -0.0117 -0.0107 -0.0086 -0.0853 37 0.0000 0.0000 0.0000 0.0001 38 0.0000 0.0000 0.0000 0.0001 39 0.0000 0.0000 0.0000 0.0000 40 -0.1381 -0.1375 -0.1386 -0.1610 41 0.1246 0.1249 0.1281 0.0734

157

0.0309、0.0174と正の値となっている。これは、表4.3-7よりブランチ15の潮流量が正で あることを考慮すると、発電振替をするにつれて当該送電線の潮流量が増えることを示し ている(発電振替により当該送電線の潮流量を減少させるためには、潮流量と過負荷解消 効果指数の符号が異なる必要がある)。従って、ノード 1、2、5 への発電振替ではブラン チ15(ノード4-12間)の送電線混雑は解消できないと言える。

そこで本ケースでは、ノード 14 へ発電振替を行い、その時の託送経路を特定する。ま た、両送電線の混雑を解消するために必要な発電振替量は表4.3-9より7.84[MW]となるこ とがわかる。この時、式(4.2-3)を全送電線で満たしていることから、発電振替による新た な送電線混雑を生じることなく、二箇所の送電線混雑を解消できる。

表 4.3-9 必要発電振替量(ケース2)

発電振替を行った潮流状況を示したものが表4.3-10である。表 4.3-10のブランチ 10 に 注目すると、発電振替前は送電線容量40.0[MW]に対し送電線潮流量が43.0[MW]と送電線 混雑が発生していたが、発電振替後は 36.2[MW]となり混雑が解消されていることがわか る。また、もう一箇所の混雑発生箇所であるブランチ 15 に注目すると、発電振替前は送 電線容量 40.0[MW]に対し送電線潮流量が 44.5[MW]であったが、発電振替後は 40.0[MW]

と混雑が解消されている。また、表 4.3-10の各送電線の潮流量と表 4.3-1 の送電線容量を 比較すると、いずれも送電容量以下となっており、他送電線にも新たな送電線混雑を生じ ていないことがわかる。

以上より、ノード8からノード14へ託送量10[MW]のうち7.84[MW]を発電振替するこ とにより、新たな送電線混雑を引き起こすことなく二箇所の送電線混雑を解消することが できた。

振替発電所 ノード1 ノード2 ノード5 ノード14 ブランチ10

発電振替量[MW] 3.59 3.60 3.56 3.45 ブランチ15

発電振替量[MW] - - - 7.84