第3章 カウンセリングプログラムの開発 第1節目的と方法
第3節 自己受容を高めるプログラムの作成 1作成にあたって
本プログラムの流れとして,次のように考えた。まず,構成的 グループエンカウンターのエクササイズや職業探索を取り入れる ことによって自己理解を深める。さらに,そこで得られた情報か ら,自分に適した職業体験の職場を考えたり,自分にふさわしい 体験日当日の目標を設定し,達成に向けて話し合うことができる
ようする。最後に職業体験をふりかえり,目標達成の度合いにつ いて評価をする。この流れに基づいてプログラムを作成した。
2プログラムの実際
プログラムの流れを,Table3−1にまとめた。
Table3−1自己受容性を高めるプログラム
#1 目標の説明と意欲の喚起
(1)来談してくれたことを歓迎する。
(2)このカウンセリングですることの基本的な考え方につい ての説明をする。
※ 職業体験について自分にあった職種を選び,より積極的に 取り組むためには自分についてよく知ることが大切であるこ と,そして,そのためにこのカウンセリングを行うのだとい うメッセージを送る。
(3)職業探索のKJ法を行う→自分と友達の興味の違いについ て知り,「自己理解」を深める。
※ 予め職業体験の職種と結び付けて考えることを意図しているこ
とを伝える。1個人作業 どんな職業に興味があるかをYES−NO
で答える。
2グループ作業 KJ法で自分の興味がどんな方向にあるの かを知る。
3 できあがったものを較べてお互いの興味について話し合 う。
4 KJ法を行って,興味のある職種やこれまで知らなかっ たけれど知りたくなった職種をあげ,それについての調べ 方を話し合う。
※ カウンセラーは,職業体験:の職種を考える上での参考となる よう配慮しながら,情報提供に努める。
(4)次回の予告 「よいところ発見メモ」を行うので,1週間
で友達のよいところを探すように指示をする。
#2 目標達成に向けて→自分のよさが認められることで,自分 のよさを伸ばそうとする意欲を育てる。
(1) 職業体験の職種選択についての確認をする。
※決まっていれば決め方について聞き,前回のKJ法を生かして いれば賞賛する。決まっていなければ前回のKJ法を生かすよう
に提案する。(3) 「よいところ発見メモ」を題材にしてグループの友達の よ
いところを指摘し合う。
※数が少ない場合には,日常生活のいろいろな場面を思い起こさせ,
この1週間に限らずに,なるべくたくさん出るように援助する。
(4)友達から受けた指摘をシェアリングし合う。(難しければ
紙に書く)#3 目標達成に向けて→自己理解のまとめをする。
(1) 「私は…です。」を思いつくままに10個挙げて項目に分 けてみる。
1 事実 2 身体について 3 興味や趣味
4 得意なこと・不得意なこと 5 行動や性格の特徴 6 将来の希望
(2)少なかった項目について友達に聞く。それに対して自分 の考えを言う。
※自分についてあまり客観的に見つめていなかったことを知り,
友達と考えることを通して「自己理解の進化」への意欲を喚起
する。短所については,なるべく受容できるように扱う。(3)職業体験に向けての目標を考える。
※事前指導などですでに立っていることも考えられるので,そ れについての見直しをするつもりで考える。
※目標がない場合には,目標を立てる→自分にあった目標を設
定する。
#4 目標の見直し及び確認
(1) 自分の目標を再確認する。
※#3までのことから考えて,目標を変更した方がいいかどうも話 し合い,必要に応じて変更する。(なるべく,具体的なものを考
える)
※職業体験についての悩みや不満が出て来たら,それを解決するこ とが目標となるようにする。
(1)目標達成に向けて,自分の興味や特徴から考えてどんな方 法を取ったらいいかを考える。またどんな行動をとると失 卜してしまうかを考える。
方策の実行
#5 目標達成についての評価
(1)職業体験の様子について報告し合う。
※よかったことについて出し合う。どうしてよかったことが起きた
のかについても題材にする。
(2) #4で確認した目標についての達成度について話し合
う。※成功については,どうして成功したのかについて題材にする。
失敗については,次に成功するためには,どういうことが必要だ
つたかをふりかえり,次回の成功を確信できるようにイメージ化
する。
第4節 locus of controlを内的統制方向に高める
ドキュメント内
中学生のためのキャリアカウンセリングに関する研究 : 職場体験事前指導としてのグループカウンセリングプログラム作成をめざして
(ページ 45-49)