1999年6月17日 1999年6月24日
第3節 効果測定の結果および考察 1
一プログラムの効果についての量的分析一
1分析の対象
分析の対象としたのは,実践を行ったC中学校2年生173 名のうち,事前・事後・フォローアップの3調査に回答した 171名である。内訳は,自己受容面接群16名(男子10名女 子6名),LOC面接群20名(男子10名・女子10名),統制 群135名(男子76名・女子59名)であった。
2自己受容性尺度の項目
事前,事後調査の結果を因子分析したところ,固有値の変 動から4因子が適当と思われた。そこで,主因子法でバリマ
ックス回転をさせ,4因子を抽出し,因子負荷量の高いもの から順に並べた。その結果,各因子ごとに負荷量が.4以上 のものを較べてみると,事前調査と事後調査の項目が一致し た。したがって,今回の分析も第2章と同じ14項目を使用
した。項目は次のTable4−2の通りである。
なお,信頼性分析の結果,α係数もそれぞれ,自己信頼:.669,
自己承認:.740,自己価値:.848,自己理解:.636で一定
の水準をほぼ満たしていた。
Table4−2 自己受容性尺度のうち分析に使った14の項目 #は反転項目
《自 己 信 頼》
.私なβ撰〆ご/房かっで:生房乙で〃》ノる。
私ん⇔写笑何,が遼ごろうどβ分なク/こやつでいグる。
,私な 厨羅〆ごぶ つかっでらそカを京破できる。
忍なβ分の才譜を∠生,かした入∠生を送…るご、と,ができる。
《自 己 承 認》
私の溶 姿ピナがた,かたちノ〆ごな 変之た〃、まころが多い。4 私な今のβ,分ノこ 不涛である。拶
私な葺,分と逮ラだカ,か例のノ丸/乙なク,た〃、。 が
忍な繧啓をまったぐ.劉の控努/こ 変えたい。≠
《自 己 価 値》
私な生まカで芙でよ,かった。
私な:生きで〃、でよ,かった(ξ、蟹ラ。
私な今のβ分をフヒ切〆ごしたい。
《自 己 理 解》
私なβ分の悪血あ初っでいる。
身分の短、所,がわ,かる。
生なβ分の待徴、がわ,か{5。
3自己受容性尺度の変化
面接の前後で自己受容性得点の変化と面接の効果をみるた めに,面接群(3:自己受主面i接群・LOC面接群・統制群)×
時期(3:事前・事後・フォローアップ)の2要因分散分析を 行った。自己受容性尺度と下位尺度の平均得点とS.D.を Table4−3に示す。
Table.4−3 自己受容の平均得点の変化
LOC面接 受容面接 統制
自己受容 事前
事後フォロー :事前 事後フォロー 事前 事後 フォロー 38.4 39.6 40.4 39.9 41.3 41.5 39.8 39.9. 40.3(3.5) (4.4) (4.8) (4.7) (5.6) (6.0) (5.5) (6.8) (6.7)
自己信頼 事前
事後フォロー 事前 事後フォロー 事前 事後 フォロー 9.5 10.3 10.8 10.1 11.2 11.2 10.0 10.5 10.7(2.0) (2.2) (2.9) (1.5) (2.0) (2。0) (2.2) (2.4) (2.6)
自己承認 :事前 事後フォロー 事前・事後フォロー 事前 事後フォロー 10.5 10.3 10.6 10.7 10.4 11.0 』10.5 10.6 10.9
(3.2) (2.5) (2.6) (2.6) (3.1) (2.7) .(2.7) (3.1) (3.0)
自己価値 事前
事後フォロー 事前 事後フォロー 事前 事後 フォロー 10.4 9.8 9.4 10.4 10.4 10.1 10.4 9.8 9.6(1.1) (1.8) (1.7) (1.4) (1.7) (1.8) (1.8) (2.3) (2.4)
自己理解 事前
事後フォロー :事前 事後フォロー 事前 事後フォロー7.9 9.2 9.6 8.8 9.3 9.2 8.2 9.0 9.1
(1.4) (1.7) (1.5) (2.0) (1.6) (1.7) (1.9) (1.8) (1.8)
()は標準偏差
その結果,受容性得点全体では,分散分析をしたところ有 意な差は得られなかった。つぎに,下位尺度ごとに検定をし たところ,次のような結果が得られた。
自己信頼では,時期の主効果が有意であった(F(1,165)=
6.23,p<.005)。下位検定の結果,事前から事後,事後からフ ォローアップと得点が有意に増加していた。
自己価値では,時期の主効果が有意であった(F(1,165)=
3.49,p<.05)。下位検定の結果,事前から事後,事後からフォ
ローアップと得点が有意に減少していた。
自己理解では,時期の主効果が有意であり,面接群と時期
の交互作用も有意傾向であった(時期:F(1,165)=6.95,p<.005,
面接×時期:F(2,330)=2.37,p〈.10)。下位検定の結果, L,OC
面接群が事前から事後,事後からフォローアップと得点が有 意に増加していた。しかし,受容面接群と統制群では有意な
変化はみられなかった(:Fig.4・1)。
10
9.5
9
8.5
8
7.5
7
事前 事後 フォロ 一◆一LOC面接
一網一受容面接
Fig.4−1自己理解の変化 +統制
以上の結果から,職業体験の効果として,自己受容のうち,
自己信頼の領域を促進する効果があったと言える。自己信頼 の得点上昇は,研究1の調査結果と同様の傾向である。自己 理解については,LOC群のみ得点の上昇がみられたことは,
面接プログラムの効果が大きく影響しているものと思われる。
また,自己価値の領域の減少も前回の結果と同様である。今 回も事前得点が同一項目数の自己理解の得点と較べて高く,
天井効果が現れたのではないだろうか。
つぎに本研究の面接プログラムの効果について考察する。
面接の効果が確かめられたのは,LOC面接群における自己 理解の領域である。LOC面接群の生徒は,体験当日の目標 達成に向けて考えていく過程でこれまで気づいていなかった 自分に対する認識を深めることができたからではないだろう
か。