ていなかった段階で自己理解をし,「自分を変えたい」と思う ようになる段階よりも一段進んだ段階と考えることもできよ
う。
また,Cタイプの中には,自分のことがよくわかっていな かったためにかえって肯定的な解答をしていた生徒たちの存 在が想定される。体験や面接が真の自己理解の契機となり,
自信を失ったのではないだろうか。この点については,第5 章の生徒へのインタビューの中でもう一度検証していきたい。
(6)Dタイプの結果と考察
Dタイプの変化は次のFig.4−7−1〜5の通り。
0.8
α3
一〇.2
LOC前 LOC後
Fig4−7−1 DタイプのLOGの変化
十しQC一欝一受容
噛一統制
O.8
0.3
一〇.2
信頼前 信頼後
Fig4−7−2 Dタイプの自己信頼の変化
一◆一LOC 一醗一受容
壷統制
0.8
0.3
一◆一LOC 噸←受容 噛一統制
0.8
0.3
一〇2
承認前 承認後
Fig4−7−3 Dタイプの自己承認の変化
α8
0.3
+LOC 曹受容
一轡一統制
Dタイプの特徴は,どの項目も平均以上であるが際立って 高い項目が見られないことである。このタイプは,面接の効 果が最もよく現れた群である。特に受容の下位尺度4項目の
うち自己信頼,自己理解については,統制群の平均得点が低 下しているのに,LOC,自己受容の両面接群の平均得点が ともに上昇している。自己承認では,自己受容面接群は上昇 しているが,LOC面接群と統制群は変わらなかった。自己 価値に関しても,自己受容面接群とLOC面接群では大きな 変化はなく,統制群では下降している。以上のことから,5 つのタイプの中では,:LOC面接,自己受容面接どちらの面 接を適用しても効果があがると考えられるグループである。
このタイプは,5項目が大きな片寄りなく,平均以上の得 点をとっている。その中では,LOC,自己信頼,自己価値の 得点が高い。これらは,前向きなものの捉え方や自分に対す る自信を示す項目である。面接で得た自分に対する情報をよ
りよい方向に向けられる力を持っていることが面接効果を挙 げる結果に結びついたのであろう。
(7)Eタイプの結果と考察
Eタイプの変化は次の:Fig.4−8・1〜5の通り。
0.2
−0。3
−0.8
−t3
−t8
LOC前 LOC後
Fig.4−8−1 EタイプのLOCの変化
+LOC
一一受容 一一統制0.2
−0.3 −O.8
−t3
−1.8
信頼前 信頼後
Fig4−8−2 Eタイプの自己信頼の変化
+LOC
一懸一受容噛一統制
0.2
−0.3
−0.8 一◆一日前C
−1.3 一麟一受容
_1.8 噛一統制 承認前 承認後
Fig.4−8−3 Eタイプの自己承認の変化
0.2
−0.3
−0.8
−t3
−1.8
理解前 理解後 dタイプの自己理解の変化
十LOC t受容
鼡ラ一統制
α2 一α3 一α8
十LOC
一著.3一懸一受容
一18一漁一統制
価値前 価値後
Fig.4−8−4Eタイプ自己価値の変化
Eタイプは,全体に得点が低いタイプである。平均値の変 化に群によって違いがみられた。LOC,自己信頼では,自 己受容面接群が統制群ともに上昇し,LOC面接群はLOC
では下降し,自己信頼でもわずかながら下降した。自己承認 と自己価値は,LOC面接群と統制群で上昇し,自己受容面 接群は変化がなかった。自己理解ではLOC面接群は上昇し
たが,自己受容面接群と統制群では大きな変化はなかった。
これらの結果の中でも「自らへ自信」を表現するLOCと自 己信頼の項目が上昇したことは,職業体験と自己受容面接の 意義を示していると考えることができる。ただし,LOC面 接群が下降していることの理由はこの結果のみからでは明ら かでない。次の章でさらに詳細な検討を加えていく。
面接の効果については,以下のように考えることができる。
LOC面接では,Aタイプと同様,自分のよい点も悪い点も 知ったことで自己理解が進み,自分に対する自信が失われた。
自己受容面接では,自分のよい点を中心に友達から指摘を受
けたので,自己理解の得点は上昇しなかったが,自信は深ま
つた。Aタイプと異なる点は,自己承認が下降しなかった点
である。
(8)自己認知タイプからみた面接効果の総合的な考察
以上の結果をまとめると次のようなことが言えよう。全体 的に得点が低いAタイプやEタイプでは,自分に対する自信 を深め,未来展望を明るいものにするためは,自己受容面接 のような肯定的な自己を友達から指摘されるような体験が有 効である。Bタイプも,LOCや自己信頼が低い,自分に自 信のないタイプであるが,AタイプやEタイプと較べると,
「生への肯定感」ともいうべき自己価値の得点が高い。その ことが自己受容面接だけでなく,LOC面接も効果的に働い た一因と思われる。事前平均がどの項目もバランスよく平均 のやや上に位置するDタイプは,LOC,受容の2つの面接 効果が最もよく現れた。このタイプにはどちらの面接も有効 であった。すべての項目で事前平均が高かったCタイプでは,
LOC面接の効果が示唆された。
以上のことから,このプログラムを実施する上での査定の ための指針として,LOC得点および自己受容尺度の下位尺 度得点によるプロフィールを用いることが考えられる。たと えば,全体に得点が低く,その中でも自己理解が低い者はA タイプ,自己承認が高く,LOC,自己信頼が低い者はBタ イプというように分類するのである。このようにして,グル ープの構成員が,どのタイプに属するかを知ることによって,
LOC,受容の各プログラムを使い分けることができるだろ
う。ただし,今回の分析は対象者数が少ないこともあり,さ
らに検討が必要である。また,この点について,次に行うグ
ループごとの効果の検討や個人へのインタビューからの検討
を加えた上でさらに詳しく言及していく。
ドキュメント内
中学生のためのキャリアカウンセリングに関する研究 : 職場体験事前指導としてのグループカウンセリングプログラム作成をめざして
(ページ 79-83)