地震による被害を最小限におさえ、その拡大を防ぐには、防災関係機関の活動のみでなく、
日頃から、市民の一人ひとりが、『自分の身は自分で守る。みんなのまちはみんなで守る。』
と認識し行動することが必要であり、市民意識の高揚と災害時の自主的・組織的な出火防止、
初期消火、避難等の防災活動が不可欠である。このため、既存の防災組織との連携を図りつつ、
市民の隣保協同の精神に基づき、地域における防災活動の中心として、市民による防災組織を 育成・指導するとともに、防災活動を有効に実施するための防災資機材の配備等を進め、地域 防災力の向上に努める。
第1 自主防災組織
実 施 主 体
市 総務部、消防本部 関 係 機 関
市 民 等 自治会、自主防災組織 1 自主防災組織の育成・指導
市(総務部)は、地域住民の自主的で、効果的な防災活動が可能となることを目的として、
自主防災組織の活性化を推進する。
<資料49 足利市自主防災組織連絡協議会規約>
<資料50 自主防災組織・幼年消防クラブ・少年消防クラブ・女性防火クラブ一覧>
自主防災組織に対して、研修会の開催、救出・救護・初期消火、避難等の実技指導など適 切な支援を行い、効果的な防災活動の推進を図る。
さらに、自主防災組織の活動の円滑化を図るため、自主防災組織ハンドブックを作成し、
育成・指導に努める。また、自主防災組織を活性化し、災害時に効果的な活動をするために、
活動に使用する資機材の配備の推進を図る。
(1)防災知識の普及
ハザードマップ等を利用して、防災に対する正しい知識の普及を図る。
(2)防災点検の実施
市民各自が身の回りの点検を実施するほか、避難路、避難場所や危険箇所など自主防災 組織として地域ぐるみの防災点検を行う。
(3)防災用資機材等の整備・点検
自主防災組織は、災害時に速やかな応急措置をとることができるよう活動に必要な資機 材をあらかじめ用意しておくように努める。また、これら資機材は日頃から取り扱い訓練 や点検を重ねるとともに、非常時に活用できる体制を整えておく。
2 自主防災組織の活動
自主防災組織の活動は、次の例示する事項を中心に行い、日頃から、地域の消防団や事業 所等の防災組織と連携を図りつつ、防災訓練等を通じて、災害対策に必要な知識・技術等の 習得に努め、自らの防災能力を高める。
(1)自主防災組織の編成基準
① 自主防災組織編成の留意事項
自主防災組織がその機能を十分に発揮できるよう、あらかじめ組織の編成を定めてお くものとする。なお、組織の編成にあたっては、次の点に留意する。
ア 自主防災組織は、地域住民相互の緊密な連携のもとに活動することを必要とされる ので、市民が連帯感をもてるような適正な規模で編成する。
イ 活動班員が特定地域に偏らないようにする。
ウ 各班の活動量を検討し、特定の班に過重とならないようにする。
② 自主防災組織の編成例
一般的に、次のような組織編成が考えられる。
ア 会長及び副会長を置き組織をとりまとめる。
イ 防災リーダー、本部付きを置き会長及び副会長を補佐する。
ウ 次の各部を編成するとともに、各部に部長及び副部長を置き、部の仕事を取りまと める。
a 情報部(情報の収集、伝達、広報活動)
b 消火部(出火防止、初期消火活動)
c 救出救護部(負傷者等の救出救護活動)
d 避難誘導部(市民の避難誘導)
e 防火対策部(給食、給水活動)
エ 各部の下に班を組織し、班長を定め組織活動を展開する。
オ 自治会の組織を活用して組織編成をする場合、次のような組織編成が挙げられる。
防 災 会 会 長 ……… 自治会長 防災会副会長 ……… 自治会副会長
防災リーダー ……… 消防団、役員経験者等 本 部 付 ……… 相談役、顧問、会計、書記等 情 報 部 長 ……… 交通防犯部長
消 火 部 長 ……… 体育部長 救出救護部長 ……… 保健衛生部長 避難誘導部長 ……… 育成部(会)長 防火対策部長 ……… 婦人部長 防 災 会 班 長 ……… 自治会隣組班長
③ 自主防災組織の規約等
自主防災組織を設置するためには、組織に参加する市民相互の合意が必要なことから、
組織の目的及び事業内容、役員の選任及び任務、会議の開催並びに防災計画の作成等に ついて規定した、規約を定めるものとする。
④ 自主防災組織の活動内容
自主防災活動の主な内容は次のとおりである。
自主防災組織の活動内容の例示
平 常 時 の 活 動 災 害 時 の 活 動
(1)防災に関する知識の普及
(2)要配慮者の把握
(3)防災訓練
(4)火気使用設備器具等の点検
(5)防災資機材等の備蓄
(6)避難場所、避難経路の確認
(7)市の災害予防活動に対する協力
(1)自治会の情報収集・伝達
(2)出火防止
(3)初期消火
(4)救出・救護
(5)避難誘導
(6)給食・給水
(2)自主防災リーダーの育成
自主防災組織の役割としては、平常時における組織の強化、防災知識の普及、防災訓練
の実施のほか、発災時における情報の収集・伝達、出火防止、初期消火、負傷者の救出・
救護、市民の避難誘導・給食・給水等があげられる。
このような重要な役割を担う自主防災組織の育成を図るため、市(総務部、消防本部)
は県と連携してより一層きめこまやかな指導・助言を行うとともに、防災リーダー研修会 を開催し、普通救命講習、資器材講習、その他リーダーを対象とした訓練等を実施する。
(3)自主防災組織の訓練等の充実
震災時においての迅速かつ的確な防災行動力を身につけるには、防災訓練を繰り返し行 うことが必要である。このため、自主防災組織にあっては、平素から初期消火訓練、応急 救護訓練、避難訓練等の各種防災訓練を活発に行い、発災時の防災活動に必要な知識、技 術を習得しておく必要がある。
また、市(総務部、消防本部)は、自主防災組織が行う各種訓練の一層の充実を図るた め、積極的に訓練の技術指導を行うものとする。
このため、日ごろから訓練を繰り返し実施し、防災活動に必要な知識及び技術を習得す る。
また、訓練内容は、個別訓練及びこれらをまとめた総合訓練とし、個別訓練としては次 のようなものがあるが、地域の特性を加味した訓練とする。
なお、地区全体の防災力が高まるように、既存の方法や組織の範囲にとらわれず、より 実践的でより多くの市民等が参加できる訓練とする。
訓 練 概 要
情報収集・伝達 訓練
防災関係機関からの情報を正確かつ迅速に地域市民に伝達し、地域におけ る被害状況等をこれら機関へ通報するための訓練
初期消火訓練 火災の拡大・延焼を防ぐため消火用具等を使用して消火に必要な技術等を 習得する訓練
救出・救護 訓練
家屋の倒壊やがけ崩れ等により下敷きとなった者の救出活動及び負傷者に 対する応急手当の方法等を習得する訓練
避難誘導訓練 避難の要領を習得し、避難場所まで迅速かつ安全に避難できるよう実施す る訓練
避難所運営訓練
避難した人の避難所生活が円滑に営まれるように、避難所の開設から運営 に関わる要領を習得する訓練(避難所HUG※、炊き出し訓練、避難所設 備設営訓練等)
※避難所HUG…H(hinanzyo避難所)、U(unei運営)、G(gameゲー ム)。静岡県が開発し、避難者の特徴が書かれたカードを、避難所に見立 てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出 来事にどう対応していくかを模擬体験するゲーム。
給食・給水訓練 被災生活における給食、給水の方法等を習得する訓練 要配慮者支援訓
練
地域における要配慮者及びその他市民の防災意識向上と、要配慮者への避 難補助、安否確認等の支援方法習得のための訓練
災害図上訓練 DIG
近 年 注 目 さ れ て い る 災 害 訓 練 手 法 の 一 つ 。 災 害 ( Disaster )、 想 像 力
(Imagination)、ゲーム(Game)の頭文字を取って名付けられた簡易な災 害図上訓練(災害対策本部の運営イメージトレーニング)。
DIG という言葉には、「防災意識を掘り返す」「地域を探求する」「災害を理 解する」といった意味も込められている。
<資料50 自主防災組織・幼年消防クラブ・少年消防クラブ・女性防火クラブ一覧>
3 自主防災組織への支援
(1)地域防災活動推進員の配置
市(総務部)は、自主防災組織の育成や自主防災体制の充実・強化に関する支援を行う ため、地域防災活動推進員の配置に努める。
(2)防災資機材の配備
自主防災組織には、ヘルメット、メガホン、ラジオ等災害応急資機材を配置整備する。
(3)自主防災組織の育成強化
① パンフレット等啓発資料の作成配布
② 講習会、研修会の実施
③ 個別訓練、総合訓練の指導
④ 情報の提供
⑤ 表彰制度
〔要配慮者対策〕
⑥ 要配慮者支援防災学習会の開催
⑦ 要配慮者参加型防災訓練の実施
⑧ 地域の要配慮者支援活動を担う人材の育成
⑨ 要配慮者の防災知識の普及啓発
第2 少年消防クラブ・女性防火クラブ等の育成
実 施 主 体
市 消防本部 関 係 機 関
市 民 等 幼年消防クラブ、少年消防クラブ、女性防火クラブ
市(消防本部)は、少年消防クラブ、女性防火クラブの育成・強化を図り、地域における自 主防災活動の活性化を進める。
1 幼年消防クラブ
市内の保育所(園)、幼稚園で組織されている幼年消防クラブに対し、年間行事を通じ、
子供の火遊びの防止、地震時の対応等について指導する。
2 少年消防クラブ
市内の中学校の生徒によって、結成されている少年消防クラブに対し、年間行事や研究発 表会を通し、防火・防災について指導する。
3 女性防火クラブ
地元自主防災組織や消防団の協力を得ながら、「我が家から火災を出さない」を合い言葉 に、家庭における防火・防災の意識の普及と消火活動の知識並びに地域の防火・防災意識の 高揚を図る。また、市民に対し防火講演会や研修会など各種イベントに積極的な参加を促し、
防火・防災の啓発活動を行う。
<資料 50 自主防災組織・幼年消防クラブ・少年消防クラブ・女性防火クラブ一覧>