• 検索結果がありません。

2.27 再販売価格基準法は、関連者から購入した製品を独立企業に再販売する価

格を出発点とする。次に、この価格(再販売価格)から、再販売者が販売費などの 営業費用を賄い、かつ、(使用した資産や引き受けたリスクを考慮して)果たした 種々の機能に照らして適切な利益を得るための適切な粗利益(再販売差益)を控除 する。当該製品の購入に関するその他のコスト(例えば関税)を調整し、この粗利 益を控除した後の残額が、当該関連者間における当初の製品販売に係る独立企業間 価格とみなされ得る。この手法は、販売活動に適用される場合に恐らく最も有用な 手法である。

2.28 関連者間取引における再販売者の再販売による利益は、同一の再販売者が

比較可能な非関連者間取引における売買において得る再販売差益を参考に算定され よう。また、比較可能な非関連者間取引において独立企業が稼得する再販売差益も、

指針となろう。再販売者が一般的な仲介事業を行っている場合には、再販売差益は 仲介手数料と関連し、通常、製品の販売価格に対する率で計算されるであろう。こ のような場合の再販売差益の算定に当たっては、その仲介業者が代理人として行動 しているのか、それとも本人として行動しているのかを考慮すべきである。

2.29 第 1 章の諸原則に従えば、再販売価格基準法の適用に当たり、次の二条件

のいずれかに該当する場合、非関連者間取引は関連者間取引と比較可能(すなわち、

比較可能な非関連者間取引)とされる。すなわち、a) 比較される取引間又はそれら の取引を行う企業間の差異(それがある場合)が、自由市場における再販売差益に 重大な影響を与えない場合、又は、b) そのような差異の重大な影響を排除するため に、相当程度正確な調整を行うことができる場合、である。再販売価格基準法によ って比較を行う場合、製品の差異を補正するための調整の数は、通常、CUP 法によ る場合よりも少なくてよい。その理由は、製品の僅かな差異は、それが価格に与え る影響ほど重大に利益率に影響を与える可能性が少ないからである。

2.30 市場経済においては、類似の機能に対する報酬は、異なる活動であっても同 じになる傾向がある。これに対して、異なる製品の価格は、それらが互いに代替品 である限りにおいてのみ、同じになる傾向がある。粗利益は、販売価格から売上原

価を控除した後の、果たした機能(使用資産や引き受けたリスクを踏まえ)に対す る報酬を意味することから、製品差異の重要性は低い。例えば、販売会社がトース ター販売とミキサー販売において同じ機能(使用資産や引き受けたリスクを踏ま え)を果たしている場合、これら二つの活動に対して、市場から類似した水準の報 酬が与えられるべきことを示している。しかし、消費者は、トースターとミキサー とが極めて近い代替品とは考えないであろうから、それらの価格が同じとなる理由 はないであろう。

2.31 再販売価格基準法においては製品の差異がより大きくとも容認されるもの

の、関連者間取引で譲渡された資産と、非関連者間取引において譲渡された資産と は、比較されなければならない。差異は大きければ大きい程、関連者間取引及び非 関連者間取引における当事者間で果たされる機能の差異に、より大きく反映される 傾向がある。再販売価格基準法を用いる場合には、製品の比較可能性についての要 求は低いが、製品の比較可能性がより高ければ、よりよい結果を生み出す。例えば、

非常に高価な又は比較的特殊な無形資産を伴う取引の場合には、製品の類似性は一 層重要であり、比較が有効性を確保するため、類似性に対し特別の注意が払われる べきである。

2.32 利益が、主として比較可能性に関する他の要因(すなわち、果たされた機

能、経済状況等)に関係し、取引製品との関係は二次的なものにすぎない場合、第 1 章で論じた他要因に、より重点を置くことが適切であろう。これは、通常、取引製 品に高価値を付すようなユニークな資産(高い価値を有する無形資産など)を使用 しない、関連者の利益を算定する場合に見られる。したがって、非関連者間取引と 関連者間取引とが、製品自体を除き他の全ての特質において比較可能な場合で、取 引された製品の差異に対して相当程度に正確な調整ができない場合には、再販売価 格基準法は、CUP 法よりも信頼できる独立企業の条件の尺度となる。この点は、以 下に述べる原価基準法についても同様である。

2.33 比較対象取引における独立企業の再販売差益が用いられる場合、関連者と

独立企業の事業の運営方法に重大な差異があれば、再販売価格基準法の信頼性に影 響を与えるかもしれない。この差異には、考慮すべきコスト水準に影響を与える差 異(例えば、当該差異には保有在庫の水準及び範囲に影響を与える経営効率におけ る差異が含まれ得る)が含まれる。それらは企業の収益性には当然影響を及ぼすで あろうが、自由市場においてその企業が取引する商品や役務の価格に必ずしも影響 を及ぼさないかもしれない。再販売価格基準法の適用に当たり、非関連者間取引が 比較可能性を有するか否かの決定のために、この種の特質の分析が必要となる。

2.34 再販売価格基準法は、果たされた機能の比較可能性(使用した資産や引き 受けたリスクを考慮して)にも依存する。関連者間取引と非関連者間取引との間及 びその取引の当事者間に差異があり、その差異が独立企業の条件を測定するために 用いられる特質に重大な影響を及ぼしている場合(この事例では実現された再販売 差益)には、再販売価格基準法の信頼性は低くなるであろう。関連者間取引及び非 関連者間取引において得られる粗利益に影響を及ぼす重大な差異(例えば、当該取 引の各当事者が果たす機能の性質における)がある場合、そのような差異の調整が 行われるべきである。いかなる個別の事例においても、これらの調整の程度及び信 頼性は、再販売価格基準法における分析の相対的な信頼性に影響を及ぼすであろう。

2.35 再販売者が製品に対し実質的な価値を付加しない場合、最も容易に適切な

再販売差益を算定することができる。これに対し、再販売の前に商品がさらに加工 又はより複雑な製品に組み込まれることにより、その個性が失われたり変更された りする場合(例えば、部品が組み合わされて完成品や半成品になっている場合)に は、独立企業間価格を得るために再販売価格基準法を用いることはより難しくなる であろう。再販売差益の算定に当たり特別の注意を要するもう一つの例としては、

関連者が保有するその製品に関連する無形資産(例えば、商標又はトレード・ネー ム)の形成又は維持のために、再販売者が実質的な貢献をしている場合がある。そ のような場合には、当初取引された製品の最終製品の価値に対する貢献を評価する ことは容易ではない。

2.36 再販売差益は、再販売者が商品購入後短期間に販売した場合に、より正確

なものが得られる。当初の購入と再販売との間の時間が経過すればするほど、比較 を行う場合には必ず他の要素(市場、為替レート、コスト等の変動) を考慮に入れ る必要が出てくるであろう。

2.37 再販売差益額は、再販売者が行う活動の水準に影響されることを考えるべ

きである。この活動の水準は広い範囲に及び、再販売者が運送業者として最小限の 役務しか行わない場合から、広告、マーケティング、販売、製品保証、在庫の管理 など関連する役務に対する全責任やリスクを含め、全てのリスクを引受ける場合ま である。関連者間取引において再販売者が重要なビジネス活動を行わず、単に商品 を第三者に引き渡すだけの場合には、その果たした機能に照らせば再販売差益は少 額なものとなろう。再販売者が商品のマーケティングに専門的知識を有し、実際に 特別のリスクを負い、あるいはその製品に関連する無形資産の形成又は維持のため に実質的な貢献をしていることが実証できる場合、再販売差益は高いものとなろう。

しかし、再販売者による活動の水準が最小限のものかかなりのものかは、関連する 証拠により裏付けされる必要があろう。これには、不当に高額と認められるマーケ ティング費用が妥当と認められる場合、例えば、販売促進費の一部又は大部分が、