第 4 章 日中不動産業主要企業間の経営財務比較
4.6 結 言
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表4.7 安全性に関連した各社の財務指標(2013年度)
財務指標 三井不動 産
三菱地 所
住友不 動産
万科企 業
保利地 産
恒大地 産
日本<中 国?
流動比率 155.6% 123.3% 111.4% 134.4% 181.8% 153.8% △ 当座比率 47.5% 29.6% 29.5% 33.7% 37.8% 55.5% △ 固定比率 262.2% 263.9% 454.9% 35.2% 15.8% 73.7% ○ 固定長期適合率 89.5% 95.5% 95.7% 24.7% 7.4% 36.7% ○ 自己資本比率 27.1% 30.4% 17.1% 22.0% 22.0% 22.9% ~ 有利子負債比率 204.0% 298.8% 421.9% 103.0% 128.8% 138.6% ○ 手元流動性比率
(月平均) 318.3% 253.5% 376.7% 982.3% 819.3% 1338.8% ? ICR 571.1% 585.4% 517.0% 380.3% ― 313.0% × 借入金比率 212.7% 308.6% 447.0% 276.0% 265.0% 286.9% △ DE レシオ 250.7% 222.0% 465.0% 132.3% 172.0% 163.0% 〇
(最終列の記号:日本企業より中国が ○:優れている、△:やや優れている、~:同程度、
▲:やや劣っている、×:劣っている)
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・営業利益率は、概ね中国企業が高い。
・流動比率は、比率の高い方が望ましいとされ、中国企業は日本企業より高い。中国企 業は当座資産と棚卸資産(販売用不動産)を大量に保有しているためである。
・中国 3 社は、固定資産が小さく、固定長期適合率は日本 3 社に比べて非常に低い。こ れは、中国企業は賃貸用固定資産をほとんど保有していないためである。
・中国企業の総資産営業利益率は高く、逆に、棚卸回転率は非常に低い。これら指標に も、中国企業が多量の棚卸資産を保有していること、および、賃貸用固定資産を余り 保有していないことが影響している。
(3) 2013 年度の財務データを用いて、安全性に関連した 10 の財務指標を算出し、日中不 動産業トップ 3 社の財務安全性について比較を行った。その結果、ビジネスモデルの違 いがあるとはいえ、少なくとも財務報告書の上では、中国企業の安全性に関して危惧す べき状況にあるとはいえないことが分かった。列島改造ブームで地価が高騰した 1973 年 当時の日本企業と比較しても、中国企業の方が概ねよい値を示しているといえる。
以上、中国の不動産企業は、過去 10 数年の間に事業が急速に拡大し、多額の債務を抱 えて財務上問題をもっていると研究当初に推測したが、それに反して、トップ 3 社の財 務状況は日本大手企業と比較して遜色のない状況にあることが示された。しかし、営業 利益に対する支払利息が大きいこと、大量の棚卸資産を有していることは危惧される。
それらが不動産不況の到来時にそれら企業の財務にどう影響するかについては、今後さ らに議論する必要がある。
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