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日中不動産トップ 3 社の効率性の比較

第 4 章 日中不動産業主要企業間の経営財務比較

4.4 日中不動産業トップ 3 社の財務分析

4.4.4 日中不動産トップ 3 社の効率性の比較

本節では、総資産営業利益率と棚卸資産回転率によって効率性を評価する。

(1) 総資産営業利益率

総資産営業利益率は営業利益を総資産で除して求める。各社の総資産営業利益率の推 移を図 4.12 に示す。図より、2001~2013 年までの 13 年間の日本企業 3 社の総資産営業 利益率は 2.5%~5.3%で推移しているのに対し、中国企業は、恒大地産を除いて、3.8%~

9.3%と日本企業より高い。恒大地産は、2005 年に不動産業へと事業転換を図り、2009 年 に株式上場を行って得た資金を住宅開発事業に投資した。それによって総資産営業利益 率が大きく変動したと推察される。

77

(各社の決算書より筆者ら作成)

図 4.12 日中不動産業トップ 3 社の総資産営業利益率 (2) 棚卸資産回転率

棚卸資産回転率は、売上高を棚卸資産で除して求められる。棚卸資産回転率の推移を図 4.13 に示す。図 4.13 より、中国企業は、売上高に比べて多額の棚卸資産を有しており、

棚卸資産回転率は、日本企業に比べてかなり低い。ここからも、売上高に比べて大量の販 売用不動産を保有している様子が見て取れる。

中国企業 3 社の主な事業が住宅の開発・分譲であり、開発中のものを含め、土地と住宅 の在庫が大きいことを意味する。この章で取り上げた日本企業 3 社は、分譲事業の比率が 中国企業と比べて小さく、棚卸資産は小さい。中国企業は、棚卸資産が大きいため、経済 不況によって住宅価格の値下がりが発生すると、資金繰りを含め、財務上の問題を発生さ せる可能性が高いといえる。

表 4.5 は、2013 年度決算でみた各社の流動資産と棚卸資産を示したもので、この表には 2013 年度の日中不動産業トップ 3 社の流動資産に占める棚卸資産の比率も示してある。表 より、三菱地所を除いて日中間で流動資産に占める棚卸資産の割合に大きな違いは見られ ない。三菱地所は、分譲事業の比率が少なく、棚卸資産の保有が少ないためと考えられる。

また、中国企業は、当座資産も棚卸資産も大きいといえる。

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16

2 0 0 1 2 0 0 2 2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 2 0 1 2 2 0 1 3

住友不動産 三菱地所 三井不動産

恒大地産 保利地産 万科企業

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(各社の決算書より筆者ら作成、単位:億円)

図 4.13 日中不動産企業の売上高と棚卸回転率(2013 年)

表 4.5 2013 年における日中不動産トップ 3 社の流動資産と棚卸資産 日本トップ 3 社 棚卸資産 流動資産 比率(%)

三井不動産 915,222 1,317,170 69.48 三菱地所 402,655 946,522 42.54 住友不動産 715,778 924,451 77.43

中国トップ 3 社 存貨 流動資産 比率

万科企業 5,298,128 7,514,799 70.5 保利地産 3,838,512 5,151,136 74.52 恒大地産 2,957,296 4,919,426 60.12

注:中国財務諸表での棚卸は存貨。これには、販売用不動産、仕掛販売用不動産、開 発用不動産が含まれる。表の比率は「棚卸資産÷流動資産」。資産の単位は百万円。

(各社の決算書より筆者ら作成)

1.66

1.49

1.15

0.41 0.38

0.51

0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

三井不動産 三菱地所 住友不動産 万科企業 保利地産 恒大地産

売上高 在庫 在庫回転率

(億円)

79

(筆者ら作成)

図 4.14 日中不動産企業トップ 3 社の収益性と安全性に関する総合比較 4.5 2013 年度データを使った日中不動産業トップ企業の総合比較