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1.算数文章題:5年事前テスト、5年事後テスト、6年テスト

(1)立式正答者・実行過程正答者

対象児

25

名における

5

年事前テスト、

5

年事後テスト、

6

年テストの立式正 答者および実行過程正答者(算数文章題の「答」の正答者)の人数と正答者率 を表

8-3

に、正答者率を図

8-2

に示した。

5年生時の指導直後におこなった事後テストの立式および実行正答者は、事 前テストより

3

名増えて正答者率が

12%上昇し、指導直後の効果が確認でき

た。しかし、5 年生時よりも

6

年テストでの立式・実行正答者は減少し、6年 生時で解決困難となる者が出現した。

同問題を典型発達児(正期産)の5年生(

28

名)に実施した結果(研究3)

では、立式正答者は

89%、実行過程正答者は 86%であった。この典型発達児

5年生正答者率に

5

年事後テストの正答者は近づいたものの、6 年テストの正 答者率は減少する結果となった。

103

表 8-3 5年事前テスト、5年事後テスト、6 年テストでの

立式正答者・実行過程正答者の人数および正答者率(%)

図 8-2 5年事前テスト、5 年事後テスト、6 年テストでの

立式正答者率および実行過程正答者率

0 20 40 60 80 100

5年事前テスト 5年事後テスト 6年テスト

立式正答者 実行過程正答者

学年・条件 立式正答 実行過程正答

5

年 事前テスト

18

名(

72%

16

名(

64%

5

年 事後テスト

21

名(

84

%)

19

名(

76

%)

6

年 テスト

15

名(

60

%)

14

名(

56

%)

104

(2)予測過程における正答者

対象児

25

名における

5

年事前テスト、

5

年事後テスト、

6

年テストの予測過 程での3肢選択正答者数(正答者率)、および選択理由を適切に回答した者の人 数(回答者率)を表

8-4

に、正答者率と適切な選択理由回答者率を図

8-3

に示 した。

実行過程における答の結果(算数文章題の答)と予測過程の

3

肢選択が一致 した者は、5年生時の事前テストと比べ、指導直後の5年生時の事後テストで

20%増加した。事後テストでは、選択理由を適切に回答した者(例:

「この問題

は引き算である(という説明)」「この問題は、(既に)やったことがあるから、・・」

など)が

24%出現した。指導前は、選択理由が不十分(例「なんとなく」「算

数得意」など)や無回答であったが、指導後は、経験した解決遂行と比較して 理由を述べる者や解き方を説明する者が出現した。

だが、

6

年テストになると、5年生時の事前テストとほぼ変わらない正答者 率となり、指導直後の

5

年事後テストより3肢選択正答者は減少した。

実行誤答者のみをみると、この問題は「できない」あるいは「(できるかどう か)分からない」を選択した者は、5 年事前テストで

9

名中

1

名、5 年事後テ ストで

6

名中

1

名、6 年テストで

11

名中

3

名、と少なかった。誤答者の多く が、この問題が「できる」を選択し、自己遂行(誤り)に対する予測はなかっ た。

105

8-4 5年事前テスト、5年事後テスト、6年テストでの予測過程における

3肢選択正答者数、適切な選択理由回答者数および正答・回答者率(%)

学年・条件 3肢選択正答 適切な選択理由を回答

5

年 事前テスト

9

名(36%)

0

名(0%)

5

年 事後テスト

14

名(56%)

6

名(24%)

6

年 テスト

10

名(40%)

2

名(8%)

8-3 5年事前テスト、5年事後テスト、6年テストでの予測過程における

3肢選択正答者率、適切な選択理由回答者率 0

20 40 60 80 100

5年事前テスト 5年事後テスト 6年テスト

3肢選択正答者 適切な選択理由回答者

106

(3)問題理解過程における正答者

対象児

25

名における

5

年事前テスト、

5

年事後テスト、

6

年テストの問題理 解過程の立式情報(この問題で、分かっていることは何か)正答者数(率)、お よび求答事項(この問題は、答に何を求めているのか)正答者数(率)を表

8-5

に、正答者率を図

8-4

に示した。

求答事項については、

5

年事前テストで、全員、正答していた。求答事項の 抽出は問題文の文末にあり、疑問文という手がかりがあるため容易である。こ れに対し、立式情報は問題文全体から適切箇所に注目し、抽出することが要求 されることから難しい。そのため、正答率が低くなったと考えられた。立式情 報正答者は、

5

年事前テストと比べ、指導直後におこなった事後テストでは正 答者が

5

名(20%)増えたが、6 年テストでは

5

年事後テストのような増加が みられず、

5

年事前テストより

3

名(

12

%)の増加にとどまった。

5

年事後テストでは、指導でおこなったように、情報の必要箇所に下線を引 く行動が

4

名にみられた。指導直後であれば、注意の弱さを補うために援助方 略を使用したと考えられた。だが、

6

年テストでは、問題文に下線を引く者は いなかった。

5年生時では、問題文の読みに困難を示していた者(部分的な読み間違い、

途中で音読できなくなる)が

3

名おり、指導者が問題文を読む援助をおこなっ ていたが、

6

年テストでは、誤りなく問題文を読むことができていた。しかし、

この

3

名は、6年生時にも立式情報抽出に正答できなかった。

107

8-5 5年事前テスト、5年事後テスト、6年テストでの問題理解過程における

立式情報と求答事項の正答者数および正答者率(%)

学年・条件 立式情報 求答事項 両正答

5

年 事前テスト

11

名(

44

%)

25

名(

100

%)

11

名(

44

%)

5

年 事後テスト

16

名(

64

%)

25

名(

100

%)

16

名(

64

%)

6

年 テスト

14

名(

56

%)

25

名(

100

%)

14

名(

56

%)

注)「両正答」は、立式情報・求答事項とも正答者。

8-4 5年事前テスト、5年事後テスト、6年テストでの問題理解過程における

立式情報正答者率と求答事項正答者率 0

20 40 60 80 100

5年事前テスト 5年事後テスト 6年テスト

立式情報 求答事項

108

(4)プラン立案過程における正答者

対象児

25

名における

5

年事前テスト・5年事後テスト・6 年テストのプラン 立案過程の立式正答者数(正答者率)、および立式正答者の立式説明のうち、問 題文の数値の大小関係にもとづく説明(大小関係:例「足すと数が大きくなり すぎる」「小さい数から大きい数が引けない」など)を述べた者、問題文にある 情報の関係性を統合的に把握して立式したことを言及する者(情報関係:例「最 初○○あって、今は○○になった。だから、今ある数から元ある数を引けば、

答が出せる」など)を述べた者、の人数と回答者率を表

8-6

に、立式正答者率 と大小関係・情報関係の回答者率を図

8-5

に、示した。

5年生時の指導直後におこなった事後テストでは、事前テストよりも立式正 答者が

3

名(12%)増加した。この

5

年事後テストでは、7 名に図示での改善 がみられ、そのうち

3

名が事後テストで立式正答に至った。しかし、

6

年テス トでは、立式正答者が減少した。6年生時には、それまでみられなかった除算

(3名)、乗算(2名)の立式がみられ、6年生時の混乱がうかがえた。

5年生時の事前テストで正答したにもかかわらず、

6

年テストに誤答した者 は

5

名で、うち

2

名は上述した除算で立式した者、1名は減数と被減数を逆に 立式した誤り、他の

2

名は加算で立式した誤り、を示すようになった。

6

年生時になって立式正答した者は

2

名いたが、

1

名は加算で立式して計算 途中で誤答に気づいて修正した者、1 名は数値のみ問題文から抽出して減算を パターン的に選択したことが立式説明にみられ、問題文にある数値やキーワー ドに依存した解決であったことがうかがえた。

5

年事前テストおよび

6

年テストとも立式正答できなかった者は

5

名であっ た。この

5

名は、順思考問題には正答していたが、小学校3年生時から算数文 章題に正答できず、高学年に至るいずれの学年でも、文章題解決に正答がみら れなかった者である。

立式説明をみると、

5

年事後テストでは、数値の大小関係にもとづいて立式 をおこなったという(大小関係)説明をした者が

2

名(8%)減り、情報の関係 性の統合的把握(情報関係)を説明した者が

2

名(8%)増加した。6年テスト になると、情報関係を説明した者は

9

名(36%)になった。この情報の関係性 を述べた

9

名には、前述の

5

年事後テストで情報関係の関係性にもとづく説明

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