112
113
表8-8 算数文章題指導をおこなった4つの解決過程において、援助なく解答可能 であった者、注意促しや選択肢提示の援助を必要とした者、直接教示が 必要であった者の人数・該当者率(%)
援助水準 問題理解 プラン立案 実行 評価 援助なし
(自発的に解答)
7
名(28%)
0
名(0%)
21
名(84%)
2
名(8%)
注意喚起・促し 選択肢を提示
14
名(
56
%)16
名(
64
%)4
名(
16
%)23
名(
92
%)直接教示
(直接、解答を教える)
4
名(16%)
9
名(36%)
0
名(0%)
0
名(0%)
図8-7算数文章題指導をおこなった 4つの解決過程において、援助なく解答可能 であった者、注意促しや選択肢提示の援助を必要とした者、直接教示が 必要であった者の該当者率(%)
0 20 40 60 80 100
問題理解 プラン立案 実行 評価
援助なし 注意促し・選択肢提示 直接教示
%
114
3.(A)、(B)、(C)タイプの 5年生時の指導前と指導後および6年時の解決
正期産低出生体重児との比較(研究4)から分かれた(
A)、
(B)、(C)タイ プ別に、5
年生時事前テスト、5年生時事後テスト、6年生時テストにおける問 題理解過程の立式情報正答者数および正答者率、プラン立案過程の立式正答者 と情報の関係性を把握した立式説明者の数および出現者率、評価過程の正しい 評価の選択者数および選択者率を表8-9
に示した。(1)A タイプ(6名)
3年生時から文章題正答した
A
タイプは、高学年まで安定した解決であり、情報の関係性を把握した立式をおこなっていたことが示された。5 年事前・事 後テストに立式情報無回答者が
1
名いた。この1
名は「この問題は、やったこ とあるから簡単」と言い解答し始め、即時に問題タイプを特定できていた。問 題文の細部に注意を向けなくても解けると判断し、解決に向かったと考えられ た。(2)B タイプ(14名)
5年時の援助(指導)で問題文に下線を引くといった情報抽出への手がかり が有効であったのは、
B
タイプに顕著で、立式情報を抽出が可能であった者は、5
年事前テスト5
名(36%)から、5年事後テストでは倍の10
名(71%)へ増 加した。しかし、この5
年事後テストでは、情報の関係性を把握した立式をお こなった者は2
名で、ほとんどの者が、数値の大小関係を手がかりにした立式 にとどまったと考えられた。立式における数直線図提示の援助でも、自発的な 図の利用がなかったため、全体と部分にあたる数値を数直線上に視覚提示(選 択肢提示)する必要があった。こうした全体にあたる大きい数値、部分にあた る小さい数値の視覚的手がかりで2
数値の関係を捉えるのみで、全体と部分の 可逆的関係(岡本,2015)を理解する様子はみられなかった。6年テストでも 情報の関係性を捉えた立式説明者は1
名増加したのみであり、評価過程で正し い評価ができた者も5
年事後テストより少なかった。115
(3)C タイプ(5名)
5
年事前テストと事後テストで立式情報を回答した者が1
名いたが、異なる 対象児であり、2 名とも6
年テストでは立式情報の抽出はできなかった。問題 理解過程での情報抽出は不安定であり、下線を引くといった注意維持の援助効 果は顕著に認められなかった。5
年事後テストで立式正答者が2
名出現したが、「今やった(指導)のと同じ 引き算(を使用した)」という言及から、直後に解いた問題で使用した減算を単 に用いたことが示唆された。Cタイプの5
名は共通して、指導時に数直線図を 提示しても問題文の数値を捉えられず、さらに、数直線図に問題文の2
数値に 該当する箇所を提示する援助を付加しても理解できなかった。そのため、該当 箇所を一つずつ指し示す必要があり、数直線図よりも具体的な手がかりが必要 となると考えられた。C タイプは、6 年テストで文章題に正答できる者はいな かった。116
表8-9 各タイプにおける問題理解過程の立式情報正答者数(率)、プラン立案過程の 立式正答者・情報の関係性を把握した立式説明者数(率)、評価過程の正しい 評価選択者(率)
(1)Aタイプ(6 名)
A
問題理解立式情報抽出
プラン立案
立式正答 情報の関係性把握
評価
5年 事前テスト 5名(83%) 6名(100%) 6名(100%) 5名(83%)
事後テスト 5名(83%) 6名(100%) 6名(100%) 6名(100%)
6年テスト 6名(100%) 6名(100%) 6名(100%) 6名(100%)
(2)Bタイプ(14名)
B
問題理解立式情報抽出
プラン立案
立式正答 情報の関係性把握
評価
5年 事前テスト 5名(36%) 12名(86%) 0名(0%) 3名(21%)
事後テスト 10名(71%) 13名(93%) 2名(14%) 10名(71%)
6年テスト 8名(57%) 9名(64%) 3名(21%) 6名(43%)
(3)Cタイプ(5 名)
C
問題理解立式情報抽出
プラン立案
立式正答 情報の関係性把握
評価
5年 事前テスト 1名(20%) 0名(0%) 0名(0%) 1名(20%)
事後テスト 1名(20%) 2名(40%) 0名(0%) 1名(20%)
6年テスト 0名(0%) 0名(0%) 0名(0%) 1名(20%)