第 8 章 日本
参考表 11 米国の電気料金回帰分析結果
3.8. ニューヨーク州 3.8.1. 家庭用電気料金
家庭用電気料金が、平均燃料費、電気事業設備の過剰度合いを見る変数としての設備率、資金調達に影響 する金利、操業費等へ影響を与える物価水準の変化を見る変数としてのGDPデフレーターというパラメー タに対して、どういう影響を受けるかという検証を行った。分析の対象とする電気料金は税抜きの料金を対 象とした。
推計のための関数としては、以下の式1という形式を想定して回帰分析を行った。また、卸電力市場のス ポット価格を平均燃料費の代わりに卸価格を変数として式2の形式で回帰分析を行った。また、式1に金利 のパラメータを追加した式3、式2に金利のパラメータを追加した式4の形式で回帰分析を行った。
家庭用電気料金=a+b1平均燃料費+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・・・(式1)
家庭用電気料金=a+b1スポット価格+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・(式2)
家庭用電気料金=a+b1平均燃料費+b2設備率+b3金利+b4GDPデフレーター・・・・・・・・・・・(式3)
家庭用電気料金=a+b1スポット価格+b2設備率+b3金利+b4GDPデフレーター・・・・・・・・・・(式4)
但し、回帰分析の結果、符合が逆になるケースや相関が低いケースもあることから、設備率及びGDPデ フレーターを除いた形でもそれぞれについて回帰分析を行った。回帰分析の結果は参考表12・参考表13に 整理した。
式1の回帰式では、平均燃料費の係数が0.07~2.45と平均燃料費と家庭用電気料金の関係はパラメータの 選択により変動している。一方で式2の回帰式では、卸価格の係数が0.07~0.47となり非常に低い感応度と なった。式3の回帰式では、平均燃料費の係数が-0.17~2.22 と平均燃料費と家庭用電気料金の関係はパラ メータの選択により変動している。式4の回帰式では、卸価格の係数が0.004~0.59となり非常に低い感応 度となった。参考図32が式1のケース、参考図33が式2のケース、参考図34が式3のケースそして参考 図35が式4のケースで前年からの電気料金変化額に対して、各パラメータの影響度をグラフ化したもので あるが、電気料金の変化に対して平均燃料費及び卸価格の関係性は低いと考えられる。
参考図 34 ニューヨーク州の家庭用電気料金変化に対する各要素の影響度(式 3 )
-2.00 -1.50 -1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00
1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
平均燃料費 設備率
金利 GDPデフレーター
その他 電気料金
セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
参考図 35 ニューヨーク州の家庭用電気料金変化に対する各要素の影響度(式 4 )
-1.50 -1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
卸価格 設備率
金利 GDPデフレーター
その他 電気料金
セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
3.8.2. 産業用電気料金
産業用電気料金が、平均燃料費又は卸価格、電気事業設備の過剰度合いを見る変数としての設備率、資金 調達に影響する金利、操業費等へ影響を与える物価水準の変化を見る変数としてのGDPデフレーターとい うパラメータに対して、どういう影響を受けるかという検証を行った。分析の対象とする電気料金は税抜き の料金を対象とした。
推計のための関数としては、以下の式1という形式を想定して回帰分析を行った。また、卸電力市場のス
ポット価格を平均燃料費の代わりに卸価格を変数として式2の形式で回帰分析を行った。また、式1に金利 のパラメータを追加した式3、式2に金利のパラメータを追加した式4の形式で回帰分析を行った。
産業用電気料金=a+b1平均燃料費+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・・・(式1)
産業用電気料金=a+b1卸価格+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2)
産業用電気料金=a+b1平均燃料費+b2設備率+b3金利+b4GDPデフレーター・・・・・・・・・・・(式3)
産業用電気料金=a+b1卸価格+b2設備率+b3金利+b4GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・(式4)
但し、回帰分析の結果、符合が逆になるケースや相関が低いケースもあることから、設備率及びGDPデ フレーターを除いた形でも式1・式2について回帰分析を行った。回帰分析の結果は参考表12・参考表13 に整理した。
式1の回帰式では、平均燃料費の係数が1.05~2.40と1を概ね上回る結果となった。式2の回帰式では 卸価格の係数が0.64~0.77と1を下回る結果となった。式3の回帰式では、平均燃料費の係数が1.30~2.40 と1を概ね上回る結果となった。式4の回帰式では卸価格の係数が0.64~0.77と1を下回る結果となった。
参考図36が式1のケース、参考図37が式2のケース、参考図38が式3のケースそして参考図39が式4 のケースで前年からの電気料金変化額に対して、各パラメータの影響度をグラフ化したものであるが、電気 料金の変化に対して平均燃料費及び卸価格の関係性はパラメータの選択により大きく異なることが分かる。
これはニューヨーク市については電気料金の上昇が送配電費用の増加に起因することが分かっているが、今 回の回帰分析で採用したパラメータ以外の要因が電気料金の変動に影響している可能性があることを示すも のではないかと考えられる。
参考図 36 ニューヨーク州の産業電気料金変化に対する各要素の影響度(式 1 )
-2.50 -2.00 -1.50 -1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50
1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
平均燃料費 設備率 GDPデフレーター その他 電気料金
セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
参考図 37 ニューヨーク州の産業用電気料金変化に対する各要素の影響度(式 2 )
-5.00 -4.00 -3.00 -2.00 -1.00 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 スポット価格 設備率 GDPデフレーター その他 電気料金 セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
参考図 38 ニューヨーク州の産業用電気料金変化に対する各要素の影響度(式 3 )
-2.50 -2.00 -1.50 -1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50
1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 平均燃料費 設備率 金利 GDPデフレーター その他 電気料金 セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
-2.00 -1.50 -1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 平均燃料費 設備率 金利 GDPデフレーター その他 電気料金 セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計