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第 4 章 イタリア

位であるため、100万BTU=0.02520toe(石油換算トン)として単位換算を行った。30

燃料消費量については、IEAの”Energy Balances of OECD Countries”の電気事業者の燃料消費量のデー タを用いた(toe:石油換算トン単位)。これに前述の燃料価格を乗じたものを、電気事業者の燃料購入費と 見なして分析を行った。

イタリアの卸電力価格については、エネルギー市場運営者であるGMEのウェブサイトで入手することが できる。31

1.2.2. 需給バランス

イタリアにおける電力需給バランスのデータはENTSO-Eがオンラインで”Country Package”として、発 電電力量及び電力消費量、国際電力取引量に関連するデータを公表している。また同様に”Net generating

capacities and inventory”として発電設備容量に関するデータを公表している。32 これらデータは年次別又

は至近5年データのみ整理したものであるため、個別データは”Statistical Database”33で時系列により入手 可能である。なお発電設備容量、時間別電力消費量(ロードカーブ)、送電線距離等については、”

Miscellaneous Data”34を参照のこと。

イタリア統計局は再生可能エネルギー発電の発電電力量や都市別電力消費量の統計を公表しているが、電 気事業全体の統計は公表されていない模様である。スペインの送電会社Ternaは各種需給バランスに関する 統計を” Statistical Data”35で公表している。なお同レポートは1997年からのものを入手することができる。

以上を踏まえ、今回、電力需給バランス等の分析はENTSO-Eの統計に基づいて行った。

2.電力需給の状況 2.1. 電源構成

2011年のイタリアの発電設備容量は1億1,843万kWで、原子力発電が0.0%、石炭火力発電が5.4%、

ガス火力発電が 29.7%、石油火力発電他が 29.5%36、水力発電が18.2%、風力発電が5.9%、太陽光発電が

10.8%、その他再エネ発電が0.6%となっている。同年の発電電力量は2,809億kWhで、原子力発電が0.0%、

石炭火力発電が16.8%、ガス火力発電が43.4%、石油火力発電他が15.0%、水力発電が16.5%、風力発電が

3.3%、太陽光発電が3.2%、その他再エネ発電が1.8%となっている。

イタリアで電力自由化が開始された1999年と至近の2011年を比較すると、発電設備容量は4,467万kW 増加しているが、火力発電が2,379万kW、再生可能エネルギー発電が1,960万kWの増加となっている。

火力発電は2003年イタリア大停電以降、大きく増加しているが、その多くがガス火力であると考えられる。

またイタリアでは2011年で電力消費量の13.8%を輸入に依存しているのが特徴である。

30 実際にはエクセルで計算しているため、小数点以下第5位で四捨五入した値を表記した。

31 http://www.mercatoelettrico.org/en/

32 https://www.entsoe.eu/data/data-portal/country-packages/

33 https://www.entsoe.eu/data/data-portal/

34 https://www.entsoe.eu/data/data-portal/miscellaneous/

35 http://www.terna.it/default/home_en/electric_system/statistical_data.aspx

36 石油火力発電他には、石油火力発電、混合燃料発電及び不明(発電種不特定)が含まれる。

4-2 イタリアの電源構成( 2011 年)

水力 18.2%

原子力 太陽光 0.0%

10.8%

その他再エ 0.6%

ガス 29.7%

石油他 29.5%

石炭 風力 5.4%

5.9%

石油他 15.0%

水力 16.5%

太陽光 3.2%

原子力 0.0%

ガス 43.4%

石炭 16.8%

風力 3.3%

その他再エ 1.8%

発電設備容量 発電電力量

1億1,843万kW 2,809億kWh

(出所)ENTSO-E

4-3 イタリアにおける発電設備容量・最大電力の推移

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

水力 原子力 火力 再エネ

風力 太陽光 その他再エネ その他

最大電力 設備率(全電源) 設備率(再エネ除き)

億kW 電力自由化開始 イタリア大停電 イタリア電力市場(GME)開始 設備率

EUETS開始

(注1)設備率=発電設備容量÷最大電力

(注2)RPS制度を2002年に開始し、2005年から小規模再生可能エネルギー発電設備でFIT制度を開始

(出所)ENTSO-E

4-4 イタリアにおける発電電力量・電力消費量の推移

-500 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

水力 原子力 火力 その他 風力 再エネ他

揚水 純輸入 合計 電力消費

億kWh 電力自由化開始 イタリア大停電 イタリア電力市場(GME)開始 EUETS開始

(注)RPS制度を2002年に開始し、2005年から小規模再生可能エネルギー発電設備でFIT制度を開始

(出所)ENTSO-E

2.2. 稼働率と発電効率

電源種別で見た稼働率を示したものが図4-5である。イタリア大停電以降、火力発電設備容量が増加して いるが、電力輸入もあり、火力発電の稼働率は低下傾向にある。全体も同様に2003年のイタリア電力危機 以降の設備率の上昇を受けて低下傾向にある。また電源種別発電効率を見るとガス火力発電の効率が火力発 電設備の増加傾向に転じた2003年頃より上昇傾向にある。これは新規火力発電の増加による効率性の向上 が寄与しているものと考えられる。

図 4-5 イタリアにおける電源種別稼働率の推移

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 水力 原子力 火力 平均 電力自由化開始 イタリア大停電 イタリア電力市場(GME)開始

EUETS開始

(注)稼働率(%)=発電電力量÷(発電設備容量×8,760時間)×100として算定した。

(出所)ENTSO-E

4-6 イタリアにおける発電効率の推移

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 石炭

石油 ガス

電力自由化開始 イタリア大停電 イタリア電力市場(GME)開始 EUETS開始

(注)発電効率(%)=発電電力量(kWh)×860kcal/kWh÷燃料消費量(kcal)×100として算定した。

(出所)IEA、 “Energy Balances of OECD Countries”

3.電気料金の動向 3.1. 電気料金

イタリアの電気料金の推移は図4-7のとおりである。電力自由化が開始された1999年以降、家庭用電気 料金は横這いであったが2000年代後半から上昇に転じ、ここ数年は低下している。産業用電気料金は家庭 用電気料金との格差が縮小傾向になり、2000年代半ば頃からほぼ同水準で推移している。イタリアの電力供 給費用の内訳については図4-8に示すとおり2004年以降のデータしかないが、2007年まではほぼ全ての項 目で費用が増加した後、減少に転じるようになっている。

図 4-7 イタリアにおける電気料金とスポット価格の推移

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

家庭用料金 産業用料金 卸スポット価格 ガス火力燃料費 セント/kWh

電力自由化開始 イタリア大停電

イタリア電力市場(GME)開始 EUETS開始

全面自由化

(出所)IEA、”Energy Prices & Taxes”及びGME”

4-8 イタリアにおける家庭用電気料金内訳とスポット価格の推移

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

2004.1 2005.1 2006.1 2007.1 2008.1 2009.1 2010.1

一般システム費用 ネットワーク費用 販売費 調達費用 卸スポット価格 セント/kWh

(注1) 保護需要家料金(3kW・年間電力消費量2,700kWhとして算定)

(注2) 販売費は2010年第二四半期から調達費用から分けて計上するようになった。

(出所)Autorità per lEnergia Elettrica e il Gasアニュアルレポート

3.2. 電気料金に占める燃料費の推計

イタリアの電気事業者が購入する燃料価格は図4-9のとおりである。同データを用いてイタリアにおける 電気事業者の平均燃料費を推計したものが図4-10のとおりである。これを図4-7の電気料金から差し引いた ものが図4-11である。2008年以降の電気料金低下が燃料費の減少によるものであったことが分かる。なお 全体的なイタリアの電気料金の上昇傾向は燃料費では説明困難であるが、イタリアでは2003年イタリア大 停電以降、発電設備の増強や国外との連系強化等の設備増強に取り組んでいたこともあり、全体的な供給費 用の増加に繋がったと推測することができる。そして図4-8で示した卸供給費用を含んで、家庭用・産業用 の電気料金の内訳を示したものが、図4-12及び図4-13である。

4-9 イタリアにおける燃料価格の推移

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 石炭

石油 ガス ユーロ/toe

(注)IEAデータのガス輸入価格にはイタリアの値が計上されていないため、EU加盟国平均値を用いた。

(出所)IEA,Energy Prices & Taxes

図 4-10 イタリアにおける平均燃料費推計値の推移

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 ガス

石油 石炭 セント/kWh

(出所)IEA,“Energy Prices & Taxes”の輸入価格に同”Energy Balances of OECD Countires”に基づく電気事業者燃料消費 量をエネルギー源別に乗じて電力消費量で割ったもの。

4-11 イタリアにおける電気料金-平均燃料費の推移

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 家庭

産業

セント/kWh 電力自由化開始 イタリア大停電 イタリア電力市場(GME)開始 EUETS開始

(出所)日本エネルギー経済研究所推計

4-12 イタリアにおける家庭用電気料金の内訳の変化

-2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 10/98

平均燃料費 卸費用(燃料費除く) その他電気料金

電力自由化開始 セント/kWh

EUETS開始

全面自由化開始 イタリア電力市場(GME)開始

イタリア大停電

(出所)日本エネルギー経済研究所推計

図 4-13 イタリアにおける産業用電気料金の内訳の変化

-2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 10/08

平均燃料費 卸費用(燃料費除く) その他電気料金

電力自由化開始 セント/kWh

EUETS開始

全面自由化開始 イタリア電力市場(GME)開始

イタリア大停電

(出所)日本エネルギー経済研究所推計

4-14 イタリアの GDP デフレーター・金利の推移

85.9

104.1 109.4

0 20 40 60 80 100 120

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

GDPデフレーター 金利

2005年=100

(出所)世界銀行

4-2 イタリアの電気料金(税抜き)

家庭 産業 1995 10.82 6.41 1996 10.58 6.67 1997 10.29 6.82 1998 10.14 6.68 1999 10.25 6.53 2000 11.34 8.18 2001 12.00 10.00 2002 11.00 9.00 2003 12.00 10.00 2004 11.00 10.00 2005 12.00 11.00 2006 13.36 13.00 2007 13.40 13.20 2008 15.52 15.70 2009 15.40 15.63 2010 14.70 15.04

10/99 4.45 8.51

(出所)IEA”Energy Prices & Taxes”

第 5 章 ノルウェー

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