第 8 章 日本
参考表 7 イタリアの電気料金回帰分析結果
3.5. ノルウェー 3.5.1. 家庭用電気料金
家庭用電気料金が、卸価格、電気事業設備の過剰度合いを見る変数としての設備率、操業費等へ影響を与 える物価水準の変化を見る変数としてのGDPデフレーターというパラメータに対して、どういう影響を受 けるかという検証を行った(ノルウェーでは燃料消費量のデータが十分に得られなかったので、平均燃料費 の推計を行なっていない)。ノルウェーでは資金調達に影響する変数である金利については世界銀行のデータ ベースを用いたが対象期間のデータを得られなかったため、パラメータから除外している。分析の対象とす る電気料金は税抜きの料金を対象とした。
推計のための関数としては、以下の式1という形式を想定して回帰分析を行った。
家庭用電気料金=a+b1卸価格+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・・・・(式1)
但し、回帰分析の結果、符合が逆になるケースや相関が低いケースもあることから、設備率及びGDPデ フレーターを除いた形でも式1・式2について回帰分析を行った。回帰分析の結果は参考表8に整理した。
式1の回帰式では、卸価格の係数が1.35~-1.46と卸価格の変化に対する家庭用電気料金の感応度は著し く高い。参考図17が式1のケースで前年からの電気料金変化額に対して、各パラメータの影響度をグラフ 化したものであるが、電気料金の変化に対して平均燃料費及び卸価格の関係性が非常に高いことがわかる。
参考図 17 ノルウェーの家庭用電気料金変化に対する各要素の影響度(式 1 )
-25.0 -20.0 -15.0 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
卸価格 設備率 GDPデフレーター その他 電気料金
セント/kWh
(注)GDPデフレーターの係数の符号の推計結果が想定と逆であったことに留意
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
3.5.2. 産業用電気料金
産業用電気料金が、卸価格、電気事業設備の過剰度合いを見る変数としての設備率、操業費等へ影響を与 える物価水準の変化を見る変数としてのGDPデフレーターというパラメータに対して、どういう影響を受 けるかという検証を行った(ノルウェーでは燃料消費量のデータが十分に得られなかったので、平均燃料費 の推計を行なっていない)。ノルウェーでは資金調達に影響する変数である金利については世界銀行のデータ
ベースを用いたが対象期間のデータを得られなかったため、パラメータから除外している。分析の対象とす る電気料金は税抜き・託送料金抜きの料金を対象とした。回帰分析の結果は表5-4に整理した。
推計のための関数としては、下記の式1という形式を想定して回帰分析を行った。また、分析の対象とす るエネルギー集約産業の電気料金は市場全体の卸電力価格よりも安価な供給を受けているため、市場外取引 をパラメータとする式2の形式でも回帰分析を行った。
産業用電気料金=a+b1卸価格+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・・・・・(式1)
産業用電気料金=a+b1市場外取引価格+b2設備率+b3GDPデフレーター・・・・・・・・・・・・・(式2)
但し、回帰分析の結果、符合が逆になるケースや相関が低いケースもあることから、設備率及びGDPデ フレーターを除いた形でも式1・式2について回帰分析を行った。回帰分析の結果は参考表8に整理した。
式1の回帰式では、卸価格の係数が-0.05~0.30と1を上回る感応度であった。一方で式2の回帰式では 卸価格の係数が-0.90~-0.76となり、卸価格に対する感応度はほとんど無かった。参考図18が式1のケース・
参考図19が式2のケースで前年からの電気料金変化額に対して、各パラメータの影響度をグラフ化したも のであるが、電気料金の変化に対して平均燃料費及び卸価格の関係性が非常に低いことがわかる。このこと は前項で見たようにエネルギー集約産業の電気料金は2000年代半ばまでは市場外取引価格に近い水準で電 気の供給を受けていたが、それ以降、市場全体の卸価格の上昇に伴い上昇傾向にあるため、特定の卸価格へ の感応度が十分に検出されなかったのではないかと考えられる。
参考図 18 ノルウェーの産業電気料金変化に対する各要素の影響度(式 1 )
-6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
卸価格 設備率 GDPデフレーター その他 電気料金
セント/kWh
(注)GDPデフレーターの係数の符号の推計結果が想定と逆であったことに留意
(出所)日本エネルギー経済研究所推計
-8.0 -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 市場外取引価格 設備率 GDPデフレーター その他 電気料金 セント/kWh
(出所)日本エネルギー経済研究所推計