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米国における優先的 CIO コア・コンピタンス

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第5章 検証による米国型 CIO コア・コンピタンスの特徴

5.1. 米国における優先的 CIO コア・コンピタンス

本節では,米国CIOの優先的コア・コンピタンス/学習目標を検証するために,2006 年 3 月 18日に米国 CIO 大学のひとつであるジョージ・メースン大学大学院(George Mason University) の CIO コ ー ス (Information Systems and Operations Management)受講生80人に第1回調査「ITの付加価値を向上させるコア・コンピタ ンスの優先度に関するアンケート」を実施した(サンプル数 80,回収率 100%).被験 者の属性は次の通りである.

役職

 その他 44%

 マネージャー級 40%

 部長級 13%

 無回答 3%

図 6  被験者の役職について Fig. 6  The examinee’s position 出典;筆者作成

被験者の属性は,マネージャークラスが 40%,部長クラスが 13%であり,その他に 分類される役職は,主にCEO,CTO,システムアナリスト,スーパーバイザー,SE,

コンサルタントも含まれる.何れもCIO予備軍としての位置付けである.

業種

航空宇宙/防御請負業者 電気通信/電力/ガス 4% 18%

政府/連邦機関(軍事関係含 む) 15%

無回答 14%

その他 13%

金融/銀行/会計 9%

コンピューター製造/周辺機 器/システムネットワークイ

ンテグレーター 5%

コンサルティング 5%

教育 4%

ヘルスケア/製薬/医療サー ビス 3%

インターネットサービスプロ バイダー 3%

政府(州/地方) 3%

保険 1%

調査/研究 3%

図 7  業種について

Fig. 7  A line of category of business 出典;筆者作成

業種に関しては,航空宇宙/防御請負業者が18%,政府/連邦機関(軍事関係含む)

15%,金融/銀行/会計9%,コンピュータ製造/周辺機器/システムネットワークイ

ンテグレーターが5%,コンサルティングが5%,教育,電気通信/電力/ガスが4%,

インターネット・サービス・プロバイダー,ヘルスケア/製薬/医療サービス,政府(州

/地方),調査/研究が3%,保険が1%という構成になっている.

IT投資予算などの決定権限の有無について

無回答 3%

ない 45%

ある 52%

図 8  IT投資予算などの決定権限の有無について

Fig. 8  The Authorization to decide IT investment  出典;筆者作成

IT 投資予算などの決定権限の有無については,決定権限を持つものが 52%,持たな

いものが45%,であった.最近は,CIO予備軍の位置づけでもIT投資予算の決定権限

を持つ者が半数以上いることが分かる.

雇用者数について(単位;人)

40,000以上 22%

500-999 17%

1,000-4,999 13%

500以下 11%

20,000-29,999 10%

10,000-19,999 9%

5,000-9,999 8%

無回答 5%

30,000−39,999 5%

図 9  雇用者数について Fig. 9  Number of Payrolls 出典;筆者作成

雇用者数については,40,000人以上が22%と,大企業,連邦政府に勤める被験者が2 割以上いる.

レポートラインについて

その他 70%

CIO 14%

CEO 6%

COO 6%

無回答 3% CFO 1%

図 10  CIOのレポートラインについて Fig. 10  Report line of CIOs 出典;筆者作成

レポートライン(誰に報告するか)について調査した結果,CIOが14%,CEO,COO

が 6%,CFO が1%であった.その他に関しては,副社長,CTO,CISO など他役員,

部長,プログラムマネージャー,となっている.組織における高い役職に報告している

企業規模

0.005兆円以下 18%

0.1兆-0.49兆円 14%

無回答 14%

0.5兆-0.99兆円 10%

0.01兆-0.049兆円 9%

4兆円以上 9%

0.01兆-0.049兆円 8%

0.005兆-0.0099兆円 5%

1兆-1.49兆円 5%

3-4兆円 3%

1.5-2.99兆円 5%

  図 11  企業規模について

Fig. 11  The size of enterprise 出典;筆者作成

  企業規模については,50億円以下が18%,1,000−4,999億円が14%,5,000−9,999 億円が10%,100−499億円が9%と続く.

IT投資額

増加した 58%

ほぼ変わらない 21%

減少した 15%

無回答 6%

図 12  IT投資額について Fig. 12  The Amount of IT investment 出典;筆者作成

IT 投資額については,「前年度と比較して増加した」という回答者が 58%,「ほぼ変 わらない」という回答者が21%,「減少した」という回答者15%がであった.IT投資額 が増加している企業が半数を超えている.

次に,米国CIOコア・コンピタンスの優先順位を検証するための調査項目には,CIO コア・コンピタンス13項目,学習目標105項目を利用し(具体的な調査項目は巻末資 料を参照),各項目を4段階評価で優先順位を検証した(4段階調査の有効性については 第 5 章 *平均値並びに標本標準偏差のデータの有効性について に記載している). 調査を実施した時期が2006年版発表前の2006年3月(2006年版は06年12月に発表)

であったため,第2回改訂版の 2004年度のコア・コンピタンスと学習目標を基準に調 査項目を作成した.

はじめに,コア・コンピタンス13項目の優先順位をみていきたい.2006年3月の時 点で,米国CIOのコア・コンピタンスの優先順位は,図13の通りとなった.最も重要 とされるのは,「情報資源戦略・計画」で3.37,次が「政策と組織」で3.06,そして「プ ロセス・変革の管理」が3.03 と続く.また,上限値(3.37)と下限値(「資本計画と投 資評価」で2.75)の差は,0.62である.

CIOコア・コンピタンスの平均値(優劣比較)

2.82 2.75 2.82

3.03 2.85

2.91 2.86

3.06

2.97

3.03

3.37

2.99

3.03 0.00

0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50

政策と組織

リーダーシップと管理能力

プロセス・変革の管理

情報資源戦略・計画

業務評価モデル・手法

プロジェクトマネジメント

資本計画と投資評価 調達

電子政府と電子商取引 情報セキュリティ(情報保護)

EA 技術とユーザー

予測

平均値

図 13  優先順位の高いコア・コンピタンス Fig. 13  The top priorities of CIO core competencies

出典:「IT付加価値を向上させるコア・コンピタンスの優先度に関するアンケート」小尾・

岩崎(2006年)

本調査では,サンプルの属性;役職,業種,位置付け,IT投資など決定権の有無,企 業(組織)規模,売上高,で差別化せず,全体の特徴を把握するために,平均値でコア・

コンピタンスの優先順位を測定した.表8は,コア・コンピタンスの優先順位を平均値 で比較し,降順にまとめたものである.

表 8  優先的コア・コンピタンス13項目 Table 8  The top priorities of CIO Core competencies

優先順位 コア・コンピタンス 平均値

1 情報資源戦略・計画 3.372

2 政策と組織 3.064

3 情報セキュリティと情報保護 3.031

4 プロセス・変革の管理 3.029

5 プロジェクト・マネジメント 3.026

6 業務評価モデル・手法 2.990

7 リーダーシップと管理能力 2.973

8 技術とユーザー 2.905

9 予測 2.863

10 EA 2.853

11 電子政府と電子商取引 2.821

11 調達 2.821

13 資本計画と投資評価 2.754

出典:筆者作成  注;小数点第4位は四捨五入した.

行政分野においてCIOは電子政府推進の要とされるが,調査結果からは電子政府・電 子商取引に関するコア・コンピタンスの重要性は低いことが明らかである.因みに調査 対象者(詳細は巻末資料を参照)の中で航空宇宙/防御請負業者が18%でもっとも多く,

次に政府・連邦機関(軍事関係含む)が15%,金融/銀行/会計が9%,そしてコンピ ュータ製造/周辺機器/システムネットワークインテグレーター5%,と続くことから,

電子政府・電子商取引関係の優先順位は高いと予測されるが,結果的には異なる結果と なっている.

また,9 位の「予測」に関しては,既存の米国版コア・コンピタンスの 2004 年版に も,2006年版にも策定されていない.経済産業省が発表している日本版コア・コンピタ ンスに追加されたコア・コンピタンスであり,果たして米国でも同様に必要か否かを調 査するために追加した.結果的にCIOにとっては「資本計画と投資評価」,「電子政府関 連」,「調達」などよりも「予測」は重視されることが分かった.

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