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優先的コア・コンピタンス・モデル

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第8章 結論

8.3. 提言

8.3.2. 優先的コア・コンピタンス・モデル

8.3.1 のプロセスを経て,図 23 の通り,「コア・コンピタンス優先モデルの構築」を

策定した.

P ro je c t a n d In v e s tm e n t M a n a g e m e n t プ ロ ジ ェ ク ト 並 び に 投 資 マ ネ ジ

メ ン ト T e c h n o lo g ic a l

in n o v a tio n w ith u s e r O rie n ta tio n ユ ー ザ ー 重 視 の

技 術 変 革

E A a n d E v a lu a tio n M e th o d o lo g ie s E Aと 評 価 方 法

L e a d e rs h ip a n d O r g a n iza tio n リ ー ダ ー シ ッ プ

と 組 織 管 理 In fo r m a tio n S e c u r ity a n d IP R情 報 セ キ ュ リ テ ィ と 知 的 財

In fo rm a tio n

S tra te g y a n d P o lic y P la n n in g 情 報 戦 略 と

政 策 策 定

C IO C o re C o m p e te n c e

C IOコ ア ・ コ ン ピ タ ン

図 23  コア・コンピタンス優先モデル

Fig. 23  Core Competencies Priority Model between Japan and USA

資料;筆者作成  補足;APEC CIO人材育成プロジェクトの研修モデルとして採用が決定し た.(2007年5月)

本モデルは,2006年9月に米国CIO大学ジョージ・メースン大学での国際CIO学会 で発表され,学会関係者,官民CIO関係者から優先的 CIOコア・コンピタンス/学習 目標の日米比較研究という初の試みに対し,高い評価を頂いた.これまでの過程は,日 本CIO学会(2006年6月,主催;早稲田大学),米国CIO学会(2006年9月,主催;

ジョージ・メースン大学),台湾CIO学会(2006年10月,主催;元智大学),フィリピ ンCIO学会(2007年4月,主催;ラサール大学),インドネシアCIO学会(2007年4 月,主催;バンドン工科大学)において発表され,各国の評価並びに検討を踏まえ,各 種データの分析から生じた共通項,相違点,特異性を整理分析している.

先行研究でも指摘されたように,多岐にわたるCIOの役割は,集約するにはあまりに も多く,普遍性を追求するには標準化が極めて困難であり,CIOの数だけその役割が存 在することは本検証結果で明らかである.

しかし,上記モデルはその中でも最低限必要不可欠なコア・コンピタンスを6項目に 集約したものである.CIOという職務にはこれらのモデルに包含したコア・コンピタン スの修得に務めることはもちろん,企業や行政で活かさなければならない.

本モデルは,日米のみならずASEAN各国や欧州のCIO関係者にも意見を求め,多く の議論を重ねた.CIOの誕生目的や本質的役割などに関する原点を見直すとともに,現

CIO

法によって考察して確立したものであり,今後長期にわたり普遍的要素を維持し続ける ことを確信する.もちろん,CIOの資質は,環境変化や情報システムの変遷に対する順 応性や適応性を兼ね備えていることは言うまでもない.

本研究成果をもとに,日本−米国−タイの国際CIO学会会長が2007年4月28日に バンコクで開催されたAPEC主催によるCIO研修会議(国際CIO学会共催)にて共同 議長会合が開かれ,3共同議長会議において,CIO研修プロジェクトの Core Subjects として「コア・コンピタンス優先モデルの構築」を採用することが決定した1.本コア・

コンピタンス・モデルは,日−米−タイで実施したCIO調査結果を元に最適なコア・コ ンピタンス・モデルであると確信している.今後急務であるCIO人材育成の基盤となる よう,政策提言に代えたい.

最後に,本研究成果を踏まえ,今後の研究課題として次の3つの諸点に関して具体的 に研究を推進していきたいと考えている.

(1) CIOコア・コンピタンス・モデルの細分化による実証研究,

(2) CIO設置による効果,並びに非効果の具体的な定量的検証,ならびに

(3) 関心が急浮上してきたアジアでのコア・コンピタンス研究

参考文献・資料

• 小尾敏夫 岩崎尚子「行政CIOの現状と未来(5)CIO学の構築」(社)行政情報システ ム研究所 2006年3月

12007年4月28日にバンコクで開催されたAPEC主催によるCIO研修会議にて参加し た各国CIO学会代表の3者は以下の通りである;

米国CIO学会会長;J.P.オーフレット(米国CIO大学ジョージ・メースン大学教授), 日本CIO学会会長;小尾敏夫(早稲田大学大学院教授),タイCIO学会会長(世界CIO 学会連合会会長);パイラッシュ(NECTEC会長).

3者会合の結果,「コア・コンピタンス優先モデルの構築」は最適なコア・コンピタンス・

モデルとして合意に至った.

統計手法

  第5章ならびに,第6章において利用した多変量解析などの統計手法を以下にまとめ る.尚,参考として以下のソフトならびに資料を活用した.

• エクセル統計2006 (Ekuseru-Toukei 2006)株式会社  社会情報サービス(Social Survey Research Information Co., Ltd.)

• 岩井浩,藤岡光夫,良永康平編著(2004)「統計学へのアプローチ」ミネルヴァ書 房

• 菊池進,岩崎俊夫編著(2007) 経済系のための情報活用 実教出版

まず,エクセル統計2006の使用により,重回帰分析後,精度として「決定係数」「自由 度修正済決定係数」「重相関係数」「自由度修正済重相関係数」「ダービンワトソン比」「赤

池のAIC」が出力される.ここではAICならびにダービンワトソン比の数式をまとめる.

【1】AIC:

AIC=−2ln(最大尤度)+2(自由パラメータ数)

【2】ダービンワトソン比:

統計的推論の観点から,系列相関がある場合,回帰係数の最小2乗推定量bが有効推定 量にはならず,不偏推定量に留まるため,よりよい推定結果を与えることが出来ないこ とを意味する.そこで系列相関が存在しているかを調べるために,以下のダービン・ワ トソン統計量DW による検定がしばしば用いられる.

=

=

= n

t t n

t

t t

e e e DW

1 2 2

2 1) (

ただし

e

tは,

t

期の残差をあらわす.

【3】重回帰分析

被説明変数

y

に対して,k個の説明変数x1x2・・・・・

x

kが与えられる場合,両変数の関 係がすべて線形であるという前提のもとで,重回帰モデルは次のようになる.

u x x

x

y = β

0

+ β

1 1

+ β

2 2

+ ・・・・+ β

k k

+

(1)

ここでuは誤差項とよばれるもので,説明変数では

y

を説明できないランダムなバラツ キを意味する.また定数

β

1

β

2・・・・

β

kは偏回帰係数と呼ばれ,この場合,母集団の偏回

帰係数を意味する.なお,データ数(標本数)はnとする.単回帰モデルと同様に,回 帰定数

β

0および偏回帰係数

β

1

β

2・・・・

β

kをデータから推計するが,原則として最小 2 乗法が用いられる.今 2 個の被説明変数(k=2)からなる,もっとも単純な重回帰モ デルについて推定値の計算方法を見ると,ここで標本データから推定された

β

0及び,

β

1

β

2の推定値を母集団の値として

b

0b1b2とすると,これらの係数を求める正規方程 式は,

( , , ) 2

{

(

}

0

1

2 2 1 1 0 0

2 1

0 =− − + + =

= n

i

i i

i x x

f y

β β β β

β β

β

( , , ) 2

{

( )

}

0

1

2 2 1 1 0 1

1 2 1

0 =− − + + =

= n

i

i i i

i y x x

f x

β β β β

β β

β (2)

( , , ) 2

{

( )

}

0

1

2 2 1 1 0 2

2 2 1

0 =− − + + =

= n

i

i i i

i y x x

f x β β β

β β β

β

となり,各係数の最小2乗推定量(OLS)は以下のように与えられる.

2 2 1 2 2 2 1

2 1 2 2 2 1

1 Sx Sx (Sxx )

Sx Sx y Sx Sx y b Sx

= −

2 2 1 2 2 2 1

2 1 1 2 1 2

2 Sx Sx (Sx x )

Sx Sx y Sx Sx y b Sx

= −

(3)

2 2 1

0 y b x1 b x

b = − −

ただし,

=

= n

i

xi

x n

1 1 1

1  

=

= n

i

x i

x n

1 2 2

1  

=

= n

i

yi

y n

1

1  

2

1

1 1 2

1

( )

=

= n

i

i x

x Sx

2

1 2 2 2

2

( )

=

= n

i

i x

x Sx

) (

)

( 2 2

1

1 1 2

1x x x x x

Sx i

n

i

i − −

=

=

) ( ) (

1

1 1

1y x x y y

Sx i

n

i

i − −

=

=

  ( )( )

1 2 2

2y x x y y

Sx i

n

i

i− −

=

=

である.なお,重回帰モデルは,(1)からも明らかなように,説明変数をいくつでも加 えることができるが,その場合,煩雑な行列計算を必要とする.

こうして得られた重回帰モデルは,決定係数

R

2もしくはその平方根をとった重相関係数

R

(観測地xと予測値

y ˆ

の相関係数)により,モデルのデータに対する適合の良さ,言 予測の精度を評価することが出来る.

しかし重回帰モデルは理論的にも経験的にもまったく無関係と思われる説明変数を任意 にいくらでも加えてやることは可能であり,また加えることで決定係数はさらに高くな る傾向がある.この場合,決定係数が高くなったからといって,よりよい重回帰モデル に改良されたと評価するのは誤りである.

不都合を回避するため,重回帰分析の場合(とくに説明変数が多い場合)は以下に定式

化された自由度調整済みの決定係数(もしくは重相関係数)を用いてモデルの精度評価 を行うことが望ましい.

決定係数;

R ˆ

2(もしくは重相関係数;

R ˆ

) 1 1( 1 1

ˆ2 R2

k n

R n

− −

=

【独立性の検定】

独立性の検定は,行要素の各カテゴリーの度数の合計と列要素の各カテゴリーの度数の 合計による比率から各セルに期待される期待度数と観測度数が等しいかどうかを検定す る.「期待度数と観測度数が等しい」ということは,行要素と列要素の間に関連がなく独 立した事象であるということであり,そのため「独立性の検定」と呼ばれる.

独立性が棄却された場合には判定欄に判定マークが出力され,行要素と列要素の間に関 連が存在することを示唆する.P値は判定の有意確率を示し,例えば0.01であった場合,

判定結果が誤りである確率が1%であることを意味する.

2×2を超える集計表

f l f N f

T

a

l j

b

l

i j i

ij −



= 

∑∑

= = . .

2

本論では,CIOの官民人事交流を可能にさせる要因について検証するために,7つのフ ェース(役職,業種,IT 投資決定権限の有無,報告,雇用者数,企業規模,IT 投資額 の増減傾向)の中で影響を受けやすい,つまり相関が高いか否かを明らかにするために,

独立性の検定を行っている.

【コレスポンデンス分析】

コレスポンデンス分析によって,複数の因子を抽出する.抽出される因子軸の数は最大 でも「行数−1」か「列数−1」のどちらか少ない方となる.因子は寄与率の高いものか ら順に出力される.本論では,コレスポンデンス分析によって得られた第1軸と第2軸 の行列要素のスコアを元に,ラベル付き散布図を作成した.

本論では,CIO の役割が広範にわたり,役員レベルの決済業務や意思決定が委ねられ,

本業の根幹に携わるCIOが増加するにつれ,兼任レベルでは対応しきれぬ状況になりつ つあることから,専任化に移行すべき条件について,筆者がこれまでヒアリング調査を 実施した企業23社を選出し,売上高/IT投資額/利益額/利益率と専任CIOの関係に ついてコレスポンデンス分析を利用し,散布図でマッピングすることによって視覚的に 相関関係を検証した.

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