8 機能
8.6 等時性(Isochrone)モード
8.6.1 等時性について
SIMATIC は、再現可能な(例:同距離の)応答時間を、等距離の DP バスサイクル、DP バス サイクルへのユーザープログラムの同期化、および I/O モジュールへの出入力データの等時 性転送を使用して実現します。 ユーザープログラムの等時性部分は、同期周期割り込み(OB 61~OB 64)を使用して、DP バスサイクルに処理されます。 出入力データは、DP スレーブ のバックプレーンバスを介して定義された一定の(等時性)間隔で I/O モジュールに転送され、
等時的に"端子" に切り替えられます。
つまり等時性モードでは、それまで自由に動作していた個々のサイクルの同期化が、CPU 上のユーザープログラムから PROFIBUS のサブネット上の DP サイクル(ちょうど DP スレ ーブの I/O モジュールのサイクルに等しい DP スレーブでのサイクル)を経て実行されること になります。
プロパティ
● 等距離モードでは、起動中のデータ交換の処理が等時性モードを使用しない場合と比較 して最大 150DP サイクル遅延する可能性があります。
● DP マスタ(PROFIBUS DP のクロック)の等距離サイクルのジッター(微小振動)が 1.3μs を超えない場合は、最大ジッター値は 5μs になります。
ET 200M の I/O モジュールのジッターは多様な種類があるため考慮できません。
● サイクル中の非同期イベント(削除および挿入、I/O モジュールの診断および割り込みな ど)の場合には、IM 153-2 の I/O への応答が失敗するか、より大きなジッターが起こる可 能性があります。 "バックアップ周期"を設定してジッターの非同期イベントの影響を排 除することができます。
サイクルに障害なく診断や割り込みを行うには、等距離サイクル Tdp を最低 0.5ms 増加 させる必要があります。等距離サイクルの増加に比例して非同期イベントのパフォーマ ンスが改善されます。 同時に処理される各非同期イベント(診断、割り込みおよびデータ レコード)への一般的な指針として、等距離サイクルをそれぞれ 0.5ms 増加させる必要が あります。
サイクル中に障害が発生すると、等時性モードは自動的に再設定されます。
● 等時性モードでは、応答監視のスイッチを切っても効果はありません。
注記
IM 153-2 の I/O モジュールへの出力、あるいは I/O モジュールの IM 153-2 への入力は、
アクティブバスモジュールがない場合にのみ等時性モードで実行されます。
アクティブバスモジュールを使用すると、ET 200M の I/O モジュールにより使用される スロットに応じて時間オフセットは異なります。
Ti と To のオーバーラップ
システム応答時間の短縮は、Ti と To をオーバーラップすることで実現できます。これによ りイベントの発生と検出から出力先への応答出力までの処理時間が短縮されます。
この機能を使用するには、IM 153-2BAx1 インターフェースモジュールを必ず使用する必要 があります。 これにより、このインターフェースモジュールは PROFIBUS DP を通してデ ータを等時的に I/O モジュールに供給するか、I/O モジュールからデータを収集することが できます(サイクル時間が 0.5ms 以上の場合)。
要件
以下の要件を満たす必要があります。
● 等距離サイクルが 0.625ms 以上の場合:
– インターフェースモジュール IM 153-2、E01 の注文番号 6ES7153-2BA00-0XB0 – STEP 7 V5.2 または GSD rev. 4 で
● 等距離サイクルが 0.5ms 以上の場合:
– インターフェースモジュール IM 153-2、E01 の注文番号 6ES7153-2BAx1-0XB0 – STEP 7 V5.4 または GSD rev. 5 で
● PROFIBUSDP の送信速度が少なくとも 1.5Mbps である必要があります(転送速度が速い ほど、より短い等距離時間が得られます)。
● 最大等距離サイクルは 32ms です。
● 等距離マスタはクラス 1 の DP マスタである必要があります。つまり、PG/PC は等距離 マスタになることはできません。
● 等距離モードにおいて、PROFIBUSDP で有効にできるのは 1 つの DP マスタ(クラス 1) だけです 。 プログラミング装置または PC(クラス 2)も接続可能です。
● 等時性モードを ET 200M で有効にできるのは、等距離バスサイクルが DP マスタシステ ムで有効化され、同期化をサポートするモジュールが 1 台以上作成されている場合だけ です。
ET 200M が S7 でない DP マスタで動作している場合、安定した等距離動作が得られるのは DP マスタが以下の要件を満たしている場合だけです。
● DP マスタでは割り込みモードを"遅延"に設定する必要があります。
これによりデータ転送が割り込まれなくなります。 診断フレームは非周期ジョブの次の 空き時間ウィンドウに挿入されます。
● DP マスタは反復ストラテジーを"次のサイクルでの再試行"にして動作させる必要があり ます。 これにより、エラーが発生したものと同じサイクルではなく、次のサイクルでメッセー ジフレームの反復が実行されます。
● DP マスタは、さらなる有効なサブスクライバのために修正済みターゲット回転時間処理 (IEC 617841:2002 Ed1 CP 3/1 に準拠)をサポートする必要があります。
サポートしない場合、非同期イベント(プロセス割り込み、診断など)にサイクル障害が発生 したりジッターが増加する可能性があります。 非同期イベントが非常に頻繁に起こる場合 は、通常このような障害やジッターの増加が予想されます。
等距離時間の最適化
● 等距離バスサイクル周期の最適化は、I/O モジュールを正しい順序でプラグ接続すること により達成できます。
– 処理時間の最も長い出力モジュールを ET 200M の左側にあるプラグに接続します。
– 処理時間の最も長い入力モジュールを ET 200M の右側にあるプラグに接続します。
詳細情報は関連モジュールの技術データを参照してください。
● デジタル入力/出力モジュールの最長遅延(設定可能)により、等距離 DP サイクルの長さ が基本的に決定されます。
ヒント: 等時性モードでは、すべての ET 200M ステーションでのデジタルモジュールの 遅延が同一であることが保証されます。
● デジタル入力モジュールに設定する入力遅延を小さくするほど、可能な等距離時間は短 くなります。
ヒント: 可能な場合には、デジタル入力モジュールに 0.1ms の入力遅延を設定します。
● クロック同期をサポートしているモジュールの場合、モジュールでの処理時間も考慮す る必要があります。
● ステーションで達成可能な最小等距離時間は、ET 200M 内のモジュール数によって異な ります。
(モジュール数の多い)ET 200M のモジュールを分散すると、2 台の ET 200M ステーショ ン間で短い等距離時間も達成できます。
● 送信速度を上げると、等距離時間が短縮されます。
ヒント: 可能な限り高いボーレートを設定します。