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第1章第5節

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第1章第5節

- 53 - 第4節 保育者に対する質問紙調査

(岡山県内の公立・私立幼稚園171園)

子どもの自由遊びで展開される造 形と音楽の結び付きの多様な活動 内容

第 3 章

第1節 保育者に対する質問紙調査

(岡山県内の公立・私立幼稚園171園)

造形と音楽を結び付けた表現活動 の実践案

第2節 保育者に対する質問紙調査

(岡山県内の公立・私立幼稚園171園)

保育者に見る造形表現及び音楽表 現に関する表現指導の自信度 第3節 保育者に対する質問紙調査

(岡山県内の公立・私立幼稚園171園)

造形と音楽を結び付けた表現活動 に関する実践上の条件

第4節 保育者に対する質問紙調査

(岡山県内の公立・私立幼稚園171園)

実践の実現性の高群・低群に見る実 践上の条件

第 4章

第1節 ― 本論のまとめ,複数表現領域を結び

付けた表現活動の特徴と価値

第2節 ― 本論のまとめ,造形と音楽を結び付

けた表現活動の位置付け

第3節 ― 本論のまとめ,保育実践における造

形と音楽を結び付けた表現活動の 可能性

第4節 ― 今後の展望

Ⅱ.本論の目的及び研究課題と各節各章の対応

本論では、第1章第1節で提示したように、研究の目的及び研究課題として4つの主題 を取り上げている。すなわち、①子どもの表現及び園での保育実践における複数表現領域 を結び付けた表現活動の位置付けの整理、②保育における造形と音楽を結び付けた表現活 動に着目する妥当性の検討、③造形と音楽を結び付けた表現活動が子どもに与える影響に 関する検討と子どもの自由遊びに見る実態把握、及び④造形と音楽を結び付けた表現活動 に関する実践案や保育者の特性に関する検討、である。ここでは、研究の目的及び研究課 題である4つの主題と第1~3章との対応、そして総括としての第4章について、本論の

第1章第5節

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全体構成の中の位置付けと研究方法について述べる。

(1)子どもの表現及び園での保育実践における複数表現領域を結び付けた表現活動の位 置付けの整理

この目的は、複数表現領域を結び付けた表現活動が、乳幼児期の子どもの表現活動にお いてどのような意味を持ち、そして、子どもの表現活動を豊かにし得る価値をどのように 指摘できるのかについて取り上げている。乳幼児期から成人の芸術家に至る幅広い表現活 動を取り上げながら、乳幼児期における複数表現領域を結び付けた表現活動の位置付けを 試みるものである。

そこで、第1章第2節では、複数表現領域を結び付けた表現活動の意義を論じる上で、

その表現の特性や価値について考察するため、児童期以降の表現活動に着目した。保育系 学会誌や美術系学会誌、著書等の文献を調査し、就学後の児童や、画家・音楽家等の芸術 家の作品及び表現過程において、複数表現領域を結び付けた表現活動が出現している事例 を取り上げ、次のような結果を得た。それは、表現領域の結び付きが、表現活動に見る1 つの自然な姿であると考えられること、子どもの好奇心や楽しさを触発し得ると考えられ ること、単独の表現領域内で完結する表現とは異なる選択肢として子どもの表現の可能性 を広げると考えられること、そして、「年齢その他の属性にかかわりなく、あらゆる人間に 内在する子ども性」1)(土戸敏彦,2005)を指摘できることであった。また、小学校図画 工作科等の授業における複数表現領域を結び付けた表現活動の事例を概観した。

第1章第3節では、幼児教育・保育において、複数表現領域を結び付けた表現活動がど のように展開されているのか、事例を挙げながら論じた。保育系学会誌や美術系学会誌、

著書等の文献を調査し、乳幼児期の作品及び表現過程における事例を取り上げ、次のよう な結果を得た。それは、複数表現領域を結び付けた表現活動には、表現行為における本質 的・原始的な性質があると考えられること、子どもの豊かな感性や想像力を促進させ表現 遊びの楽しさや意欲を向上させる一面を指摘できることであった。また、保育者養成校で の表現系授業や、表現領域の結び付きに着目した保育者向けの研修等の事例を概観した。

そして、『幼稚園教育要領』『保育所保育指針』『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』

の変遷を取り上げ、表現の各領域を分化させて捉えていた過去から、領域間の結び付きに も注目するようになった経緯を示した。就学前における複数表現領域を結び付けた表現活

1) 土戸敏彦:「ネオテニー仮説と〈子ども性〉―言語獲得の代償―」,『九州大学大学院教育学研究紀要』8,

47頁,2005年.

第1章第5節

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動の位置付けは、今後、より重要な主題になると考えられた。さらに、先行研究において 量的研究が不足しているため、保育現場に勤務する保育者に対する規模の大きな調査等に よって、量的な側面から研究を進める必要性を指摘できた。

第1章第4節では、子どもに見る表現領域の結び付きの背景として、乳幼児期における 感覚の未分化性や活発な感覚間協応が、発達の特性として見られることを述べた。

(2)保育における造形と音楽を結び付けた表現活動に着目する妥当性の検討

この主題は、各表現領域の組み合わせが多種多様に存在し、研究の焦点化が必要である 中で、造形と音楽の結び付きを研究対象として取り上げる妥当性を論じるものである。こ の着眼点は、学術的な考察対象としての着目の適否という研究推進上の前提条件について 扱うもので、研究の到達点である目的や結果という位置付けではないが、重要な観点であ るため1つの研究課題として取り上げる。第2章第1節~第4節まで、保育現場に勤務す る幼稚園教諭に対する質問紙調査のデータを基に論じる。

第2章第1節では、音楽表現・造形表現・言語表現・身体表現の4領域の組み合わせ11 通りの表現活動に焦点を当て、どの組み合わせに学術的な課題を見出せるかを論じる。複 数表現領域を結び付けた表現活動に関する保育者の実践経験の有無、具体的な実践例、そ して、11通りの表現活動に対する保育者自身の実践の自信度に関する調査データを手掛か りに、質的・量的に分析し考察する。

第2章第2節では、第1節で示唆された、造形と音楽の結び付きへの着目の妥当性につ いてさらに検証する。保育における造形と音楽を結び付けた表現活動に、活動意義や教育 的価値が認められると言えるかどうかを考えることは、重要な課題であり根本的な問題意 識である。しかし、このことについて、多くのデータから一般化された分析と考察を述べ た先行研究は見当たらない。そこで、造形と音楽を結び付けた表現活動が子どもに与える 影響、具体的には、子どもに対する教育的価値や保育上の意義を指摘できるのかについて、

保育者の認識に関する調査データに質的・量的分析を加えながら考察する。

第2章第3節では、保育現場の子どもに見る造形と音楽の結び付きの実態を把握する上 で、子どもの自由遊びにおける造形と音楽の結び付きの出現という観点に注目する。自由 遊びの時間は、子どもが自ら興味や関心を持って主体的に取り組む姿が最も自然に表れる 場面と言え、その時間に、造形と音楽の結び付きがどのように出現するのかを調査データ から質的に明らかにする。

第2章第4節では、第3節の内容に引き続き、子どもにとって造形と音楽の結び付きが

第1章第5節

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どのように展開されているのかについて、より詳しく具体的に明らかにする。

以上の考察によって、学術的な研究対象として造形と音楽の結び付きに注目する妥当性 を指摘できる、という結果に至る経緯を論じるとともに、次に示す、子どもの複数表現領 域を結び付けた表現活動に関する実態把握としても位置付ける。

(3)造形と音楽を結び付けた表現活動が子どもに与える影響に関する検討と子どもの自 由遊びに見る実態把握

この目的は、先述した「保育における造形と音楽を結び付けた表現活動に着目する妥当 性の検討」と関連する内容であるが、保育現場の実態を解明するという側面において、研 究の目的としても位置付けるものである。第2章第2節~第4節まで、保育現場で勤務す る幼稚園教諭に対する質問紙調査のデータを基に論じる。

第2章第2節において、造形と音楽を結び付けた表現活動が、子どもの成長や表現意欲 の触発等にどのような影響を持つと考えられるのか、保育者の認識を調査データの質的・

量的分析によって特定する。

第2章第3節では、子どもの主体的な興味・関心が表れる自由遊びの時間に、造形と音 楽の結び付きがどのような活動内容として表れるのかという実態に着目する。子どもによ る造形と音楽を結び付けた表現活動の中で、造形活動に含まれるもの、あるいは音楽活動 に含まれるものとして何が出現するのか、それらの活動はどのような種類があるのかにつ いて質的に明らかにする。

第2章第4節では、第3節の内容に引き続き、造形活動と音楽活動はどのように組み合 わさっているのか、そして、結び付きやすい両者の組み合わせはどのような活動であるの かについて明らかにする。

(4)造形と音楽を結び付けた表現活動に関する実践案や保育者の特性に関する検討 この目的は、造形と音楽を結び付けた表現活動を、園における保育実践で行うことを前 提に、実践主体である保育者に焦点を当てる。園における表現の実践において、造形と音 楽を結び付けた実践案として何を行い得るのか、どのような特性の保育者が実践の実現性 が高いのかを検討する。第3章第1節~第3節まで、保育現場で勤務する幼稚園教諭に対 する質問紙調査のデータを基に論じる。

第3章第1節では、造形と音楽の結び付きは、設定保育においてどのような実践として 展開され得るのかを、保育者から集計した実践案の類型化とともに示す。

第3章第2節では、造形と音楽を結び付けた表現活動を保育実践で行う上で、造形が得