第 2 章 研究の理論的基礎
2.3 異文化
2.3.1 文化の差異
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歴史条件、自然条件、経済水準、社会制度など文化生成要因の相違が、世界にはっきり とした民族文化の類別を生み出した。それゆえ、自然、社会、人間性、人間関係、人間と 社会の関係に対する価値観もそれぞれ異なっている。異なる民族文化の類別には、必ず文 化的相違が伴っている。つまり、文化的相違は様々な文化要素に存在しているのである。
まず、異なる民族の間には文化的相違が存在している。
次に、文化的相違はまた同じ文化要素でも現れている。中国を例にとると、北の住民と 南の住民の文化は異なっている。北の方が豪放で、南の方がより繊細である。最後に、文 化的相違は個人の間の相違とも言える。個人が受けた後天的な社会化の程度の相違によっ て、自身に体現された文化もそれぞれの形になる。つまり、同じ文化要素に置かれたとし ても、それぞれの個性が生み出されるのである。
国家の間にある主な文化的相違は、以下の 3 種類に大別できる。一つ目は、異なる国家 の民族文化的相違である。主に価値観、宗教信仰、風俗習慣、教育水準、思考方法及びコ ミュニケーション方法という六つの側面を含む。二つ目は、国家の文化的相違による企業 のグローバル化経営に現れた企業の文化的相違である。主に企業の物質的側面、企業制度 側面、企業精神側面、企業活動という四つの側面に分けられる。三つ目は、国家の文化的 相違と企業の文化的相違による企業のグローバル化経営に現れた個人の文化的相違であ る13。つまり、異文化コミュニケーションの具体的表現である。
社会文化の相違、企業文化の相違、社員個々人の相違、これら三つの関係をきちんと説 明すれば、国家と民族の文化は企業文化と社員の個人文化が決まる。企業文化は国家と民 族の文化によって決められ、また社員の個人文化を限定している。また、社員の個人文化 は民族文化に決められる一方、企業文化によって限定されている。
2.3.2 異文化の衝突
異文化の衝突とは、異文化コミュニケーションの過程において、文化的相違の存在によ って異なる文化がお互いに摩擦し、排斥し、更に対立する現象をいう14。グローバル経営を 行うにあたって、最初に多国籍企業の経営管理者はホスト国に進出した際に、自国の価値 観のままにホスト国の文化を評価した。また、自国の文化がホスト国を上回っていると思 い込んだり、自分の経営管理スタイルや経営管理方法に対して強い優越感と自慢を抱いた りしたことが決して少なくなかった。そのため、ホスト国の社員から出された経営管理に 関わる意見を採用せず、また自分の考え方を強引にホスト国の社員に教え込もうとして、
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ホスト国の社員に抵抗され、文化衝突を招くといった事態も生じた。企業における文化衝 突とは、異なる文化的背景に置かれて、異文化に対する不適応を感じた社員が、自国文化 を基準に物事や、異文化を判断し、抵抗、排斥の心理を持つようになることである。文化 衝突が発生すると、企業に経済損失をもたらすほか、仕事の効率、組織の団結力の低下を 招き、従業員間のコミュニケーションが阻害されてしまう。最悪の場合、過激な行為が引 き起こされると、グローバル経営と管理が全く進まない状況を招く恐れもある。
一般的に言えば、深層にある社会文化的背景の相違を理解することは難しい。長い歴史 に渡り、安定性と持続性を持っている社会文化が、外部の衝撃と強迫を受けた場合には自 然に強い抵抗反応を生じてしまう。それによる矛盾と摩擦を解消することは難しい。具体 的に言えば、価値観、宗教信仰、風俗習慣、教育水準、思考方法などの側面に関する相違 を変えることは、ほぼ不可能である。言い換えると、多国籍企業経営の過程において、社 会文化の衝突が一番の難題である。表面的な文化的相違は、主に社員の個人的行為に現れ る。とはいえ、その安定性と影響力が強くないので、外部変革による衝撃に対する抵抗反 応も相対的に弱い。これを利用して、個人の間のコミュニケーションを強化することで、
徐々に摩擦を解消することが考えられる。要するに、最適な解決方法で特定の文化的相違 を処理すべきであるということである。
本論文では、異文化の相違と異文化の衝突を研究対象とする。これには国家文化の相違 による社会の衝突、国家文化の相違による企業の国際的運営における企業文化の衝突、国 家文化の相違による企業の国際的運営における個人文化の衝突、という三つのレベルが含 まれる。
2.3.3 異文化の融合
ある文化が他の文化と互角だとすれば、自然に膠着的な状態、すなわち「対峙」する形 になってしまい、結局文化衝突を招くことになる。文化の相違による文化衝突は、文化発 展の過程において避けられない現象である。しかし、文化の相違は必ずしも文化衝突を招 くわけではない。衝突はあくまでも文化の相違による結果に過ぎない。文化の相違はまた 文化の融合を引き起こす可能性もあるのである。
異文化の融合は、異文化の衝突に対する対の概念である。各国の民族文化にはそれなり の特殊な内容があると同時に共通性があるはずである。文化の融合とは、多種類の文化が 共生している組織内部において、異なる文化の共通性を探ると同時に、異なる文化の特徴
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を解析し、不純物を取り除き、成果を取り入れることである。文化を融合させて企業の異 文化管理にメリットをもたらし、最終的に文化の相違による文化衝突を避けて解決するの である。