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第 3 章 日中社会文化の差異に関する分析

3.4 日中教育の差異

教育は知識を受け取り、情報を伝達する過程である。ある国の教育水準及び方式は、そ の国の従業員の文化、技能とコミュニケーションレベルを決定し、さらには多国籍企業が 従業員を募集する時に、その国に提供する必要のある訓練の程度、時間と費用を決定する。

教育が、国家と民族の発展の水準を決める最大の要素である。国民の教育における分析に 関しては、体制、内容、目的や対象などのいくつかの側面に分けることができる。異なる国 家と民族は、その理解と実践が違うので、結果もそれぞれ異なる。例えば、儒教文化圏と 見なされる中国と日本の間でも、この側面の差異が、かなり明確である。また、中国と日 本の教育政策、中国人と日本人の教育理念の差異は、両国の近現代の発展過程が違ったこ とに起因する部分もある。

3.4.1 家庭教育の差異

日本人は文化の伝承をかなり重視している。日常の飲食と人との交際の面では、マナー がある。言葉遣いも、行動や振る舞いも、それぞれの性別と地位に応じて行われる。家庭生 活や共同社会の生活でも、共通の風習がある。日本の家庭教育の核心は生活教育にある。

簡単に言えば、子供に自分と他人の世話をするようにしつけることである。具体的には以 下の通りである。

第一に、礼儀と親孝行の教育を重視する。日本の子供のマナーは、すでにある習慣になっ ていて、家を出ること、家に帰ることについても、それなりのマナーがある。子供の関心と 思いやりを培うために、日常生活の中で、父と母は自分の生活態度を貫いて、子供に影響 を与える。たとえば、子供は母が食事を作った後、ご飯を食べなさいと言われるまでは、

先に食べないのである。また「他人に迷惑をかけない」という言葉は親が子供に一番よく話 す言葉である。子供に小さい頃から、自分のことは自分でするという習慣を身につけさせ るのである。

第二に、我慢、挫折を重視する。日本の人々は、子供の困難を克服する能力、粘り強さと 不屈の性質を培うために、彼らのさまざまな要求を満たすことではなく、子供に心身の訓 練を与えるべきであるという理念を持っている。日本では、冬でも、親は子供に半ズボン をはかせ、冷水シャワーを浴びさせる。その目的は、子供の耐冷温能力と意志の力を養う ことにある。日本の保護者は、それを挫折に耐える訓練とみなしている。子供に挫折を受け

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入れる能力を持たせることは、子供の生活力を養うための必須条件である。これらのこと は、小さなことのように見えるが、子供の意志力を鍛えるのに役立つ。

第三に、自立、自信を重んじる。列車、汽船に乗って旅行する時に、両親の後に付いて行 く子供は年齢にかかわらず、例外なく全て小さなリュックサックを背負うのである。リュ ックには子ども自身の生活用品が入っている。このようなやり方で、子供に自立、自主的な 意識と能力を育成させるのは非常に良いことである。日本には「自然から与えられた日光 と空気以外のすべてのものは労働を通して獲得されるものだ」という名言がある。日本の 親は物質的に恵まれた環境で育った子供には根気がないと思っているため、彼らは意識的 に子供の苦しみに耐える能力を鍛えるのである。

第四に、創造、革新を重んじる。日本の家庭教育は、子供の革新的な人格の育成を重視し、

子供の好奇心と冒険情神を養い、子供からの質問を促して、子供には独立した考え方、見方 を持つことを奨励する。親は、よく子供を科学技術館に連れて行き、子供が地域社会の図 書館から本を借りることを勧め、各種の創造性を育むゲームをさせ、子供の想像力を発達 させようとする。子供の手先の器用さの育成を重視し、子供に組み立て式のおもちゃを買 い、異なる角度からも組み立てられるように励まし、子供の手先の器用さと創造性を培う。

これらの教育を通じて、日本の子供は教養と学識を持ち、苦しみに耐える能力と自力の能 力が強くなり、日本の国民の素質は世界でも先頭に立つのである19

一方、中国も昔から、子供の教育を重視してきた。このことは「孟母三遷」の物語から うかがえるのである。今日の中国の家庭では、更に子供を軸に、ますます子供の素質教育 を重視している。しかし、子どもの成長の過程の中で、最も関心が持たれるのは子供の知 能指数なのである。教育過程の中で、多くの親の教育の重点はいつのまにか知能開発に傾 くようになり、「三重三軽」の現象が現れた。すなわち、「体の素質を重んじて、心理の素 質を軽んじる」、「知能を重んじて、知能以外の力を軽んじる」、「知識の伝達を重んじるが、

能力の育成を軽んじる」のである。また、中国の家庭では子供に対する投資を惜しまない、

食事、衣服、遊びなどについて、子供が要求すると、親はどんな手を使っても、子供の要求 を満足させるのである。子供に最高の学習環境と生活環境を提供し、子供の能力の育成を 重視する。

3.4.2 社会教育の差異

日本の社会教育の意味と中国の社会教育の意味は少し異なる。日本のそれは地域性と公

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共性という特性を持っている。中国での社区教育という用語に近い意味を持っている。日 本で社会教育に従事する専門機関は公民館、図書館、博物館、青少年教育施設、女性教育施 設などである。これらの機関と他のいくつかの社会機構(例えば社会福祉施設、職業訓練施 設など)の協力を非常に重視している。それぞれが、その役割を十分に発揮し、それらを 社会教育活動に従事し協力するようにしてきた。そして、これらの機能と対象がそれぞれ 異なる施設は社会教育の展開に豊富な場所を提供する。これらの施設は、「学校教育法」で 規定される学校の教育活動に使われる以外に、地域社会内の全構成員を対象とした人生の 各時期における目標に対応した、全員、全行程、全方位の社会教育活動をも行う。主に若い 親の家庭に対して、組織的に家庭教育に必要な知識と能力の幼児教育を行う。各種の対象 に対して、社会教育活動を実施する際、その形は多彩で、青年学級、成人学級、女性学級、高 齢者支援などの各種の学級があり、青年教室、高齢者教室、各種講座や集会などもある。日 本の正規の学校も社会に開放され、各種の総合大学・短期大学及び専門技術学校は全国各 地に及んでいる。学校の休暇及び一般休日に、多くの学校は社会に開放され、学校の周囲に 住む一般の住民は学校の各施設を利用する機会があって、学校の教職員が、一般市民にさ まざまな知識を伝授する。これが日本の社会教育の実施方法の一つである20

中国の社会教育には、このような開放性と普遍性がなく、民族や個人の素質の文化の差 異が現れている。「歴史を読んで、賢くなる」という諺を聞いたことがあるが、「丸暗記す ることは人を賢くさせる」という諺は聞いたことがない。しかし、現状では本の虫になる 人は多いようである。中国における歴史教育の失敗の原因は多側面にわたり、例えば、今 の教育体制と大学入試制度などはその一つである。それぞれの国の教育内容や方法が、そ の文化の影響により知識を受け、情報を伝達する学習の過程に差異が生じている。例えば、

多国籍企業内部の異なる文化的背景において、報酬管理委員会がそれぞれの報酬計算の方 式を採用する場合、ある人には日給制を採用するが、ある人には週給制を採っている。一 部は月給制あるいは年俸制を採用する。このようなやり方が、異質文化の間に矛盾や衝突 を起こしやすいのである。そこで、多国籍企業の企業管理者は統一的に教育訓練を行い、従 業員が受けた教育内容や方法を尊重した上で、一種の統一的な給料制度を採用して、グロ ーバル経営を順調に進めることを保障しようとしている。

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