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中日の非言語コミュニケーションの差異

第 3 章 日中社会文化の差異に関する分析

3.6 日中のコミュニケーションの差異

3.6.2 中日の非言語コミュニケーションの差異

非言語コミュニケーションは、言語コミュニケーションに対する言葉である。体の動き、

空間的距離、語気や口調、身なりなどによって、コミュニケーションし、情報交換を行う。

非言語コミュニケーションとは言葉以外の相手の動作や表情などの非言語行為から自分 の体験によって感覚的に理解することである。言語行為と比べると、非言語行為は直観的 でイメージが鮮明であるという特徴を有し、言語よりも話者の独特の文化を端的に反映す るところがあり、特に異文化コミュニケーションの場合においては、その重要性が非常に 高い。

中国と日本は両方とも典型的な「高コンテクスト」の社会である。「伝える」より「認識 する」ことの方がより重視されると考えられる。但し、日中の間で差異も存在している。

中日の間での非言語コミュニケーションを以下の点から考察する。

(1)視線

視線は目の動きで、目による非言語記号の一種であり、人々は視線を交わすことによっ て感情を伝える。人の心理活動や感情は、おのずと視線に現れる。目の動きやちょっとし た視線の動かし方から、相手の喜び、怒り、悲しみ、笑いなどの感情が感じられ、相手の 本心を読み取ることができる 。目には主に 6 種類の機能がある。すなわち、1)関心や興 味の程度を表明する、2)相手や他人の態度に影響を与えたり、相手を説得したりする、

3)人間のコミュニケーションを規定する、4)感情を表現する、5)権力と地位関係を確 定する、6)能動的に相手に深い印象を与える、などである。視線の配り方、注視する時 間などによって、伝達される情報も異なる。

文化が違えば、視線や目の動きの意味も異なる。日本語にも中国語にも「目がものをい う」、「目は心の窓口」などの表現があって、コミュニケーションにおける視線の重要性が 示されている。但し、中国では、コミュニケーションをする際には、相手の目を見るのが 礼儀正しいやり方で、相手を尊敬する気持ちを表すが、日本では、相手の目をずっと見る

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と失礼だと思われる。

(2)表情

表情とは、顔の筋肉の変化によって感情を表す非言語記号である。コミュニケーション において、表情の働きがいかに大きいかが分かる。レイ・バードウィステルは、人間の表 情はその人の持つ文化によって決められる、と指摘している。つまり、人間の表情は生ま れつきのものではなく、周りの人々から学んだものである。このことは、逆に言えば、表 情の差異は、民族間の文化的な差異を表しているということである。

中国人が、感情を明らかに表情に出すのと反対に、日本人は、感情を表情に出さないよ うにする傾向がある。つまり、喜怒哀楽をすぐ表情に出さずに、なるべく本当の気持ちを 抑えて笑顔で相手に向かう。多くの場合、日本人の微笑みは感情の現れではなくて、小さ いときから身に付けた礼儀作法として、義務づけられているようである。しかし、悪くす ると、このように感情をわざわざ抑制することは相手に誤解を与えかねない。中国人の微 笑みは本気の自然の現れで、誤解を招くことはなく、好き、賞賛および友好の意味をもつ。

(3)身体言語

身体言語とは、体の動きによって情報を伝達する非言語記号であり、不可欠なコミュニ ケーション手段の一つである。身体の動作、頭の動き、ジェスチャー、手振り、身体の接 触などが含まれている。特定の社会で行われるジェスチャーは、往々にして習俗的なもの で、文化や環境が変わると違った形で現れるので、その文化と習慣を知って初めて理解で きると主張したのである。

日本人に特徴的な身体言語はお辞儀、うなずきと、ひざまずいて座ることであろう。日 本人は挨拶するとき、常にお辞儀をする。会社に入社した際には、必ず正しいお辞儀の仕 方を教えられる。相手、場所、尊敬の程度により、頭を下げる角度が異なる。同僚と挨拶 をする時は、15 度ほどの角度でお辞儀をする。重要なお客さんや上司には 30 度のお辞儀 をする。正式に謝る時には“すみません”と言いながら、45 度のお辞儀をするべきものと される。また、日本人二人がコミュニケーションをするときは、相槌を打ちながらするの が正しいマナーだと思われている。日本人は電話をする時にも、頭を下げることが多い。

特に、女性のほうは、その頻繁度がかなり高い。中国人は、挨拶の時、常に握手をする。

会話中はうなずきの頻繁度はそれほど高くない。うなずきをすると、賛成、承認という意 味となる。

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(4)イントネーション

イントネーションとは、沈黙や語調の変化などによって感情を伝達する非言語コミュニ ケーションの一種である。例えば、沈黙は会話中に、声をはっきりと出さずに、沈黙した り話を止めたりすることによって、何かを表現しようとすることである。言語学の研究に よると、声を伴う非言語記号は、音声要素と機能性発声が含まれる。音声要素は、音調、

音量、音の速さ、音質、明瞭度とイントネーションを含み、言語行為とともに行われる。

機能性発声は、泣き、笑い、ため息、口癖などを含み、それらによって暗示的に感情的な ものを伝えたり感じさせたりする。機能性発声は、直接に自分の感情を表す働きをし、表 情とともに感情を表出する機能を持つ。人間の情報交流は常に感情の交流を伴う。感情の 交流とは「何を言った」かということではなく、「どのように言うか」ということである。

したがって、イントネーションなどは、情報伝達の効果を高めるために、よく使われる表 現手段である24

一般的に、西洋人と比べると、中国人と日本人は、沈黙しがちで、イントネーションで 感情を表すことに長けているとよく言われるが、音量や音の速さなどでは日中両言語にか なりの差がある。

(5)対人距離

対人距離とは、空間距離を保持することによって、思想や感情を伝達するために採られ る手段で、お互いの関係を判断した上で置かれる適切と考えられる空間的間隔である。そ の要素としては、位置と距離がある。お互いの関係、心理的感覚及び民族の文化特徴など が反映される。アメリカの人類学者、言語学者である E.T.Hall は、対人距離の研究を初 めて行った第一人者であり、人間関係の遠近の程度に基づいて、親友間距離、、個人的距 離、社会的距離、公衆的距離などのの概念を提出し、対人距離は文化の差異によって異な ると主張した。

日本人は、人と人の距離が、中国人より遠い。その理由は、日中のコミュニケーション 上の礼儀からも説明できる。日本人の場合は、挨拶するときにお辞儀するので、握手や抱 擁より広い空間が必要である。中国人は、握手をすることで礼儀あるいは敬意を表すので、

対人距離が短くなる。

上記をまとめると、日本人は、視線を合わせることが中国人ほどではない。日本人は、

中国人ほど表情の変化が多くないが、お辞儀やうなずきは中国人より多い。日本人のほう は、対人距離が長い。中日の非言語コミュニケーションの差異を分析することによって、

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日中のコミュニケーション時の障害、文化上の衝突を減少し円滑にコミュニケーションを 進められるようになる。

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