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日中の風俗習慣の差異

第 3 章 日中社会文化の差異に関する分析

3.3 日中の風俗習慣の差異

風俗習慣は、文化環境の影響とともに少しずつ積み重ねられた人々の生活方式、行為準 則などの総和である。日中の文化は歴史と環境などの原因により類似しているところがた くさんある。 日中の風俗習慣をする際にも差異がある。風俗習慣の差異は、色彩の意味づ け、時間厳守度と社交儀礼などの側面に現れる。当該国の風俗習慣を理解しないと、多国 籍企業の業務の展開と経営は円滑に運ばない。各国の多国籍企業の文化はその所在国の歴 史、風土と人情から生み出されたものである。以下では、日常仕事に現れる日中の風俗習 慣の差異について検討する。

3.3.1 生活風習の差異 (1) 飲食習慣

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飲食習慣の差異は、人々が交際する際に一般的に注意すべきことの一つである。日中の 歓待方式及び観念には大きな差異がある。まず、日本人は料理を装う食器にこだわる。食 器の選択は季節、節句、料理によって大きな差があり、同時に料理を花で飾って自然感を 感じさせようとする。そして、中国人は料理を装う皿が食欲に影響するのを知っているが、

主に料理そのものを重んじる。次に、中国人は日本人と交際する時に、情熱を示しすぎる 傾向がある。情熱が行き過ぎて接待をうまくできないと、相手に不快感を覚えさせ、かえ って相手との間に距離感をもたらす恐れがある。日本人はレストランにしても自宅にして もお客を歓待する時には、その料理を適当な量にする。お客はそれを全部食べて料理がお いしいことを示す。それに対して、中国人は「足りないより残る方がましだ」、「残った料 理が多ければ多いほど、現地の厚情や好意がより一層現れる」と考える。 それ故に、中国 人はお客を歓待する際には、料理の材料、味と食べ方だけを紹介すると良い。

(2) 贈り物

日中の贈り物をする際にも差異がある。まず、日本人は贈り物をする際に、貴重さで はなく、適切さを重んじる。本人に用途のない贈り物をする時でも、受け取った人は他人 に転送して贈り物を有効活用することができる。貴重すぎるプレゼントを贈ると、かえっ て相手に不安を感じさせることもある。贈り物は貴重ではなくても良いが、包装をぞんざ いにしてはいけない。日本人は贈り物を相手に対する気持ちの物質的表現と考えている。

贈り物の包装は贈り物そのものと同様に重要である。日本人は包装の丁重さを自分への尊 重の度合いを示すものと考えるからである。日本人は贈り物の出処とブランドを重んじ、

ブランド製品に対しては格別の信頼を置く。の重なった包装を開けると、意外にも中身は たった靴下 1 足やハンカチ 1 枚だったというのはよくある話である。これは、中国人にと ってみれば実に大変粗末な贈り物と受け取られるのであるが、日本人の場合には、相手に 感謝、恩返しの意味がちゃんと伝わる。中国人に対する贈り物は、その貴重さを考えるだ けでなく、相手が容易に受け入れられるように工夫しなければならない。丁寧に包装され た箱他人に頼み事があったら、あれこれ苦心して考えて、いろいろと工夫を凝らす傾向が 強い。

(3) 色彩と数字の意味

日本人は贈り物をする際に偶数を避けて 1、3、5、7 などの奇数を使い、4 と 9 を特に嫌 がる。「4」は日本語で「死」という字の発音が同じであり、「9」は「苦」という字の発音 が同じだからである。それに対して、中国では「好事成双(めでたいことが 2 件揃うとい

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う意味)」という言葉があるので、めでたいことなら、贈り物の数は必ず偶数である。日本 人の間では、白は純真無垢の意味があるが、中国人にはあまり好まれない。中国では、白 は悲しみと貧乏の色だからである。同様に、黒は不吉とみなし、災の色、喪の色である。

それに対して、赤は、めでたい、吉祥と穏やかな状態の象徴で、みんなに好まれる。日本 では、赤ちゃんが生まれ、進学、結婚の際にはお祝いの贈り物をする16

(4)社交儀礼と時間厳守度

お酒を飲ませ方においても、中国人と日本人には明らかな差異がある。中国人は可能な 限りの手段を尽くして相手にたくさん飲ませ、相手が酔うまで帰らせないで、それによっ て自分の誠意を表そうとする。しかし、人によって酒量が違うから、飲ませすぎると相手 に無理強いされたと思わせることになるし、そもそも日本人は飲酒時の道徳や品行を非常 に重視する。したがって、初対面の日本人に対しては、自分の気持ちを伝えて、相手の思 う通りにしてもらう方が良い。また、日本人の間では、勘定の際ほとんど割り勘にして、

お互いに遠慮の気持ちを示す。友達や同僚の会合にしても、会社その他の団体の活動にし ても、割り勘で勘定をするのが一般であるが、これはお互いの距離をはっきりさせるのに 慣れているからである。日本のレストランのレジでは、勘定の際には人数によって精算す るのが一般である。それに対して、中国では、一部の若者やサラリーマンが割り勘で精算 することもあるが、一般的には大体その中の 1 人がまとめて支払い、または争って誰かが 支払おうとするのが一般である。中国人は仲間づきあいしたいので、今回は相手が支払う が、その代わりに、次回は自分が奢ってあげる。それによって友情を深めるのである。ま た、日本人は食事する時にスピードを重視し、会社の幹部であっても、ランチにうどんや 弁当を食べて済ませる。それに対して、中国人は食事に二、三時間掛けないと気が済まな い。

3.3.2 結婚式の風習における差異

日中の文化は歴史と環境などの原因により類似しているところがたくさんある。歴史的 な根源と結婚の風習の形から言えば、中日両国の結婚風習は基本的に類似していて当然で ある。両国の結婚風習文化における類似点が多いとはいえ、長期的な歴史の発展の影響を 受け、日本は吸収した舶来文化に対して自国の事情に合う改造と革新を行って、日本民族 特有の文化を形成した。日本文化のこの特徴は結婚式という文化形式を通じて十分に現れ ている。

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(1) 色

中日両国の結婚風習文化では好まれる色と数字が異なる。中国人は昔から赤が好きで、

赤が吉祥、めでたい、穏やかな状態だと思っているので、重要な節句や状況には赤で飾る のを好み、これをもって素晴らしいことやお祝いを象徴する。そのため、結婚式で人々が 使用する色は、ほとんどが赤で、赤は結婚式の主調色である。結婚式の服装や招待状にし ても、喜の字や窓に貼る切り紙にしても、新郎新婦が胸につける花飾りやいろいろな物に 結び付けられた紐や祝儀袋にしても、全部赤を中心の色にする。 結婚式に使用する物品も 全部赤である。吉祥で賑やかでめでたいことを象徴するだけでなく、結婚後の生活が順調 に運ぶことを示し、人々の美しい生活への憧れを表すのである。日本では、「神前」結婚式 をあげたら、新婦の髪が結い上げられ、鼈甲のかんざしできちんと止められる。結婚式で 新婦の顔は白粉で真っ白に塗られ、綿帽子を被って、下着、和服から外套まで全部白で装 う。白は純潔、簡素の象徴だと考えられており、全部白で装うのは新婦が精神から肉体ま で「真っ白」な状態に戻って、これから新しい生活を始め、新しい家庭に入ることを意味 する。婚姻が「真っ白」な状態から出発するという意味を含み、また人々の純潔、上品、

美しい生活への憧れを表すのである 。 (2) 数字

中国の伝統文化では偶数に凝り、結婚式では偶数で吉祥の兆しを求めるのが中国人の考 え方である。物事を偶数にして、めでたいことが二件揃うようにするのは中国人の偶数に 対する好みの現れである。結婚の習わしでは、花婿側の花嫁側への結納は偶数にし、花嫁 を迎える車の数も偶数にし、結婚式で使ういろいろな物品も、料理の数量も、来賓が与え るお祝い金も全部偶数にして吉祥を求める。結婚式で貼る赤い「喜喜」の字は、さらに有 力な吉祥の表現であり、このような二重のめでたいことという観念は、人の心に深く浸透 する。人々は偶数で、新婚者に対して比翼双飛「お二人は鳥のように一緒に飛びましょう」、 白頭偕老「お二人は髪が白くなるまで一緒にいる」という美しいお祝いを表そうとするの である。

(3) 結婚式

日両国のこのような考え方の差異が、結婚式の雰囲気が賑やかと厳重という二つの主基 調の差異となって現れている。 中国人は婚姻がめでたいことだと思って、結婚式を賑やか に、めでたく行い、全ての親族や友達が一堂に集まり、杯を交わして新郎新婦のために祝 う。結婚式で結婚祝いのキャンデーやお祝い金を配ったり、爆竹を鳴らし、めでたいお酒