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つの特殊な 1 次変換として, “狭義の 1 次変換”の視点から見た場合,

ドキュメント内 土木/建築技術者のための基礎から学ぶ振動学 (ページ 100-104)

う。

もう 1 つの特殊な 1 次変換として, “狭義の 1 次変換”の視点から見た場合,

竹名 興英

温留漢 共著 亀岡 裕行

と表すことができる。これらのベクトルは

1 1 1 1 11 12 1

2 2 2 2 21 22 2

0 ,

0

F m x x a a u

F m x x a a u

⎧ ⎫ ⎡− ⎤ ⎧ ⎫ ⎧ ⎫ ⎡ ⎤ ⎧ ⎫

= =

⎨ ⎬ ⎢ − ⎥⎨ ⎬ ⎨ ⎬ ⎢ ⎥⎨ ⎬

⎩ ⎭ ⎣ ⎦ ⎩ ⎭ ⎩ ⎭ ⎣ ⎦ ⎩ ⎭ (8.41)

の関係がある。すなわち,“慣性力と元の加速度”および“元の加速度とモー ド座標系の加速度”は

1

次変換の関係にある。これらを“狭義の

1

次変換”

の見地で幾何学的に表すと図

8.2(b)

である。ここで注目しなければならないこ

竹名 興英

温留漢 共著 亀岡 裕行

( ) ( ) ( )

2 2 2 2 2 2 2

1 2 11 21 1 12 22

2

11 12 21 22 1 2

x

+

x

=

t

+

t x

+

t

+

t

+

t t

+

t t x x

( t

112 +

t

212

1 ) ( x

12 +

t

122 +

t

222

1 ) x

22+

2 ( t t

11 12+

t t

21 22

) x x

1 2 =

0

(8.44)

となる。この式が任意の

x x1, 2

について成り立たねばならないから

2 2 2 2

11 21

1,

12 22

1,

11 12 21 22

0

t

+

t

=

t

+

t

=

t t

+

t t

= (8.45)

である。これが,

1

次変換がベクトルの回転となるための条件である。

変換行列を,以下のように列ベクトルの集まり [ ]

11 12 11 12

{ } { }

1 2

21 22 21 22

t t t t

T t t

t t t t

⎡ ⎤

⎡ ⎤ ⎧ ⎫ ⎧ ⎫

⎡ ⎤

=⎢ ⎥=⎢⎨ ⎬ ⎨ ⎬⎥=⎣ ⎦

⎣ ⎦ ⎣⎩ ⎭ ⎩ ⎭⎦ (8.46)

と考えると

(

行ベクトルの集まりと考えても同様の結果となる

)

,式

(8.45)

{ } { } { } { } { } { } { } { }

{ } { } { } { }

2 2

11 21 1 1 1 1

2 2

12 22 2 2 2 2

11 12 21 22 1 2 1 2

1 1

0

T

T

T

t t t t t t

t t t t t t

t t t t t t t t

⎧ + = = =

⎪⎪ + = = =

⎨⎪

+ = = =

⎪⎩

i i

i

(8.47)

である。すなわち,各ベクトルの大きさが

1

であり,直交性

(

異なるベクトル の内積が

0)

が成り立つ。したがって,例題

8.a

の式

(c)

より

[ ] [ ] { }

{ } { } { } { } { } { } { } { } { } { } { }

1 1 1 1 2

1 2

2 2 1 2 2

1 0 0 1

T T T

T

T T T

t t t t t

T T t t

t t t t t

⎡ ⎤ ⎡ ⎤ ⎡ ⎤

⎢ ⎥⎡ ⎤ ⎢ ⎥

=⎢⎣ ⎥⎦⎣ ⎦=⎢⎣ ⎥ ⎣⎦= ⎢ ⎥⎦

[ ] [ ] [ ] T

T

T I

∴ = (8.48)

である。このような行列 [ ] T を直交行列 といい,その場合の

1

次変換を直交変 換 という。すなわち,

1

次変換が直交変換

(

ベクトルの回転

)

となるための条件 は,変換行列が直交行列であることである。また,式

(8.48)

に右から逆行列 [ ] T

1

を乗じると

[ ] [ ][ ] [ ][ ] T

T

T T

1 =

I T

1

,

[ ] [ ] T

T =

T

1 (8.49)

となる。すなわち,直交行列の転置行列と逆行列は一致する。

(2) 座標変換

竹名 興英

温留漢 共著 亀岡 裕行

1

次変換を“座標変換”としてもとらえることもできる。すなわち,図

8.4(b)

に示すように,

1

つのベクトル

x

について,

x x1 2

直交座標系で表した数ベクト ル { } x を,

y y1 2

座標系で表し直した数ベクトルが { } y である。この

y y1 2

座標系 は,一般に斜交座標系である

(

参考文献

[3-2.3])

。ただし, [ ] T が直交行列の場 合だけ,直交座標系となる。振動学では主に直交座標変換だけを用いるので,

以降,それだけを論じる。

[ ] T が直交行列の場合,式

(8.31)

は,“狭義の

1

次変換”の視点にたつと,

1

つの直交座標系におけるベクトル

x

の回転である(図

8.4(a))。しかし,“座標変

換”の視点にたつと,それは,図

8.4(b)

に示すように,ベクトル

x

をそのまま にして,座標軸の方を逆方向に同じ角度だけ回転させた“直交座標変換”で ある。

x1

軸 を 時 計 と 逆 方 向 に

θ

だ け 回 転 さ せ た と き

y1

軸 に 一 致 し た と す る 。 図

8.4(b)

からわかるように

y1 =x1cos

θ

+x2sin ,

θ

y2 = −x1sin

θ

+x2cos

θ

(8.50)

すなわち

1 1

2 2

cos sin sin cos

y x

y x

θ θ

θ θ

⎧ ⎫ ⎡ ⎤⎧ ⎫

⎨ ⎬=⎢⎣− ⎥⎦⎨ ⎬

⎩ ⎭ ⎩ ⎭ (8.51)

の関係がある。

モード振動系の変位

( , )u u1 2

が基準座標とよばれる理由を説明しよう。図

6.1

に示す“

2

層のせん断建物モデル”の運動方程式

(6.2)

は,元の変位

( , )x x1 2

を次 のように変数変換

X1= m x1 1, X2 = m x1 2 (8.52)

すると

( ) ( )

1 2 2

1 1 1 2 1

1 2

2 2

2 2 1 2 2

1 2

k k k

m X X X f t

m m

k k

m X X X f t

m m

⎧ + + − =

⎪⎪

⎨⎪ − + =

⎪⎩

(8.53)

となる。これに対するモード振動系の変位

( , )u u1 2

の変換式を

1 11 12 1

2 21 22 2

X u

X u

φ φ

φ φ

⎧ ⎫ ⎡ ⎤ ⎧ ⎫

⎨ ⎬=⎢ ⎥⎨ ⎬

⎩ ⎭ ⎣ ⎦ ⎩ ⎭

あるいは { }

X = Φ

[ ] { }

u (8.54)

竹名 興英

温留漢 共著 亀岡 裕行

とする。 φ

11

φ

21

あるいは φ

12

φ

22

は,比率が一定であれば任意に定めることが できるので, [ ]

Φ

が直交行列になるように定めると,式

(8.54)

は直交座標変換と なり,さらに,図

8.5

に示すように,原点を共有した

X X1 2

座標系と

u u1 2

座標系 において,慣性力ベクトル F ・復元力ベクトル Q ・外力ベクトル f なども,そ れぞれ

1

つのベクトルとして表わすことができる。これが,

u u1, 2

も基準“座標”

とよばれる理由である。この詳細は,第

19

章で述べる。

0

1

2

1 2

2 2

1

1

u u u

u

X X

X X

X

F

Q

図 8. 5  基 準 座 標

1

次変換の概念をまとめよう。 “狭義の

1

次変換”と“座標変換”は本質的に 同じであり,幾何学的な視点が異なるだけである。前者は“

1

つの直交座標系 のおけるベクトルの移動であり”,後者は“ベクトルを固定したままの座標系の 移動で一般に斜交座標系となる”。変換行列が直交行列になる

1

次変換は,前 者が“ベクトルの回転となり”,後者が“直交座標変換となる”。

1

次変換につ いて,一般の本では,このように厳密に用いられていないが,上記の意味をよ く理解すれば混乱しないであろう。

3-2

部の参考文献

[3-2.1]

矢野健太郎・石原繁,

(1994)

,“線形代数”,裳華房。

[3-2.2]

戸田盛和・浅野功義,

(2000)

,“行列と

1

次変換”,岩波書店。

[3-2.3]

薩摩順吉・四ツ谷晶二,

(2000)

,“キーポイント線形代数”,岩波書店。

竹名 興英

温留漢 共著 亀岡 裕行

第 3-3 部 せん断建物モデルのモード解析

この部では,多自由度系における単純なモデルである“せん断建物モデル”

を用いて,モード解析の基本的事項を学ぶ。

第 9 章 剛性,減衰および質量マトリックス

ドキュメント内 土木/建築技術者のための基礎から学ぶ振動学 (ページ 100-104)