第 3 章 調和外力による非減衰および減衰強制振動
例題 1. b において,固有振動数と振動数が同じである調和強制力 F 0 sin ω t が 作用する場合,最大変位,柱下端における最大せん断力と最大曲げモーメント
を求めよう。図
3.aに計算条件を示す。等価せん断バネ定数
kxeは例題
1.bで求
めた値である。ただし,減衰定数は
h=0.05,
F0は重力の
20%とする。すなわ
竹名 興英
温留漢 共著 亀岡 裕行
ち
5 6 2 3
0
0.2 0.2 9.0 10 9.8 1.76 10 kg m s 1.76 10 kN
F
=mg
= × × × = × ⋅ = ×である。
F0
に対する静的変位は
δ
s =F k
0 xe =1.76 10 1.33 10
× 3 × 4 =0.132m である。 r
=1 の場合の動的応答倍率は,式
(3.18)より
D=1 2h=1 2 0.05 10.0× = (a)
であるから,最大変位は
xmax =D
δ
s =10.0 0.132 1.32m× = (b)である。最大変位が,
F0に対する静的変位 δ
sの D 倍であるということは,ダ
ランベールの原理における質点に作用する荷重が
F0の D 倍であるということ である。それは最大せん断力であるから
3 4
max 0
10.0 1.76 10 1.76 10 kN
S
=DF
= × × = ×である。柱下端の最大曲げモーメントは
( )
4 5max 0 p 1.76 10 24=4.22 10 kN m
M = DF H = × × × ⋅
である。
3.3
調和地盤振動に対する減衰応答
(a)解 析 モ デ ル
m
k x {-m( x+ x ) }
g(b ) 自 由 物 体 図
‥
‥
地 盤
① k x m x
g絶対座標 の原点
0
1
図 3.5 調 和 地 盤 振 動 に 対 す る 非 減 衰 振 動
図
3.5は,地盤と構造物の関係をモデル化した図である。構造物は地盤に固 定された質量とバネで構成されている系である。絶対座標系における地盤の変 位を x
g,節点
1の地盤に対する相対変位を
xとする。節点
1の絶対加速度は,
x x
+ gであるから,運動方程式は,図
3.5(b)の自由物体図から(
g) 0,
gm x x
+ +cx kx
+ = ∴mx cx kx
+ + = −mx
(3.20)竹名 興英
温留漢 共著 亀岡 裕行
である。式
(3.9)と比較すると,地盤が振動する場合の運動方程式は,外力 f t ( ) を
−mx
gに置き換えた式と一致する。ただし,
xは地盤に対する相対変位である。
式
(3.20)を書き直すと
2 2 , ,
g 2
k c
x h x x x h
m km
ω ω ω
+ + = − = =
(3.21)
となる。
地盤が調和振動しているとする。したがって,地盤の絶対変位を
x
g =a
0sin pt
(3.22)と表わすことができる。絶対加速度は,2 回微分して
xg = −a p0 2sin pt (3.23)
である。式
(3.23)を
(3.21)に代入すると
x
+2 h x ω
+ω
2x a p
= 0 2sin pt
(3.24)となる。この微分方程式は,式
(3.11)で
F m0を a p
0 2に置き換えたものである。
したがって,その一般解は,式
(3.11)の一般解である式
(3.14)・
(3.15)・
(3.16)で, δ
sを
2 2
0 0 0 2
2 0 s
F ma p a p k k a r
δ
= = =ω
=に置き換えたものである。ゆえに,式
(3.24)の一般解は以下のとおりである。
x e= −h tω
(
a1cosω
Dt a+ 2sinω
Dt)
+Apsin(
pt+θ )
過渡応答 定常応答
(3.25)
( )
2 0
2 2 2 2
1 4
p
A a r
r h r
=
− +
(3.26)
( ) ( )
2
2 2
2 2 2 2 2 2
2 1
sin , cos
1 4 1 4
hr r
r h r r h r
θ
= −θ
= −− + − +
(3.27)
耐震設計で重要である“地盤の最大絶対加速度
0 2max( )
xg =a p
”に対する“節 点
1の 定 常 応 答 の 最 大 絶 対 加 速 度 x x
+ g” の 比 す な わ ち “ 加 速 度 応 答 倍 率
max max
a g g
D = +x x x
”を求めよう。応答絶対加速度 ( x x
+ g) は,式
(3.21)を移
項することによって
竹名 興英
温留漢 共著 亀岡 裕行
x x+ g = −2h x
ω
−ω
2x (3.28)である。
定常応答の変位は,式
(3.25)・
(3.26)より
( ) ( )
2 0
2 2 2 2
sin
1 4
x a r pt
r h r
θ
= +
− +
(3.29)
である。速度は,式
(3.29)を微分して
( ) ( )
2 0
2 2 2 2
cos
1 4
x a r p pt
r h r
θ
= +
− +
(3.30)
である。式
(3.29)・
(3.30)を
(3.28)に代入すると
( ) { ( ) ( ) }
( )
( ) { ( ) ( ) }
( ) { ( ) ( ) }
( ) ( ) ( )
2 2
0
2 2 2 2
2
0 2
2 2 2 2
2 0
2 2 2 2
2 2 2
0
2 2 2 2 2
2 2 2
sin 2 cos
1 4
sin 2 cos
1 4
sin 2 cos
1 4
1 4 1 2
sin cos
1 4 1 4
1 4
g
x x a r pt h p pt
r h r
a p pt h p pt
r h r
a p pt hr pt
r h r
a p h r hr
pt pt
h r h r
r h r
ω θ ω θ
ω ω θ ω θ
θ θ
θ θ
+ = − + + +
− +
= − + + +
− +
= − + + +
− +
⎧ ⎫
= − + ⎨ + + + ⎬
+ +
⎩ ⎭
− +
( ) ( )
2 2 2
0 2 2 2 2
1 4 sin
1 4
g
x x a p h r pt
r+ h r
θ α
∴ + = − ⋅ + +
− + (3.31)
2 2 2 2
1 2
cos , sin
1 4 1 4
hr
h r h r
α
=α
=+ + (3.32)
となる。式
(3.23)より
2g max
x =ap
であるから,加速度応答倍率は,
( )
2 2 max
2 2 2 2
max
1 4
1 4
g a
g
x x h r
D x r h r
+ +
= =
− +
(3.33)
である。これを図示したのが図
3.6である。加速度応答倍率
Daは,共振点付近
竹名 興英
温留漢 共著 亀岡 裕行
で非常に大きい。定常振動の最大応答絶対加速度
g max
x x+
は
(
0 2)
g max a
x x+ =D a p (3.34)
と書けるから,
hが小さい場合,共振点付近では,地盤加速度の振幅
a0より,
加速度応答倍率
Daすなわち振動数比 r の影響の方がはるかに大きい。共振 点
(r
=1
)では加速度応答倍率
Daは
2
2 2
1 4 1
4 4 1
a
D h
h h
= + = + (3.35)
である。実際の構造物のように減衰定数
hが小さい場合,動的応答倍率 D と同 じ
1 2hである。
図3.6 加速度応答倍率
010 20 30
0 0.5 1 1.5