竹名 興英
温留漢 共著
亀岡 裕行
竹名 興英
温留漢 共著 亀岡 裕行
い。しかし,地震動以外の外力
f ti( )ない場合,慣性力,復元力と減衰力が動的 につり合う系であると考えることができるので, 各基準振動は,
1自由度系に 等価に置き換えることが可能である。
わかりやすいように,ここでは図
7.3(a)に示すような
2自由度系について論 ずる。節点
1と節点
2の高さを,それぞれ
H1と
H2とする。この図は,地震に よる地盤加速度 x
gを受ける“元の系”の振動である。同図
(b)はモード振動系の 振動である。同図
(c)は,それらに対応した
1次と
2次の基準振動を表わしてい る。図には基準振動の慣性力も示した。同図
(d)は,ある条件で,基準振動を
1自由度系の振動に等価に置き換えたモデルである。このモデルでは,①地盤加 速度は x
gである,②固有円振動数と基部のせん断力・曲げモーメントが基準振 動と同じである。このような等価
1自由度系で,質量を 等価質量 M
s(equivalent mass, 有効質量
),質量の基部からの高さを 等価高さ H
s(equivalent height)と いう。
1
次モード振動系の運動方程式は,式
(7.22)から
2
1 1 1 1 g
u +ω u = −βx (7.25)
である。等価
1自由度系の運動方程式は,変位を
q1とすると,上記の条件から
2
1 1 1 g
q +ω q = −x (7.26)
である。したがって,以下の関係がある。
1 1 1
u =βq (7.27)
1
次基準振動の節点
1と節点
2の絶対加速度
X11と
X21を求めるために,仮想 仕事の原理を適用する。仮想変位を
δx1=φ δ δ11 u1, x2 =φ δ21 u1とすると,慣性力の 仮想仕事
∆WFは
(
1 11)
11 1(
2 21)
21 1 1 11 11 1 2 21 21 1W
Fm X φ δ u m X φ δ u m X φ δ u m X φ δ u
∆ = − + − = − ⋅ − ⋅ (7.28)
である。また,
∆WFは式
(7.20)より
( ) ( )
{ }
( )
2 2
1 11 2 21 1 1 11 2 21 1
2 2 1 11 2 21
1 11 2 21 1 2 2 1
1 11 2 21
F g
g
W m m u m m x u
m m
m m u x u
m m
φ φ φ φ δ
φ φ
φ φ δ
φ φ
∆ = − + + +
⎧ + ⎫
= − + ⎨⎩ + + ⎬⎭
である。式(7.23)の第
1式を代入すると
竹名 興英
温留漢 共著 亀岡 裕行
( )( )
( )
{ } { ( ) }
2 2
1 11 2 21 1 1 1
1 11 1 1 11 1 2 21 1 1 21 1
F g
g g
W m m u x u
m u x u m u x u
φ φ β δ
φ β φ δ φ β φ δ
∆ = − + +
= − + − + (7.29)
である。式
(7.28)と
(7.29)は等しいから
( ) ( )
11 11 1 1 g
,
21 21 1 1 gX
=φ u
+β x X
=φ u
+β x
(7.30)である。同様に,
2次基準振動の節点
1と節点
2の絶対加速度は,それぞれ
( ) ( )
12 12 2 2 g
,
22 22 2 2 gX
=φ u
+β x X
=φ u
+β x
(7.31)である。
1
次基準振動の基部のせん断力は,慣性力の合計に等しいから
( ) ( ) ( ) ( )
( ) ( )
1 1 11 2 21 1 11 1 1 2 21 1 1
1 11 2 21 1 1
B g g
g
S m X m X m u x m u x
m m u x
φ β φ β
φ φ β
= − + − = − + − +
= − + + (7.32)
である。この式に
(7.27)を代入すると
( ) ( )
1 1 11 2 21 1 1
B g
S
= −m φ
+m φ β q
+x
(7.33)となる。等価
1自由度系の基部のせん断力は
( )
1 1 1
B g
S
′ = −M q
+x
(7.34)と表せるから,仮定
SB1=SB′1より
( m
1 11φ m
2 21φ β )
1( q
1x
g) M q
1(
1x
g)
− + + = − +
( )
1 1 1 11 2 21
M β mφ mφ
∴ = + (7.35)
である。ゆえに,せん断
n質点系の
s次モードの等価質量は
1 n
s s i is
i
M β m φ
=
=
∑
(7.36)である。正規化した場合,式(7.24)の第
1式より下式となる。
M
s =β
s2 (7.37)1
次と
2次の等価質量を合計すると
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( ) ( )
( ) ( )
1 2 1 1 11 2 21 2 1 12 2 22
1 11 1 12 2 2 21 1 22 2
M M m m m m
m m
β φ φ β φ φ
φ β φ β φ β φ β
+ = + + +
= + + + (7.38)
である。
それぞれの節点において,すべての基準振動の慣性力の合計は,元の系の慣 性力と一致するから
( )
( )
1 11 1 12 1 1
2 21 2 22 2 2
g g
m X m X m x x
m X m X m x x
⎧− − = − +
⎪⎨
− − = − +
⎪⎩
である。これに式
(7.30)・
(7.31)を代入すると
( ) ( ) ( )
( ) ( ) ( )
1 11 1 1 1 12 2 2 1 1
2 21 1 1 2 22 2 2 2 2
g g g
g g g
m u x m u x m x x
m u x m u x m x x
φ β φ β
φ β φ β
⎧− + − + = − +
⎪⎨
− + − + = − +
⎪⎩
{ ( ) ( ) } ( )
( ) ( )
{ } ( )
1 11 1 12 2 11 1 12 2 1 1
2 21 1 22 2 21 1 22 2 2 1
g g
g g
m u u x m x x
m u u x m x x
φ φ φ β φ β
φ φ φ β φ β
⎧− + + + = − +
∴ ⎨⎪
− + + + = − +
⎪⎩ (7.39)
である。式
(7.2)より
1 11 1 12 2
2 21 1 22 2
x u u
x u u
φ φ
φ φ
= +
⎧⎨ = +
⎩ (7.40)
である。式
(7.40)を
(7.39)に代入すると下式となる。
( )
{ } ( )
( )
( ) ( )
1 1 11 1 12 2 1 1
2 2 21 1 22 2 2 2
g g
g g
m x x m x x
m x x m x x
φ β φ β φ β φ β
− + + = − + ⎫⎪
− + + = − + ⎬⎪⎭
これらの式が恒等的に成り立つためには
φ β φ β11 1+ 12 2 =1, φ β φ β21 1+ 22 2 =1 (7.41)
である。これを式
(7.38)に代入すると
1 2 1 2
M +M =m +m (7.42)
となる。すなわち,等価質量の合計と元の質量の合計とは一致する。
s
次モードの等価質量 M
sを全質量 M で割った値
s MsR = M (7.43)
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は等価質量比
(有効質量比
)とよばれ,式
(7.42)から合計は
1である。
1
次基準振動の基部における曲げモーメントは,慣性力に高さを乗じたもの の合計である。
1次モードの等価高さは,その合計を等価
1自由度系の慣性力 で割ったものであるから
( ) ( )
( )
{ } ( ( ) ) ( ( ) )
( ) ( )
( ) ( )
1 11 1 2 21 2 1 11 1 1 1 2 21 1 1 2
1
1 1 11 2 21 1
1 1
1 11 1 1 1 1 2 21 1 1 1 2 1 11 1 2 21 2
1 11 2 21
1 11 2 21 1 1 1
g g
g g
g g
g
m X H m X H m u x H m u x H
H M q x m m q x
m q x H m q x H m H m H
m m
m m q x
φ β φ β
β φ φ
φ β β φ β β φ φ
φ φ
φ φ β β
− + − + + +
= =
+ +
− +
+ + + +
= =
+ + +
である。したがって,せん断
n質点系の
s次モードの等価高さは,次式である。
1
1 n
i is i i
s n
i is i
m H H
m φ φ
=
=
=
∑
∑
(7.44)等価質量は,刺激係数と同様な意味をもっている。すなわち,地震動に対し て,等価質量の大きな基準振動は,応答が大きく,逆に小さい場合には小さい 傾向がある。等価質量比は,基準振動の地震動に対する応答の程度をあらわし ているので,その指標として有効である。モード解析の有効性は,“いくつかの 低次の基準振動を重ね合わせた近似解で実用上十分である”という経済性にあ る。
1次基準振動から数えて等価質量比
(有効質量比
)の合計が
0.8 0.9∼になる基 準振動までの重ね合わせで,通常,地震動に対して十分な精度が得られる。な お,全基準振動の重ね合わせは厳密解である。
例題
7.d等価質量,等価質量比と等価高さ
例題
7.aと同様に,第
6章で用いた
2自由度のせん断建物モデル
(図
(6.2)につ いて,正規化の条件で等価質量,等価質量比と等価高さを求めよう。
1
次と
2次のモードの等価質量は,式
(7.37)にそれぞれ例題
7.cの式
(c)と
(d)代入すると
2 2
1 1
2 2 3 2
2.207
2 2
M =β =⎛⎜⎜⎝ + m⎞⎟⎟⎠ = + m= m (a)
竹名 興英
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2 2
2 2
2 2 3 2
0.793
2 2
M =β = −⎛⎜⎜ − m⎞⎟⎟ = − m= m
⎝ ⎠ (b)
である。それらの有効質量比は,式
(7.43)よりそれぞれ
1 1 2.207 2 1 0.7930.736, 0.264
2 2
M m M m
R R
M m m M m m
= = = = = =
+ + (c)
1
次と
2次のモードの等価高さは,
H1=H/ 2,H2 =Hとすると,式
(7.44)に 例題
7.bの式
(a)・
(b)・
(c)・
(d)を代入すると
( ) ( ) ( )
( ) ( )
1 11 1 2 21 2
1
1 11 2 21
2 1 2 2 1 2
2 1 2 1 2
m m H m m H
m H m H
H m m m m m m
φ φ
φ φ
+ +
= =
+ +
1
1 2
0.707
2 2
H + H H
∴ = =
+ (d)
( ) ( ) ( )
( ) ( )
1 12 1 2 22 2
2
1 12 2 22
2 1 2 2 1 2
2 1 2 1 2
m m H m m H
m H m H
H m m m m m m
φ φ
φ φ
− +
= + =
+ − +
1
2 1 0.707
H 2 2− H H
∴ = = −
− (e)
である。等価高さがマイナスなのは,この等価モデルの地盤加速度が,
−x
gで ることを意味している。
第
3-1部の参考文献
[3-1.1]有山正孝,
(1996),“振動・波動”,裳華房。
[3-1.2] Mario Paz
,
(1997),“
Structural Dynamics”,
Chapman & Hall。
[3-1.3]柴田明徳,
(2000),“最新耐震構造解析”,森北出版株式会社。
[3-1.4]
寺沢徳雄,
(2000),“振動と波動”,岩波書店。
[3-1.5]
薩摩順吉・四ツ谷晶二,
(2000),“キーポイント線形代数”,岩波書店。
[3-1.6]
戸田盛和・浅野功義,
(2000),“行列と
1次変換”,岩波書店。
[3-1.7]
戸田盛和,
(1998),“力学”,岩波書店。
[3-1.8]
河島佑男,
(1972),“動的応答解析”,培風館。
[3-1.9]