20.01 2008 年度の汚職認識指数(CPI)に関して、トランスペアレンシー・インタ
ーナショナル(TI)はバングラデシュが世界汚職ランキングの 180 位中 147 位を占め、CPIのスコアが2.1であると伝えた。(CPIのスコアは、財界人や アナリストたちが公務員や政治家の間に横行していると考える汚職の深刻度 に関連している。10(極めてクリーンである)から 0(極めて深刻である)
までのスコアを使って示される。)[42i] 2006 年以前まで、バングラデシュは 5 年連続で世界で最も汚職が横行する国として TI 指数にランクされていた。
(BBC News、2005年10月18日)[20bj]
20.02 王立国際問題研究所(Chatham House)の Dr. ギャレス・プライス(Gareth
Price)は、2007年1月に発行された記事の中で、「政権が交代する度に、前
政権が導入したプロジェクトが汚職のもとに成立した取引によるものであっ たことが判明する。この結果、そうしたプロジェクトは中止となる。汚職と 汚職の告発は、今や国のインフラに直接的な影響を及ぼし始めている」と指 摘している。[88a]
20.03 政府は 2004 年 11 月 21 日に汚職防止委員会(ACC)を正式に発足させた。
ACCは、解散となった汚職防止事務局の 950名に及ぶ職員のほぼ全員を吸収 し、退官した高等裁判所の判事が代表者に就任した。(EIU、2005 年 1 月)
[40b] (p15) 2007 年 3 月、ACC は政府に対し、1,200 名まで増員する職員のた
めの追加的な施設、裁判での事案を扱う高名な弁護士団、および汚職を犯し た容疑者の財産を差し押さえるための法的な権限を求めた。(Daily Star、
2007年 3月 22日)[38bh] それ以前に、ACCは捜査において「汚職と犯罪を
撲滅する国家調整委員会」による支援を受けていた。(Daily Star、2007年4 月19日)[38bi]
20.04 2007年 3月までに、暫定政府は汚職の存在に関する主張の調査を目的に、中
央に 8つ、県単位に64のタスクフォースを国家調整委員会のもと設置した。
(BBC News、2007年3月12日)[20cr] 2007年 3月22日、政府は2007年 の非常権限に関する法令に基づく規則の修正条項を公布し、汚職防止委員会 に対し、政府の許可なく捜査および逮捕を行い、財産を差し押さえるための 大きな権限を与えた。この修正条項は、遡及的に 2007年 2月 13日から効力 を持つことになった。(Daily Star、2007年3月22日)[38cd]
20.05 NGO 団体であるトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は、2008
年 6月に発行した「バングラデシュで発生した汚職に関する2007年度の全国 家庭調査」の中で、以下のように指摘している。
[2007年、]政府は汚職に対するこれまでにない組織的なキャンペーンを主 導した。重大な犯罪行為や不法行為の発生を防止するため、政府は法律の違 反者を捜査し、起訴する目的で、様々な法律執行機関の職員によるタスクフ ォースを組織した。この大規模なキャンペーンの間、100名を超える高名な 政治家、官僚、および財界人が汚職の容疑で逮捕され、彼らに対し訴訟手続 きが取られた。またこのタスクフォースは汚職の要因を特定し、当事者を起 訴する目的で、チッタゴン港、Rajdhani Unnayan Kortipakha(RAJUK)、テ ィタス・ガス供給社、ダッカ市(DCC)、道路・ハイウェイ局(RHD)、お
よび公共事業局(PWD)を含む様々な機関を対象に捜査を開始した。これ は、汚職を撲滅し、バングラデシュにおける統治機構を改善する目的で政府 によって取られた画期的な措置である。[42g] (p3)
20.06 米国国務省が2009年2月25日に発行した「2008年の人権問題に関する国別 報告書」(USSD、2008年)には、以下のように指摘されている。
「法律は、公務員による汚職行為に対する刑事罰を定めている。しかし、政 府はこの法律を効果的に施行しておらず、公務員は汚職を行っても罰則が適 用されないケースが多々存在する。非常事態宣言が施行された後、暫定政府 と軍は政府内で横行する汚職行為に対応するため、断固たる措置をいくつか 講じた。政府と治安部隊が行う汚職捜査を支援する目的で、元陸軍参謀長
(国防に関わる高官)をACCの新しい議長に任命し、国家調整委員会が組織 された。また、この委員会を支援するためのタスクフォースが複数設置され た。」
「この年、裁判所は治安部隊が汚職容疑で2007年に拘束した約200名に及 ぶ高名な人物のうち158名を釈放した。拘束されていた者の中には、かつて 首相を務めていたシェイク・ハシナとカレダ・ジアが含まれていた。これら の人物には、首相の在任期間中に起きた収賄事件に関与した容疑がかけられ ていた。6月11日、政府は国外での治療を受けさせる目的で、シェイク・ハ シナを行政命令のもと釈放した。9月11日、最高裁判所はカレダ・ジアの保 釈を認めた。」
「犯罪の予防を目的とした拘留を認める特別な『権限に関する法律
(SPA)』を利用することで、政府は著名な財界人を拘束した。これらの人 物の多くは既存の汚職防止に関する法律に基づき裁かれた。高名な人物が関 わる事案の多くは『非常権限に関する規則』に基づき処理されたため、当 初、容疑者は保釈を受ける権利や裁判で上訴を行う権利が認められなかっ た。しかし、最高裁判所は裁定を通して保釈を認める権限を復元し、保釈請 求を考慮する権限を行使した。」
「汚職の容疑がかけられた者の多くが釈放されたことについて、市民社会か らは政府が汚職の撲滅に真剣に取り組んでいないといった批判的な意見が寄 せられた。政府の指導部は、数名の容疑者を保釈したものの、政府とACCは 汚職に対する取り締りを続けてゆくと説明した。」[2b](第3節d)
第 3 節:歴史「強化された汚職防止委員会(ACC)」、および「汚職および その他の容疑で逮捕される高位者」を参照すること。
下位の司法機関に見られる汚職
20.07 この報告書の第 13 節に詳しく説明されているように、トランスペアレンシ
ー・インターナショナルは「2007 年度の全国家庭調査」の中で、調査対象と なる年において司法機関と関わりを持った世帯の 41.7%が賄賂を支払ったと 指摘している。これらのケースのうちの 95%は、下位の司法機関に対する賄 賂の支払いであった。実際に誰に対して賄賂を支払ったのかという問いに、
回答者の 36.9%は裁判所の職員に対して賄賂を支払ったと答え、次いで仲介
者に(31.1%)、自分の弁護士に(10.7%)、検察官に(10.7%)、相手側の 弁護士に(2.1%)、および裁判官/判事に(1.2%)に対して賄賂を支払った という回答が続いた。[42g] (p37-39)
20.08 2005 年に実施され、2006 年に結果が公表されたトランスペアレンシー・イ
ンターナショナルのために実施された「ベースライン」調査に参加した回答 者のうち、9.6%が実際に裁判事件に関わっていた。これらのケースの大半は 土地や財産をめぐる争いに関する裁判であった。裁判所の職員に賄賂を渡す 必要があったのかとの問いに、63%が「はい」と回答している。回答者の大 半は、裁判の進行が意図的に遅延されたと感じている。10 人のうち 9 人の回 答者は裁判所の品位に関して低い評価を下し、「金銭を支払ったり影響力を 行使せずに、迅速で公正な裁定を得ることは不可能か?」との問いに対し肯定 的な回答を示している。[42e] (p47-50)
20.09 第 13 節で指摘されているように、刑事訴訟法に関する(修正条項)法令が
2007 年 11 月 1日に効力を発揮し、下位の司法機関が行政機関の管轄外とな り、最高裁判所の管轄下に置かれた。この法令は、判事および下位裁判所の 裁判官が将来的に、従来のように政府高官によってではなく、最高裁判所に よって任命されると定めている。[11l][20dn] [38cv]
第13節:司法機関に見られる汚職を参照すること。
法律の執行機関に見られる汚職
20.10 第10節に詳しく説明されているように、2006年から2007年にかけてトラン スペアレンシー・インターナショナル(TI)が実施した調査の中で、法律の 執行機関との関わりがあった回答者のうち 64.5%が賄賂を渡したと回答して
いる。[42g] (pp34-36) TI に代わり 2006 年に公表された「ベースライン」調査
の結果によると、すべての回答者の 90%以上が「金銭の支払いや影響力の行 使なしでは、警察に守ってもらうことはできない」という文章を肯定する回 答を示している。[42e] (p58)
第10節:警察と準軍事的組織:アカウンタビリティ(説明責任)と捏造され た文書、および不正な方法で取得された文書を参照すること。
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