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25.01 1984年 12 月 6日、バングラデシュは「あらゆる形態の女性に対する差別の 撤廃に関する条約」に加盟し、2000年 12月22日にこの条約に関する選択議 定書を批准した。[8a]

2003年 1月3日に発行された国連の「女性に対するあらゆる形態の差別を撤 廃する委員会(CEDAW)」への最近の締約国報告書には、「バングラデシュ の社会では、女性に対して男性が優位に立ち、権力を持つという画一的な形 態に基づく立場、地位、および役割の関係が男女間に築かれつつある」と記 されている。[47a] (p16) この報告書はまた、「伝統的な社会文化的な価値観と 実践が女性の地位向上に反した作用をもたらしている。女性は依然として教 育、技術訓練と職業訓練、雇用、および活動のための機会を限定的にしか得 ていない」と指摘している。(p5-6)「憲法の規定によれば、女性には教育、医 療、政治プロセス、雇用、発展プロセス、および社会福祉の面で男性と同等 の地位と権利が保障されている。しかし現実には、女性が男性と同程度の基 本的な権利と自由を行使することはない。社会と公共の部門において女性が 平等な地位を得ることができない主な原因は、家庭における地位が低いこと による。社会経済的な女性の地位、低い識字率、移動が自由にできないこと などが、彼女たちの基本的な権利を確立する上での実質的な障害になってい

る。」(p10) この報告書はまた、差別と性に基づく抑圧をなくすことを目的と

した政府と NGO 団体による最近の戦略構想について詳細に説明している。

[47a] (p7,10-18)

25.02 CEDAWは 2004年 7月 26日付の「結びの意見」の中で、バングラデシュ政 府に対し、女性の役割に対する画一的な価値観と基準を変えるため、包括的 な意識向上プログラムを実施するように求めた。CEDAW はまた、バングラ デシュ人女性の家庭における地位が不当に低いこと、および女性に対して差 別的な宗教の教えから派生した個人的な法規が依然として国内に存在してい ることに憂慮の念を示している。[47b] (p5)

25.03 2007 年 9 月に発行された「2007 年岐路にさしかかる国々:バングラデシュ 編」と題するフリーダム・ハウスの報告書には、以下のように指摘されてい る。

「憲法は、公共社会におけるあらゆる面で男性と女性が同等の権利を持つと 定めているが、民法と刑法はしばしば女性に対して差別的な規定を定めてい る。しかし近年、NGO団体によるプログラム、政府による戦略構想、および より厳格な法律が女性の地位向上に貢献したことを示す証拠がある。国際労 働機関(ILO)が発行した2005年の報告書によれば、バングラデシュの労働 市場への女性の参加は最近の数十年間で増加を続け、現在では女性が様々な 経済部門で主要な地位を占めるようになっているという。現在、女性は官公 庁の職場にも進出し、民間部門の職業人として活躍し、女性を政治的な変革 の第一線に立たせようとする社会的な動きを主導している。こうした動き は、345の国会の議席のうち45の議席を女性のために確保することを定めた

14回目の憲法の修正により推進された。しかし、女性は依然として差別を受 け、男性の労働者よりも低い賃金を受け、公的な部門では重要なポストに就 く機会が少ない。」

「これらの良好な変化が見られるものの、女性に対する暴力件数は減ってい ないようである。信頼性の高いデータが存在しないた、過去数年間で性別に 起因する暴力の発生件数が増加したか、減少したか判断することは難しい が、最近の報道によればこうした暴力の発生は広がりを見せているという。

アムネスティ・インターナショナルによれば、2005年の第1四半期で

『1,900人を超える女性が暴力の被害に遭い、そのうち200人以上がレイプ された後に殺害され、また300人以上が夫が要求するダウリーに応じられな かったことを理由に虐待を受けたといい、さらに100人以上が人身売買の被 害に遭ったという。』この報告書はまた、2005年の最初の9ヶ月間で138人 の女性が酸攻撃の被害に遭ったと報じている。特に農村部では、女性に対す る犯罪の多くについて届出が行われることはない。こうした犯罪に遭うこと が不名誉とされていることに加え、警察がこうした事件について無関心で、

届出を歓迎しないため、女性の被害者は自分が被害に遭ったことを口外しな いことを余儀なくされる。さらに、多くの被害者には法律的な手段に訴える ために必要な社会的および金銭的な支援が欠けている。」[65c](市民の自由)

性別に基づく問題についても記述している第 26 節:子どもを取り巻く環境も 参照すること。

法律上の権利

25.04 米国国務省が2009年2月25日に発行した「2008年の人権問題に関する国別 報告書」(USSD、2008年の報告書)には、以下のように指摘されている。

「法律は女性に対する特定の形態の差別行為を禁止し、女性と子どもに対す る暴力で起訴された人物に対して適用する特別な措置について規定し、より 厳しい刑罰を求め、被害者に対して補償を提供し、義務を怠るか意図的に義 務を遂行しない捜査官に対する法的措置を求めているが、こうした法律が厳 格に適用されることはない。2003年、ダウリーに関連する犯罪について規定 を弱化させ、不名誉な行為の被害者となった女性の自殺という問題に対応す るため、国会は現行法の修正条項を成立させた。」[2b](第5節)

25.05 Dr. ヌスラト・アメーン(Nusrat Ameen)は 2005 年に出版した自身の著書

「バングラデシュで発生する妻に対する暴力(Wife Abuse in Bangladesh)」

の中で、社会では「法律の父権的な解釈」が一般的であると指摘している。

「女性は国内および社会での生活におけるあらゆる面で男性と同等の権利を 享受するものと憲法により規定されているが…ジャハンは法律体系の様々な 面に社会に根付く父権的な価値観が反映されていると指摘している。」Dr. ヌ スラト・アメーンは、実体法も手続法も性別に関して中立性を保っておら ず、女性の私生活について規定する法律は差別的なものであると指摘してい る。例えば、離婚の手続きにおいて女性は差別的に取り扱われる。イスラム 教、ヒンズー教、およびキリスト教の共同体にはそれぞれ異なる家族法が定 められていいるため、宗教によって女性の差別のされ方は様々である。Dr. ヌ スラト・アメーンは、女性が利用できる法的な解決方法も、女性の不利な経

済状況、警察に届け出ることで婚姻上の争いに巻き込まれることを避けたい 気持ち、禁止命令を適用し、時にはこれを得ることの難しさ、法的支援者や 法律の専門家による和解、仲裁、およびシャリシの勧め、および識字能力が ないことと家族からの圧力などの実際的な要因により利用することができな いことがしばしばあると指摘している。[80] (p7-14)

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政治に関する権利

25.06 憲法には、政治と公共社会において女性も平等な機会を得るものと規定され

ている。[4] 首相も野党指導者も女性である。2008年には、最高裁判所の 67 名の裁判官のうち 3 名が女性であった。(USSD、2008年の報告書)[2b](第 3節)

25.07 国会の 345議席のうち 300 議席は直接選挙により選ばれる。残りの 45 議席 は、直接的に選出された 300 名から成るグループの比例代表名簿に基づき各 政党が指名する女性のために確保されている。(USSD、2007 年の報告書)

[2a](第 3 節)この規定は、2004 年 5 月の憲法の修正条項により導入され、

2014 年 5 月まで効力を持つ。[20ae] 地方自治体においては、4,479 の各村の 評議会においては 3 議席ずつ、県議会においても 3 議席ずつ女性議員のため に確保されている。(CEDAW、2003年1月)[47a] (pp5, 22, 23) IRIN Newsは 2009 年 1 月 27 日付の記事の中で、2008 年 12 月に行われた選挙の後、

「[2009年]1月 25日に直接選挙で選ばれた 17人の女性候補者が議席を獲 得し、さらに 45人の女性議員が誕生する予定である。これにより、一院制立 法府の 345 議席のうち 62 議席が女性で占められることになる]と報じた。

[103d]

社会的および経済的な権利

25.08 2008 年の USSD による報告書は、「主に衣料品の輸出が増加したことで、

過去 10年間で女性の雇用機会が男性の場合よりも著しく増えた。衣料品の製 造工場の従業員のうち約 80%は女性により占められている。男性と女性が得 る給与はほぼ同等である」と指摘している。[2b](第5節)

25.09 USSDが発行した2003年の報告書には、以下のように記述されている。

「過去数年間で、女性の就学率は向上した。初等教育と中等教育の学生の約 50%は女性である。女性の非識字率が高く、教育の機会を平等に得ることが できなかったため、彼女たちは自身の権利を認識していない場合が多い…。

数多くのNGO団体が女性の権利意識の向上と、権利行使の奨励と支援を目的 としたプログラムを遂行した。政府も12学年までの女子の教育費を無料に し、6学年から12学年(およそ18歳)までに奨学金制度を適用することで 女性の就学を奨励することに取り組んできた。ちなみに、男子の場合は第5 学年までの教育費が無料とされた。」[2o](第5節)

Economist Intelligence Unit 誌の 2007年度の国別プロフィールは、女子の場 合、10 年間無料で教育を受けることができると指摘している。2003 年、初 等教育は誰もが無料で受けることのできる義務教育となった。[40j] (p17)

第 2 節:経済 (マクロクレジットという融資制度)と第 35 節:雇用される 者の権利も参照すること。

女性に対する暴力

第 10節:治安部隊:苦情を申し立てる方法と第9節:犯罪、子ども、子ども に対する暴力と人身売買も参照すること。

25.10 人権問題について取り組むNGO団体である「Odhikar」が2009年1月15日 に発行した報告書には、以下のように記述されている。

「女性に対する暴力はバングラデシュ国内で広く発生しているが、多くの場 合、被害者は社会的に恵まれない貧しい女性である。『女性と子どもに対す る暴力を禁止する法律』、『ダウリー禁止法』、『子どもの婚姻を規制する 法律』、『酸を使用した犯罪を規制する法律』など、女性を保護するための 刑法が具体的に定められているが、ダウリー、家庭内暴力、およびレイプを はじめとする女性に対する暴力事件は減少していない。女性が法律的な手段 に訴えられない理由として、司法制度の利用を難しくさせる障壁が存在し、

警察の汚職が横行し、決定的な証拠が適切に管理されず、女性が法律に関す る知識を持っておらず、適切な診断書が発行されないという現実を挙げるこ とができる。しかし、社会的な『価値観』と不名誉により、多くの女性は暴 力を受けても公表することはない。レイプ、ダウリーに関連した暴力、身体 的な暴力、拷問、および殺人を含む暴力行為の被害に遭った女性の数は、社 会の貧困層で多く、特にバングラデシュの農村部に住む女性たちが家庭内や 家庭外でこうした被害に遭っている。」[46r] (p32)

家庭内暴力

25.11 USSDが発行した2008年の報告書には、バングラデシュでは家庭内暴力が広

く起きているが、発生数を正確に把握することは難しいと指摘されている。

報告されている女性に対する暴力行為のいくつかは、依然としてダウリーに 関するものである。法律は配偶者に対するレイプと身体的な虐待を禁じてい るが、配偶者に対するレイプを犯罪行為として定める具体的な規定は存在し ていない。[2b](第 5 節)この報告書には、さらに以下のように記述されてい る。

「調査によれば、女性の約半数が生涯のうちに一度以上は家庭内暴力の被害 に遭っているという。バングラデシュ国民女性弁護士協会(BNWLA)は、家 庭内暴力が622件発生したと報告している。報告された女性に対する暴力の いくつかは、ダウリーをめぐるものであった。この年、ダウリーに関連した 殺人事件の件数は増加した。Odhikarはダウリーをめぐる殺人事件が188件 発生したと報告している[ダウリーに関連した拷問や自殺などの事件は269 件発生した。(2008年度人権報告書)[46r] (p35)]]。その一方で、他のNGO 団体はこうした殺人事件の発生件数を300から500程度と高い数値を示して いる。家庭内暴力は刑事罰の対象とはならない。」[2b](第5節)