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東京ガス株式会社殿訪問インタビュー調査報告

ドキュメント内 Microsoft Word - 表紙&目次.doc (ページ 91-98)

訪問日時 平成18年2月10日(金)13:30~

場 所 東京ガス株式会社 本社

応対者 R&D本部 水素プロジェクトグループ

1. PEFC 関連技術・製品,開発状況の概要等

① 関東圏と長野県,山梨県に都市ガス供給しており,2004年ベースで960万軒に供給し ている。ただし,関東圏においても他都市ガス事業者(例えば京葉ガス)が供給して いるエリアがある。都市ガス会社は日本全国で200数十社ある。

② 当社の都市ガスは,天然ガスにLPGを混入して熱量調整を行っている。天然ガスにつ いては,海外からの輸入と一部新潟県や千葉県の国産天然ガスも取り扱っている。輸 入天然ガスについては,根岸と袖ヶ浦の工場を東京電力と共同運用しており原料の融 通は行っている。また,先の2つの工場とは別に扇島に独自の工場も持っている。

③ 燃料電池の開発については,FCの開発はR&D本部が推進統括し,とくに定置用燃料 電池に注力して開発を進めている。固体高分子形燃料電池では,家庭用PEFCの製品 開発に注力している。また,別途SOFCの開発も行っている。先般,中期計画を発表 しており,定置用燃料電池に関して,今後5年間重点的に取り組んでいく予定である。

④ SOFC については,家庭用より少し大きい業務用について検討を行っているが,家庭 用の1kWに対する適応性も検討している。ただし,現在研究調査しているところであ り,商品化のイメージまでには至っていない。

⑤ 2005年に,松下電器産業と荏原バラードと共同開発した1kW級の家庭用都市ガス改 質形燃料電池コージェネレーションシステムの2機種を NEF の定置用燃料電池大規 模実証試験事業として市場導入した。当面荏原バラードと松下電器産業の2社と開発 を進めていく。

⑥ 水素分離型改質器(メンブレンリフォーマ)については,平成 17 年度から新たに 3 年間のNEDOプロジェクトとして採用され,開発を続けている。

⑦ JHFCでは,2002年にオンサイトLPG改質ステーション,2003年からメンブレン型 改質器を使った都市ガス改質型ステーション(ともに千住水素ステーション)を建設 し,運営を行っている。

2. FC 改質器の開発について

① 現在燃料については都市ガスのみを対象としている。改質方式は水蒸気改質である。

現状では他の燃料は考えていないが,試験は行っている。

② 主要技術課題は商品としてのコストと耐久性の確保である。

③ 家庭用では,荏原バラードとの共同開発品の改質器および付臭剤の脱硫に関する技術 については,当社の独自開発品を入れている。改質器の触媒には,当社のものを入れ ている他,一部市販品も用いている。

④ 家庭用PEFCは, 2008年に10年耐久の製品を導入したいと考え開発を進めている。

⑤ 改質器の耐久性向上のポイントは触媒である。起動停止が極めて短い時間であったり,

窒素パージレスにするといったところで耐久性に悪影響を与えている。DSS運転4万 時間と連続運転9万時間のどちらが困難かについては,何とも言えない。

⑥ コストについては補機類等の共有化も含めて総合的に削減を図りたい。

⑦ PEFCシステムの商品としての価格は2008年には概ね120万円にしたいと考えてい る。2010年以降に概ね50万円まで下げたいと考えている。量産効果も含めてどこま で下げられるかがポイントなる。

⑧ メンブレン型の改質器については,平成17年度から新たに3年間のNEDOプロジェ クトに採用され,開発を続けている。エネルギー効率は目標値には届くと考えている が,課題はまずは耐久性である。薄膜を用いるため,その製造技術を含めて耐久性が 課題である。実用化へのステップアップのところで様々なノウハウがあり,それが徐々 につかめつつあると言った状況である。

⑨ 都市ガス改質器においては,硫黄を含む付臭剤が問題である。将来の水素社会あるい は,改質型の今の事業を展開していく上で,現状の付臭剤が本当に良いかは検討を要 する。

⑩ 欧州では,工業用としての水素パイプラインが既に運用されているが,水素に付臭剤 は添加されていない。水素の漏洩に対して付臭で安全性を担保するという発想がない。

日本で水素パイプラインが敷設される場合には,水素への付臭が必須になると考えて おり,どんな付臭剤が良いのかを研究調査することは重要である。来年度から原子力 安全・保安院ガス安全課からの仕事をうけて日本ガス協会が国の事業として検討する こととなっている。

3. 定置用燃料電池大規模実証試験について

① 2005 年4 月に,大規模実証試験のために R&D 本部とは別に営業部門に新たに新エ ネ・省エネ部を組織した。この部署が中心となって導入先とパートナーシップ契約を 結び導入を進めている。機器は,松下電器産業の製品と荏原バラードと共同開発した 製品の2機種を導入している(表XIII-1)。

② 荏原バラードとの共同開発品では,改質器に当社の独自開発品を入れている。また,

脱硫に関する技術についても当社の独自技術が入っている。

③ 実証試験を行って,小さなトラブルはあったと思うが,大きなトラブルは起きていな い。スタックに大きなトラブルがあった場合は,荏原バラードあるいは松下電器産業 が持ち帰ることになるが,そういったトラブルは発生していないし,開発の方向を転 換するような本質的なトラブルはない。

④ 大規模実証試験の一番の意義は,顧客の日々生活において,それに合ったコジェネ運 転をするので,色々なバリエーションのデータを得ることができ,商品として耐えら れるのかどうかを調査できる点にある。

⑤ 氷点下での運転については,ヒータを搭載して対応している。

⑥ 導入効果としては,一次エネルギー消費量で 32%低減し,CO2排出量が 45%低減し た(図XIII-1)。

⑦ 顧客の設備費の負担は10 年間で 100万円である。また,燃料代については,一ヶ月 当たりの上限金額を9,500円(3年間)としている。

⑧ 運転はお湯の需要をメインにして運転している。温水が溜まるとターンダウンする。

電気があまった場合については,逆潮流はしない設定となっている。

表 XIII-1 大規模実証に導入したPEFCの仕様

製造メーカ 荏原バラード製 松下電器産業製

ガス種 13A 13A

形式 単相3線AC100/200V 50Hz 単相3線AC100/200V 50Hz

電力 1,000W 1,000W

電気出力

出力範囲 1,000~300W 1,000~300W 発電効率 37%(HHV),33%(LHV) 37%(HHV),33%(HHV) 熱回収効率 50%(HHV),45%(LHV) 50%(HHV),45%(LHV) ガス消費量 0.24m3/h 0.24m3/h

消費電力(最大時) 750W以下(起動時) 820W(起動時)

本体寸法(mm) 800(W)×350(D)×800(H) 800(W)×375(D)×1,000(H)

重量(乾燥) 158kg 175kg

燃料電池ユニット

騒音値 43db以下(起動時,停止時)

43db以下(発電時)

52db以下(起動時,停止時)

44db以下(発電時)

貯湯タンク容量 200ℓ 200ℓ

給湯 41.9~3.8kW(24~2.2号) 41.9~4.36kW(24~2.5号)

暖房 14.0kW 14.0kW

標準能力

追焚 9.30kW 8.72kW

電源 単相2線AC100V 50Hz 単相2線AC100V 50Hz ガス消費量(最大時) 4.84m3/h 5.55m3/h

消費電力(最大時) 329W 402W

本体寸法(mm) 800(W)×530(D)×1,850(H) 850(W)×510(D)×1,900(H)

重量(乾燥) 155kg 140kg

貯湯ユニット

騒音値(同時使用時) 49db以下 49db以下

4. 水素ステーションに関する取り組みについて

① JHFCでは,日本酸素との共同事業として,LPG改質型の千住水素ステーションを建 設,2003年5月末に完成し,実証運転を開始した。

② 当社はさらに高効率でコンパクトな水素分離型改質器(メンブレンリフォーマ)の開 発に取り組み,2003年からJHFCプロジェクトとしてNEDOの開発品を用いた都市 ガス改質水素ステーション(40 Nm3/hクラスの実証機)を千住に設置し,さらなる効 率・耐久性の向上を目指した実用化技術開発を進めている。

③ 将来の水素ステーションについては,1民間企業として都市ガス改質型を推進してい きたい。ただし,それだけでは水素社会に至ることはできない。例えば,都市ガスの ないエリアでは,石油系液体燃料を改質する方法も有効と考えられる。副生水素につ いても,利用に適したエリアは日本全国たくさんある。そういう他社他業種の技術と も協力・協調していきながら水素社会を目指すべきだと考えている。

④ シナリオとしては,オフサイトの副生水素が潤沢にあるので,黎明期にはそれが代表 的な形態のひとつとして考えられる。しかし,まずオフサイトで水素供給して次にオ ンサイトという単純な話ではなく,できるところからオンサイトでもオフサイトでも 進めていくべきであると考える。

⑤ 当社では,水素ステーション用水素製造装置を技術開発という点で積極的に行うが,1 つの商品として販売するより,都市ガス拡販のための手段として取り組んでいる。自 社開発にもこだわりはない。アライアンスを組めるところは,最大限に組んで,早く 商品を作り上げて市場に導入し,都市ガスの需要を開拓することが重要だと考えてい る。

⑥ 将来必要であれば水素の配管の敷設も当然行っていくつもりである。技術的には今の 配管を水素用の配管に替えるのは可能だと思うが,東京ガスの配管は分配用配管であ り,網の目のように敷設されているので,それを全て水素用に替えるのは,いままで のインフラ投資を考えると有効ではないと考える。水素配管の可能性については社内 でも議論を行っている。

⑦ 以前都市ガスは水素とCOを含む合成ガスであった。しかし,純水素に対する既存の 配管に与える影響については,基礎に帰って検討しなくてはならない。水素脆性につ いても,条件によって異なるはずである。そういう観点から勉強を始めているところ である。

⑧ 天然ガスを遠方に大量に輸送する場合,現状では LNG のままローリーで輸送してい る。輸送は導管があればガスにして圧送した方が安価となる。ガス導管が敷設されて おらず,遠方の場合は,条件によってはLNG供給が有利になる場合もある。

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