2. エネルギー効率および水素ステーションのあり方について
① FCVのエネルギー効率については,EVを除いて最も良いと考えているが,総合エネ ルギー効率からみるとFCVはまだハイブリッド車を凌駕できていないと考えている。
FCVの普及に向けては,車両効率の向上および水素製造効率の向上が必要である。そ のため,車両側としては,FCスタックや補機類の効率向上およびハイブリッド化も検 討している。
② 望ましいと考えられる一次エネルギーは,Well to Tank効率やCO2排出量,コストの 観点から考えることが重要である。ただし,導入の初期段階は,普及することが最重 要課題であるので,コスト優先で進めるのが得策と考えている。
③ 車両については,当面は直接水素型である高圧水素タンクを搭載したFCVで普及が始 まると考えている。
④ 短期的にはFCVの普及を促進させるために,ある程度地域を限定して水素ステーショ ンを設置する必要があると考えられるため,その地域に適した方式が良いと考える。
⑤ 中長期的には,エネルギー効率やCO2排出量,脱石油化のために再生可能エネルギー 等を考慮して展開していくと思われる。
⑥ 水素ステーションについては,社内での試験走行用に水素充填装置を1基所有してい る。20MPa程度の圧縮水素をカードルで運んできて,昇圧して充填する。充填につい ては,社内で規定を設けており,有資格者が付き添った上で,教育を受けた人間が充 填を行っている。
3. 今後の FCV 開発の戦略等について
(1) FCV導入シナリオとEV/HEV/FCVの位置づけ
① FCVの導入のシナリオとしては,今後も内燃機関の改良・ハイブリッド車の導入が加 速され,当分の間は改良内燃機関車とハイブリッド車の共存状態が続くと見られる。
FCVはインフラ整備が進み,性能,コストがハイブリッド車と同等になった段階で普 及が始まると考えるが,石油価格の高騰が起きた場合にはFCVの普及が早まると考え る。
② EVについては,電池技術のブレークスルーが実現すれば,普及が進むと考えられる。
③ 一方,HEVは短中期的な環境対応の商品,FCVが究極的な環境対応の商品であると考 えている。
④ FCV の導入時期については,数年前まで 2010年ごろと言われていたが,最近は燃料
4. 他社との協力関係等について
① 2001年にGMと燃料電池技術に関して長期的に相互協力することで合意し,FCV開 発を進めている。2003年にワゴンR-FCV,MRワゴン-FCVを製作し,大臣認定を取 得して公道試験をスタートした。続いて2004年に70MPaの高圧水素タンクを搭載し たMRワゴン-FCVで大臣認定を取得し公道試験を継続している。
② GMからはFCシステムの提供を受け,車両全体は自社で開発を行っている。
③ 2003年よりJHFCプロジェクトに参加しており,引き続き今後も公道試験によりデー タ蓄積を行いたいと考えており,第2期にも参加したいと考えている。
5. 国・行政機関に対する意見・要望等について
① 国で研究して欲しいテーマとしては,高密度水素貯蔵技術や水素用材料の開発をお願 いしたい。
② 近い将来,日本が水素エネルギー社会を実現するために,国としての将来のエネルギー 戦略の構築とリードを是非お願いしたい。
③ 規制緩和としては,水素の満充填の仕方において,充填後の温度低下による減圧を見 越した充填を許可してもらえるとありがたい。
6. JHFC プロジェクトに参加しての感想,意見,要望等について
① 市街地実走行平均燃費や10・15モード平均燃費が公表できたこと,自社のレベルがわ かったこと,FCV の啓蒙アピールができたこと,FCV とステーションのインター フェースの課題協議の場ができたことが良かった点として挙げられる。
② 期待はずれであったこととしては,データのまとめ方として,データの偏り,重量補 正の煮詰め不足が挙げられる。
③ データ取りのコンセンサスを得るのに長時間かかっていたと感じるので,最初にデー タの公表方法の議論をするのが良いのではないかと思う。
④ 啓発活動では,より効果を上げるためにもっとメディアを利用するのも得策ではない かと考える。
⑤ FCVはまだまだ発展途上の車であるので,JHFCから外部へ燃費や効率データを公表 するときには,現在のデータで悪いイメージを持つような誤解を招かないように,公 表の方法に配慮してもらいたい。例えば,トップランナーという言葉で発表されてい るが,色々な車種がある中で,最も良い燃費のものという発表の仕方もあると思う。
⑥ JHFC2については,継続的なデータの蓄積を期待している。
⑦ ステーションもFCVも少ない段階では,もっと地域を限定して運用した方がデータの 取得効率が良いことがわかった。このため,普及初期には地域を絞ってステーション を構築していく必要があると考える。現在都心部で10箇所あるが,離れているところ もあり,もしFCVを購入しても不便な状況にある。そういう意味で,普及初期はお客 様が使いやすい環境のステーションを計画し建設していくべきと考える。
⑧ 国のお金を使うかどうかは別として,データを出して走行試験を行っていくことには