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第 1節 本研究のまとめ
本研 究の 目的は、「ノjヽ学校算数科 にお ける文字 の理解 を捉 え るた めの枠組 み を構築 し、文 字が導入 され る前段 階 の児童 が文字 の素地であ る□
,△
な どの記 号 を どの よ うに認識 して いるのかを明 らかにす ること」及び 「文字の理解 を促進す るために、小学校算数科 における 代数的思考 を取 り入れた授 業 を構成 し、その実践及び効果 について考察す る こと」の2点
で あつた。これ を踏 まえて本節では、第
1章
か ら第5章
までのそれ ぞれ の内容 をま とめ、次 に全体 的なま とめをす る。1
各章 の ま とめ第 1章では、小学校算数科 。中学校数学科で扱われ る文字 について概観 し、小学校算数科 にお ける文字 の指導 に関 して考察 した。
第 1節 では、先行研究 を概観 し、小学校算数科 。中学校数学科で扱われ る文字の意味は、
次の
6種
類 に捉 えるこ とがで きることを述べた。。 定数 としての文字
・ プ レイ スホル ダー としての文字
・ 未知数 としての文字
・ 一般数 としての文字
・ 任意 定数 としての文字
・ 変数 としての文字
第2節では、小学校算数科 の 「数量関係」領域 における文字 に関す る指導内容 につい て、 これまでの学習指導要領 の変遷 か ら指導の系統性 と現行 の学習指導要領 における特徴 を概観 し、文字に関す る指導の重視すべ き点について述べた。
第3節では、小学校学習指導要領 、『 ノlヽ学校学習指導要領解説算数編』、教科書
6社
を対 象 に文字の理解 につ なが る□,△
な どの記号、 こ とばの式 、文字 を使 った式 を中心に指導 内容 を比較・分析 し、文字 の学習指導 に関す る内容 について述べた。第4節では、文字 を扱 うまでの学習過程や指導の流れ について考察 し、文字 の理解 にお ける□,△な どの記 号や こ とばの式 の役割 について述べた。
第
2章
では、小学校算数科 。中学校数学科 にお ける文字 に対す る児童・生徒 の理解 の現 状や 困難性 を先行研究か ら整理 した。 そ して、小学校 か ら中学校へ の文字 の学習 のつながりを提 えるための枠組みについて考察 した。
第 1節 では、小学校算数科 において数 か ら文字へ至 る学習指導 において、児童 が文字 の 先駆的 な役割 を果 たす □
,△
な どの記号 を 「数 の代 わ りをす る記号」や 「具体的な数 の代 表」 として認識 していない状態 で文字 を導入す ると誤 つた理解 が生 じるこ とを述べた。第2節では、中学校数学科 にお ける文字の理解 の現状や困難性 を、社威 (1991)、
Kuchemann(1981)、 国宗 (1997)か ら概観 した。そ して、中学生の文字 の不十分な理解 は、小学校算数科 における□
,△
な どの記号や ことばの式 の不十分 な理解 が原 因であること、また中学生に とつて変数 の理解 が困難であることを述べた。
第3節では、児童 。生徒 の文字 の理解や解釈 、困難性 をも とに、小学校 の児童 が□
,△
な どの記号や ことばの式 を どの よ うに認識 、理解 して 中学校 での文字 の学習 につ ながつて い くのかを考察 した。そ して児童 の□
,△
な どの記号や こ とばの式 の認識 を捉 えるための 枠組 み として 「文字 の意 味理解 の枠組 み」 を構築 した (図 2‑37)。図
2‑3‑7
文字の意味理解の枠組み第3章では、文字 が導入 され る前段階である第5・
6学
年 の児童 の□,△
な どの記号 の認識状態 を 「文字 の意 味理解 の枠組み」 を用いて把握 した。 そ して、児童 の認識 の特徴 を 検討 し、文字 の理解 を促す ための方法 について考察 した。
数を書 き込む場所 ヽ︑
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変数 (C)
第 1節 では、文字 が導入 され る前段階 である第5・
6年
の児童 の□,△
な どの記号の認識 の状態 を 「文字 の意味理解 の枠組み」 を用いて把握す るための調査問題 の作成や 内容 に ついて述べた。
第2節では、第5・
6学
年 の児童 を対象 に行 つた調査問題 とイ ンタ ビュー の結果 か ら、児童 の□
,△
な どの記 号 に対す る認識 として、以下の2点が指摘で きた。・ □
,△
な どの記号 を数 の代 わ りとして認識す るこ とがで きていない。・ □
,△
な どの記 号 を具体的 な数 の代表 (変数)と しての認識 まで深 ま つていない。そ して この よ うな文字 の不十分 な認識 は、算術 と代数 の違 いにあ るこ とを小 山 (1988) は指摘 してお り、小学校 の早期 の段階か ら代数的な思考を通 して、文字 の素地である□,
△な どを扱 うことが文字の理解 を深 めるために有効であるこ とを述べた。
第
4章
では、小学校算数科 にお ける文字の指導のあ り方 を検討す るために、算術 と代数 の関係 について プ レ代数指導"と
早期 の代数指導"の
二つ の視点か ら考察 し、小学校 算数科 にお ける文字 の理解 を促 す ための授業 の構成 について述べた。第 1節 では、Schllemannら (2007)の述べ る プ レ代数指導
"及
び 早期 の代数指導"の二つの視点か ら、代数指導 を導入す る時期 について考察 した。そ して小学校 の早い段階 か ら代数 を取 り入れてい く 早期 の代数指導
"を
支持す ることが、文字 の理解 を促進す ることがで きることを述べた。
第2節では、小学校段階にお ける代数的思考 を促す指導のあ り方について先行研究 (Blanton dヒ Kaput,2005 Carraher ̀し Schllemann,2007 Radford,2011,2012 成終メキ
&
Stephens,2002,2006)を 概観 、考察 し、小学校算数科 にお け る文字 の理解 を促進す るため の代数的指導 について述べた。
第3節では、前節 の先行研究 を参考に小学校算数科 にお ける文字の理解 を促すための授 業構成 について述べ 、二つ の仮説 を設 定 した。
〔仮説 1〕
不確 定な数 量 をもつ数学的 な事象 に対 して、既知 の数 量 を用いて数や場所 の 構造 を認識す るな らば、代数 的思考ができる。
〔仮説 2〕
数量 関係 を表す数字 の式 に対 して、代数的思考 を用 いて見 るこ とで、擬変数 の認識 ができる。
なお、擬変数 を認識す るこ とは具体的 な数 をい ろい ろな数 の代表 として認識 し、擬 変数 を
□
,△
な どの記号 で置 き換 えるこ とで 「文字 の意味理解 の枠組 み」 にお ける国 の段階 であると捉 える。第5章では、二つの仮説 を検証す るための調査・分析方法 について検討 した。そ して、
二つ の仮説 を検証す るために授業実践 を行い、その結果 を考察 した。
第 1節 では、授 業実践 の 目的 を述べ、二つの仮説 を検証す るた めの調査 。分析方法につ いて述べた。
第2節では、小学校第
3学
年 を対象 に行 つた文字 の理解 を促す ための授 業実践 の実際 に ついて述べた。第3節では、二つの仮説 を検証す るために、授業実践のプ ロ トコル と事後イ ンタビュー のプ ロ トコル分析 を行い、授業実践の結果 を考察 した。その結果 、以下の
2点
が明 らかに なった。・ 小学校第
3学
年 の児童 で も、代数 的思考 を理解す るこ とは可能 であ る と考 え られ る。。 小学校第
3学
年 の児童 で も、数字 の式 の内在す る一般性 を捉 えるこ とがで き、擬変数 を認識す ることは可能 である。 なお、擬変数 を認識 してい るとい うことは「文字の意味 理解 の枠組み」 において□ の段階が認識 できてい ると捉 えることがで きると考 え ら オЪる。2.全
体 的 な ま とめ本研 究の 目的は、「ノlヽ学校算数 科 にお ける文字 の認識 、理解 を捉 えるた めの枠組 み を構築 し、文字が導入 され る前段階の児童が文字の素地である□,△な どの記号 を どの よ うに認識 してい るのか を明 らかにす るこ と」及 び 「文字 の理解 を促進す るた めに、小学校算数科 にお ける代数的思考 を取 り入れ た授業 を構成 し、その実践及び効果 につ いて考察す ること」であ った。
本研 究 を通 して、筆者 は以下の よ うな見解 を得 た。
1
文字 を理解す るた めには、小学校算数科 にお ける文字 の素地 とな る□,△な どの記号 や こ とばの式 な どの認識や理解 が、 中学校数学科 の文字 の理解 す る上 で重要 で あるこ と。また、小学校算数科 にお ける□,△ な どの記号の認識 は「文字の意味理解の枠組み」において回 ⇒□ ⇒区―コ‐巨―ヨ⇒巨一回の流れで段階的に深まつていくこ
と (図 2‑3‑7)。
2
文字 が導入 され る前段階 の第5。6学
年 の児童 の□,△
な どの記 号 の認識 は、「数 の代 わ りとして認 識す るこ とがで きない」「具体的 な数 の代表 (変数)と
して認識す ること ができていない」とい うのが現状 である。そ こで小学校算数科 の段階で は、□,△
な ど の記号 を変数 としての認識 まで高 めてお くことが望ま しい。3
文字 に対す る認識 を高 め るた めには、小学校算数科 の早 い段階 か ら代数 の指導 を促 してい く早期 の代数 を取 り入れ、代数的な思考 を伴 つた文字 の指導 が有効であること。その中で、不確 定な数 量 を解析的 な方法で扱 うこ と、擬 変数 を位 置づ けた授 業構成 が効 果的であるこ と。