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ử CQ 5─2 局所進行切除不能膵癌・転移病変を有する膵癌に対して 推奨される一次化学療法は何か?

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推 奨 局所進行切除不能膵癌・転移病変を有する膵癌に対する一次化学療法として,

ゲムシタビン塩酸塩単剤治療,ゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ塩酸塩併用 治療,またはS─1単剤治療が推奨される(グレードA)。

エビデンス

1.ゲムシタビン塩酸塩単剤治療

1997年BurrisらはKarnofsky performance scale(KPS)50〜70% の症例を70% 含む 切除不能進行膵癌患者126例に対して,ゲムシタビン塩酸塩とフルオロウラシルの第Ⅲ 相試験を行った。ゲムシタビン塩酸塩群の生存期間中央値が5.65カ月でフルオロウラ シル群(4.41カ月)に比し有意(p=0.0025)に延長し,ゲムシタビン塩酸塩群の1年生存 率が18% でフルオロウラシル群(2%)に比し有意に良好であった。ゲムシタビン塩酸塩 群の無増悪生存期間中央値は2.33カ月であり,フルオロウラシル群(0.92カ月)に比し 有意(p=0.0025)に延長したことを明らかにした。さらに,ゲムシタビン塩酸塩群の症 状緩和効果は23.8% で,フルオロウラシル群(4.8%)に比し有意(p=0.0022)に効果が 認められたことから 1)(レベルⅡ),ゲムシタビン塩酸塩単剤が切除不能進行膵癌患者に 対する第一選択薬として位置づけられた。

その後,マトリックスメタロプロテアーゼであるマリマスタット2),BAY12─95663), エキサテカン4)とゲムゲシタビン塩酸塩とを各々比較する第Ⅲ相試験が行われたが 2─4)

(レベルⅡ),これらの試験においてもゲムシタビン塩酸塩の生存期間が有意に延長ある いは延長する傾向が示されている。

2.ゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ塩酸塩併用療法

エルロチニブ塩酸塩は上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼを選択的に阻害する分 子標的治療薬である。局所進行切除不能膵癌あるいは遠隔転移を有する膵癌患者569名 を対象に,ゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ塩酸塩併用群,ゲムシタビン塩酸塩単剤 群の2群に分けた第Ⅲ相試験 5)(表6)では,ゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ塩酸塩 併用群の生存期間中央値は6.2カ月で,ゲムシタビン塩酸塩単剤群(5.9カ月)より有意 に生存期間の延長が認められた。一方,エルロチニブ塩酸塩には有害事象として発疹な どの皮膚症状が高頻度に報告されている。欧米でのランダム化二重盲検第Ⅲ相臨床試験 において282例中203例(72%)に発疹が認められ 5)(レベルⅡ),切除不能膵癌を対象と したゲムシタビン塩酸塩 +エルロチニブ塩酸塩併用の国内第Ⅱ相臨床試験において,

* 保険未収載の検査・治療

5化学療法

106例中99例(93.4%)に発疹が認められたが,93.8% がgrade 2以下であった 6)(レベル

Ⅲ)。一方,発疹のgrade 2以上の群の平均生存期間,1年生存率はgrade 1以下の群に 比し有意に良好であった 5)。ゲムシタビン塩酸塩+エルロチニブ塩酸塩併用療法の延命 効果は大きくなく,また有害事象が増強する傾向を認めることから,ゲムシタビン塩酸 塩単剤療法を完全に凌駕する新たな標準治療としてのコンセンサスは得られていない。

わが国においても切除不能進行膵癌患者107例に対して国内第Ⅱ相試験が行われ,ゲム シタビン塩酸塩+エルロチニブ塩酸塩併用療法の生存期間中央値が9.23カ月と比較的 良好であり忍容性も示されたため,わが国でも保険適用が承認されている 6)(レベルⅢ)。

3.ゲムシタビン塩酸塩,種々の抗がん薬の併用療法(表6)

ゲムシタビン塩酸塩はその他にも種々の抗がん薬と併用され,ゲムシタビン塩酸塩単 剤と比較検討されてきたが,これまでに有意な延命効果が示されていない。局所進行切 表 6 進行膵癌に対する GEM 併用療法試験(ランダム化比較試験)

抗がん薬 生存期間中央値(月) p値 著者

GEM vs GEM+フルオロウラシル 5.4 vs 6.7 0.09 Berlin7)

GEM vs GEM+カペシタビン 7.2 vs 8.4 0.23 Herrmann10)

GEM vs GEM+カペシタビン 6.2 vs 7.1 0.08 Cunningham11)

GEM vs GEM+S─1 8.8 vs 10.1 0.15 Ioka34)

GEM vs GEM+シスプラチン 4.6 vs 6.9 0.48 Colucci12)

GEM vs GEM+シスプラチン 6.0 vs 7.5 0.15 Heinemann13)

GEM vs GEM+オキサリプラチン 7.1 vs 9.0 0.13 Louvet14)

GEM vs GEM+オキサリプラチン 4.9 vs 5.7 0.22 Poplin15)

GEM vs

GEM+イリノテカン塩酸塩

6.6 vs 6.3 0.79 Rocha16)

GEM vs

GEM+イリノテカン塩酸塩

6.5 vs 6.4 0.97 Stathopoulos17)

GEM vs GEM+エキサテカン 6.2 vs 6.7 0.52 Abou─Alfa18)

GEM vs GEM+ペメトレキセド 6.3 vs 6.2 0.85 Oettle19)

GEM vs GEM+ティピファニブ 6.0 vs 6.4 0.75 Van Cutsem20)

GEM vs GEM+マリマスタット 5.4 vs 5.4 0.95 Bramhall21)

GEM vs

GEM+エルロチニブ塩酸塩

5.9 vs 6.2 0.038 Moore5)

GEM vs GEM+ベバシズマブ 5.9 vs 5.8 0.95 Kindler22)

GEM vs GEM+セツキシマブ 5.9 vs 6.3 0.23 Philip23)

GEM vs GEM+アキシチニブ 8.3 vs 8.5 0.54 Kindler25)

GEM:ゲムシタビン塩酸塩

除不能膵癌あるいは遠隔転移を有する膵癌患者に対して,

・ゲムシタビン塩酸塩+フルオロウラシル併用療法(レベルⅡ) 7,8)(レベルⅢ) 9)

・ゲムシタビン塩酸塩+カペシタビン併用療法 10,11)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+シスプラチン併用療法 12,13)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+オキサリプラチン併用療法 14,15)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+イリノテカン塩酸塩併用療法 16,17)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+エキサテカン併用療法 18)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+ペメトレキセド併用療法 19)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+ティピファニブ併用療法 20)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+マリマスタット併用療法 21)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+ベバシズマブ併用療法 22)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩+セツキシマブ併用療法 23)(レベルⅡ)

・ゲムシタビン塩酸塩 +アキシチニブ併用療法 24,25)(レベルⅡ)

が行われたが,いずれもゲムシタビン塩酸塩単剤に対する明らかな優越性は示されな かった。

ゲムシタビン塩酸塩+プラチナ製剤(オキサリプラチンあるいはシスプラチン)の 併用療法とゲムシタビン塩酸塩単剤のpooled analysisでは,生存期間のHRが0.81(p=

0.031)であり,このうちPS=0の患者においてはHR:0.72(p=0.063)で,より有用で あったことが明らかにされた 26)(レベルⅠ)。さらに,メタアナリシスでは

・ ゲムシタビン塩酸塩+抗がん薬(カペシタビン,フルオロウラシル,プラチナ製剤,

イリノテカン塩酸塩いずれか)併用 27)(レベルⅠ)

・ゲムシタビン塩酸塩+カペシタビン併用 28)(レベルⅠ)

・ゲムシタビン塩酸塩+オキサリプラチン併用 28)(レベルⅠ)

・ゲムシタビン塩酸塩+プラチナ製剤併用 29,30)(レベルⅠ)

・ゲムシタビン塩酸塩+フルオロウラシル併用 29,31)(レベルⅠ)

が有用であると報告されているが,複数の異なるレジメンを解析しているため,特定の レジメンの有用性を示しているものではない。しかし,米国において癌の家族歴,特に 膵癌の家族歴がある転移病変を有する膵癌患者にプラチナ製剤を含む化学療法を行う と,膵癌の家族歴のない患者に比し有意に生存期間が延長するとの報告がなされた 32)

(レベルⅣb)。『NCCNガイドライン』(2012年版)でも遺伝性膵癌の可能性がある転移 病変を有する膵癌患者に対してゲムシタビン塩酸塩+シスプラチンの併用の推奨度が カテゴリー 2Aに変更されており,一部の遺伝子変異を有する患者においてシスプラチ ン併用治療が有用な治療のひとつとして挙げられている。今後,わが国においても検 証していく必要があると考えられる。

4.S─1単剤治療

わが国においてS─1は種々の癌に対して用いられているが,膵癌に対しても国内後期

5化学療法 第Ⅱ相試験が実施され,奏功率は37.5% で,無増悪生存期間中央値は3.7カ月,生存期

間中央値は9.2カ月であった 33)(レベルⅢ)。さらに,日本および台湾の切除不能進行膵 癌に対するゲムシタビン塩酸塩+S─1併用療法(GS療法),ゲムシタビン塩酸塩単剤,

S─1単剤の第Ⅲ相試験(GEST試験)が行われ,ゲムシタビン塩酸塩単剤とS─1単剤の比 較では生存期間のHRが0.96,97.5%CIが0.78〜1.18であり,ゲムシタビン塩酸塩単剤 に対するS─1単剤の非劣性が示された。QOLはゲムシタビン塩酸塩単剤とS─1単剤で差 が認められなかった 34)(レベルⅡ)。

S─1単剤治療の有害事象としてGEST試験では食欲不振,下痢,口内炎などの消化器 症状が高頻度に認められており,また,腎機能障害のある患者では有害事象が出やすい ことから慎重投与が望まれる。

5.ゲムシタビン塩酸塩+S─1併用療法(GS療法)

進行膵癌に対してゲムシタビン塩酸塩単剤あるいはS─1単剤治療の有用性が報告され てきたことから,ゲムシタビン塩酸塩+S─1併用療法の有用性についてわが国で検討さ れている 35,37)(レベルⅢ) 36)(レベルⅡ)。GEST試験ではゲムシタビン塩酸塩+S─1併用 療法(GS療法),ゲムシタビン塩酸塩単剤の生存期間中央値はそれぞれ10.1カ月,8.8カ 月で,HR:0.88であり,GS療法の生存期間はゲムシタビン塩酸塩単剤と比較して有意 な改善は認められなかった34)

6.オキサリプラチン,イリノテカン塩酸塩,フルオロウラシル,ホリナートカルシ ウム併用療法(FOLFIRINOX 

PS0〜1の遠隔転移を有する膵癌患者324例を対象にオキサリプラチン,イリノテカ ン塩酸塩,フルオロウラシル,ホリナートカルシウム併用群(FOLFIRINOX ),ゲ ムシタビン塩酸塩単剤群に無作為に分け検討した。FOLFIRINOX の生存期間は11.1 カ月,ゲムシタビン塩酸塩単剤は 6.8 カ月であり,HR は 0.57(95% CI:0.45〜0.73,

p<0.001)であった。有害事象としてFOLFIRINOX の5.4% に発熱性好中球減少が認 められ,QOL低下が認められた患者はFOLFIRINOX 31% に対し,ゲムシタビン塩 酸塩単剤で66% であった。FOLFIRINOX レジメンの毒性はゲムシタビン塩酸塩単剤 より強かったことから 38)(レベルⅡ),FOLFIRINOX は遠隔転移を有する膵癌で全身 状態が良好な患者の治療選択肢のひとつになるが,現時点では保険未収載であり,現在 国内で治験が進行中である。

7.ゲムシタビン塩酸塩+nab─パクリタキセル併用療法

Nab─パクリタキセルはアルブミンにパクリタキセルを結合させナノ粒子化した製剤 で,前臨床試験,臨床第Ⅰ,Ⅱ相試験の結果,ゲムシタビン塩酸塩との併用によりゲム シタビン塩酸塩単剤を上回る効果が期待されてきた。遠隔転移を有する膵癌患者842例 を対象に行われた第Ⅲ相試験の結果,ゲムシタビン塩酸塩+nab─パクリタキセル併用 群の生存期間中央値は8.5カ月,ゲムシタビン塩酸塩単剤群は6.7カ月,HRは0.72(95%

CI:0.617〜0.835,p=0.000015)であり,両群間には有意な差が認められた。ゲムシタ

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