第 2 章 子どもの基礎的人間力の測定方法と子どもの 基礎的人間力を養成するための学校教育
第 2節 子どもの基礎的人間力尺度による因子得点の変化
1 . 罰的
どもの基礎的人間力尺度因子得点の変化について、埼玉県鷲宮町立束中学校を対象と した 1年間の縦断的データ分析を行う。そのことで、子どもの基礎的人間力の要素である 各因子がどのように発達するのかについて検証する。
2. 調査手続き
( 1 )調査対象校について
埼玉県鷲宮町立束中学校(以下、束中学校と略す)に調査協力を依頼した。束中学校 は、筆者が勤務しており、当時の校務分掌では教務主任および研修主任を務めていた。
そのために、学校の実態に合わせた、いわば教育現場に無理な負担をかけずに長期的継 続的な研究が可能であり、管理職および教師からの全面的な協力を得ることが可能で、あ つにハこのような教育実践と研究を一体化した取り組みができることから、調査対象校
‑99嶋
とした。
( 2)子どもの基礎的人間力の調査方法
①調査対象者
調査が2年聞に及ぶことから、進級後も継続して調査協力を得ることができること を条件として、表E包‑1~こ示した束中学校の I 年生(平成 14 年度入学生 104 名)と 2 年生(平成 15年度入学生 130名)を対象とした。
②調査時期
2003年9月初旬から 2004年9月初旬の期間に毎月 1回実施した。実施日は、第1 週を原則としながら学年の月行事予定に配慮、して月毎に決めて誠査を行った。この調 査は、夏休みを除く全12回実施された。
③調査手続き
調査は学級担任に依頼し、学級単位の集合調査・記名法により実施した。各質問項 目について、 4段階評定で回答を求めた。
c r
4.全くそう思うjからr
1 .全然そう思わな しリのうち 1つを選択)。調査用紙は回収後所定の封筒に入れ、その場で回収した。12回分のデータが連続していないものや、欠損値のあるもの、転入学の子どもは調 査の対象としていない。
3. 結果
調査結果に基づき、 6因子の得点を学年、男女別に算出して、 12回分の調査データにつ いて、平均と標準偏差を計算して整理した(表n‑2・3)。また、各国子の時期×男女別の学 年得点の様子を関
n
‑2‑1 した。グラフイとでは、各国子の項目数が異なるために、昭子 合計得点を項目数で割った平均値とすることで比較した。そのために、各国子の得点は「全くそう思うJ (4点) '""
r
全然思わないJ (1点)の範関内で示されているO得られたデータの各国子得点については、それぞれに、 2 (学年)
x
2 (性)x
12 (時 期)の3要因混合計画法による分散分析を行った。被験者内効果は、時期群(自由度は 11)となる。時期は、 2003(平成 15)年9月から 2004(平成 16)年9月までの 13ヶ月であ るが、 8月は夏季休業自につき登校
B
が無いために質問紙調査を実施していない。そのた めに沼田分のデータとなる。被験者間効果は、平成 14年度入学生と平成 15年度入学生の 学年群(自由度 1)、男子と女子の性群(自由度1)である。分散分析の結果は表n
‑2‑4に 示した。なお、分散分析に使用したデータは、欠損依が無く、 12回分のデータが連続して し、る生徒のデータであるために調査対象者の人数とは異なる(表n
‑2‑5) 0ー100・
表n‑2・3 子どもの基礎的人間力尺度各悶子の月別平均値と標準偏差
酔 入院書籍毒係摂繋力 学校生活適応力 自己禽定感 人間関係機築カ キャリア感 年 務 査 時 級 学 年 同
~IJ 平均儀 $0 平均値 $0 平鈎値 $0 平均健 $0 平均健 $0 平均健
共感性 人 数
$0
平 成 叩 年
9Fl
14年 度 女 28.00 3.81 26.90 3.94 12.37 3.19 22.73 253 15.05 2.90 8.78 1.54 59 入 学 金 問現 27.34 4.21 25.81 4.39 12.38 3.37 22.32 348 14.46 4.10 8.29 1.00 56 15年 度 女 29.33 4.46 29.33 3.0ヨ 14.80 2.78 24.65 273 16.08 2.55 10.05 1.48 40 入 学 生 男 27.90 五57 26.53 五17 1423 300 23.15 356 14.70 3.83 9.18 1.81 38 14年 度 女 28.83 4.13 26.44 五00 12.83 3.11 23.14 286 15.47 3.02 9.34 1.72 59 入 学 生 努 29.14 4.35 27.24 4.39 13.34 3.35 23.09 362 14.88 3.60 8.05 2.46 56 15年 度 女 30.68 4.68 27.60 4.66 15.33 2.64 25.63 224 16.38 2.85 10.20 1.42 40 入 学 金 問現 30.38 4.35 28.23 4.14 15.54 2.66 23.93 2ω14.98 3.75 9.89 1.80 38 10月
11月
14年 度 女 29.86 4.53 27.58 4.41 13.03 3.39 23.56 3.08 15.88 2.78 9.12 1.67 59 入 学 生 男 29.14 4.15 28.14 4.90 13.31 3.56 22.77 396 14.68 3.47 8.13 2.29 56 15年 度 女 30.73 362 29.05 4.85 14.98 302 25.58 2.49 16.10 3.03 10.10 1.74 40 入 学 生 男 30.40 4.79 29.48 4.09 14.92 2.90 24.08 298 15.13 3.06 9.84 1.62 38 14年 度 女 30.41 4.26 28.92 4.15 1320 3.55 23.80 2幻 15.90 2.90 9.53 1.92 59 入 学 生 男 30.10 4.60 28.31 4.55 13.57 3.64 23.75 3.51 14.98 3.44 8.48 2.46 56 12月
15年 度 女 31.88 3.60 29.40 4.40 15.10 3.06 25.28 244 16.45 2.96 10.03 1.51 40 入 学 生 男 30.08 4.42 29.23 3.90 15.56 2.95 24.30 302 14.78 4.15 10.13 1.70 38 14年 度 女 29.95 4.40 29.07 3.60 13.29 3.71 23.69 291 15.93 2.94 9.68 1.94 59 入 学 生 男 29.84 4. 18 28.53 4.02 14.02 349 23.41 3.27 15.09 346 8.68 2.28 56 1Fl
2Fl
15年 度 女 31.10 4.27 30.13 3.60 15.20 3.33 25.55 249 16.25 325 10.43 1.52 40 入 学 生 男 31.55 390 29.30 4.69 15.26 354 24.73 274 15.03 3.75 10.11 1.83 38 14年 度 女 30.44 4.刀 29.58 4.44 13.56 3.49 24.10 3.36 15.95 2.68 9.86 1.76 59 入 学 生 男 29.69 4.71 28.81 4.46 14.05 3.70 23.46 375 15.23 3.70 8.57 256 56 15年 度 女 31.13 4.40 29.95 4.17 15.10 3.00 25.55 274 16.10 3.32 10.10 1.85 40 入 学 生 同現 31.65 353 29.50 4.67 1526 361 24.23 295 15.33 3.幻 1021 1.88 38 14年 度 女 30.34 4.26 28.64 4.81 14.10 3.52 24.25 3.00 16.36 2.59 9.97 1.83 59 入 学 金 問顎 30.86 399 30.09 375 14.54 3.79 24.52 284 16.20 3.21 9.32 219 56 15年 度 女 31.85 3.50 30.10 4.55 14.63 3.18 25.08 2.63 16.08 2.88 10.53 1.34 40 入 学 生 男 30.78 4.05 29.65 4.39 15.49 3.63 24.80 246 15.98 3.55 10.47 1.84 38 3月
平 成 同 年
4月
14年 度 女 30.15 4.20 29.69 4.04 13.69 3.72 24.12 2.99 16.14 2.56 9.66 1.80 59 入学生 男 30.47 4.19 29.07 4.50 14.16 3.58 24.30 281 15.77 3.11 9.09 2.28 56 15年 度 女 31.00 4.28 29.88 420 15.45 2.87 25.83 24.吉 16.38 257 10.15 1.49 40 入 学 生 努 31.43 3.34 30.70 3.69 15.79 291 24.90 289 15.35 3.54 10.29 1.64 38 14年 度 女 30.81 3.76 29.76 4.04 13.63 3.62 24.36 3.16 16.34 238 9.88 1.95 59 入 学 生 男 30.97 4.35 30.10 4.16 14.80 3.91 24.32 3.35 15.88 3.33 9.11 230 56 5月
15年 度 女 31.68 4.03 30.43 3.73 14.78 3.45 25.75 2.90 16.25 3.12 10.38 1.90 40 入 学 生 間現 32.03 3.99 30.88 4.74 15.72 296 25.15 234 15.28 3.33 10.39 1.72 38
6月
14年 度 女 30.56 4.34 29.97 424 13.69 3.64 24.19 3.39 16.10 2.31 9.98 1.74 59 入 学 生 用明 30.91 4.74 30.48 4.31 14.72 4.ρ'0 24.54 3.49 15.77 3.67 9.13 2.37 56 15年 度 女 31.60 3.81 30.95 4.31 14.75 3.62 25.50 301 16.13 299 10.13 1.80 40 入 学 生 田明 31.78 4.04 30.63 4.82 15.44 3.30 25.05 257 15.85 3.6.¥ 10.53 1.57 38 14年 度 女 31.32 4.01 30.34 4.33 14.36 3.57 24.78 279 16.63 2.65 9.98 1.86 59 入 学 生 男 31.43 4.35 30.83 3.64 15.00 3.78 24.68 3.30 16.23 3.32 9.66 2.09 56 7月
9Fl
15年 度 女 31.78 3.79 31.33 3.31 15.15 2.58 25.40 3.06 16.38 2.68 10.33 1.73 40 入 学 生 閤現 31.53 3.73 30.60 4.19 15.92 3.11 25.55 255 15.63 3.66 10.50 1.62 38 14年 度 女 30.81 4.07 29.97 4.07 1324 3.42 24.19 290 16.42 2.54 9.85 1.57 59 入 学 生 閉
現 30.36 4.27 30.22 3.63 14.72 3.86 24.63 3.13 16.55 3.27 9.57 211 56 15年 度 女 30.70 4.26 30.63 4.48 14.73 3.10 25.20 3.13 16.08 3.19 10.30 1.59 40 入 学 生 閉現 31.45 4.16 30.70 3.32 15.08 3.12 25.13 263 16.0唱 3.21 10.32 1.25 38
嗣 101・
表E刷2・4 子どもの基礎的人間力尺度における各因子の分散分析結果一覧 因子名 被験者内効果 F傭 被験者間効果 Ff童
時期 14.67
* *
人間関係調整力 持期x学年 0.61 学年 5.23
*
時期 x性 1.05 性 0.14 時期 x学年 x性 0.95 学年x性 0.02 時期 16.10
* *
学校生活適応力 時期x学年 0.40 学年 10.15
* *
時期x性 1.55 性 0.17 時期x学年x性 0.65 学年 x性 0.45 時期 3.18
* *
自己肯定感 時期x学年 1.38 学年 49.04
* *
持期x性 0.63 性 5.77
*
時期x学年 x性 0.19 学年x性 0.47 時期 7.18
* *
人間関係構築力 時期x学年 0.89 学年 25.19
* *
時期 x性 1.30 性 4.18
*
時期 x学年 x性 0.33 学年 x性 2.68 時期 2.90
* *
キャリア感 時期x学年 0.65 学年 0.03 時期 x性 0.90 性 12.11
* *
時期 x学年 x性 0.18 学年x性 0.70 時期 6.23
* *
共 感 性 時期x学年 0.87 学年 71.09
* *
時期x性 0.80 性 14.66
* *
時期x学年x性 0.79 学年x性 10.34
* *
*担く
. 0 5
,* *
pく. 0 1
表立網2・5 各因子の学年・男女別調査対象者
因 子 ト 立 閤子盟 因子N 調子V 因子羽
入 学 年 度 男 子 女 子 合 計 男 子 女 子 合 計 男 子 女 子 合 計 男 子 女 子 合 計 男 子 女 子 合 計 14年度 58 59 117 61 59 120 56 59 115 56 59 115 56 59 115 15年度 40 40 80 39 40 79 40 40 80 40 40 80 38 40 78 合計 98 99 197 100 99 199 96 99 195 96 99 195 94 99 193
剛 102・
3.60 L
,
Oう.40 3.30 1
3.20 3.10 ・ 3.00
:uo
3.10
2..801
ι70 2.60 1
2.40
。突入。~.~ ^~ト令。ヌトヌト令令 ヘ ヘ ( ヘ ル へ ら
「人間関係調整力J
介入令介冷介冷^~ ~~ト/_~,-~ /\~ ~(。
'ヘv ヘ ヘ
「学校生活適応力J
き.60寸
ー+ー14年度女 ー・̲14年度男
15年度女 3.10
一一15年度勇 3.00 2.90 2.80 ,
ー ←14年度女
『・‑14年度勇 15年度女
一 一
15年度勇3.40
3.20
3.10
3.00 2.90 2.80
~~ ,,~へ令 。ヘ令,,~ "-~ "-~ /_~ r_~ 冷命令 'ヘ古ヘ ヘ
「人間関係構築力J
~~ト円。. ~ト 4ト.~ト 令^~ト 4トJトι句句入凡令 'ヘv ヘ ヘ
「キャリア感J
3.40
BO
一寸
3.503.20 う10
3.00 2.90 2.80
九、円。ヘ。冷汗冷 3 ふん今,-~/¥'令。令 'ヘーーヘ ヘ
「自己肯定感J
ー ←14年度女 ー・‑14年度男
‑.‑15年度女 一 ←15年度男
3.10 2.90
2.70
2.50
し 今pyy ♂ヂク F グ ro~ /\,~ o;~
「共感性J
、
、dII ‑2‑1 どもの基礎的人間力尺度因子得点の月別変化
( 1)
r
人間関係調整力」因子ー+ー1‑1年度女 ........11‑年度男 15年度女
‑ 15年度男
ー ←14年度女
・唱ー14年度勇
一15年度女
一 戸15年度晃
ー ←14年度女 吋・‑14年度男 15年度女
一一15年度男
はみられなかった。単純主効果では、時期群(F[lL 2316] 二 14.67、p<O.Ol) と、学年群 (F[1、 195 ]ニ5.23、 p<0.05)において、それぞれ有意な差がみられた。
品年群では、平成 15年度入学生の方が有意に高かった。
多重比較 (引lkey法)を行った結果 (Appendix
n
‑2‑1)、時期群では、平成 15年9月‑103・
から 12月の得点と平成16年4月から 7月の得点が有意に高くなり、平成 16年7月から 9月は有意に得点が低かった。
( 2)
r
学校生活適応力J因子交互作用はみられなかった。単純主効果では、時期群(F[ 11、2316]
=
16.10、p<O.Ol) と、学年群 (F[1、 195] = 10.15、 p<O.Ol)においてそれぞれ有意な差がみられた。学 年群では、平成 15年度入学生の方が有意に高かった。多重比較(恒lkey法)を行った結果 (AppendixII‑2・2)、時期群では、平成 15年9月 から平成 16年γ月の得点が有意に高くなり、平成 16年7月から 9月で、は有意に低かっ た。
( 3)
r
自己肯定感」因子交互作用はみられなかった。単純主効果では、時期群(F[ 11、2340]= 3.18、p< 0.01) と、学年群 (F[1、 197 ]コ49.04、 p < 0.01)、性群 (F[1、 197] = 5.77、 p < 0.05) においてそれぞれ有意な差がみられた。学年群では、平成 15年度入学生の方が有意に
く、性群では、男子の方が有意に高かった。
多重比較(引lkey法)を行った結果 (AppendixII ‑2‑3)、時期群では、平成 15年9月 に比べて、飽のすべての持期得点が有意に高く、平成 16年7月から 9月では有意に低か った。
(4)
r
人間関係構築力j因子交互作用はみられなかった。単純主効果では、持期群(F[ 11、2292]= 7.18、p< 0.01) と、学年群 (F[1、 193]
=
25.19、 p < 0.01)、性群 (F打、 193]=
4.18、 p < 0.05) においてそれぞれ有意な差がみられた。学年群では、平成 15年度入学生の方が有意に く、性群では、女子の方が有意に高かった。多重比較(もlkey法)を行った結果 (AppendixII・2‑4)、時期群では、平成 15年9月 に比べてすべての時期において得点が有意に高かった。平成 16年7月の得点は、平成 15 年9月"‑'12月よりも有意に高く、平成 16年7月から 9月で、は有意に低かった。
( 5)
r
キャリア感J国子交互作用はみられなかった。単純主効果では、時期群(F[lL 2292] = 2.90、p< 0.01) と、性群 (F[1、 193 ]二12.11、 p < 0.01)においてそれぞれ有意な差がみられた。性 群では、女子の方が有意に高かった。
多重比較(引lkey法)を行った結果 (AppndixII ‑2‑5)、時期群では、平成 15年9月
‑104・
12月に比べて平成16年2月の得点は有意に高く、平成 16年1月の得点よりも 7月の方 局、zこ高かった。平成 16年2月の得点よりも平成 16年9月の方が有意に高かった。
( 6)
r
共感性J必年群 (F[1、 191 ]二71.09、 p < 0.01) と性群 (F[1、 191 ] = 14.66、 p < 0.01) こ有意な差がみられ、交互作用が有意 (F[2、 191 ] = 10.34、 p < 0.01)であった。政 成 15年度入学生では男女差がみられないが、平成 14年度入学生では女
かった (図II‑2・2)0単純主効果では、平成15年度入学生の方が有意に高く 、女子の方 が有意に高かった。時期群
( F [
11、 2268 ]二6.23、 p < 0.01)の単純主効果を検定し た結果、有意な差がみられた。多重比較 (Tukey法)を行った結果 (AppendixII ‑2‑6)、時期群では、平成 15年9ノ寸
‑‑‑‑‑11月の得点が有意に低く、平成16年3月と 7月の得点は、他の日寺期の得点よりも有意 こ高かった。
3.50 3.40 3.30 3.20 3.10 3.00 2.90 2.80 2.70
14年度 14年度女 15年度ヵ 15年度女 図II‑2・2 共感性因子得点の学年男女比較
4 考察
( 1 )子どもの基礎的人間力の測疋
「人間関係調整力J・「学校生活適応力J・「自己肯定感J・「人間関係構築力」因子は、
2003 (平成 15)年9月の得点と比較して、時期!要因が有意であることから高まっている ことが確認できる。これらの因子得点が向上していることは、子どもの基礎的人間力が
‑105・
学校教青において養成されていることを表していると考えられる。それは、第I部第3 章で述べたように子どもの基礎的人間力の要素は、 f基本となる個別の力J(心理的生理 的安心感、自尊感情、年齢相応の基本的な生活習慣、マナー(札{義)、体力、耐性、自 性・自立心、キャリア意識)と、「人と関わることのできる力J(コミュニケーション力、
他者理解、思いやり、共感性、協調性、相談する力、頼む・依頼する力、依存心、仲間 に入る力、集団の中で過ごす力、地域の入と関わる力)の2つから構成されているが、
それぞれの構成要素となる力と子どもの基礎的人間力尺度の因子得点で測ろうとしてい る力は重なる点が多い
具体的には、表1I‑2・2の子どもの基礎的人間力尺度の質問項目、第1因子の「人間関 係調整力Jそれぞれの質問項目を以下に示したが、これに子どもの基礎的人間力の構成 要素は、次のように対応している。
V37 私は、友達に自分の考えを言えます: (コミュニケーションカ)
V19 友達に頼みたいことがあるときは、頼むことができます: (頼む・依頼する力) V20 困ったときには、人に助けを求めることができます: (依存心)
V1 わからないときは友達に質問できます:(相談する力)
V2 友達と違う意見でも、自分の意見を言うことができます:(コミュニケーション力) V10 悩み事があるときは、友達に棺談できます: (相談する力)
V15 友達との話し合いに参加することができます: (コミュニケーション力) V38 嫌なことは、うまく断ることができます: (コミュニケーション力)
V29 自分によいことが起きると、それを人に伝えることができます: (コミュニケーシ ョン力)
以上、示したように、それぞれの質問項
B
に子どもの基礎的人間力構成要素を対応さ せることができるのである。同様に「学校生活適応力」因子の9項目 (V17、V35、V26、V18、V27、V8、V45、 V36、V34)には、「基礎的人間力jの要素(基本的な生活習'演、マナー(礼{義)、耐性、
基礎的な学力、自主性・自立心)が対応する。
「自己肯定感j因子5項目 (V14、V5、V32、V23、V41)は自尊感情と対応している。
「人間関係構築力J因子 γ項目 (V16、V24、V28、V11、V6、V33、V42)では、協調 性、マナー(礼儀)、耐性、仲間に入る力、集団の中で過ごす力などが対応しているよう に、筆者が新たに作成した子どもの基礎的人間力尺度の各国子項目は、子どもの基礎的
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