第2部 IT による企業活動の見える化技術~EEMS 適用の際のポイント~
4. 効率評価技術に関する取り組み事例
4.3. サーバ消費電力の簡易測定手法の調査研究
4.3.3. 北陸先端科学技術大学院大学・情報科学センターでの電力測定(フェーズ1)
フェーズ1として北陸先端科学技術大学院大学の情報科学センターのコンピュータ室で の消費電力測定を実施した。図 4.3-1に電力測定箇所の模式図を示す。
*39 本4.3節の内容は調査時点(2010年10月)の情報に基づいており、最新情報及び詳細はJEITA委員会より発行され ている参考文献[2]を参照されたい。
*40 個別のIT機器の電力の積算が困難な既存の商用環境におけるIT機器の電力使用量を、簡易計算モデルを使用しパ
図 4.3-1 フェーズ1の電力測定箇所*41
配電盤での消費電力測定と、コンセント毎に電力測定が可能な PDU の機能を用いて各 IT 機器個別の消費電力値を測定した。
フェーズ1の測定結果から以下の事柄が判明した。
①配電盤の測定と、コンセント毎に測定可能なPDUでの測定が厳密には一致しない。
理由)検出方法の違い、電力積算方法の違い、誤差のへだたりがあるため。
②2重電源の各経路の電力使用量は完全にはバランスしない。
③配電盤での測定は積算電力の精度が一番高いが、機器により 1-2%の誤差がある。
2重電源で冗長化された IT 機器では測定値の相対誤差が増大する。
理由)電源の電流値が約 1/2 になるため。
④コンセント毎に電力測定が可能な PDU の測定値には±100mA 程度の絶対誤差がある。
(例えば、一台の IT 機器が 100V3A を消費している場合、相対誤差は3.3%となる。)
4.3.4. 複数の商用サーバ実使用時電力の測定(フェーズ2)
フェーズ1の知見を元にフェーズ 2 の測定では以下の 2 項目を測定方針とした。
①既設置の実環境測定の場合・・・配電盤の積算消費電力を基礎データとして使用する。
②2 重電源の場合・・・それぞれの配線経路を測定して積算する。
フェーズ 2 実施に際しての消費電力測定箇所を図 4.4-2に示す。
*41 JEITAサーバ事業委員会提供
図 4.3-2 フェーズ 2 での電力測定箇所*42
フェーズ 2 の電力測定では配電盤でのみ消費電力測定を実施した。
3 箇所の実環境での消費電力測定を実施した結果、下記の課題が判明した。
■正確な配線経路の情報が管理されていない
-エンドユーザとシステムインテグレータの管理データが不整合 -担当者引継ぎが不完全
-増設時に接続が変更された ■想定外の電源接続
-配電盤→コンセント Box→UPS→サーバ(100V 系)
-DC アダプタをコンセントレールに複数接続 ■常時流れる電流量が意外と少ない
-2 重電源(冗長化)
-100V系における 1.5kVA の UPS
-拡張性の高いサーバを使用(450W 以上の電源、定格値との相違が大)
■電力使用量の変動が意外と少ない
-CPU 使用率よりも、ファンの冷却コントロールで階段状に変化する?
-急激な CPU 使用率の変動を UPS が平準化している?
4.3.5. IT機器消費電力測定に関する簡易モデル化の検討