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シンガポールにおける省エネ技術開発

第2部 IT による企業活動の見える化技術~EEMS 適用の際のポイント~

4. 効率評価技術に関する取り組み事例

4.5. シンガポールにおける省エネ技術開発

ついてまとめる[4]。

4.5.2. グリーンストレージシステムシミュレーション

DSI のネットワークストレージ技術部門において「エネルギー効率の良いストレージシ ステムのためのシミュレーション」プロジェクトが進められている。ネットワークストレ ージシミュレータの設計・開発を通じて、一般に利用可能なグリーンストレージ技術をテ スト、分析、ベンチマーキングを行っており、インテリジェントでエネルギー効率の良い、

ハイパフォーマンスなストレージシステムの開発も指揮している。更に、個々のストレー ジデバイスの消費電力を同時かつ正確に計測できる電力消費計測デバイスの設計・開発も 行っている。

シミュレーションソフトウェアは、ファイバ・チャネル(FC) SAN ストレージシステ ムのシミュレーションである。各種利用可能なグリーンストレージ技術の有効性をテスト し、比較・評価することができる。また、ある稼動環境下における最適なパラメータセッ トを決定できるだけでなく、新しいアルゴリズムの設計・開発が可能である。システム性 能を改善する一方で、エネルギー消費を削減するためのより有効な手段を開発するために 利用できる。

シミュレーションソフトウェアは図 4.5-1 に示すように、クライアント、サーバ、ネッ トワーク、ストレージという4つの主要モジュールからなる。

本プロジェクトでは、ストレージボックス内の個々のデバイスの電力消費量を研究・測 定するため、図 4.5-2 に示すように、ストレージボックスの中間層に繋がる、市販で利用 できる電力計測デバイスだけを設計・開発した。図中でPCBと示された小さな緑色の矩形 が計測デバイスである。これらのデバイスは、最小限の接続線でPCへと接続されており、

ボックス内の全ドライブの同時電力計測が可能である。

将来的には、本プロジェクトは、インテリジェントなグリーンストレージシステムの設 計・開発を計画している。このシステムでは、動的に変化する負荷を区別し、データアロ ケーションのアルゴリズムとキャッシュ再配置のアルゴリズムを調整することで、異なる 環境下で最適なシステム性能と電力消費を達成することが可能となるとしている。

図 4.5-2ストレージボックス内部の電力計測デバイス [4]

参考文献

[1] 平成21年度海外技術動向調査 調査報告書-アジア編-、経済産業省、平成22年3月 http://www.meti.go.jp/policy/tech_research/30_research/foreigncountries-research/h21 fy/h21fy_asia.pdf

[2] A*STARホームページ http://www.a-star.edu.sg/

[3] DSIホームページ

http://www.dsi.a-star.edu.sg/

[4] DSI Annual Report 2008/2009

http://www.dsi.a-star.edu.sg/Library/Files/PDF/Annual_Report/DSI%20AR%2008_09.

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コラムB. A*STARの組織概要

シンガポールの科学技術研究庁(A*STAR)は、貿易産業省(Ministry of Trade and Industry,MTI)が統括するシンガポール国内における公的機関のR&D活動を振興す る中心的機関として、2002年1月1日、国家科学技術庁(NSTB:National Science and Technology Board)の名称変更・組織改正によって設立された組織である。2002年の 組織改正では、新たに、開発技術の商用化を担当するExploit Technologies社が組織さ れた。NSTB からA*STAR への組織変更は、研究資金の投入のみならず、技術の利用 と新規産業の育成に力を入れようとするシンガポール政府の姿勢を表している。技術を 開発するだけでなく、開発した技術を知的財産権で保護し、事業化・商用化することを 目的としたものであった。

A*STARには大きく分けて五つの部門がある。一つは企画・政策・人事・財務・管理

を担当するコーポレート・グループ(Corporate Group)であり、これに個別の研究開 発政策を担当する二つの研究評議会、生物医学研究評議会(BMRC)と科学・工学研究 評議会(SERC)、さらに奨学金を与えるなどの人的資源の開発を担当する A*STAR Graduateアカデミー(A*GA)、そして2007年末に新設された二つの研究評議会に跨 る領域の研究の調整を行うA*STARジョイント評議会(Joint Council)が組織されて いる。

さらに、傘下組織として、BMRC傘下の12の研究所、SERC傘下の8の研究所、研 究成果の商用化を担うExploit Technologies社を含む3社、民間や教育機関との共同シ ェアード・サービスを提供する11の組織がある。

A*STARは、海外の研究機関、高等教育機関や民間企業との提携も積極的に進めてお

り、2004年10月には、日本の独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)と、情報通 信分野、ライフサイエンス分野などにおける人的交流、情報交換、ワークショップの開 催、共同研究等の研究協力協定を締結した。この他、日本との間では、科学技術振興機 構(JST)、理化学研究所(RIKEN)、早稲田大学、久留米大学、日本ユニサンティスエ レクトロニクス、旭硝子、フジクラ、富士通アジア、日立アジア、三井化学、パナソニ ック電子デバイス、東京化学工業が提携パートナーとなっている。

Science and Engineering Research Council(SERC)の傘下には、化学、製造・オ ートメーション、電子・電気、IT・通信、エネルギーの5分野に、データストレージ研 究所(DSI)、シンガポール製造技術研究所(SIMTech)、化学・理工学研究所(ICES)、

情報通信研究所(I2R)、高機能電算処理研究所(IHPC)、材料研究・工学研究所(IMRE)、

マイクロエレクトロニクス研究所(IME)、国家計測センター(NMC)の8つの研究所 が属しており、広範囲の科学・工学の研究開発の監督・支援を行う[1]。

A*STARの組織概要(続き)

図B-1. A*STAR組織図

出典: http://www.a-star.edu.sg/tabid/72/default.aspx