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ストレージシステムのベンチマーク

第2部 IT による企業活動の見える化技術~EEMS 適用の際のポイント~

2. 省エネのための評価指標・調達基準・標準規格に関する取り組み事例

2.7. SPC によるストレージ省エネ評価ベンチマーク

2.7.2. ストレージシステムのベンチマーク

SPC は 2001 年 に ス ト レ ー ジ シ ス テ ム 業 界 初 の 標 準 ベ ン チ マ ー ク と し て 、SPC Benchmark 1TM(SPC-1TM)Version 1.0を開発、発表した。その後、SPC-1は、改訂を重 ねてきており、2009年10月にVersion 1.12として、エネルギー利用状況の測定とレポー トを含めた拡張版であるSPC Benchmark 1/EnergyTM(SPC-1/ETM)が発表された[3]。現 在は、4 つのベンチマーク(SPC-1,SPC-2,SPC-1C,SPC-2C)と 2 つのエネルギー拡張版

(SPC-1/E,SPC-1C/E)がリリースされており、各ベンチマークに対するテストスポンサー となった企業によるベンチマーク結果がウェブサイト上に公開されている。[4]

(1) SPC Benchmark 1(SPC-1)

ード(動作負荷)から構成される。スケーラブルなテスト群であり、電子メールサーバの ようなオンライン・アプリケーションで使用されるストレージシステムでみられる業務負 荷を想定している。1秒間のトランザクション処理回数、価格性能値など、ランダムI/Oを 中心としたストレージ性能値を評価する標準的なベンチマークテストである。

SPC-1で実行されるテストには次のようなものがある。

・ Persistence テスト

被試験ストレージシステムに格納・検索されるデータが不揮発であり矛盾がないこ

とを確認するテスト

・ Sustain テスト

長時間走行(三時間以上)によりストレージシステムの性能を測定するテスト

・ Ramp テスト

100 % から 10 %までの各負荷条件での性能を測定するテスト

・ Repeat テスト

最大負荷(100 %)と低負荷(10 %)での性能を確認するテスト

SPC-1 では表 2.7-1 のような性能値を得ることができ、全体としてストレージシステム

の性能レベルが示される。

表 2.7-1 SPC-1で得られる性能値 [3]

SPC-1 IOPSTM

(Average I/O Transactions per Second)

そのシステムが提供可能なトランザクション処 理効率を示す

SPC-1 Price-Performance SPC-1 IOPSTM 当たりの価格で、そのシステム 価格と性能の関係を示す

Total Storage Space テストに使用されたシステム全体の記憶容量

で、そのシステムの規模を示す

Protection Level そのシステムで用いられたデータ保護レベル

SPC-1 LRTTM

(Average Response Time)

低負荷時におけるストレージに対するアクセス 要求への平均応答時間を示す

図 2.7-2 SPC-1結果レポート例 (HP社)[5]

(2)SPC Benchmark 1/Energy (SPC-1/E)

SPC-1/E は、SPC-1(ストレージ性能評価)をエネルギー利用状況の測定とレポートに

拡張したものである。前述の通り、2009年10月にSPC-1のVersion 1.12として発表され た。複数のアプリケーションの待機状態も考慮して、ベンチマーク実行中のアプリケーシ ョンの動作状態と待機状態での測定が可能である。

ベンチマーク結果は、ポスト処理ツールによってグラフ出力や表形式で出力される、図 2.7-3は、各テスト状態に対応したIOPS性能と平均消費電力を出力した例であり、図 2.7-4 は、単位電力量あたりのIOPS性能(IOPS/W)やエネルギーコスト($/kWh)、年間エネル ギー利用量(kWh)や年間エネルギーコスト($)などの電力プロファイルデータを出力した例 である。これらのデータを利用することにより、エンドユーザはより多くの情報によって 製品購入の意思決定が可能となり、ベンダはより広い観点から新製品や改良製品の開発・

試験を行うことができる[6]。

図 2.7-3 SPC-1/Eの電力/性能プロファイルデータの出力グラフ例 [6]

図 2.7-4 SPC-1/Eの電力プロファイルの出力データ例 [6]

(3) SPC Benchmark 2 (SPC-2)

SPC-2 は、大規模なデータを連続的に扱うビジネスアプリケーションにおいて、ストレ

ージシステムの性能を測定するテスト群である。大容量ファイル処理、大容量データベー スのクエリ、ビデオ・オン・デマンドの 3 つのワークロードで構成されており、シーケン シャルI/Oを中心としたストレージ性能における標準的なベンチマークテストである。

(4) SPC Benchmark 1C (SPC-1C)

SPC-1C は、ディスクドライバー、ホスト・バス・アダプター(HBAs)、ロジカル・ボ

リューム・マネージャーのようなソフトウェア等のストレージを構成する製品群に広く適 用可能とした初めての構成要素レベルのSPCベンチマークである。SPC-1Cは小さなスト レージシステムにのみ適用可能であり、1-4U,2-2U,4-1U等の4Uよりも小さなストレージ に入っている最大で48個のデバイスが対象となる。

(5) SPC Benchmark 1C/Energy (SPC-1C/E)

SPC-1C/Eは、エネルギー利用状況を測定可能としたSPC-1Cの拡張版である。

(6) SPC Benchmark 2C (SPC-2C)

SPC-2Cは、構成要素レベルを対象とした2番目の SPCベンチマークである。SPC-1C と同様に小さなストレージシステムを対象としている。

参考文献

[1] SPCホームページ

http://www.storageperformance.org/

[2] SPCメンバー企業

http://www.storageperformance.org/about/roster/

[3] “SPC-1, SPC-1/E official specification Revision 1.12” ,2009/09/12 http://www.storageperformance.org/specs/SPC-1_SPC-1E_v1.12.pdf [4] SPC Specfications

http://www.storageperformance.org/specs [5] SPC Benchmark 結果レポート例(HP社)

http://www.storageperformance.org/benchmark_results_files/SPC-1E/AE00003_HP_S torageWorks-6400-EVA/ae00003_HP_StorageWorks-6400-EVA_SPC1E_full-disclosure.

pdf

[6] SPC-1/E概要説明資料

http://www.storageperformance.org/press/SPC-1E_Overview_2009-10-13.pdf

2.8. ATISによる通信機器省エネ評価指標