第2部 IT による企業活動の見える化技術~EEMS 適用の際のポイント~
4. 効率評価技術に関する取り組み事例
4.1. 大学構内における ICT 活用省エネの取り組み(東大グリーン ICT プロジェクト)
4.1.5. 消費電力計測技術に関する取り組み
電力計測に関する課題の中で「計測のための配線」が注目されている。電力計測を実施 する場合、そのデータをどのように収集蓄積するかという手段として、専用配線を準備す るのではなく、無線通信を利用するか、既存有線通信を利用するなどが考えられる。デー タの送信におけるこの問題解決のために、実証実験の中で各種伝送方式を用いた電力計測 を実施している。
(1) 電力線通信(PLC)による電力計測(パナソニック)
IT機器の消費電力計測のために、コンセント用ワットアワーメータを使い、計測したデ ータをPLC(Power Line Communications)でサーバに伝送してデータ収集を実施した。
ワットアワーメータは既存のものを利用し、PLC子機の試作器により伝送を実施した。
光ファイバー センサ設置想定図
》サーバ前面側に設置 》サーバ吸込み温度を計測し 温度分布を測定
光ファイバー
サーバラックの多点温度計測
17
測定結果
14.34 14.83 14.65 15.06 16.36 16.73 16.39 16.44
19.99 19.55 20.09 20.01 19.72 21.05 20.96 21.42 21.53 20.67 18.31 18.01 17.86 18.17 18.42 14.83 14.5214.814.516.63 17.22 17.12 17.37 2 222℃
19.64 19.85 19.97 20.08 19.6221.120.83 20.72 21.15 20.79 18.36 17.98 18.38 18.25 18.43 16.23 15.49 15.34 15.02 17.71 17.51 17.58 17.24 2 1
19.57 19.4219.519.66 19.48 20.42 19.92 20.56 20.52 20.38 17.91 18.24 17.83 18.29 18.25 16.31 16.22 16.23 16.35 17.32 18.15 18.43 18.27 2 0
19.66 19.8820.120.01 19.89 20.16 19.68 19.51 19.91 19.71 17.73 18.16 17.88 17.57 18.2617.717.48 16.93 16.82 17.88 18.41 18.38 18.44 1 9
20.34 19.87 19.96 19.76 20.11 19.23 18.89 18.83 19.27 19.22 18.15 18.35 18.15 17.84 18.27 18.48 18.77 19.11 19.91 18.68 18.55 18.6519 1 8
19.6820.120.3120.220.03 18.77 19.011918.29 18.09 18.86 18.71 18.52 18.25 18.25 20.91 20.74 20.06 20.43 18.74 18.47 18.66 18.79 1 7
19.76 20.14 19.78 19.66 19.59 18.38 18.29 17.71 17.89 18.17 19.31 19.73 18.98 19.92 19.53 20.82 21.04 21.18 21.28 18.68 19.16 18.65 19.11 1 6
19.32 20.1119.919.87 19.8218.417.97 18.04 18.11 18.12 19.45 19.48 19.49 19.43 19.921.07 21.08 21.47 21.21 19.24 19.93 19.24 19.15 1 5
19.5919.719.83 19.67 19.85 18.42 18.48 18.11 18.33 18.42 19.47 20.08 19.88 21.12 20.98 20.54 20.92 20.79 20.84 19.87 19.84 20.35 20.34 1 414℃
計測日 :3月17日 16:30 天 気 :晴れ 18℃
空調設定:20℃
空調吹出しより 遠い部分は温度高
空調吹出し付近は温度低
計測温度
サーバの設置環境の 温度均一化が必要
図 4.1-3 PLCによる電力計測*35
(2) 無線通信(Bluetooth)による電力計測(名古屋大学、シムックス)
前述の入退室連動IT省エネ実証試験では、Bluetoothによりデータ伝送を行う無線小型 電力計を用いて、複合機2台の電力計測、データ収集を実施した。
ハードウェアの検証として 6日間連続(8640 分)のデータを欠測無しで収集し、安定性 の確認を実施した。また、無線小型電力計の設置とデータ収集サーバへのソフトインスト ールは短時間で可能であり、実用性に優れていると評価した。
計測数値の精度や十数台での同時計測は今回の実験対象外となっており、今後の課題であ る。
システム図
無線 Bluetooth
PCサーバー
CIMX 分析ソフト Activite
データの取込み 小型電力センサネット
図 4.1-4 無線通信(Bluetooth)による電力計測*35
(3) 無線通信(ZigBee® *36)による電力計測(パナソニック)
分電盤での電力計測データを無線で伝送、データ収集を実施した。
工学部2号館の分散した場所に無線電力計測端末を配置し、電力計測データを無線通信に
*35 東大グリーンICTプロジェクト実証実験WG提供
*36 ZigBeeはZigBee Alliance,inc.の登録商標です。
よりデータ収集装置に集約した。計測ポイントを無線化した端末局に送り、さらに4台の 中継局に集約し、それをさらに親機に集めることにより1フロア分をカバーする形での確 認を行った。
図 4.1-5 無線通信(ZigBee)による電力計測*37
(4) 既存有線通信による電力計測(パナソニック電工)
既存有線通信を利用する方法として、照明制御システムの有線ネットワークを利用した 電力計測とデータ収集を行った。各階の EPS 内共用分電盤に電力パルスを取り込む入力 端末器を設置し、そこから既存照明制御システムの伝送線を介してパルス出力したものを 多回路エネルギモニタで集約した。
図 4.1-6 既存有線通信による電力計測*38
以上(1)から(4)の各伝送方法はいずれも、計測のための新たな配線を設けずに既存配線 または無線を利用することで、
設置性:配線、設定等の作業が簡略化できる
拡張性:設置後の増設、設定変更、撤去などの自由度が高い という点を特徴として持っている。
課題としては、様々な環境下で安定した通信を確保するための検証が必要となること、
また既存配線を利用する場合にはこれらシステムから受ける動作上、または運用上の影響 についての検証が必要となる。