• 検索結果がありません。

第 2 章 わが国地方自治体における業務改善運動の現状と課題

1 効率性重視型と有効性重視型

- 45 -

水準を維持していくためには、職員数の削減に一定の限界があると考えられるが、三条市 では業務の効率性を重視した業務改善に取り組まれている。

Ⅲ わが国地方自治体における業務改善運動の特徴

- 46 -

ービスを提供する取り組みは、「①職員の創意工夫・バージョンアップ」に位置づけた。

図表2-18 地方自治体における改善事例の類型化で導出された区分

①職員の創意工夫・バージョンアップ やり方を変える、あるいは充実させることによって、行政 サービスの質を向上させる活動

②作業プロセスの標準化・職場環境の 整備

マニュアルを作成することで、行政サービスの標準化を図 る活動、あるいは執務室の整理整頓を行うことで、職場環 境を整備する活動

③コスト削減・歳入増加 経費の削減または歳入増加を図る活動

④職員のマナー向上 職員に対して接客マナーを向上させる活動

⑤職員のスキル向上 職員研修の実施や情報を職場内で共有させることによっ て、行政サービスを提供する職員のスキル向上を図る活動

⑥職場の活性化 職場内のコミュニケーションを活発化させることで、行政 サービス提供体制を整備する活動

(出所)筆者作成。

7 自治体の改善活動を分析した結果は、図表 2-19のように示される。図表2-20は、

特徴を明確にするために分析結果をグラフ化したものである。

図表2-19 地方自治体における業務改善運動の特徴(1)

有効性 重視型

有効性 重視型

有効性 重視型

有効性 重視型

有効性 重視型

有効性 重視型

効率性 重視型 自治

自治体名 項 目

尼崎市 福井市 中野区 北上市 大分市 福岡市 三条市 件数

(割合)

件数

(割合)

件数

(割合)

件数

(割合)

件数

(割合)

件数

(割合)

件数

(割合)

職員の創意工夫・バー ジョンアップ

12 (20.7%)

4 (26.7%)

83 (64.8%)

12 (29.3%)

35 (27.8%)

99 (58.6%)

0 (0.0%)

作 業 プ ロ セ ス の 標 準 化・職場環境の整備

27 (46.6%)

6 (40.0%)

21 (16.4%)

16 (39.0%)

63 (50.0%)

36 (21.3%)

0 (0.0%)

③ コスト削減・歳入増加 7 (12.1%)

0 (0.0%)

2 (1.6%)

1 (2.4%)

19 (15.1%)

7 (4.1%)

9 (100%)

④ 職員のマナー向上 1 (1.7%)

3 (20.0%)

10 (7.8%)

0 (0.0%)

1 (0.8%)

4 (2.4%)

0 (0.0%)

⑥ 職員のスキル向上 6 (10.3%)

0 (0.0%)

8 (6.3%)

4 (9.8%)

2 (1.6%)

6 (3.6%)

0 (0.0%)

⑦ 職場の活性化 5 (8.6%)

2 (13.3%)

4 (3.1%)

8 (19.5%)

6 (4.7%)

17 (10.0%)

0 (0.0%) 合 計 58

(100%)

15 (100%)

128 (100%)

41 (100%)

126 (100%)

169 (100%)

9 (100%)

((出所) 各自治体のエントリーシートから筆者作成。

- 47 -

図表220 地方自治体における業務改善運動の特徴(2

(出所) 各自治体のエントリーシートから筆者作成。

図表2-20によると、尼崎市、福井市、北上市、大分市では「②作業プロセスの標準化・

職場環境の整備」が重視されている。業務マニュアルを作成することで、サービス提供水 準を維持するよう作業プロセスの標準化を図る活動、あるいは、書類の保管方法を改善す ることで、迅速なサービス提供を図る活動が実施されている。尼崎市と北上市の担当職員 へのインタビューでは、基本的に職員の自発性に任せることで、顧客志向による身近な改 善に取り組んでいるとのコメントが示された。大分市担当職員へのインタビューでは、カ イゼン運動サポートチームが他課で実施されている改善活動を水平的に展開させる役割 を担っており、職員の改善意識の醸成を図っているとのコメントが示された。尼崎市、福 井市、北上市、大分市の業務改善運動は、サービス提供水準を維持し、職員の改善意識を 醸成することを重視していることから、有効性重視型と位置づけることができる。

図表2-20によると、中野区、福岡市では「①職員の創意工夫・バージョンアップ」が 重視されている。特に中野区では、サービス利用者の利便性が向上するような取り組みや 利用者増を願った取り組みが多く実践されており、住民満足度を高めることが主眼にある。

2013年の福岡市における改善事例では、「ミーティングの実施」「朝礼の実施」「情報共有」

「ホームページの充実」「情報発信の充実」が41件(24.3%)を占めている。業務改善運 動の担当者によると、特段、意図した目的は示されなかったが、気軽に実践できる改善活 動に取り組む傾向にあることが示された。そのため、中野区、福岡市の業務改善運動は、

有効性重視型と位置づけることができる。

- 48 -

図表2-20によると、三条市では「②コスト削減」が重視されている。三条市の業務改 善では、経営改革本部が主導して改善目標および進捗管理を行っており、改善目標を達成 することが求められている。そのため、三条市の業務改善は、効率性重視型と位置づける ことができる。