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第 4 章 わが国地方自治体における資金管理に関するアンケート調査

11 財務業績指標算定と周知

起債利子負担率の算定は16団体(5%)であり、その16団体のうち、周知している団 体は5団体(2%)である。資金運用利回の算定は94団体(29%)であり、その94団体 のうち、周知しているのは37団体(12%)である。いずれの財務業績に関しても、一般 的に算定されず、周知されていないことがわかる。特に、起債利子負担率は算定する団 体がほとんどない。

このように、地方自治体関係者にとって、資金調達利回り軽減と運用利回り稼得は目 的とされていないこと、財務業績情報は行政組織所管部門の内部に閉ざされていること が伺われる。資金調達および資金運用のガバナンスを実現するためには、調達と運用の 利回りを算定して周知することが必要である。業績測定および情報伝達の不在という内 部統制の重大な不備がある。

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(注)

1 地方債制度研究会編『平成25年改訂版 地方債』地方財務協会、2013年、45頁。ここでは、地方債の 望ましい発行条件として、「世代間の負担を受益に応じてできる限り公平に分担させるためには、(略)

イ償還期限(借換債を発行する場合は、借換債を含めた償還期限)については、なるべく当該施設の 耐用年数と一致していること、ウ据置期間については、なるべく住民が利用できない期間(すなわち 施設の建設期間)と一致していることが望ましい」としている。

2 The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission, Enterprise Risk Management - Integrated Framework、▶Executive Summary▶Framework, AICPA, September 2004, p.16.

八田進二監訳/中央青山監査法人訳『全社的リスクマネジメントフレームワーク篇』東洋経済新報社、

2006年、21頁。

3 Ibid., p.28.『同上書』、37頁。ここでは、リスク選好とは、広義には、事業体が価値を追求するため

に受け入れたいと考えるリスクの総量であるとされている。

4 Ibid. 『同上書』。ここでは、戦略策定の際、戦略によって期待されるリターンが事業体のリスク選

好と整合するようリスク選好が検討されるとされている。

5 総務省『統一的な基準による地方公会計マニュアル平成28年5月改訂版』、2016年、21頁。ここでは

「有価証券は満期保有目的有価証券および満期保有目的以外の有価証券に区分します」とされている。

6 企業会計基準委員会『企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準』(最終改正平成20年3月10 日)、7-8頁。ここでは、有価証券として売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関 連会社株式、その他有価証券があげられ、その他有価証券は売買目的有価証券、満期保有目的の債券、

子会社株式及び関連会社株式とされている。

7 The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission,op.cit., p.35. 八田進二監訳 /中央青山監査法人訳『前掲書』、47頁。

8 Ibid., p.35.『同上書』、48頁。

9 Ibid.『同上書』。

10 平成14年2月8日付総務省自治行政局自治政策課長通知(総行自第9号「ペイオフ解禁に向けた地方公 共団体の対応について(通知)。ここでは、ペイオフ解禁に対応するために、借入金と預金との相殺 等の公金預金の保全策ととともに、資金管理方針の作成が求められている。資金管理方針には、適切 な資金管理のために収集すべき情報や資金の管理運用等に係る計画の決定プロセス等を記すことが求 められている。

11 地方自治法第209条第2項(会計の区分)。ここでは、「特別会計は、普通地方公共団体が特定の事

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業を特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合におい て、条例でこれを設置することができる」としている。

12 地域政策研究会『公有地拡大推進法詳解(七訂)』ぎょうせい、2006年、3-4頁。

13 総務省統計局『第64回日本統計年鑑平成27年』第17章物価・地価、

http://www.stat.go.jp/data/nenkan/back64/index.htm、(201752日閲覧)。ここでは、全国市街 地価格が1991年をピークに下落し、価格指数を2000年を100とした場合、1991年は147.8であり、

2014年は51.9であるとしている。

14 総務省「平成27年度土地開発公社事業実績調査結果概要」3頁。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000455772.pdf、(2017410日閲覧)

ここでは、平成27年度末時点で土地開発公社が5年以上保有している土地は、9,104億円(全体の

74.3%)、4,852ha(同79.5%)となっており、また、10年以上保有している土地は、8,153億円(同

66.6%)、4,228ha(同69.3%)となっているとしている。

15 20151215日、国東市を視察した某市の資金繰りがひっ迫している理由を筆者が聴取したとこ ろ、市民病院への一般会計繰出金を増額し、市民病院会計を通じて土地開発公社に1年貸付を繰返し ているという説明を受けた。

16 地方債協会「市場公募地方債発行団体の財政状況・個別発行団体資料」、

http://www.chihousai.or.jp/08/02.html、(2017111日閲覧)。

17 「特別区銀行等引受債の事務取扱いについて」(平成2831日付け企画・財政担当部長会決 定)。

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