第 4 章 わが国地方自治体における資金管理に関するアンケート調査
2 アンケート調査回答の調整
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か」に①はいと回答した 20 団体のうち、Q34「資金運用の利回りを算定している」は 10団体であり、そのうちQ38「資金運用利回りの周知を行っている」は1団体のみであ る。
(2)回答間の矛盾―世代間の公平と据置期間
Q25「借入において、最も重視している観点」の1 つを、①世代間の公平と回答した
219 団体のうち、Q26「据置期間の設定の考え方」で「②起債施設を供用するまでの期 間」を選んだのは32団体しかない。起債において世代間の公平を重視するのであれば、
据置期間は起債施設を供用するまでの期間とすることに整合性があるが1、他の回答が多 い。
(3)回答間の矛盾―さまざまな借入方式の利息比較による借入方式決定と据置期間 Q27「様々な借入方式の利息を比較した上で借入方式を決定していますか」に「①は い」と回答した92団体のうち、Q26「据置期間の設定の考え方」が「②起債施設を供用 するまでの期間」は22団体であり、および「③据置期間なし」は11団体である。起債 において、借入条件のいかんに関わらず、据置期間を短縮すれば、利息負担は軽減され るため、これら以外の回答は、利息負担が高まることになる。
(4)長の事務権限と会計管理者の職務権限の無理解
一時借入を会計管理者補助組織(=会計課等)が行う 102団体のうち、Q12「長の一 時借入権限を会計管理者補助組織(=会計課等)に分掌させる組織規則がありますか」
に「①はい」と回答した51団について、各自治体の例規集で確認したところ、実際に組 織規則が整備されていたのは35団体であった。そして、「②ない」と回答していた団体 のうち1団体は組織規則が整備されていた。
また、基金運用を会計管理者補助組織(=会計課等)が行う240団体のうち、Q15「長 の資金運用権限を会計管理者補助組織(=会計課等)に分掌させる組織規則があります か」に「①はい」と回答した 95 団体について、自治体の例規集で確認したところ、組 織規則が整備されていたのは 24 団体であった。錯誤の理由を聞いたところ、会計課の 事務分掌規則に定められた「出納および保管」に基金運用が含まれると誤解していた団 体があった。
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(5)非開示の事例
① Q41「歳計現金・歳入歳出外現金」平均残高と運用収入に関して、非開示の団体 が8団体あり、Q51「基金」平均残高と運用収入が非開示の団体が 6団体あった。
説得して回答を得たが、2団体の回答が得られなかった。そのうち1団体は運用収 入の開示はできるが、平均残高は開示できないということであった。担当者が上司 を説得して回答を得られた団体もあったが、本来利害関係者に幅広く開示されるべ き情報の開示、非開示の判断が担当係や担当課長の判断でなされていることが伺わ れる。
② 資金管理規程は262団体が制定しているが、63団体からは非開示であるという ことで、提供されなかった。なお、一般的な方針は渡せるが、具体的な運用方針等 は非公表であるという団体が複数ある。
(6)利息負担比較による借入方式決定に対する無理解
Q27「様々な借入方式の利息比較したうえで借入方式を決定していますか」に、「①は い」と回答した団体が191 団体(59%)あった。筆者の知見では、そのようなことを行 って借入方式を決定している自治体はなかったため、当該191団体に回答の確認のため のメールを送ったところ、99団体から様々な借入方式の利息比較を行っていないという 回答を得た。当初予算のための金利計算を利息シミュレーションであると誤解している 団体もあった。どの借入方式が有利であるかは実際に試算してなければわからないが、
起債システムを使用すれば容易に行うことができる。なお、質問では、様々な借入方式 として、満期一括償還、定時償還(元金均等又は元利均等)、据置期間の長短、変動金利
/金利見直し/固定金利および償還期間の長短を付記していた。
(7)基金数の誤認
Q44「会計管理者が保管している基金数をお聞きします」に、①財産維持型・積立型 基金数10個以下の47団体について、当該自治体の例規集で確認したところ、実際の基 金数が10個以下の団体は32団体であった。基金に対する理解が薄いことが考えられる。
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