骨子<Ⅰ-3(19)>
第1 基本的な考え方
入院患者に対する褥瘡対策を推進するため、褥瘡のハイリスク患者に 関する危険因子の追加や褥瘡に係る評価の算定要件等を見直す。
第2 具体的な内容
1.入院中の新たな褥瘡発生を予防するため、入院時に行う褥瘡に関する 危険因子の評価に、「スキン-テア」を加える。
現 行 改定案
<褥瘡対策に関する診療計画書>
危険因子の評価
日常生活自立度
・基本的動作能力
・病体骨突出
・関節拘縮
・栄養状態低下
・皮膚湿潤(多汗、尿失禁、
便失禁)
・浮腫(局所以外の部位)
(新設)
<褥瘡対策に関する診療計画書>
危険因子の評価
日常生活自立度
・基本的動作能力
・病体骨突出
・関節拘縮
・栄養状態低下
・皮膚湿潤(多汗、尿失禁、
便失禁)
・皮膚の脆弱性(浮腫)
・皮膚の脆弱性(スキン-テ アの保有、既往)
2.褥瘡ハイリスク患者ケア加算の対象患者に、「皮膚に密着させる医療関 連機器の長期間持続的な使用が必要であるもの」を追加する。
現 行 改定案
【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】
[留意事項]
褥瘡予防・管理が難しく重点的な 褥瘡ケアが必要な患者とは、ベッド
【褥瘡ハイリスク患者ケア加算】
[留意事項]
褥瘡予防・管理が難しく重点的な 褥瘡ケアが必要な患者とは、ベッド
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上安静であって、次に掲げるものを いう。
ア ショック状態のもの
イ 重度の末梢循環不全のもの ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的
な使用が必要であるもの
エ 6時間以上の全身麻酔下によ る手術を受けたもの
オ 特殊体位による手術を受けた もの
カ 強度の下痢が続く状態である もの
キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重 児、GVHD、黄疸等)であるもの
(新設)
ク 褥瘡に関する危険因子(病的骨 突出、皮膚湿潤、浮腫等)があっ て既に褥瘡を有するもの
上安静であって、次に掲げるものを いう。
ア ショック状態のもの
イ 重度の末梢循環不全のもの ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的
な使用が必要であるもの
エ 6時間以上の全身麻酔下によ る手術を受けたもの
オ 特殊体位による手術を受けた もの
カ 強度の下痢が続く状態である もの
キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重 児、GVHD、黄疸等)であるもの ク 皮膚に密着させる医療関連機 器の長期間持続的な使用が必要 であるもの
ケ 褥瘡に関する危険因子(病的骨 突出、皮膚湿潤、浮腫等)があっ て既に褥瘡を有するもの
3.ADL維持向上等体制加算のアウトカム指標である院内褥瘡発生率の 基準を見直す。
現 行 改定案
【ADL維持向上等体制加算】
[施設基準]
アウトカム評価として、以下の基 準を全て満たすこと。患者のADL は、基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)
を用いて評価することとする。
【ADL維持向上等体制加算】
[施設基準]
アウトカム評価として、以下の基 準を全て満たすこと。患者のADL は、基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)
を用いて評価することとする。
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ア (略)
イ 当該病棟の入院患者のうち、院 内で発生した褥瘡(DESIGN -R分類d2以上とする。)を保 有 し て い る 入 院 患 者 の 割 合 が 1.5%未満であること。
ア (略)
イ 当該病棟の入院患者のうち、院 内で発生した褥瘡(DESIGN -R分類d2以上とする。)を保 有 し て い る 入 院 患 者 の 割 合 が 2.5%未満であること。ただし、
調査日における当該病棟の入院 患者数が80人以下の場合は、本文 の規定にかかわらず、当該病棟の 入院患者のうち、院内で発生した 褥瘡を保有している入院患者が 2人以下であること。
4.療養病床における褥瘡に関する評価を、入院時から統一した指標で継 続的に評価し、褥瘡評価実施加算にアウトカム評価を導入するとともに、
名称を変更する。
現 行 改定案
【褥瘡評価実施加算(療養病棟入院基 本料の注加算)】
[算定要件]
注4 入院患者が別に厚生労働大臣 が定める状態の場合は、当該基準に 従い、当該患者につき、褥瘡評価実 施加算として、1日につき15点を所 定点数に加算する。
[留意事項]
(新設)
【褥瘡対策加算(療養病棟入院基本料 の注加算)】
[算定要件]
注4 当該病棟に入院している患者 のうち、別に厚生労働大臣が定める 状態の患者に対して、必要な褥瘡対 策を行った場合に、患者の褥瘡の状 態に応じて、1日につき次に掲げる 点数を所定点数に加算する。
イ 褥瘡対策加算1 15点 ロ 褥瘡対策加算2 5点
[留意事項]
患者の褥瘡の状態を、DESIG
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N-R分類を用いて定期的 に評 価 し、下記の要件に該当する場合に算 定する。
ア DESIGN-Rの合計点が直 近3か月連続して前月の合計点 に比べ上回っていない場合は、褥 瘡対策加算1を当該月から算定 すること。
イ DESIGN-Rの合計点が直 近3か月連続して前月の合計点 に比べ上回った場合は、褥瘡対策 加算2を当該月から算定するこ と。
なお、入院後暦月で3月を超えな い間は、褥瘡対策加算1を算定する こと。
※ 有床診療所療養病床入院基本料 における当該加算についても同様
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【Ⅰ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価 -⑱】