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バリアンス分析入門!

オーガナイザー/座長:

坂元 一郎

 高崎総合医療センター 座長:

村木 泰子

 NTT 東日本関東病院

パスを作って、使ったら、次のステップはパスの評価と改訂ですね。バリアンスを分析することで、

診療や業務を改善するヒントが見つかります。でも、バリアンスを分析したいけど大変そう、どうやっ たらいいのかわからない、と悩んでいる施設もたくさんあります。実は、パス学会のアンケート調査で も、パスの運用で困っている項目のトップが、“バリアンス収集・分析”なんです(パス学会のホームペー ジをご参照ください)。

電子カルテでは膨大なバリアンスが集まりますが、パスの改訂に役立つ情報はどういうものでしょう か?そもそもアウトカムは適切に評価できているのでしょうか?分析の労力に見合う成果をあげられる のでしょうか?データを前に様々な心配が出てきますね。

このセッションは、バリアンス分析を始めたい、取り組んではみたけれど困っている、という分析初 心者を応援することがアウトカムです。

演者の方は、バリアンス分析を経験した先輩として、そのノウハウや成果を披露してください。バリ アンスを分析してみました!やバリアンス分析のための病院や委員会の活動報告を公募します。総合討 論では、分析の方法や工夫、成果について会場で共有したいと思います。あまり難しく考える必要はあ りません。みなさんが経験した良かったことや困ったことを知ることが、バリアンス分析のハードルを 下げることにつながります。ちょっと前まで初心者だった先輩たちの応募をお待ちしています。

このセッションは、学会中に開催される教育セミナー『バリアンスの基本を知って、バリアンスのこ とを好きになろう!』と、グループワーク『あなたにもできる!初めての分析』とリンクしています。教 育セミナーでバリアンス分析の概略を学び、このセッションでいろいろな施設の取り組みを知り、グルー プワークで分析の実践を経験すれば、もうバリアンス分析は怖くありません。分析対象のデータの収集、

整理、分析と、パス改訂案の作成、委員会でのプレゼン(?)まで、明日からの活動に役立ててください。

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WS-1 WS-2

データ活用によるパス検討会の試み 退院時アウトカムに対する

分析に耐え得るバリアンスデータの収集

島本 順子

(しまもと じゅんこ)1

、守屋 宏美

1

1第 2 大阪警察病院 看護部

目黒 康平

(めぐろ こうへい)1

、磯部 陽

1

1独立行政法人国立病院機構東京医療センター クリニカルパ ス委員会

【はじめに】

当院では1999年にクリニカルパスを導入し、

2015年に電子パスに移行した。データ活用によるパス活 動の活性化を期待したが、望むような集計機能は具備し ておらず、医療情報委員会下部組織のパス部会よりパス 改定を呼びかけても、診療現場からは問題点や改定の提 示はなかった。2019年パス部会から委員会に昇格したこ とを契機にパス検討会の再開を企画、データ分析提示を 試みた。

【活動内容】

症例数に対してパス適応が少ない「透析導入 パス」に注目し、2018年度前期の透析導入期加算算定患 者データと突き合わせたところ、適応率が7%であった ことから検討会を開催した結果、患者状態による透析日 程の変更でオーダー設定が困難なこと、透析は出来高で ありDPCが意識されにくいこと、パンフレット中心の指 導はパス適応に影響されないことなどがパス適応に至ら ない背景要因としてあがった。2019年4月の算定患者の DPC病名は88%が同一病名で、その中でも手術なしが 50%、動脈形成術・吻合術ありが50%で入院期間、DPC

−出来高比に大きな差を認めた。「シャントあり」と「シャ ント作成」の2種類にパスを分けること、検査や投薬の オーダー設定は行わず導入指導パスと位置づけ、指導の 理解、サテライトへの引き継ぎ、迅速な退院支援介入を アウトカムに設定することを提案した。

【考察】

問題や疑問へのデータ提示が新たな視点での解決 策につながり、後方支援や患者の治療過程の理解に貢献 できる改定は、医療現場の活性化を促すと考える。

【結論】

第3者を交えた検討会は多角的にパスを捉えるこ とができ、効果的なパス改定へとつながった。パス日程 を考える上で数字の視覚化が効果的であった。

【はじめに】

当院は電子クリニカルパスシステムを用い、

医師がクリニカルパス(以下、パス)の適用、終了、バリ アンス登録を行う運用である。なお、バリアンス(以下、V)

登録はパス終了時に行い、退院時アウトカムに対し、時 間や発生要因別に登録可能である。

【活動内容】

従前の課題に、退院後もパスが終了されな い、終了されてもVが登録されない、Vが登録されても

「Vなし」が登録されるなどがあり、クリニカルパス委員 会(以下、委員会)は分析に耐え得るデータの収集に取り 組んだ。確実なパスの終了やV登録の周知に併せ、医師 の負担感を減らす機能改修を行った結果、時間や発生要 因別にVの電子的な収集が可能となった。2019年5月7 日より2019年7月12日までにパス適用し終了した症例

(n=1,436)は、Vなく退 院815件、 正 のV249件、 負 の V372件であった。また、発生要因別では、正のV(n=249)

は、患者家族214件、医療チーム24件、施設8件、地 域社会3件であり、負のV(n=372)は、患者家族262件、

医療チーム13件、施設15件、地域社会82件であった。

【考察】

委員会による周知と機能改修により、Vの電子的 な収集に基づくパスの定量的な評価を可能とした。しか しながら、正負ともにV登録数が多く、委員会や診療科 によるさらなるパスの標準化が求められる。

【結語】Vの電子的な収集はパスの定量的な評価を可能と

し、委員会や診療科とパス改訂の具体的な検討が期待で きるため、委員会の活動は有用であったと考える。今後 は、Vの発生要因別に更なる標準化を図り、負のVなく 退院時アウトカムが達成できるよう、委員会活動に貢献 したい。

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WS-3 WS-4

胃切除・胃全摘術後の患者における

早期離床と在院日数の相関分析 臨床研究を用いたバリアンス分析による 大腸切除術パスの進化

小山 浩明

(こやま ひろあき)1

、阿南 英明

2

、山岸 茂

3

1藤沢市民病院 医療情報管理担当、2藤沢市民病院 救急科、

3藤沢市民病院 消化器外科

沢内 節子

(さわうち せつこ)1

、須藤 隆之

1

1盛岡市立病院 クリニカルパス委員会

【目的】

胃切除・胃全摘術におけるデータ解析を行い、医 療の質および経営の質改善に資することを目的とした。

【方法】

2017年9月から2018年8月までに適用された胃切 除・胃全摘術パスの症例、計62件を分析対象とし、術後 在院日数、手術翌日の棟内歩行の可否、アウトカム評価、

電子カルテの記録について、比較・検証を行った。対象 となるデータについては、テキスト情報を含め、電子カ ルテのDatabaseを活用した。なお、統計解析については、

SPSS SatisticsにてFisherの正確確率検定を行い、有意 差を確認することとした。

【結果】

術後の在院日数と手術翌日の棟内歩行の可否につ いて、統計解析を行い、P<0.05で統計学的有意差を確 認した。また、手術翌日の棟内歩行が困難となる要因に ついては、記録より術後の創痛が強く離床が進まない症 例と気分不快があり離床が進まない症例、これらのいず れかに大別されることが確認された。術後の創痛につい ては、定形外オーダーの分析を行うと、対象症例のうち 9割が硬膜外麻酔の持続注入以外にも鎮痛剤の追加投与 を要していることも確認された。

【考察】

術後の創痛コントロールのため、多くの症例が鎮 痛剤の追加投与を要していることから、鎮痛剤の予防投 与をすることで早期離床の促進が期待された。さらに、

当院ではがん患者リハビリテーション料の算定に至って いないが、現場の協力を得て、がん患者リハビリテーショ ン料の算定に結びつけることで、アウトカムを達成する とともに、収益性向上にも寄与できると考えられる。

【結論】

患者アウトカム、当院の収益性、いずれの観点か らもがん患者リハビリテーションの導入は有用であり、

実現に向けて取り組んでいきたい。

【はじめに】

当院では、医療の質向上を目的にクリニカル パス(CP)を導入している。大腸切除術の周術期管理にお いて臨床研究によるバリアンス分析を行いCPの進化を 試みている。

【活動内容】

当科におけるバリアンス分析の変遷は、1.

2006年から2011年までの開腹と腹腔鏡下の大腸切除術 CPのバリアンス分析を後ろ向きに行い、腹腔鏡下手術 において離床、腸管蠕動の回復が良好なことより、食事 開始時期を早めることが可能で、退院日のアウトカム設 定を短縮することが可能と思われた「日本クリニカルパス 学会誌(Vol.15、p5-13、2013)」。2.上記より2013年から 2017年までの大腸切除術において早期経口摂取を中心と したERAS (enhanced recovery after surgery)の概念を 取り入れたCPを作成し従来のCPと前向きに比較研究し た。術後早期の経口摂取の開始は、術後早期回復に寄与 し患者満足度が高いことが示された「日本クリニカルパス 学会誌(Vol.21、p63-70、2019)」。3. 上記においてERAS 食(アルジネードウォーターなど)の食事内容に関して満 足度が低い事例があり、2018年4月より食事摂取量の増 加と患者満足度の向上を目的にERAS食と通常の食種の 食事との前向き研究を行っている。

【考察】

後ろ向きのバリアンス分析から得られた疑問点を、

前向きの臨床研究によるバリアンス分析を行ったことに より解析内容をより明確にできた。

【結論】

漠然と膨大な量のバリアンス分析を行うことより もクリニカルクエスチョンに対して臨床試験を組みバリ アンス分析を行うことは、CPの進化に極めて有用な方法 と思われた。

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