4th Dimension 2004 では、同種、クロスプラットフォーム対応、自動更新オプションを備 えた独自のクライアント/サーバアプリケーションを構築することができます。
クライアント/サーバアプリケーションとは?
クライアント/サーバアプリケーションは、3 つのアイテムの組み合わせにより成り立ち ます。
■ コンパイル済 4D データベース
■ 4D Server アプリケーション
■ 4D Client アプリケーション(Mac OS や Windows)
構築後、クライアント/サーバアプリケーションは、サーバパート(ユニーク)とクラ イアントパート(各クライアントマシンへインストール)という独自の 2 つの部分で構成 されます。比較するために、4D Server を使用して標準的な配備を行う場合は、4D Server アプリケーション、データベースストラクチャファイル、データベースのデータファイ ルならびに 4D Client アプリケーションが必要となることを覚えておいてください。
また、クライアント/サーバアプリケーションはカスタマイズされ、その操作が簡略化 されています。
■ サーバパートを起動するには、サーバアプリケーションをダブルクリックします。ス トラクチャファイルを選択する必要はありません。
■ クライアントパートを起動するには、クライアントアプリケーションをダブルクリッ クします。すると、直接サーバアプリケーションへ接続します。接続ダイアログボッ クスでデータベースを選択する必要はありません。
接続が不成功に終わった場合、標準の接続用ダイアログボックスにサーバアドレスを 入力することができます。
クライアントパートだけが、対応するサーバパートへの接続を行えます。ユーザが標準 の 4D Client アプリケーションを使用して、サーバパートへ接続しようとすると、接続で きないことを示すエラーメッセージが返されます。
最後に、ネットワーク経由でクライアントパートが自動更新されるようにクライアン ト/サーバアプリケーションを設定することができます。この機能については、後述す る「クライアントアプリケーションの自動更新」の節で説明します。
アプリケーションパラメータを設定する
クライアント/サーバアプリケーション のターゲットは、「アプリケーションビルド」
ダイアログボックスの「クライアント/サーバ」ページで設定することができます。
■ クライアント/サーバアプリケーション を構築する:このオプションを選択し、
アプリケーションビルドにクライアント/サーバ版を含めるかどうかを指示します。
■クライアントアプリケーションの自動更新を許可する:このオプションは、4D Server と 4D Client のアクセスパスが入力された場合にのみアクティブになります。これは、
構築後のアプリケーションが、ネットワーク経由でクライアントパートの更新メカニ ズムを処理することを示します。このメカニズムについては、前述の「クライアント アプリケーションの自動更新」の節で説明しています。
■4D Serverフォルダ:このエリア(必須項目)は、アプリケーション構築に使用する
4D Server アプリケーションを含むフォルダへのアクセスパスを指示します。そのバー ジョンは、アプリケーションビルダが実行されるプラットフォームに適合していなく てはなりません。
4D Server フォルダを選択するには、「...」ボタンをクリックしてフォルダ検索ダイアロ グボックスを使用し、4D Server アプリケーションを探します。
■4D Clientフォルダ(Windows):このエリア(任意項目)は、アプリケーション構築
に使用する 4D Client アプリケーションの Windows 版を含むフォルダへのアクセスパス を指示します。クライアントパートの Windows 版を作成したくない場合は、このオプ ションを選択しないでください。
Windows 版 4D Client のフォルダを選択するには、「...」ボタンをクリックして標準のダ イアログボックスを使用し、4D Client アプリケーションを探します。
■4D Clientフォルダ(Mac OS):このエリア(任意項目)は、アプリケーション構築
に使用する 4D Client アプリケーションの Mac OS 版を含むフォルダへのアクセスパス を指示します。クライアントパートの Mac OS 版を作成したくない場合は、このオプ ションを選択しないでください。
Mac OS 版 4D Client のフォルダを選択するには、「...」ボタンをクリックして標準のダ イアログボックスを使用し、4D Client アプリケーションを探します。
4D Server および 4D Client フォルダをカスタマイズする
実行形式のクライアント/サーバアプリケーションを構築する際、4th Dimension は 4D Server フォルダの内容を作成先フォルダの「Server」サブフォルダに複製し、4D Client フォルダの内容を作成先フォルダの「Client」サブフォルダに複製します。この後、必要 に応じてオリジナルの 4D Server と 4D Client フォルダの内容をすべてカスタマイズするこ とができます。
例えば、次のような事柄を実行できます。
■ 特定の言語に対応する 4D Server バージョンをインストールする。
■「PlugIns」フォルダへファイルやフォルダを追加する。
■「4D Extensions」フォルダの内容をカスタマイズする。
注: Mac OS において、4D Server はパッケージとして提供されます。まず始めにパッ ケージの内容を表示してから(アイコンを Control+ クリック)、変更を行うことができま す。
生成されるファイル
クライアント/サーバアプリケーションが構築されると、作成先フォルダ内に「Client Server Engine」という名前のフォルダが新しく追加されます。
このフォルダには、「Server」と「Client」という 2 つのフォルダが含まれています。
注:エラーが発生した場合、これらのフォルダは生成されません。この場合、ログファ イルをオープンして(前述の「ログファイル」の節を参照)エラーの原因を調べてくだ さい。
「Client」フォルダには、アプリケーションビルダの指定したプラットフォームに対応す るアプリケーションのクライアントパートが含まれます。各フォルダには、各クライア ントマシンへインストールしなくてはなりません。
「Server」フォルダには、サーバアプリケーションおよびアプリケーションが機能するた めに必要な項目が納められます。
各フォルダの内容は現在のプラットフォームに大きく依存します。
Windows :このフォルダに含まれるのは、 アプリケーション名.exe という名前のクラ イアントアプリケーション実行形式ファイル(および対応する.rsr ファイル)、アプリケー ションが機能するために必要となる各種ファイルとフォルダ、ならびにオリジナルの 4D Client フォルダに含まれる独自の項目です。
クライアントフォルダ
サーバフォルダ
Mac OS :このフォルダには、 アプリケーション名 という名前のクライアントアプリ ケーションパッケージが納められます。その中には、アプリケーションが機能するため に必要な項目がすべて含まれます。Mac OS では、このパッケージをダブルクリックして 起動します。
注:生成された Mac OS パッケージには、Windows のサブフォルダと同じ項目が納めら れます。パッケージの内容を表示して(アイコン上で Control+ クリック)、項目を修正す ることができます。
また、「クライアントアプリケーションの自動更新を許可する」オプションを選択した場 合、「Server」フォルダには Mac OS や Windows 形式のクライアントアプリケーション
(「Client」フォルダの内容)が圧縮ファイルとして納められます。クライアントアプリ ケーションを自動更新する際に、このファイルが使用されます(前述の「クライアント アプリケーションの自動更新」の節を参照)。
注:以前のバージョンと同様に、新たに構築を行う前に目的のフォルダの全内容が削除 されます。アプリケーションの一部分だけを生成する場合でも(例えば、クライアント パート)、このメカニズムが適用されます。したがって、新しいバージョンを作成する前 に、目的のフォルダの中で残したい項目は必ず他へ移すようにしてください。