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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

まつお しんじ

松尾 信至

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 852 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 31 年 3 月 8 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effect of meal posture adjustment management on tongue movements during mastication

(摂食介助時における姿勢調整が咀嚼時舌運動に及ぼす影響)

学 位 論 文 掲 載 誌

Journal of Osaka Dental University

第 53 巻 第 1 号 平成 31 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 田中 昌博 教授 副 査 馬場 俊輔 教授 副 査 髙橋 一也 教授

論文内容要旨

体幹傾斜は咀嚼運動に関連することが報告されている。摂食嚥下障害者に対して姿勢調整の指導が 必要とされているが、実際に食べさせて判断するしかない。これまでに舌の左右側の高低差が咀嚼の 進行に伴い、有意に減少し、超音波検査を用いた咀嚼時舌運動の評価が可能であることを報告してき た。この手法を用いて、摂食介助時の姿勢調整が咀嚼時舌運動にどのような影響を与えるのかを検討 した。

被験者は健常有歯顎者 8 名とした。咀嚼時舌運動の観察には超音波診断装置 LOGIQ Book XP Enhanced

(GE ヘルスケア・ジャパン)を用いた。 被験運動は右側咀嚼と自由嚥下を指示した。摂食姿勢は座位

(以下、80°) 、リクライニング位(以下、30°)および 15°頚部前屈したリクライニング位(以下、

30°+15°)とした。被験食品は咀嚼開始食品(プロセスリード、大塚製薬工場)8 g、米飯 10 g を 用いた。各被験者の咀嚼時の舌背正中部の M モード波形から咀嚼時間を測定し、初期・中期・終期に 三等分した。各期の 5 つの連続した M モード波形上の最下点における B モード画像を抽出した。B モー ド画像上の正中から左右側 15 mm における舌背上の 2 点より、顎下部皮膚表面までの高さを計測した。

左側の高さから右側の高さを減じたものを舌の高低差として算出し、各条件の各期の平均値を算出し た。検討項目は各姿勢調整および各咀嚼時期における舌の高低差とした。統計学的解析は各被検食品 における姿勢調整および咀嚼時期を要因とした Friedman 検定を行い、有意差を認めた場合、Wilcoxon の符号順位検定を行った(α=0.05) 。

米飯摂食時は摂食姿勢 80°において舌の左右側の高低差は咀嚼の進行に伴い、有意に減少した。摂

食姿勢 30°および 30°+15°において、舌の左右側の高低差は初期と終期間および中期と終期間は有

意に減少したものの、初期と中期間では有意差を認めなかった。また、各時期の高低差をそれぞれ比

(2)

較したところ、終期では姿勢が座位に近づくにつれて有意に小さい値を示した。咀嚼開始食品摂食時 では、いずれの摂食姿勢においても咀嚼の進行に伴い、高低差は有意に減少した。米飯と同様に各時 期の高低差を比較したところ、咀嚼終期において摂食姿勢 80°と 30°、30°+15°と 30°では摂食姿 勢を座位に近づけるほど高低差が減少した。また、摂食姿勢 80°および 30°+15°においては有意差 を認めなかった。

以上より、超音波検査を用いて咀嚼開始食品は米飯と同様に姿勢調整における咀嚼時舌運動の評価が 可能であった。また、両食品ともリクライニング姿勢では、座位と比較して咀嚼終期の舌運動が大き くなることが示唆された。さらに、頸部前屈によってその影響は軽減できる可能性が示された。

論文審査結果要旨

本論文は,摂食介助時の姿勢調整が咀嚼時舌運動に与える影響について超音波診断装置を用いて検 証することを目的とし研究を行ったものである。

体幹傾斜は咀嚼運動に関連することが報告されている。摂食嚥下障害者に対して姿勢調整の指導が 必要とされるが、実際に食べさせて判断するしかない。これまでに舌の左右側の高低差が咀嚼の進行 に伴い、有意に減少し、超音波検査を用いた咀嚼時舌運動の評価が可能であることを報告してきた。

この手法を用いて、摂食介助時の姿勢調整が咀嚼時舌運動にどのような影響を与えるのかを検討した。

被験者は健常有歯顎者 8 名とした。咀嚼時舌運動の観察には超音波診断装置 LOGIQ Book XP Enhanced

(GE ヘルスケア・ジャパン)を用いた。 被験運動は右側咀嚼と自由嚥下を指示した。摂食姿勢は座位

(以下、80°) 、リクライニング位(以下、30°)および 15°頚部前屈したリクライニング位(以下、

30°+15°)とした。被験食品は咀嚼開始食品 8 g、米飯 10 g を用いた。各被験者の咀嚼時の舌背正 中部の M モード波形から咀嚼時間を測定し、初期・中期・終期に三等分した。各期の 5 つの連続した M モード波形上の最下点における B モード画像を抽出した。B モード画像上の正中から左右側 15 mm にお ける舌背上の 2 点より、顎下部皮膚表面までの高さを計測した。左側の高さから右側の高さを減じた ものを舌の高低差として算出し、各条件の各期の平均値を算出した。検討項目は各姿勢調整および各 咀嚼時期における舌の高低差とした。統計学的解析は各被験食品における姿勢調整および咀嚼時期を 要因とした Friedman 検定を行い、有意差を認めた場合、Wilcoxon の符号順位検定を行った(α=0.05)。

米飯摂食時は摂食姿勢 80°において舌の高低差は咀嚼の進行に伴い、 有意に減少した。摂食姿勢 30°

および 30°+15°において、舌の高低差は初期と終期間および中期と終期間では有意に減少したが、初 期と中期間では有意差を認めなかった。また、各時期の舌の高低差を比較した結果、終期では姿勢が 座位に近づくにつれて有意に小さい値を示した。咀嚼開始食品摂食時では、いずれの摂食姿勢におい ても咀嚼の進行に伴い、舌の高低差は有意に減少した。米飯と同様に各時期の舌の高低差を比較した 結果、咀嚼終期において摂食姿勢 80°と 30°、30°+15°と 30°では摂食姿勢を座位に近づけるほど 舌の高低差が減少した。また、摂食姿勢 80°および 30°+15°においては有意差を認めなかった。こ れより、超音波検査を用いて、いずれのリクライニング位でも座位と同様に咀嚼時舌運動の評価が可 能であった。また、リクライニング位では、座位より咀嚼終期の舌運動が大きくなることが示された。

さらに、頸部前屈によってその影響は軽減できる可能性が示された。

以上、摂食介助時の姿勢調整は、嚥下時だけでなく咀嚼時においても影響を及ぼすことが示唆された

点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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