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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やすおか ひろし

安 岡 大 志

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1578 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 25 年 6 月 26 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 バイオフィルム形成 Streptococcus constellatus のゲノム 解析

学 位 論 文 掲 載 誌 歯科医学 第 76 巻 第 2 号 平成 25 年 9 月 25 日

論 文 調 査 委 員 主 査 福島 久典 教授 副 査 神原 正樹 教授 副 査 池尾 隆 教授

論文内容要旨

口腔の慢性感染症から分離される細菌には、菌体周囲に菌体外マトリックスを産生してバイオフィ ルムを形成する株が存在する。我々はこれまでに骨膜下膿瘍から分離した Streptococcus constellatus の菌体周囲に網目様構造物を産生してバイオフィルムを形成する菌株( H39 株)が存在することを報 告した。 S. constellatus S. anginosus S. intermedius とともに anginosus group に属するレンサ 球菌で、ヒト口腔に常在し、慢性歯周炎、口腔膿瘍から分離されるだけでなく、日和見感染症の原因 菌として敗血症や心内膜炎病巣からも検出され、脳膿瘍、肺化膿症、膿胸、腹腔内膿瘍など、全身の 化膿性疾患と深く関わっていることが報告されている。細菌が形成するバイオフィルムは、環境抵抗 因子として働くことが知られている。多くの疾患で、バイオフィルム形成菌と疾患の難治化の関連が 報告されており、 H39 株もバイオフィルムを形成することにより、宿主の免疫機構や治療の際の薬物 の作用から逃れ、化膿性疾患を引き起こしていると考えられる。本研究では病巣に残存する細菌のバ イオフィルム形成関連遺伝子を明らかにすることを目的に、骨膜下膿瘍に残存し、バイオフィルムを 形成する H39 株のゲノム解析を試みた。

H39 株のゲノム DNA を通法に従い抽出し、 GS Junior System を用いてパイロシークエンシングし

た。その結果、十分な冗長度のもとにゲノム DNA の配列が得られた。得られた配列データをアセンブ

ルし、コンティグを構築した。その結果、 37 のコンティグを構築することができた。コンティグ内の

塩基配列からタンパクコード領域を予測し、データベース上で相同性の高い配列を検索した。その結

果、 3 つの rRNA 、 45 の tRNA 、 1,926 のタンパクコード領域を予測することができた。 H39 株のゲ

ノ ム 上 に は 、 pgcA 遺 伝 子 の ホ モ ロ グ 、 exopolysaccharide biosynthesis protein 、 capsular

exopolysaccharide family protein 、 capsular polysaccharide biosynthesis protein 、 capsular

polysaccharide biosynthesis protein のホモログをコードする遺伝子が並んだ領域、 ABC-type

polysaccharide/polyol phosphate transport system の ATPase component と、 同タンパクの permease

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component の遺伝子などが見つかった。これらの遺伝子は、 S. constellatus H39 株のバイオフィルム 形成に重要な役割を果たすと考えられる。

論文審査結果要旨

根尖性歯周炎の難治化には様々な要因が関与している。しかし、その真因は、病巣での細菌の残存 であることが、多くの研究により明らかになっている。口腔の慢性感染症から分離される細菌には、

菌体周囲に菌体外マトリックスを産生して、バイオフィルムを形成する株が存在する。細菌が形成す るバイオフィルムは、環境抵抗因子として働くことが知られており、多くの疾患で、バイオフィルム 形成菌と疾患の難治化の関連が報告されている。大阪歯科大学細菌学講座では難治性根尖性歯周炎や、

根尖性歯周炎から波及した骨膜下膿瘍から、バイオフィルム形成細菌を数多く分離し、バイオフィル ム形成による環境抵抗性が、疾患の難治化に強く関与していることを報告している。本研究で著者は、

菌体周囲に網目様構造物を産生してバイオフィルムを形成する Streptococcus constellatus の臨床分 離株( H39 株)を用いて、病巣に残存する細菌のバイオフィルム形成関連遺伝子を明らかにすること を目的に、ゲノム解析を試みた。

S. constellatus S. anginosus S. intermedius とともに anginosus group に属するレンサ球菌で、

ヒト口腔に常在し、慢性歯周炎、口腔膿瘍から分離されるだけでなく、日和見感染症の原因菌として 敗血症や心内膜炎病巣からも検出され、脳膿瘍、肺化膿症、膿胸、腹腔内膿瘍など、全身の化膿性疾 患と深く関わっていることが報告されている。 S. constellatus のゲノムの完全解読は未だ成功してい ない。著者は H39 株のゲノム DNA を通法に従い抽出し、 GS Junior System を用いてパイロシーク エンシングした。その結果、十分な冗長度の下にゲノム DNA の配列を得た。得られた配列データをア センブルし、コンティグを構築した。その結果、 37 のコンティグを構築した。コンティグ内の塩基配 列からタンパクコード領域を予測し、 3 つの rRNA 、 45 の tRNA 、 1,926 のタンパクコード領域を予測 した。著者は得られたタンパクコード領域の配列を基に、データベース上で相同性の高い配列を検索 して各遺伝子の機能を予測し、 H39 株のゲノム上に pgcA 遺伝子のホモログ、 exopolysaccharide biosynthesis protein 、 capsular exopolysaccharide family protein 、 capsular polysaccharide biosynthesis protein 、 capsular polysaccharide biosynthesis protein のホモログをコードする遺伝子 が並んだ領域、 ABC-type polysaccharide/polyol phosphate transport system の ATPase component と、同タンパクの permease component の遺伝子などが存在することを明らかにした。これらの遺伝

子は、 S. constellatus H39 株のバイオフィルム形成に重要な役割を果たすと考えられる。

以上, S. constellatus H39 株のゲノム配列を解読し,本菌株のバイオフィルム形成機構の遺伝学的

背景の一端を明らかにした点において,本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した.

なお,外国語1か国語(英語)について試問を行った結果,合格と認定した.

参照

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