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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

ながいえ まや

長家 茉耶

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 754 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 27 年 3 月 6 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 A Comprehensive Mixture of Tobacco Smoke Components Retards Orthodontic Tooth Movement via the Inhibition of Osteoclastogenesis in a Rat Model

(タバコ煙成分がラットの歯の移動に及ぼす実験的研究)

学 位 論 文 掲 載 誌 International Journal of Molecular Sciences 第 15 巻 第 10 号

平成 26 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 池尾 隆 教授 副 査 今井 弘一 教授

論文内容要旨

近年、咬合改善はもとより

QOL

向上のために矯正歯科治療を受ける成人患者が増加している。時間 的、生理的制約が多い成人矯正患者の治療を円滑に進めるためには、装置の工夫はもとより、口腔内 環境を整える、つまり生活習慣の改善も必要とされる。特に生活習慣の一つである喫煙は広く知られ た人体への有害因子である。喫煙により発癌や心筋梗塞のリスクは増加し、骨粗鬆症や膠原病の重篤 化が進む。また口腔内では、喫煙はインプラントの成功率の低下や創傷治癒の遅延、歯周疾患の誘発 などに影響を及ぼすことが知られている。これらの多くの研究より、喫煙が組織学的に様々な影響を もたらすことは明らかである。しかし、 「歯に力を加えることで骨および歯周組織のリモデリングが起 こり、歯は移動する」という機序を利用する矯正歯科治療では、タバコが歯の移動に及ぼす影響を明 らかにした研究は極めて少なく、包括的なタバコ煙成分が歯の移動に及ぼす影響は明らかになってい ない。本研究では、われわれが考案した捕集方法で得た包括的タバコ煙成分(TSCs)が、ラットの歯 の移動とラット由来の骨芽細胞株(UMR106)、破骨細胞前駆細胞に与える影響について

in vivo/vitro

での検討を行った。

13

週齢

Wistar

系雄性ラット

36

匹を用い、上顎右側第一臼歯と第二臼歯の間にエラスティックチェ

ーンを挿入し、 歯の移動を行った。 エラスティックチェーン挿入後、 実験群には

0.13%に希釈したTSCs

溶液を、対照群には蒸留水を常飲させた。飼育期間は

4

日、10 日とし、安楽死させた後、定法の灌流

固定を行った。ラットの頭蓋を摘出後、CT を用い歯の移動距離を測定し、H-E 染色および

TRAP

色を行い組織学的観察を行った。さらに、TSCs が骨代謝に及ぼす機序の解明を進めるため

in vitro

(2)

において

UMR106

TSCs

溶液

0

250 g/ml

、ニコチン溶液

0

2500 g/ml

、破骨細胞前駆細胞に

TSCs

溶液

0.25 g/ml

、ニコチン溶液

2.5 g/ml

の刺激を与え、各細胞への影響を検討した。ニコチン はポジティブコントロールとして用いた。

UMR106

では細胞数の変化と

PCR

法による

M-csf, Rankl

の遺伝子発現を測定し、破骨細胞前駆細胞では

TRAP

染色による破骨細胞の形成量の計測を行った。

結果、

in vivo

では、実験群において歯の移動距離が有意に少なかった。CT 所見では、実験群のエ ラスティックチェーン挿入部にて歯槽骨の吸収像の減弱が認められた。組織学的所見では歯槽骨骨髄 腔内での破骨細胞数の減少が確認された。

In vitro

では、細胞毒性を示さなかった刺激濃度においては

UMR106

M-csf、Rankl

遺伝子発現に顕著な影響は認められなかった。一方、破骨細胞前駆細胞で は

TSCs

により、破骨細胞の形成が有意に抑制されていた。

以上の結果より、タバコに含まれる成分が歯槽骨内の破骨細胞分化を抑制し、それにより歯の移動 が抑制されることが示唆された。

論文審査結果要旨

今日では、喫煙が組織学的に様々な影響をもたらすことは多くの研究より明らかとなっている。し かし、 「歯に力を加えることで骨および歯周組織のリモデリングが起こり、歯は移動する」という機序 を利用する矯正歯科治療では、タバコが歯の移動に及ぼす影響を明らかにした研究は極めて少なく、

包括的なタバコ煙成分が歯の移動に及ぼす影響は明らかになっていない。本研究は生活習慣の一つで ある喫煙に着目し、著者らが考案した捕集方法で得た包括的タバコ煙成分(TSCs)が、ラットの歯の 移動とラット由来の骨芽細胞株(UMR106)、破骨細胞前駆細胞に与える影響について

in vivo/vitro

で 検討したものである。

13

週齢

Wistar

系雄性ラット

36

匹を用い、上顎右側第一臼歯と第二臼歯の間にエラスティックチェ ーンを挿入し、 歯の移動を行った。 エラスティックチェーン挿入後、 実験群には

0.13%に希釈したTSCs

溶液を、対照群には蒸留水を常飲させた。飼育期間は

4

日、10 日とし、安楽死させた後、定法の灌流 固定を行った。ラットの頭蓋を摘出後、CT を用い歯の移動距離を測定し、H-E 染色および

TRAP

染 色を行い組織学的観察を行った。さらに、TSCs が骨代謝に及ぼす機序の解明を進めるため

in vitro

において

UMR106

TSCs

溶液

0~250 g/ml、ニコチン溶液0~2500 g/ml、破骨細胞前駆細胞に TSCs

溶液

0.25 g/ml、ニコチン溶液2.5 g/ml

の刺激を与え、各細胞への影響を検討した。ニコチン はポジティブコントロールとして用いた。UMR106 では細胞数の変化と

PCR

法による

M-csf, Rankl

の遺伝子発現を測定し、破骨細胞前駆細胞では

TRAP

染色による破骨細胞の形成量の計測を行った。

結果、

in vivo

では、実験群において歯の移動距離が有意に少なかった。CT 所見では、実験群のエ ラスティックチェーン挿入部にて歯槽骨の吸収像の減弱が認められた。組織学的所見では歯槽骨骨髄 腔内での破骨細胞数の減少が確認された。

In vitro

では、細胞毒性を示さなかった刺激濃度においては

UMR106

M-csf、Rankl

遺伝子発現に顕著な影響は認められなかった。一方、破骨細胞前駆細胞で は TSCs により、破骨細胞の形成が有意に抑制されていた。

以上の結果より、タバコに含まれる成分が歯槽骨内の破骨細胞分化を抑制し、それにより歯の移動

が抑制されることが示唆されたという点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると

判定した。

参照

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