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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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全文

(1)

ふ り が な

氏 名

きたお のりつぐ

北尾 徳嗣

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 804 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 10 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Processing of Ceramic Blocks using Femtosecond Lasers (フェムト秒レーザーを用いたセラミックブロックの切削) 学 位 論 文 掲 載 誌 日本レーザー歯学会誌 第 27 巻 第 3 号

平成 28 年 12 月 1 日

論 文 調 査 委 員 主 査 西川 泰央 教授 副 査 岡崎 定司 教授 副 査 田中 昌博 教授

論文内容要旨

現在、ほとんどのオールセラミッククラウンは、半焼結ジルコニアを加工後に焼結して製作してい る。ジルコニアは焼結時に約

20

%もの体積収縮を生じる。これを見越して補正を行っているが、適 合状態にはばらつきがある。完全焼結ジルコニアを加工できれば良好な適合が得られると考えられる。

しかしながら、完全焼結ジルコニアは非常に硬く、切削器具の損耗が激しいことから、商用ベースで はなされていないのが現状である。本研究は、完全焼結ジルコニアを切削器具ではなく、フェムト秒 レーザーを用いた新たなセラミッククラウンの加工法の開発を目的とし、種々の歯冠修復材料の加工 条件について検討した。

実験材料には、完全焼結ジルコニア、半焼結ジルコニア、アルミナおよびハイドロキシアパタイト を用いた。設定条件は波長、照射光強度、焦点外し距離、オートステージの移動速度および切削粉除 去のためのエアーの有無とした。設定条件を変化させてレーザー照射して、形成した切削痕の深さと 断面積を比較した。試料表面の照射痕の深さと断面積を

3CCD

リアルカラーコンフォーカル顕微鏡

(H1200,Lasertec 社製)で測定した。直線状に形成した照射痕の任意の

10

か所の深さと断面積を 測定し、10 か所の平均値を求めた。なお、実験は各条件について3回行った。

本実験では、①試料の位置による比較、②実験材料と水の有無による比較、③照射光強度による比 較、④波長とパルス幅による比較、⑤速度と切削粉の除去による比較、⑥窩洞形成の評価を行った。

①試料の位置による比較は、焦点はずし距離について行った。②実験材料と水の有無による比較は、

焦点はずし距離を変化させて得た切削痕の大きさの最大値を、実験材料と試料の状態別に評価した。

そして、すべての実験条件を因子とした一元配置分散分析と実験材料と水の有無を因子とする二元配 置分散分析を行った。また個々の群間については、Tukey-Kramer 法によって多重比較した。また、

照射痕を肉眼と

SEM

画像で観察した。③照射光強度による比較は、照射光強度を変化させて評価した。

(2)

④波長とパルス幅による比較は、波長とパルス幅を変化させて評価した。そして、波長とパルス幅の 組合せを

1

つの因子として一元配置分散分析を行い、個々の群間については、

Tukey-Kramer

法によ って多重比較を行った。⑤速度と切削粉の除去による比較は、速度とエアーフローによる切削粉の除 去の有無を変化させて評価した。そして、速度を独立変数とする回帰分析を用いて評価した。⑥窩洞 形成の評価については、

1 mm

×

1 mm

×

300 µm

の窩洞を切削し、その窩底深さの差と平均粗さおよ び時間を求めた。

その結果、フェムト秒チタンサファイアレーザーで、完全焼結体ジルコニア、半焼結ジルコニア、

アルミナ、ハイドロキシアパタイトのいずれも切削加工できた。材料内部に水が浸透すると切削量が 増した。ジルコニアの照射痕には黒化が見られたが、再加熱で消失した。切削量は照射光強度に依存 性があった。照射光強度が増加すると切削痕の深さと断面積は増加したが、

20 mW

を超えると増加量 は低下した。同じ照射光強度では、波長は短い方、パルス幅は短い方が切削量は大きかった。切削粉 の除去が切削に有効であった。窩洞形成した窩底の表面粗さは、臨床応用可能な範囲であった。

以上から、フェムト秒チタンサファイアレーザーは歯科用セラミックの高精度な加工に応用できる ことが示唆された。

論文審査結果要旨

現在、ほとんどのオールセラミッククラウンは、半焼結ジルコニアを加工後に焼結して製作してい る。ジルコニアは焼結時に約

20

%もの体積収縮を生じる。これを見越して補正を行っているが、適 合状態にはばらつきがある。完全焼結ジルコニアを加工できれば良好な適合が得られると考えられる。

本論文では、ジルコニアだけでなくアルミナ、ハイドロキシアパタイトを検討対象に加えたことで、

今後のオールセラミッククラウンの材料として使用できる可能性が示されている。また、様々な材料 を比較検討することで、切削量を上げるには、どのような形状のものがふさわしいかも示されている。

また、レーザーの切削機序も調べられており、その点も評価できる。本論文から判明したことは、フ ェムト秒チタンサファイアレーザーで、完全焼結体ジルコニア、半焼結ジルコニア、アルミナ、ハイ ドロキシアパタイトのいずれも切削加工できることが明らかとなった。また、材料内部に水が浸入す ると切削量が増すことが示されている。ジルコニアの照射痕には黒化が見られたが、再加熱で消失す ることが示されており、酸素欠損が原因であると示されている。切削量は、照射光強度に依存性があ ることが示されている。また、照射光強度が増加すると切削痕の深さと断面積は増加したが、20 mW を超えると増加量は低下していた。同じ照射光強度では、波長は短い方、パルス幅は短い方が切削量 は大きくなっていた。切削粉の除去が切削に有効であることが示されている。また、窩洞形成した窩 底の表面粗さは、臨床応用可能な範囲であることが示されている。今回は、基礎実験であるため、今 後研究を進めて臨床応用につなげていくことが重要と思われる。

以上、フェムト秒レーザーを用いたセラミックブロックの切削が、有効であることが証明された点

において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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