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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

のさか こう

野阪 興

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1590 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 12 月 24 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 IL-17A inhibits osteoclast differentiation of RANKL-stimulated RAW 264.7 cells by suppressing JNK phosphorylation and c-Fos expression

(IL-17A は JNK リン酸化と c-Fos 発現を抑えることにより RANKL 刺激された RAW264.7 細胞の破骨細胞分化を抑制する)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 48 巻 第 2 号 平成 26 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 西川 泰央 教授 副 査 大浦 清 教授 副 査 池尾 隆 教授

論文内容要旨

歯槽骨は他の骨と同様,骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収により絶えずリモデリング

されている.歯周病では,骨吸収が骨形成を上回るため歯槽骨量が減少する.しかし,歯槽骨の骨吸

収メカニズムは部分的にしか解明されていない.IL-17A は骨芽細胞上の receptor activator of NF-

κB ligand (RANKL)発現を誘導し,破骨細胞分化に対して間接的に作用することが知られている.し

かし,破骨細胞前駆細胞に対する IL-17A の直接的な影響は不明である.そこで私たちは,破骨細胞前

駆細胞 RAW264.7 細胞に対する IL-17A の直接的な影響について検討した.RAW264.7 細胞(3.0×10

3

cells/well)を 96well plate に播種し,10 ng/mL RANKL と各種濃度の IL-17A (5,10,20 ng/mL)刺激を

加えて 37℃,5% CO

2

存在下で 3 日間培養した.10% ホルマリンに続きアセトン:エタノール(1:1)にて

固定後,5 mL の TRAP buffer に 24 mg の基質(p-ニトロフェニルリン酸 2 ナトリウム)を溶解した基質

液を 50 μL/well 加えて 37℃,5% CO

2

存在下で 10 分間反応させた.50 μL/well の停止液(0.5 N 水酸

化ナトリウム水溶液)を加え,呈色後 405 nm の吸光度をマイクロプレートリーダーで測定した.その

結果,無刺激と比較して RANKL 刺激により破骨細胞への分化は著明に促進された.しかし,この促進

は IL-17A の濃度依存性に抑制された.また,c-Jun N-terminal kinase (JNK)阻害剤である SP600125

(1,5,10 μM)で細胞を前処理した後,同様の破骨細胞分化実験を行ったところ,SP600125 の濃度依存

性に破骨細胞分化が抑制された.RAW264.7 細胞(2.0×10

6

/sample)に RANKL (10 ng/mL),IL-17A (10,

50, 100 ng/mL)を加え,それぞれの条件下にて刺激後,細胞を可溶化してウエスタンブロット法にて

リン酸化 JNK の検出を行った.RANKL 刺激により JNK のリン酸化は活性化されたが,この RANKL 刺激に

よる JNK のリン酸化は IL-17A 刺激により減弱した.RAW264.7 細胞(2.0×10

5

cells/well)を 12well

(2)

plate に播種し 10 ng/mL RANKL と各種濃度の IL-17A 刺激(10,50,100 ng/mL)を加えて 37℃,5% CO

2

存 在下で 6 時間培養した.刺激後,細胞を可溶化してウエスタンブロット法にて c-Fos の検出を行った.

RANKL 刺激により c-Fos の発現が増強された.しかし,この RANKL 刺激による c-Fos の発現増強は IL-17A 刺激により減弱した.以上の結果より,IL-17A は,破骨細胞前駆細胞である RAW264.7 細胞の RANKL 刺激による破骨細胞への分化に対して,直接的に影響を及ぼすことでその分化を抑制しているこ とを確認した.また,この IL-17A による分化の抑制には,JNK と c-Fos が関与している可能性が示唆 された.

論文審査結果要旨

歯槽骨は他の骨と同様,骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収により絶えずリモデリング されている.歯周病では,骨吸収が骨形成を上回るため歯槽骨量が減少する.しかし,歯槽骨の骨吸 収メカニズムは部分的にしか解明されていない.

著者は,破骨細胞分化に影響を与えるとされているInterleukin 17-A(IL-17A)を用い,破骨細胞前 駆細胞であるRAW264.7細胞に対するIL-17Aの直接的な影響を調べている.

破骨細胞分化誘導因子(RANKL)刺激により破骨細胞への分化は著明に促進されるが,この促進は IL-17Aの濃度依存性に抑制されること,またc-Jun N-terminal kinase (JNK)阻害剤であるSP600125で 細胞を前処理した後,同様の破骨細胞分化実験を行い,SP600125の濃度依存性に破骨細胞分化が抑制 されることを明らかにした.

RAW264.7細胞にRANKL,IL-17Aを加え,それぞれの条件下にて刺激後,細胞を可溶化してウエスタン ブロット法にてリン酸化JNKの検出を試み,RANKL刺激によりJNKのリン酸化は活性化されるが,この RANKL刺激によるJNKのリン酸化はIL-17A刺激により減弱すること,さらにRAW264.7細胞にRANKLと各種 濃度のIL-17A刺激を加えて細胞を可溶化し,ウエスタンブロット法にてc-Fosの検出を行ったところ,

RANKL刺激によりc-Fosの発現が増強するが,このRANKL刺激によるc-Fosの発現増強はIL-17A刺激によ り減弱することを明らかにしている.

以上のことから,IL-17Aは,破骨細胞前駆細胞であるRAW264.7細胞のRANKL刺激による破骨細胞への 分化に対して,直接的に影響を及ぼすことでその分化を抑制していることを明示すとともに,この IL-17Aによる分化の抑制には,JNKとc-Fosが関与している可能性を見出した点で,本論文は博士(歯 学)の学位を授与するに値すると判定した.

なお,外国語 1 か国(英語)について試問を行った結果,合格と認定した.

参照

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