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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

あか い けい すけ

赤 井 啓 祐

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1577 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 25 年 6 月 26 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Morphological study of the palatine mucosa in the type 2 diabetes mellitus model rat

(2型糖尿病モデルラットにおける口蓋粘膜の形態学的研究)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 47 巻 第 2 号 平成 25 年 10 月

論 文 調 査 委 員 主 査 諏訪 文彦 教授 副 査 西川 泰央 教授 副 査 小正 裕 教授

論文内容要旨

自然発症2型糖尿病モデルラット(GK ラット)の口蓋粘膜の粘膜上皮、粘膜上皮下結合組織ならび に毛細血管についての報告はない。そこで、正常ラットと GK ラットを比較して、口蓋粘膜の粘膜上皮

(角質・顆粒・有棘・基底層)、粘膜上皮下結合組織、毛細血管に形態学的差異がみられるかを検索し た。また、GK ラットの口蓋粘膜と上顎第一臼歯口蓋側歯肉、下顎第一臼歯舌側歯肉との形態学的差異 を文献を用いて比較・考察を試みた。

実験動物は、生後 8 週齢 Wistar 系雄性ラット6匹(体重:240.0 ± 11.6 g、HbA1c:5.0 ± 0.5 %)

を正常群とし、同週齢 GK 雄性ラット6匹(体重:204.4 ± 12.6 g、HbA1c:5.9 ± 0.4 %)を糖尿病 群として、合計 12 匹を用いた。両群各 3 匹をヘマトキシリン・エオジン重染色(HE)標本に、両群各 3 匹を微細血管鋳型標本の作製に用いた。 HE 標本で、粘膜上皮の角質・顆粒・有棘・基底層の各厚さ、

顆粒・有棘層の各細胞数、粘膜上皮下結合組織の厚さを画像解析した。微細血管鋳型標本で、結合組 織表面の毛細血管の直径を画像解析した。各画像解析値を両群間で危険率1%で統計処理を行った。

HE 標本の光学顕微鏡所見では、両群共に、口蓋粘膜の粘膜上皮(角質・顆粒・有棘・基底層)と粘 膜上皮下結合組織が観察された。微細血管鋳型標本の走査型電子顕微鏡所見では、両群共に、口蓋粘 膜の微細血管構築は、亀甲型の網目を呈している毛細血管網であった。また、糖尿病群の網目よりも 正常群の網目のほうが小さかった。

画像解析ならびに統計処理の結果、粘膜上皮の角質層の厚さは、糖尿病群が正常群より約 1.3 倍有 意に厚かった。顆粒層の厚さは、糖尿病群が正常群より約 1.6 倍有意に厚かった。顆粒層の細胞数は、

糖尿病群が正常群より約 1.6 倍有意に多かった。有棘層の厚さ、細胞数には有意差はなかった。基底

層は、両群共に一層観察され、基底層の厚さに有意差はなかった。粘膜上皮(全層)の厚さは、糖尿

病群が正常群より約 1.1 倍有意に厚かった。粘膜上皮下結合組織の厚さは、糖尿病群が正常群より約

(2)

0.7 倍で有意に薄かった。毛細血管の直径は、糖尿病群が正常群より約 0.7 倍で有意に細かった。

GK ラット上顎第一臼歯口蓋側歯肉の粘膜上皮の厚さは、糖尿病群が正常群より有意に厚いと報告さ れていた。しかし、GK ラット下顎第一臼歯舌側歯肉の粘膜上皮は、糖尿病群が正常群より薄くなって いたと報告されていた。以上のことから、GK ラット粘膜上皮では、高血糖の影響が部位によって異な ることが明らかとなった。

GK ラット上顎第一臼歯口蓋側歯肉の粘膜上皮下結合組織の断面積、下顎第一臼歯舌側歯肉結合組織 乳頭の高さは、糖尿病群が正常群より有意に小さいと報告されていた。以上から、高血糖は、粘膜上 皮下結合組織に部位差がなく萎縮性変化を引き起こしていた。

GK ラット上顎第一臼歯口蓋側歯肉、下顎第一臼歯舌側歯肉の毛細血管の直径は、糖尿病群が正常群 より有意に小さいと報告されていた。以上から、高血糖は、毛細血管に部位差がなく糖尿病性細小血 管症を引き起こしていた。

すなわち、GK ラット口蓋粘膜において、高血糖は、粘膜上皮の角質層と顆粒層に肥厚を、粘膜上皮 下結合組織に萎縮性変化を、毛細血管に糖尿病性細小血管症を引き起こしていた。

論文審査結果要旨

自然発症2型糖尿病モデルラット( GK ラット)の口蓋粘膜の粘膜上皮、粘膜上皮下結合組織ならび に毛細血管についての報告はない。

著者らは、正常ラットと GK ラットを比較して、口蓋粘膜の粘膜上皮(角質・顆粒・有棘・基底層) 、 粘膜上皮下結合組織ならびに結合組織表面の毛細血管に形態学的差異がみられるかを検索している。

また、 GK ラットの口蓋粘膜と上顎第一臼歯口蓋側歯肉、下顎第一臼歯舌側歯肉との形態学的差異を文 献を用いて比較・考察を試みている。その結果、粘膜上皮の角質・顆粒層の厚さは、糖尿病群が正常 群より有意に厚く、顆粒層の細胞数は、糖尿病群が正常群より有意に多かったことを明らかにしてい る。また、粘膜上皮下結合組織の厚さは、糖尿病群が正常群より有意に薄く、毛細血管の直径は、糖 尿病群が正常群より有意に細かったことを明らかにしている。

さらに、 GK ラットの上顎第一臼歯口蓋側歯肉の粘膜上皮の厚さでは、糖尿病群が正常群より有意に 厚いと、同ラットの下顎第一臼歯舌側歯肉の粘膜上皮では、糖尿病群が正常群より薄いと報告されて いることから、 GK ラット粘膜上皮では、高血糖の影響が部位によって異なっていると考察している。

以上、 GK ラット口蓋粘膜において、高血糖は、粘膜上皮の角質層と顆粒層に肥厚を、粘膜上皮下結 合組織に萎縮性変化を、毛細血管に糖尿病性細小血管症を引き起こしていたことをを明らかにした点 において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

なお、外国語1か国(英語)について試問を行った結果、合格と認定した。

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