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博士(医学)小井戸一光 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(医学)小井戸一光 学位論文題名

ヒ ト 胆 管 細 胞 癌に 対 す るBalloon Laserthermla の 抗 腫瘍効果に関する基礎的研究

学位論文内容の要旨

目白勺

  現在まで胆管癌に対するN‑d:YAG laserを用い′こ温熱療法(以下 Laserthermia)の 抗腫 瘍効果 に関 する 基礎 的検討をおこなっ′こ報 告tま 皆 無 であ る。 そこで 筆者 はヒ ト胆 管細胞 癌のcell lineを 用 い て 胆 管 癌 に対す るLaserthermiaの抗 腫瘍 効果 に関し て基 礎研 究 をおこない、臨床応用の可能性を検討し′こ。

実 験材 料と 方法 1. 細胞株

  ヒ ト 胆 管 細 胞癌HuCC‐ Tl株 は富山 医科 藁科 第3内科 にお いて樹 立 、継 代さ れ、 同教室 (渡 辺明 治教授 )の 御好意tこより提供を受 け た 。 同 株 は 腫 瘍marker CA19‑9を 持 続 的 に 産生 する 特徴 を有し て いる 。

2.in vitroの抗腫瘍効果判定

  HuCC‑Tl株 をlx104/tnlに 調 整 し 、 以 下 の 実 験 群 を 設 定 し た 。

@Contro| 群、 @Simple hyperthermia群:incubator内で42.5+0・ 5℃の 加 温 を10分 問 (ST10)及 び15分問 (ST15)施 行。 ◎Bal Ioon Laser Treatment(BLT)群 :42.5土0.5℃のLaser Treatmentを10分 問(4 2BLT10)あるいは15分聞(42BLT15),および37士0.5℃のBしT を10分 問(3↑BLTio)ある いは15分間(37BLT15)おこなった。各治 療群 と も24時 間 お よ び48時 間 後に 培 養 上 清 を 採 取 し 、 腫瘍marker CA19‑9値 を 測 定 し 、 か つ 生 細 胞数 を 血 球 計 算 板 を 用 い て鏡 検下に 計測し て求 めた 。ぎ らに、Control群、ST15群,42BLT15群,および 3 tBLT15群 で は 各lXl04個 の生 細胞 数に 調整し て、 超音 波破 砕後上 清のCA19‑9値 を 測 定 し た 。CA19‑9の 測 定 は 酵 素 免 疫 測 定法 で求め た。 各 治 療 群 に お け る 細 胞 の 形態 変 化 は 位 相 差 顕 徽 鏡 で観 察し、

写真撮影をおこなった。

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3.in vivo抗腫瘍効果の判定

  体 重20gnude micelx10マ 個 のHuCC‑Tl株 を 移 植 し 、 移 植 後14 日目に@Control群(n:lO)、@ST15群(n=10)、◎42BしTis群(n=lO)、

42BLT30群 (nlO) の 各 群を 設 定 し′ こ 。各 治 療 後7日目 にether 酔 下 にsacrificeせ し め て 腫 瘍 の 湿 重 量 を 測 定 し 、 中 性formal in 溶液で固定後、HE染色を施行して鏡検した。

4. 統 計 学 的 解 析

  2群 問 の 統 計 学 的 有 意 差 検 定 はStudent.s'  t‑tesLを 使 用し 、 in vitroの 実 験 系 で はp001,nvivoの 実 験 系 でtまpくO.05 も っ て 有 意 差 あ り と し た 。

結 果

1.in vitro抗 腫 瘍 効果

  ST群 の 抗 腫 瘍 効 果 は 治 療 後24時 間 目 で はControl群 と の 間 に 有 意 差 は な く 治 療 後48時 間 目 で 有 意 な 生 細 胞 数 滅 少 が 認 め ら れ ′こ 。 す な わ ち 、hyperthermiaの 抗 腫 瘍 効 果 は 遷 延 性 に 発 現 す る こ と が 示 さ れ ′ こ(delayed effect)。 一 方 、3tBLT群 と42BLT群 で は 治 療 24時 間 目 で は10分 問 の 治 療 時 間 で は 有 意 差 を 認 め な か っ ′こ が 、 15分 間゛ の 治 療時 間 では 両 者 に有 意 差を 認 め ′こ 。 し かも42BしT群で は 生 細 胞 数 抑 制 は 治 療 後48時 間 目 ま で 持 続 し て お り 、 か つ 両 者 間 に 有 意 差 を 認 め ′ こ 。 す な わ ち 、Laserthermiaに よ る 抗 腫 瘍効 果 は 治 療 後24時 間 目 に お い て 既 に 認 め ら れ (early effect due to laser treatment)、 し か も 遷 延 性 に 持 続 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。

  2CA19‑9

    培 養 上 清 中 のCA19‑9埴 はControlST10ST153BLTi03tBL   Tis42BLT10及 び42BLT15の 各 群 の 間 に 有 意 差 は 存 在 し な か っ た 。   こ れ は 死 滅 細 胞 か ら のCA19‑9の 放 出 が 関 与 し て い る こ と が 原 因 と

, 考 え ら れ た 。 次 にlXl04個 ず つ の 生 細 胞 に 調 整 し 破 砕 し た 後 のCA1   9‑9tよ 治 療 後24お よ び48時 間 目 で はControl, ST15群と3BLTis   4 2BLT15群 の 問 に 有 意 差 を 認 め た 。 す な わ ち 、LaserthermiaHuC   C‑Tl細 胞 のCA19‑9産 生 を 低 下 せ し め ′ こ 。

3. 培 養 細 胞 の 形 態 の 変 化

  BTを 施 行 さ れ ′ こ24お よ び48時 間 後のHuCC‑Tl細 胞の 多 くは 、 そ の 形 態 を と ど め ぬ ほ ど 破 壊 さ れ て い た 。 一 方 、 生 存 し たHuCC‑Tl 細 胞 は 細 胞 質 の 空 泡 化 と 核 濃 縮 が 顕 著 で あ っ た 。ST群 で は そ の 変 化 は 軽 微 で あ っ た 。

(3)

4.in vivo抗腫瘍効果

  HuCC‑Tl細 胞 移 植 に よる 担 癌nude miceの各 種 治 療後7日目 の 腫 瘍湿重量を 比較検討しte成績でtまContro|群(6.21土1.52mg),

ST15群(5.15士1.58mg)に対して42BLTis群(2.82土1.62m8),42BL T30群(2.62土0.651mg)であり、BLT群はContro|群,ST15群に対し て腫瘍湿重量は有意に減少していた。

5.in vivoの 組 織像 の 変化

  細 胞 移植 後14日 目の組織 像は低分化 型腺癌の組 織像であっ た。

他 方42BLTisな ら びに42BLT30施 行7日 目 の組 織 像で は腫瘍の大 部 分 は変 性 壊死 に 陥っ ていた。周 囲には炎症 性細胞浸潤 が著明で、

多 くtま 肉芽 組 織で 置 換さ れ てい た 。

考婁蕁妻

    LaserthermiaCまIaser光自 体によるcytocidal effectくearly ef fect)とhyperthermic effect (delayed effect)を有し、強 カ な局所治療 法となる可 能性が示唆 ぎれ′こ。 さらに、培 養上清より 変性 あ るい は 死滅 細 胞を 除 去 した 後 、生 細 胞を 破 砕し て測定し た CA19‑9値 はControl群 お よびST群に 比 較し てBLT群で 有 意に低値を 示 し た 。 こ の 事 実 はBLTは生 細 胞に お いて す らも 細 胞変 性 を惹 起 し、CA19‑9の 産 生機 構 に影 響 を与 え て いる 可 能性 を 示唆して いる ものと考え られた。

  Laserthermiaの 抗 腫 瘍 効 果はin vivoに おい て も 腫瘍 湿 重量 の 減少 と 形態 学 的な 観 察と か ら 確認 さ れ、 今 後Balloon Lasertherm iaは 臨床 的 に 集学 的 癌治 療 法の ー つと し て期 待 ぎれ る ことが示唆 された。

結 言 吾

  Balloon Laserthremiaは ヒト 胆 管細 胞 癌に 対してin vitroおよ びin vivoの 実 験系 の いず れ にお い ても 抗 腫 瘍効 果 を示 し 、胆 管 癌 に 対 す る 有 カ な 治 療 法 の ー っ と な り う る こ と が示 唆 され た 。

(4)

学 位 論 文 審 査 の要 旨 主 査    教 授    宮 崎    保 副 査    教 授    細 川 眞澄 男 副 査    教 授    加 藤 紘 之

学 位 論 文 題 名

ヒ ト 胆 管 細 胞 癌 に 対 す る Balloon Laserthermla の 抗 腫 瘍 効 果 に 関 す る 基 礎 的 研 究

目自勺    ヒト胆管細胞癌細胞株を用いて胆管癌に対するLaserthermia の 抗腫瘍効果に関して基礎研究をおこない、臨床応用の可能性を検 討した。

! 奏 ! 験 ホ オ 半 斗 と ・ 方 法 1. 細 胞 株

  ヒ ト 胆 管 細 胞 癌 HuCC‑Tl株 を 用 い た 。 同 株 は 腫 瘍 marker CA19‑9 を 持 続 的 に 産 生 す る 特 徴 、 を 有 し て い る 。

2in vitroの 抗 腫 瘍 効 果 判 定

  HuCC‑Tl株 を lxl04/mlに 調 整 し . 、 以 下 の 実 験 群 を 設 定 し た 。

Control群 、 ◎ Simple hyperthermia群 : incubator内 で 42.5+O 5℃ の 加 温 を 10分 問 (  ST10)及 び 15分 間 ( ST15)施 行 。 ◎ Bal loon L'serTreatment BLT) 群 : 42 5 0 5℃ の LaSerTreatment 10 問 ( 42BLTlD) あ る い は 15分 問 ( 42BLT15) , お よ び37 0 5℃ の BLT 10分 間 ( 37BLTlD) あ る い は 15分 聞 ( 37BLT15) お こ な っ た 。 各 治 療 群 と も 24時 間 お よ び 48時 間 後 に 培 養 上 清 の 腫 瘍 markerCA19 9 値 を 測 定 し 、 か つ 生 細 胞 数 を 求 め た 。 さ ら に 、 生 細 胞 数 を 超 音 波 破 砕 後 上 清 の CA19_ 9値 を 測 定 し た 。 各 治 療 群 に お け る 細 胞 の 形 態 変 化 は 位 相 差 顕 微 鏡 で 観 察 し ′ こ 。

3invivo抗 腫 瘍 効 果 の 判 定

  体 重 208 nudemice 1xlOマ 個 の HuCC Tl株 を 移 植 し 、 移 植 後 14 日 目 に @Conir01群 (n10) 、 @ST15群 (n− −10) 、 ◎42BLT15群 (n10

42BLT30群 ( n lO) の 各 群 を 設 定 し た 。 各 治 療 後7日 日 に ether

(5)

酔下に sacrifice せしめて腫瘍の湿重量を測定し、中性fo rmal in 溶液で固定後、HE 染色を施行して鏡検した。

結果

1 .in  vi tro 抗腫瘍効果

  ST 群の抗 腫瘍効果は治療後 48 時間 目で初めて有意な 生細胞数減 少が認められた。(delayed effect due to hyperthermia )。一方、

Lasertreatment によ る 抗腫 瘍効 果 は治 療後 24 時 間 目に おい て 認 められ 、 48 時間目まで遷延性に 持続していた(  early effect due to laser treatment) 。

2 .CA19‑9 値

   培養 上清 中 の CA19 ー 9 値 は各 実 験群 聞で有意差は存 在しなかっ

′こ。 他方、 lXl04 個ずつの 生細胞に調整し破砕した後の CA19‑9 値 は治療後 24 および 48 時間目ではControl ,ST15 群に対して3 マBLTis , 4 2BLT15 群では育意にその低下が認められた。

3 .培養細胞の形態の変化

  BLT を施行された 24 および 48 時 間後のHuCC‑Tl 細胞の多く は、そ の 形態 を とど めぬ ほ ど破 壊ぎ れ てい た。一方、 生存した HuCC‑Tl 細胞は細胞質の空泡化と核濃縮が顕著であった。

4 .in vivo 抗腫瘍効果

   腫瘍湿重量t ま Control 群(6 .21 土1 .52mg ),ST15 群(5 ,15+ 1.58 mg )に対して42BLTis 群(2 .82 土1.62mg) ,42BLT30 群(2 . 62 土0.65 Img) であり、 BLT 群で有意に減少していた。

5 .jn vivo の組織像の変化

  42B しTis ならぴに 42 BLT3D 施行 7 日目の組織像では腫蕩の大部分 は変性壊死に陥っていた。

考案

  Laserther'mia は1aser 光自 体に よる cytoci daleffect(early

effect )とhyperthermic  effect ( del ayed  effect )を有し、強カ

な 局所治療法となる 可能性が示唆された 。さらに、 HuCC‑Tl 株の

生細胞を破砕して測定し′こCA19‑9 値はBLT 群で有意に低値を示し

た。この事実は8 LTt まその生細胞環境にも障害的影響を与えてい

る 可能性を示唆して いるものと考えられた。Laserthermia の抗腫

瘍 効果 t ま in vivo に おいても腫瘍湿重量の滅少と形態学的な観察

と か ら 確 認 さ れ 、 臨 床 応 用 の 道 が 開 か れ た も のと 思わ れ る。

(6)

結言菩

  Bal loon  Laserthremia はヒト胆管細胞癌に対してjnvi t,ro およ びin vivo の 実験系のいずれにおいても抗腫瘍効果を示し、胆管 癌に 対する 有カ な治療 法のー っとな りう ること が示唆された。

   以上より、本研究 t よ博士(医学)の学位論文として妥当なもの

と判断ぎれる。

参照

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