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模擬授業形式の研修による通常学級の授業改善に関する研究~5つの授業スキルに基づいた授業アドバイスを通して~

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(1)平成21年度 学位論文. 模擬授業形式の研修による. 通常学級の授業改善に関する研究 ∼5つの授業スキ〃こ基づいた授業アドバイスを通して∼. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 特別支援教育学専攻 特別支援教育=1一ティネ タ. コース. M08121F田中裕一.

(2) 目 次 第1章間風と日的. P1−14. 第1節特別支援教育の現状と課題 第1項小中学校の特別支援教育の現状. P2−3. 第2項小中学校の授業のユ■パーサルデザイン化. P3−6. 第3項授彙改善を行うための研修の現状と課題. P6−7. 第4項特別支援学校の地域支援の現状と課田. P7−8. 第5項課題を解決するために∼仮説に変えて∼. P8−12. 第2節研究の日的. P13−14. 第2章方法. P15−80. 第1節研究の全体祝宴 第1項研究全休と介入方法の関係. P16. 第2項3つの介入方法と研究のグループ分けについて. P16−34. 第3項研究の協力校と対象者. P34−43. 第2節5つの授業スキルと援彙チェックシートの開発 第1項授業チェックシート開売の手続きとコンセプト. P44−46. 第2項5つの授業スキルの運定と摂棄チェックシート(試作版)の作成. P47−53. 第3項授業チェックシート(試作版)の授業アドバイスでの試用. P53−56. 第4項授業チェックシートの完成. P5659. 第5項授業スキルの分類喀眉性について. P59−61. 第6項5つの授業スキルと援棄で行われている支援方法との関係. P61−76. 第7項授業チェックシートの各項目の客便性の検証. P77−80. 一I一.

(3) 第3章結果. P81−267. P82. 結果の全体構造 第1節授業アドバイスと模擬授彙研修を組み合わせた介入の結果. 第1項授業アドバイスの全休的な結果. P83−87. 第2項摂棄アドバイスの対象者個々人の結果. P87−122. 第3項摂彙アドバイス後アンケートの結果. P123−137. 第4項授彙アドバイスの結呆のまとめ. P137−138. 第2節授業チェックシート(詳細版)に基づいた槙携授業研修の緒呆. 第1項研修参加者全休への模擬授彙研修に対してのアンケートの. 結果. P139−152. 第2項研究対集者の模擬授彙研修前後の授彙ビデオの変化につ いての結果. P152−192. 第3項槙焼授業研修後の授菓ビデオ撮影後のアンケートの結果. P193−203. 第4項模擬授業研修の結果のまとめ. P203−204. 第3節授業チェックシート(簡略版)による授業の自己チェックの結果. 第1項授菓の自己チェックと投棄ビデオの変化とアンケ ト結果. P205−211. 第2項授業の自己チェックの対念者個人の結果. P212−220. 第3項摂彙の自己チェックのまとめ. P221. 第4節研究全体に関するアンケートとすべての授業ビデオの結果. 第1項研究全休に関するアンケートの結果. P222−242. 第2項授業スキルの下位項目の実施率. P243−265. 第3項研究全休を振リ返ってのまとめ. P266−267. P268289. 算4章考家 第1節3つの介入と授業スキルの獲得、授業改警の効果について 第1項摂菓チェックシート(簡■各版)のみの介入の効果. 一II一. P269−270.

(4) 第2項授業アドバイスと槙焼授彙研修の介入の効果. P270−279. 第2節さまぎまな介入の方法の効果について 第1項5つの授業スキルと授業チェックシートについて. P280−281. 第2項授業のコンサルテーションについて. P281−284. 第3項授彙アドバイスと模擬授業研修の効果の関係性. P284. 第3節今後の課田 第1項介入の組み合わせや頻度、フェードアウトについて. P285−287. 第2項授業改善について. P287. 第3項さまざまな介入方渤二ついて. P287289. 引用参考文献. P290−296. 付録特別支援教育時代の授彙カアップのための研修の提案. P297−299. 巻末資料 謝辞. 一III一.

(5) 一1一.

(6) 第1節特別支援教育の現状と課題 算1項小中学校の特別支援教育の現状 ∼システム構案から授業改書へのパラダイムシフト∼ 特別支援教育が平成18(2006)年度から全国で制度としてスタートし た。. 文部科学省の調査(2008a)では、平成19(2007)年度の全国の公 立の小中学校の校内委員会設置傘、児童生徒の実態把握実施率、コーディ. ネーターの指名率は90%を超えており、同様の平成20(2008)年度の 調査(文部科学省,2009)では、比較できるすべての項目で前年よりも割 合が高くなっていることがわかっている。. 「2007年度が終わるこの時期、全国各地の1」1中学校では新たな特別支 援教育のシステム構築がほぼ完成した。特別支援教育を実施するに当たっ てのポイントのひとつは、“授業の質を高める”こと」と柘植(2008a) が述べている。. また、「子どもの困り感が生じにくいような根本的な手立てとして授業改 善が必要(佐藤暁,2008)」「個別的な配慮・支援から学級・授業のあり方へ. という第二の発想の転換の時期であり、ユニバーサルデザインの学級経 営・授業づくりを目指すべき時期(花熊,2008)」などのように、現在の特 別支援教育のポイントとして、通常学級での授業改善が挙げられている。. 文部科学省(2003)は、特別支援教育の重要な課題としてr特別な教育 的二一ズのある児童生徒を通常学級で支援すること」と「今後の特別支援 教育の在り方について(最終答申)」の中で示していることを考えると、特. 別支援教育3年目を迎え、文部科学省が考えている特別支援教育の真のね らいに迫っていけるだけの体制が整った、と言えるだろう。. では、通常学級の教員は、この3年間の特別支援教育の成果をどう受け 止めているのだろうか。. 柘植(2009a)は、特別支援教育の推進による実感の広がりとして、学 校内のすべての子どもの学力の向上や不登校の子どもの減少、学校が落ち 着いてきた、学級崩壊の予防や改善に効果がある等の声をよく聞くように なった、と述べているが、その効果を実感していない地域や学校、教師が いることも同時に述べている。. 吉利ら(2009)は、2府5県における中学校の教員に対してのアンケー ト調査で、通常学級において特別な教育的支援を必要とする児童生徒を指 導する知識・技能は特別な教育的支援を必要とする児童生徒だけでなく、. 一2一.

(7) 他の児童生徒の指導にも役立つと大多数の教員が考えているという結果の データも示している。. 筆者自身の授業コンサルテーションや教育相談などの1」1中学校の現場で. の経験を考えてみると、校内委員会や個別の指導計画、個別の教育支援計 画、特別支援教育コーディネーターの配置などのシステムができているだ けでは、なかなか特別支援教育の効果を教員は実感できていないのではな し、か、と感じている。それらのシステムがうまく運用できてし、る学校や授. 業改善、個別の対応法の改善まで教員の意識がある学校は、より特別支援 教育を推進しようという雰囲気が感じられることが多かった。 これらのことから、4年目を迎えた特別支援教育が、特別な教育的二一 ズのある子どもたちのためだけでなく、学校の様ノマな課題に対して有効な 考え方、手法であることが浸透し始めており、システム構築から特別支援 教育や発達の視点を入れた授業改善へのパラダイムシフトが必要とされて いることが例える。. 第2項 小学校、中学校の授彙のユニバーサルデザイン化 システム構築がほぼ完成した小中学校では、特別な教育的二一ズのある 児童生徒を支援するために、通常学級でできる授業改善のための具体策に 乗り出し始めた、ということが言えるだろう。. 兵庫県内のある2つの市の幼・小・中・高等学校のクラス担任に行った アンケート調査では、幼・小・中・高等学校で気になる子に対して、まず はその子どもにとって分かりやすし、、より身近なところから支援を行おう としていること、学級担任の裁量ででさる支援がなされてし、る、というこ とが指摘されている(桂・石堂,2009)。. 柘植(2009b)は、特別支援教育のこれまでの成果を“授業の構成や指 示の出し方、褒め方、叱り方、机間巡視、板書、教室環境の整備、とし、っ たとの教科における指導でも共通して求められる事項の工夫とその整理” や“障害特性やつまずきの背景から適切な指導を工夫する取り組み”、“学 習指導案や授業研究会の工夫という授業改善の取り組み”、“授業カを高め る校内研修会の工夫”、“特別支援教育の視点による学級崩壊からの改善や 予防的な取り組み”の5つにまとめており、 特別支援教育における小中 学校の授業の質を高めるための観点として、授業構成の工夫、指示一説明・ 発間の工夫、机間支援と板書の工夫、視覚情報や作業・動作の活用という4 つのポイントを挙げている(柘植,2008a)。. 一3一.

(8) また近年、通常学級の一斉授業でできる具体的な支援方法や授業改善が 論文、雑誌、著作等で様ノマに報告されるようになっている。それらの中に は、特別支援教育の観点から書かれているもの(玉木・海津ら,2007:青. 山,2007.1金子,2007:特別支援教育研究2007年度連載1佐藤慎 二,2008a:横山,2008など)だけでなく、特別支援教育とは書かれてい なし、が、その観点が多く含まれているように思われる著作も多く見られる (高垣,2005:広山,2006:上條,20071上條・中村,2007など)。. しかし、通常学級の一斉指導の中で行う個別支援などに対しては、否定 的な結果を示す教員のアンケート結果も見つけることができる。 まだ特別支援教育が始まる以前の特別支援教育に関する担任の意識調査で は、「個に応じた支援が必要だと感じながらも、その48%が配慮や支援を行 うことの負担がきわめて大きいと感じている」という結果を渥美(2003)が 報告している。さらに、池田(2005)が行った1」1学校の通常学級の担任に対. してのアンケートでは、特別な教育的支援を必要とする児童への支援につい て、授業場面では、たとえクラス規模が’」1さくても、担任一人の努力では一 斉指導と対象児への個別指導の両立は難しい、という結果がある。. では、特別支援教育が全国で実施されてからの調査はどうだろうか。茨 城県の小中学校への調査(2007)では、一斉指導の中で個別に対応するこ とが人的・時間的に難しい、と“とても感じている十少し感じている”教 師の合計は、1」1学校・中学校ともに9割を超えている。. これらのことは、授業アドバイスや教育相談で1」い中学校を訪間すると、. r一人では無理なので人がほしい。」r気になる子どもたちは集団では教え られない。個別指導で。」「個別指導をするためには人がいる。加配がほし い。」という現場教師の意見をよく聞く筆者の経験と重ね合わせることもで きるだろう。. 玉木・海津ら(2007)は、通常学級の担任への調査で、一斉指導で取り. 組みやすいと考える支援方法は、学級全体に行われる、あるいは多くの準 備時間を必要としないものである、と述べ、逆に個別に対して行われる、 あるし、は多くの準備時間やカリキュラムの変更を必要とする支援は困難と 感じていることを述べている。. これらのことから、通常学級の一斉指導における特別支援教育や発達障 害の視点を入れた支援や授業改善は必要だと考えられながらも、負担感、 多忙感などから進んでいない現状が見えてくる。また、通常学級の一斉指 導の中での個別指導の難しさは、特別支援教育が始まる以前から続いてい ることも例える。. 一4一.

(9) 海津(2007)は、LD等の子どもたちへの支援を考えるときに、全体の 学習時間のうちの70%は一般的に効果的とされている指導で、25%は注 意を促すために声をかけたり視覚的な提示を行ったりという事前の準備が それほど必要でない特別な配慮でカバーできると述べている。そして、残り の5%の部分が特性に特化した指導が必要になってくるとも述べている。 特別な教育的支援を必要とする児童生徒が在籍する通常学級において、. 特別な教育支援を必要とする児童生徒に対して、これまで重視されてきた 個別的な支援だけでなく、他児や学級全体それぞれの実態に即した包括的 な学級支援が必要、ということを明らかになってきた(村田・松崎,2008)。. このような一斉指導に参加している子どもたちに対して、最大公約数的 な指導や支援を行うことの必要性が言われている。 そのような流れのべ一スにあるものが、ユニバーサルデザイン化された 授業(石橋,2006)という考え方である。 小島(2008)によるとrユニバーサルデザイン」の定義は、 ロン・メ イズ(RonaldMace)の提唱した、すべての年齢や能力の人ノマに対し、可 能な限り最大限に使いやすい製品や環境のデザイン」のことであり、通常 の学級におけるユニバーサルデザインの学級経営とは、LD,ADHDなど発 達障害のある子どもたちはもちろん、すべての子どもの二一ズに可能な限 り対応した学級運営であると述べている。 佐藤慎二(2008b)や菅野・宇野ら(2006)、小林・古田島・長澤(2009) などが述べるように、ユニバーサルデザイン化された授業が有効であるこ とが少しずつ明らかになってきている。. 村田(2009)は、ユニバーサルデザイン化された授業の4つの効果とし て、「担任一人による一斉指導の中で特別支援児と他児への支援が可能」「特. 別支援児が個別に支援される機会の減少により、その子の自己肯定感の低 下を防ぐ」「“あの子ばかり”という他児の不満を減少させる」「発達障害の. 傾向がみられるグレーゾーンの子どもたちへも有効」を挙げている。さら に1」1林・古田島・長澤(2009)は、通常学級における学習のユニバーサル デザイン化が学級集団全体の問題行動の改善にも有効であると同時に、特 別な二一ズのある子への直接的支援を行わなくても個の問題行動も減少す ることを報告した。. 以上のように、ユニバーサルデザイン化された授業がもたらす効果を示 す論文が出始めており、授業のユニバーサルデザイン化が今後ますます進 んでいくことが考えられるだろう。. しかし、ユニバーサルデザイン化された授業とは具体的にどんな授業な 一5一.

(10) のだろうか。. 石橋(2006)は、学級により子どもの実態がさまざまであること等から、 どのような支援や酉己慮がユニバーサルデザインの授業となるかは学級によ って違ってくる、ことを指摘している。 つまり、教師が様ノマな指導法や支援法、配慮を身につけ、自分の学級の. 状態に応じて、ユニバーサルデザイン化された授業を自分でアレンジして いく必要がある、ということだと考えられる。 では、アレンジできるだけの様ノマな指導法や支援法、配慮の仕方はどう やって身につけるのだろうか。. また、ユニバーサルデザイン化された授業を行うための最大のポイント は教師の指導行動が変化するかどうか(1」1材・古田島・長澤,2009)とい う指摘があるように、教員が自分自身でアレンジするだけでなく、専門的 な視点を持った者による教師の授業方法に対するコンサルテーションも必 要になってくるだろう。. 第3項 投棄1改讐を行うための所書の現状と課題 特別支援教育への制度的転換がなされ、1」1中学校の教師たちは、特別支. 援教育に関連する知識や研修が必要であると考えている(玉村・越野 ら,2008)。. また、竹林・別府・宮本(2004)は、従来の特別支援教育の研修会は知 識を与えることに比重が置かれていたが、具体的事例を提示しながら、そ の理解と支援の仕方をともに検討する研修会を経験することが教員自身の 授業カ向上の必要性を自覚させる、と述べている。2007∼2008年に筆 者が1」1中学校の教員に行った特別支援教育の研修後のアンケートでも、机. 上の知識ではなく授業中の具体的な支援方法が知りたいという意見が数多 く見られた。. つまり、支援方法の知識を得ることはできても、実際の場面でどのタイ ミングでどのように支援すればいいのかわかりにくし、ことが考えられる。. 前項のユニバーサルデザイン化された授業のことを考えると、実際の場面 で具体的にどんな指導方法、支援をすればいいのかを学ぶための研修がよ り重要になってくるだろう。. 日本独特のシステムである授業カ向上のために研究授業を積極的に行う ことの重要性も指摘されている(石橋,2009)。しかし、授業研究のような 大掛かりなことは年に何度も行うことは非常に難しいと思われる。玉木・ 一6一.

(11) 海津ら(2007)のr準備に時間がかかるものは行いにくい」という指摘は、 日常的な指導場面での支援だけではなく、研修自体にも当てはまるだろう。. 具体的に支援方法を学ぶ手法として、DVDやe−Learnin9など映像を使 って研修を行うものが出始めている。京都市総合教育センター(2005.. 2006)の授業カをつけるためのビデオセットの開発事例や机間巡視に絞っ たe−Lθarningの手法、藤尾(2009)の支援方法をまとめたDVDづくり などがその例である。映像を使っての研修は、映像という具体性、見る時 間を個人で調整できることもあり、負担の少ない研修方法と言えるかもし れない。. 以上のように特別支援教育が始まり、授業の質を高める(柘植,2008a) ことが求められてし、るが、特別支援教育や発達障害の視点を入れた通常学 級の一斉指導でできる支援方法を身につけるために特化した研修について の研究はまだまだ少ない状態である。. 第4項特別支援学校の地域支援の現状と課題 1」1中学校等での特別支援教育の課題を改善する手段の一つとして、自分 たちの学校でそれぞれに取り組むこともよくあることだが、外部の専門機. 関の支援を受けて課題を解決しようとすることも多い。その外部の専門機 関のひとつとして特別支援学校のセンター的機能を活用することが可能で ある。. 文部科学省(2007)の特別支援教育の推進について(通知)では、r幼 稚園、小学校、中学校、高等学校及び中等教育学校の要請に応じて、発達 障害を含む障害のある幼児児童生徒のための個別の指導計画の作成や個別 の教育支援計画の策定などへの援助を含め、その支援に努めること。」と特 別支援学校には地域のセンター的機能を果たすことが明記されている。. 平成19年度の特別支援学校のセンター的機能の取り組みに関する状況 調査(文部科学省,2008b)において、子どもを担任する教員や学校からの 相談内容として“指導・支援についての相談・助言”を求められるケース が94.9%であり、平成18年度ともに相談内容のトップになっている。小 中学校等が特別支援学校のセンター的機能を活用するときに「指導・支援 の助言」に対する二一ズが非常に高いことがわかる。. また、秋元・落合(2007)は、特別支援学校の巡回型教育相談に対して 小中学校が期待している機能としてrよりよい授業のコンサルテーション」 を挙げている。. 一7一.

(12) さらに、畑・小貫(2006)は、東京都のある市の1」1中学校の教員や特別 支援教官コーディネーターに行った特別支援教育に対する二一ズ調査の中 で、専門家に助言してもらいたいことの中で最も強く求められているのは r学級の気になる児童生徒各個に応じた特性と対応方法の助言」である、 という結果を述べている。. 前述の特別支援学校のセンター的機能の状況調査では、センター的機能 を実施する上での課題として、“地域の相談二一ズヘ応えるための人材を校 内で確保すること”を上げる学校が78.1%でトップであり、“善心・中学 校等への支援の内容・方法等のノウハウが不十分なこと”を上げる学校が 51.O%あった。. つまり、特別支援学校のセンター的機能は、1」1中学校等の授業に対する 支援のコンサルテーションや対応方法といった地域支援の二一ズに応えら れていない現状が例える。. 特別支援学校のセンター的機能として通常学級の授業コンサルテーショ ンを含むかどうかについてはいろいろな考え方があるだろうが、特別支援 学校のセンター的機能に対する需要と供給に大きなズレがあることは今後 の課題だと言えよう。. 第5項 課題を籍法するために ∼仮説に代えて∼ ここまで1」1中学校の通常学級における授業改善の現状と課題を見てきた。. それらの課題をクリアしていくための方法を考えていきたい。 特別支援教育の成果は認められてきているが、通常学級の一斉指導での 個別支援の難しさは、特別支援教育が始まる以前からの課題である。その 中で様ノマな取り組みが行われており、近年は授業のユニバーサルデザイン 化が叫ばれている。. しかし、授業のユニバーサルデザイン化とは学級の状態によって違って おり、具体的にどんなものなのかを示すことは非常に難しい。そのための 様ノマな方法が論文や著作、雑誌等で示されているが、百花積乱状態で何か ら取り組めばいいのかを選ぶことが難しいような状態である。. つまり、ユニバーサルデザイン化された授業を行うためには、どのよう にその様ノマな指導法や支援法などの授業スキルを学ぶのか、どうやって授 業スキルをアレンジするのか、よりよいアレンジにするためのコンサルテ. ーションを誰がするのか、という大きな課題が3つある。この3点は、ま だまだ未解決のままである。. 一8一.

(13) そこで、それらの課題を改善するためにr授業スキルに基づいた授業チ ェックシートの作成」r授業チェックシートを利用した授業のコンサルテー ションの実施」r気になる子ども役を設定した模擬授業形式の研修の実施」 という3つのことを検討してみたい。 1 授業スキルに基づいた授業チェックシートの作成 ひとつは、授業中にできる支援の具体化と厳選化である。 教員が通常学級の一斉指導で日常的に行っている授業スキルをより効果 的に行うことで、発達障害を含む特別な教育的二一ズのある子どもたちに も対応できるユニバーサルデザイン化された授業にできないか、というこ とである。またその方が、全体に対する支援でもあり、準備などの負担感 も少なく、まるっきり新しいことをするのではないため、教師に受け入れ てもらし、やすいのではないかとも考えた。. 具体化には、目に見えるものとするためにチェックシート化を行う。 授業チェックシートは教師の指導行動をメタ認知できるコストの低い有 効なツールである(小林・古田島・長澤,2009)こともあり、徳島県海陽 町立宍喰1」1学校や滋賀県栗東市立葉山1」1学校、葉山東1」1学校、新潟県長岡. 市立越路中学校、東京都日野市第三1」1学校、三沢中学校などが授業チェッ. クシートや授業チェックリストの実践に取り組んでいる。 また、授業チェックシートは授業改善をねらう1」1中学校等に対して効果. があるだけではないだろう。小中学校等が求める特別支援学校の巡回相談 は授業改善のためのコンサルテーションであるが、特別支援学校の教師に 集団での一斉指導、特に30人程度の子どもを教師一人で対応する場面の 相談は、相談された教師の経験上も対応することが難しいと思われる。そ こで、この授業チェックシートの視点で対応するとわかりやすいのではな いかと考えている。. 授業チェックシート作成の手続きについては第2章第3節に詳しく紹介 する。. 2 授業チェックシートを利用した授業のコンサルテーションの実施 次に、授業チェックシートを利用しての授業のコンサルテーションの実 施である。この際には、学級全体を視野に入れた具体的なアドバイスを行 うことをねらいとしたい。. 授業チェックシートは、教師の指導行動をメタ認知できるコストの低い 有効なツールであったが、ビデオモニタリング、セルフチェックを合わせ 一9一.

(14) ることで、より多くの指導行動をセルフマネジメントできる(小林・古田 島・長澤,2009)と言われている。また、ユニバーサルデザイン化された 授業を行うための最大のポイントは、教師の指導行動が変化するかどうか (小林・古田島・長澤,2009)である。つまり指導行動、授業スキルに対 するコンサルテーションが必要になってくる。 出版物から授業スキルの知識を得ることはできても、実際の場面でどの タイミングでどのように支援すればいいのかわかりにくいことが多いため、 専門的知識をもつ者により、実際の授業場面でのクラス全体と特別な教育 的二一ズのある子を視野に入れた授業アドバイスが欠かせないだろう。. 3 気になる子ども役を設定した模擬授業研修の実施 授業改善をするための研修として、気になる子どもや特別な教育的二一 ズの.ある子どもを教師が演じ、実際の場面を想定した模擬授業研修を実施. することがユニバーサルデザイン化された授業に向けた授業改善に有効で はないか、と考える。. 模擬授業とは、教師が子ども役と教師役になり、教師役が実際に授業を するように模擬場面を設定して授業(全体、もしくは、その一部分)を行 うことである。模擬授業形式の研修とは、その模擬授業を取り入れた研修 のことだが、その中に気になる子ども役をする教師を設定して行うことで 有効性は増すと思われる。 模擬授業形式の研修自体は珍しいものではなし、。. 志水(2000)、鈴木・志水(2003)は、算数・数学の丸竹け法を身に つけるために模擬授業形式の研修を実施し、子どもと教師の両方の視点に 立って授業技術を理解することができたと報告している。. また、春原(2009)は、ある大学の教育学部生に15分間の模擬授業を 行い、教師役、子ども役ともに授業前よりも授業後の方が「学級管理・運 営効力感」が有意に高くなり、子ども役の学生は「教授・指導効力感」で 有意傾向がみられた、とも報告している。. 研究授業の後の協議会の中に模擬授業を組み込んだ取り組み(菅 原,2006)や1」1中学校の通常学級の教員を中心に通級学級指導員、LD等指 導員、特別支援学校自立活動担当者などが参加者した模擬授業による研修 会の実施の報告(鬼,2009)もある。授業の上手下手を分けるものは緊張 感のある場面での授業や模擬授業の回数(谷,2009)だと述べる者もいる。 これらのことは、模擬授業形式の研修が授業スキルの習得だけでなく、 教師の内面にまで影響を及ぼすことを示唆している。 一10一.

(15) 教育目標分類学(図1−1参照)という考え方がある。B1oomが1956年 ごろに提唱し始め,目標に到達する活動を3領域にわけて,それぞれの到 達点を表現した。. 図1−1 教育目標分類学(B1oom,1956) 得た知識はすぐに授業場面に実践化されにくい(認知領域の想起レベル)。. 教師がとりあえず試してみて、うまくいった経験ゆたとえうまく行かなく てもこれは使えると感じる経験が授業場面での取り組みにつながるのでは ないかと考える。そのような体験の場面(情意領域の受け入れレベル、精 神運動領域の模倣レベル)として模擬授業を想定できるだろう。 模擬授業ではないが、兵庫県内の発達障害理解のための講演会で、発達 障害児へのまずい関わり方、うまい関わり方を舞台で寸劇にして見せ、理 解を図ることが行われている(竹田契一先生の取り組み)。これも実際にど うするのかという模擬場面を見ることの有効性を示唆しているのではない だろうか。. これらのことを総合的に考えると、気になる子ども役を設定した模擬授 業形式の研修には以下のような利点が考えられる。. ・学級全体を視野に入れた上で、気になる子への具体的な対応方法がわ かること. 一11一.

(16) ・学級全体への支援方法がわかること. ・その場でやってみることができること ・子ども役をすることで、子どもの気持ちを考えるきっかけになること. 松本・叶内ら(2008)は「授業改善を図るための校内授業研究の進め方 には“技術的実践”と“反省的実践”の2つの視点が必要」と述べている。 技術的実践の視点は「授業チェックシート」「気になる子ども役を設定した 模擬授業形式の研修」が、反省的実践の視点は「授業のコンサルテーショ ン」や「気になる子ども役を設定した模擬授業形式の研修でのコンサルテ ーション」r授業チェックシート」が該当するだろう。 すべての教室の授業の質を高めるために、自己の授業の振り返りの仕組 みや授業改善の視点からのスーパーハイズを受けることができる仕組み、 授業研究会や学習指導案の在り方の検討など、授業改善を促進する仕組み を検討する必要がある(柘植,2008b)と言われている。授業の振り返りや スーパーハイズを受けることができる仕組みが「授業チェックシート」や 「授業のコンサルテーション」、「気になる子ども役を設定した模擬授業形 1式の研修でのコンサルテーション」と考えることができるだろう。. 気になる子ども役を設定した模擬授業形式の研修だけでなく、授業アド バイスでも授業に関してのコンサルテーションを行う。 谷島(2009)は、公立1」1・中・高等学校の教師がコンサルタントに対し て求める援助特性は、“教師に信頼感、安心感を与えるようなコンサルタン トの信頼できる態度”“教師が気兼ねなくコンサルテーションを受けられる ための配慮”“教師、児童生徒の状況を的確に判断し、状況に応じた適切な 対応をする態度”の3つにまとめている。 たま、栗原(2008)は、1」1学校通常学級の巡回相談で効果のあった事例 は肯定的に担任に関わり実践を振り返り、安定意欲的な教育実践をしたと きであった、と述べている。. この二つの先行研究を参者にしながら、教員へのコンサルテーションを 行うように配慮する必要があるだろう。. 4.まとめ ここまで述べてきたように「授業スキルに基づいた授業チェックシート を作成」し、「授業チェックシートを使った授業のコンサルテーションの実 施」「気になる子ども役を設定した模擬授業形式の研修の実施」することが ユニバーサルデザイン化された授業を行うための近道だと考える。 一12一.

(17) 第2節研究の日的 本研究の目的は、. r授業中の教師の対応力に特化した授業スキルに基づいて作成された授業 チェックシートによる授業アドバイスと気になる子ども役を設定した模擬 授業形式の研修の介入が、発達障害を含む特別な教育的二一ズのある子ど もの在籍する学級の授業改善に有効か、また教師の授業スキル獲得に有効 かを検証すること」である。. 研究では、3つの介入を実施する。その介入に合わせて、以下のことを 進める。. 1.r授業チェックシートによる授業アドバイス」 授業中の教師の対応力に特化した授業スキルに基づいて 作成された授業チェックシートを使って行う授業アドバイ スが、発達障害を含む特別な教官的二一ズのある子どもの在 籍する学級の授業改善に有効か、また教師の授業スキル獲得 に有効かを検証する。 2.r授業チェックシート(詳細版)を利用した、気になる子ども役を設 足した模擬授業形式の研修」. 授業チェックシート(詳細版)を使っての発達障害を含む 特別な教育的二一ズのある子ども段つきの授業場面を想定 した模擬授業形式の研修が授業改善に有効か、また教師の授 業スキル獲得に有効かを検証する。 3.「授業チェックシート(簡略版)による授業の自己チェック」 授業チェックシート(簡略版)を使っての授業の自己チエ ックが授業改善に有効か、また教師の授業スキル獲得に有効 かを検証する。. ※1 以後、r発達障害を含む特別な教育的二一ズのある子ども」を 「気になる子ども」と表記する。. 一13一.

(18) ※2 授業改善がなされたかどうかについては、対象者自身や対象 者以外の関係者が子どもの授業態度等が変わったと感じたとき、 対象者の授業を参観した学校外の教員が授業を高く評価したこ と.で判断する。. ※3 今後、筆者が検討する「気になる子ども役を設定した模擬授 業形式の研修」のことを「模擬授業研修」と表記する。. 一14一.

(19) 一15一.

(20) 第1節研究の全体概要 第1環研究全休と介入方法の関係 本研究は「授業チェックシートによる授業アドバイス」「授業チェックシ ート(詳細版)を利用した模擬授業研修」「授業チェックシート(簡略版). による授業の自己チェック」の3つの介入方法から成り立っている。介入 方法の詳細については次項で述べる。 その介入の組み合わせによって、大きく3つのグループに分かれている。. ・グループ1(次項のAグループとBグループ) 授業アドバイスと模擬授業研修を組み合わせて行うグループ ・グループ2(次項のCグループとDグループ) 模擬授業研修のみを行うグループ ・グループ3(次項のEグループ) 授業の自己チェックを行うのみのグループ 各グループと研究全体との関係を時期に合わせて整理したものが表 2−1−1である。. 研究全体と介入方法の関係. 表2−1−1 時期 グルー 授業アド バイス十. 模擬授業 研修 模擬授業 研修のみ. δ月初句. ∼6月上句. 5月∼7月上句 介入1:授業アドバイス 十チェックシート. 対 ビ象一. 8月(長期休業中). 7月上旬. 介入2=模擬授業研修. ∼中旬. 十チェックシート. 9月上句 ∼中旬. 9月∼11月上旬. 11月. 介入3:授業アドバイス. 上旬 ∼中旬. 十チェックシート. 月1∼2回程度の. ピ. ビ. 月1∼2回程度の. ビ. 授業アドバイス. デ. デ. 授業アドバイス. デ. 者フー. wオ @提の勧. オ. 熬、. 介入なし. @①明. 模擬授業研修. 撮 影 ②. オ. 撮 影 ③. オ. 介入なし 授業アドバイスを希望 した場合は. 実施 介入4:チェックシートの自己記入のみ チビ. ヘ. ヒ」. 工. _■丁. の. 丁. ツオ⇒ク白⇒オ⇒撮. 己. 撮. シ^影 1記 影⑰ ト入 ②. ア ,. ノ. 授業の自 己チェツグ. のみ. ケ 1 卜. 記 入. 第2項 3つの介入方法と研究のグループ分げについて 本研究は、3つの介入方法から成り立っている。その介入方法について それぞれ説明する。また、その介入方法によって細かく分かれているグル. 一16一. 撮 影 ④.

(21) 一プについても説明する。. 1.介入方法1「授業チェックシートによる授業アドバイス」 (1) 目的. 授業中の教師の対応力に特化した5つの授業スキルに基づいて作成され た授業チェックシートを使って行う授業アドバイスが、発達障害を含む特 別な教育的二一ズのある子どもの在籍する学級の授業改善に有効か、また 教師の授業スキル獲得に有効かを検証する。 (2) 介入の期間と頻度. 期間:2009年4月∼11月 学校の状況や教員の二一ズに応じて、月に1∼2回程度、授業アドバイ スを実施する。. (3) 対象校・対象者数. 対象校4校から、それぞれ2∼4名の教員に依頼してし、る。当初、性別 や教員経験年数、年齢、特別支援学級担当の有無等に違いを持たせて依頼 する予定をしていたが、対象校や対象者の要望により、そうならなかった。. 対象校の詳細は表2−1−11∼表2一ザ14に、対象者の詳細は表2−1−17∼ 表2−1−18に紹介する。. (4)筆者の立場 通常学級の授業を観察し、授業アドバイスを行う地域の特別支援学校の 巡回相談員としての立場を取る。 (5) 介入の流れ. ※ 対象校や対象者の状況により、時期や回数に若干のずれがある。. それぞれの詳細については、第3章結果を参照のこと 授業アドバイスの介入の流れについて、説明する。. 対象者には、授業のビデオ撮影、授業観察後の授業アドバイス、アンケ ートなどを実施した。表2−1−2は流れをまとめたものである。. 1)4月下旬∼6月上旬 対象者への説明と第1回の授業ビデオ撮影 ①対象者に対して、協力していただきたいことの詳細を説明し、了承を 一17一.

(22) もらう。(事前に対象校の管理職や特別支援教育コーディネーター、研究. 担当者などに説明を実施し、4月上旬の職員会議等で全職員に簡単に説 明し、この日の対象者の希望を募っている). ②教師経験歴シート(巻末資料参照)に記入してもらい、日程等を調整 する。. ③了承してもらってから、初回の授業アドバイスの日程までの授業のビ デオ撮影を依頼する。. ④学校の現状についてのアンケートと聞き取りを特別支援教育コーディ ネーターに実施する。. 表2−1−2授業アドバイスの介入の流れ 介 入 の 流 れ. 時 期. 4月下旬∼ 6月上句 5月中旬∼ 7月上句. 1)対象者への説明 2)授業のビデオ撮影(1回目)十アンケート 3)授業アドバイス十アンケート. 7月中旬. 月に1∼2回程度実施 4)授業のビデオ撮影(2回目)十アンケート. 7∼8月(模擬. 5)模擬授業研修十アンケート (介入の詳細は次項に). 授業研修実施). 9月上旬∼ 中旬. 7)授業アドバイス十アンケート. 9月上旬∼. 11月上旬 11月上句∼ 中旬. 11月中旬. 6)授業のビデオ撮影(3回目)十アンケート. 月に1∼2回程度実施 8)授業のビデオ撮影(4回目)十アンケート 9)研究全体へのアンケート. 2)5月中旬∼7月上旬:授業アドバイス十アンケート ※ 授業アドバイスの詳しい流れについては、(6)授業アドバイスの流 れ参照のこと ①日程調整をしたうえで、月1∼2回、筆者が授業を観察し、授業チエ ックシートを記入する。. ・授業観察をするときに準備してもらったもの 一18一.

(23) 座席表、教科書のコピー、気になる子どものデータ(ある場合). ②観察後、空き時間や放課後を利用して、約30分程度授業アドバイス を行い、授業チェックシート(巻末資料参照)を渡す。 ③授業アドバイスに関するアンケート(巻末資料参照)を実施する。. 3)7月中旬:第2回目の授業ビデオ撮影 ①7月上旬に行った授業アドバイス以降、かつ夏季休業に入るまでに授 業ビデオを撮影してもらう。(第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ 教科で撮影してもらえるように依頼しているが、必ずしもそうはなって いない). ②撮影後にビデオ撮影後の授業に関するアンケート(巻末資料参照)を 実施する。. 4)7月下旬∼8月下旬:模擬授業研修十アンケート ①模擬授業研修を実施する。. ※ 模擬授業研修の詳しい流れについては、巻末資料参照のこと。 ②模擬授業研修に関するアンケート(巻末資料参照)を実施する。. 5)9月上旬∼中旬:第3回目の授業ビデオ撮影 ①夏季休業が終了後、9月の授業アドバイスまでに授業ビデオを撮影し てもらう。(第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ教科で撮影しても らえるように依頼しているが、必ずしもそうはなっていない) ②撮影後に模擬授業研修終了後の授業に関するアンケート(巻末資料参 照)を実施する。. 6)9月上旬∼11月上旬:授業アドバイス十アンケート ①5月中旬∼7月上旬の方法と同じ. 7)11月上旬∼11月中旬:第4回目の授業ビデオ撮影 ①10月下旬∼11月上旬の授業アドバイスが終了後に授業ビデオを撮 影してもらう。(第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ教科で撮影し てもらえるように依頼しているが、必ずしもそうはなっていない) ②撮影後にビデオ撮影後の授業に関するアンケート(巻末資料参照)を 実施する。. 一19一.

(24) 8)11月中旬:研究全体へのアンケート ①研究全体に関するアンケート(巻末資料参照)を実施する。. (6)授業アドバイスの流れ 1)授業前に座席表と授業場面の教科書のコピーを受け取る。あれば気に なる子どものデータも受け取る。. 2)対象者の授業を小学校の場合は45分、中学校の場合は50分観察し、 その結果を筆者が授業チェックシートにて評価する。. 3)空き時間や放課後等の時間を使って、30分程度の授業アドバイスを 行う。. 4)記入した授業チェックシートを渡す。 5)授業アドバイスに関するアンケートを実施し、後日受け取る。. (7)授業のコンサルテーションで留意した点. 各島(2009)や栗原(2008)の先行研究から、5つの授業スキルについ てコンサルテーションすることが基本であるが、授業アドバイスをする際 に、特に以下の3点に留意して行ってし、る。. 1)実践を肯定的に振り返り、5つの授業スキルの中でもすぐに効果があ りそうなこと、すぐにできそうなことからアドバイスする。 2)教師が困っていることを中心に、その対応法についてアドバイスをする。. 3)対象者の負担にならないように、アドバイスをする時間などできる限 り、対象者の要望に沿う(場合によってはアドバイスを実施しないこと も想定していた。その際には授業チェックシートのみを渡すが、口頭で アドバイスを予定していた内容の一部を記入するようにした)。. 2.介入方法2「授業チェックシート(詳細版)を利用した模擬授業研修」 (1) 目的. 5つの授業スキルに基づいて作成された授業チェックシート(詳細版) を使って模擬授業研修を行うことで、発達障害を含む特別な教育的二一ズ のある子どもの在籍する学級の授業改善に有効か、また教師の授業スキル 獲得に有効かを検証する。. ここで言う模擬授業研修とは、気になる子どもを教師が演じ、実際の授 業等の場面を想定した模擬授業形1式の職員研修のことである。. 一20一.

(25) (2) 介入の期間と頻度. 2009年4月∼11月 模擬授業研修は、7月下旬∼8月下旬までの長期休業中に実施している。 (3) 対象校・対象者数. 対象校4校から、それぞれ1∼4名の教員に依頼しているが、対象校の 職員全員に対して、模擬授業研修を行っている。当初、性別や教員経験年 数、年齢、特別支援学級担当の有無等に違いを持たせて依頼する予定をし ていたが、対象校や対象者の要望により、そうならなかった。対象校の詳 細は表2−1−11∼表2−1−14に、対象者の詳細は表2−1−17∼表2−1−18 に紹介する。. 対象者の中では、A・Cグループには模擬授業研修の中で授業者を、B・ Dグループには子ども役を依頼している。また、対象者以外でも授業者と して研修に参加してもらってし、る。. (4)筆者の立場 特別支援学校の巡回相談員として、特別支援教育の観点で、授業改善を 行うための研修の依頼を受け、講師として派遣されたことを想定している。 (5) 介入の流れ. ※ 対象校や対象者の状況により、時期に若干のずれがある。それぞ. れの詳細については、第3章結果を参照のこと 模擬授業研修の介入の流れについて、説明する。. 対象者には、授業のビデオ撮影、模擬授業研修、アンケートなどを実施 した。表2−1−3は流れをまとめたものである。. 1)4月下旬∼6月上旬:対象者への説明と第1回の授業ビデオ撮影 ①対象者に対して、協力していただきたいことの詳細を説明し、了承を もらう。(事前に対象校の管理職や特別支援教育コーディネーター、研究. 担当者などに説明を実施し、4月上旬の職員会議等で全職員に簡単に説 明し、この日の対象者の希望を募っている) ②教師経験歴シート(巻末資料参照)に記入してもらい、5月中に授業 のビデオ撮影を依頼する。. 2)5月中旬∼7月上旬:介入なし 一21一.

(26) 表2−1−3 模擬授業研修の介入の流れ 時 期 4月下旬∼. @. 6月上旬. 5月中旬∼. @. 7月上句. 7月中旬 7∼8月(模擬 業研修実施). 9月上旬∼中旬 9月上句∼. @ 11月上句 11月上旬∼中旬 11月中旬. 介 入 の 流 れ 1)対象者への説明 Q)授業のビデオ撮影(1回目)十アンケート 3)介入なし. 4)授業のビデオ撮影(2回目)十アンケート 5)模擬授業研修十アンケート(介入の詳細は次項に). 6)授業のビデオ撮影(3回目)十アンケート 7)介入なし. 8)授業のビデオ撮影(4回目)十アンケート 9)研究全体へのアンケート. 3)7月中旬:第2回目の授業ビデオ撮影 ①7月上旬に行った授業アドバイス以降、かつ夏季休業に入るまでに授 業ビデオを撮影してもらう。(第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ 教科で撮影してもらえるように依頼しているが、必ずしもそうはなって いない). ②撮影後にビデオ撮影後の授業に関するアンケート(巻末資料参照)を 実施する。. 4)7月下旬∼8月下旬:模擬授業研修十アンケート ①模擬授業研修を実施する。. ※ 模擬授業研修の詳しい流れについては、巻末資料参照のこと。 ②模擬授業研修に関するアンケート(巻末資料参照)を実施する。. 5)9月上旬∼中旬:第3回目の授業ビデオ撮影 ①夏季休業が終了後、9月の授業アドバイスまでに授業ビデオを撮影し てもらう。(第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ教科で撮影しても らえるように依頼しているが、必ずしもそうはなっていない) ②撮影後に模擬授業研修終了後の授業に関するアンケート(巻末資料参 照)を実施する。. 一22一.

(27) 6)9月上旬∼11月上旬1介入なし 7)11月上旬∼11月中旬:第4回目の授業ビデオ撮影 ①10月下旬∼11月上旬の授業アドバイスが終了後に授業ビデオを撮 影してもらう。(第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ教科で撮影し てもらえるように依頼しているが、必ずしもそうはなっていない) ②撮影後にビデオ撮影後の授業に関するアンケート(巻末資料参照)を 実施する。. 8)11月中旬:研究全体へのアンケート ①研究全体に関するアンケート(巻末資料参照)を実施する。. ②研究全体に関するアンケートを記入してもらってから以降、希望者に 対して授業アドバイスを行う。. (6) 模擬授業研修の実施方法について. 模擬授業研修の実施方法にっし、て、次へ一ジ以降に資料1と2を示す。 模擬授業研修時には、資料1を使って、模擬授業研修の流れと方法につい て5分程度で説明している。また、資料2は模擬授業研修のスケジュールで ある。ある学校での実践を参者にして仮想スケジュールを掲載している。. (7)模擬授業研修で留意した点 模擬授業を見てのアドバイスは、授業のコンサルテーションと同様に谷 島(2009)や栗原(2008)の先行研究の結果に留意し、さらに春原(2009) の結果から、気になる子だけでなく、子ども役をしている教員全体を意識 して行うように心がけた。留意した点は、以下の3点である。. 1)模擬授業を行った教員の授業ビデオから事前に情報を集め、授業での 対応法に共通する特徴を見つけ出し、アドバイスの中にビデオの様子も 交えながら、5つの授業スキルの中でもすぐに効果がありそうなこと、 すぐにできそうなことからアドバイスする。 2)気になる子ども役の教員の模擬授業の際の様子だけでなく、気になる子ど も本人のビデオでの様子も交えながら、対応方法についてアドバイスする。. 3)出席している教員全体が自分のこととして聞けるように、対象者の対 応の特徴としてではなく、対応法を一般化して伝え、出席者全員に自分 のこととして意識してもらえるようにアドバイスをする。 一23一.

(28) (資料1). 模擬授業研修の進め方 (1)模擬授業研修の流れ ①事前に、授業を行う教師役1名、気になる子ども役1名、 子ども疫(残りの参加者全員)を決める ②気になる子ども役の教師をどこに座らせるのかを決める ③子どもの特徴を担任が説明し、不足情報を筆者が質問し、 担任等に応えてもらう(個別の教育支援計画や個別の指導 計画があると便利である) ④模擬授業(i)(3∼5分程度) ・教師役は実際に授業を行うように指示や発問を出し、 授業を進める(もちろん机間指導や褒めるなどの評価も 行う). ・気になる子ども役(気になる子のことをよく知ってい る教師)が、その子が反応するように教師の授業行為に 対応する. ・教師役はその子どもにも対応しながら全体の授業を進 めていく. ・教師役、気になる子ども役以外の参加者は、通常の子 ども役として授業に参加する(教師の出す指示や発問等 に子どもになったつもりで参加する) ・教師は、し、つも通りの授業の進め方をしてもいいが、 模擬授業をどう進めるのか事前に対応方法を検討して行 ってもいい. ・模擬授業(i)に対して、筆者が授業アドバイスを行 う。主な観点は、授業チェックシート(詳細版)にある 項目である。. ◎模擬授業(ii)(1∼3分程度) ・留意点は④模擬授業(i)と同様 ・模擬授業(ii)に対して、筆者が授業アドバイスを行う。. 主な観点は、アドバイス(i)でのアドバイスとそれ以外. 一24一.

(29) の授業チェックシート(詳細版)にある項目である。 ⑧模擬授業数によって、④∼⑦を繰り返す。 ◎模擬授業研修終了後、参加した対象者を含む全教員にア ンケート(A4一枚)を実施する。. ⑧授業数分の繰り返し ⑤アドバ. ⑥模擬授. ⑦アドバ. (i). イス(i). 業(ii). イス(ii). 3∼5分程度. 5分程度. ④模擬授業. 図2−1−1. 1∼3分. 程度. 3分程度. 一⑨アンケー トの記入. 模擬授業研 修に関する アンケート. 模擬授業への介入の流れ. (2)授業内容例 ・授業(教科は問わない). 授業の最初の5分、重要な板書の部分、指示の出 し方など授業の一部分を取り出す、遅れてきた子へ の対応など。 ・朝の会、終わりの会、学活・HR活動など、その他、教 師が困っている場面を取り出して行う。. (3)準備物・場所等 ①(使う場合は)教科書のコピーやノートや筆記用具 ②子どもの様子がわかるもの(個別の教育支援計画・個別 の指導計画でもよい) ③個別の教育支援計画・個別の指導計画(書かれていれば) ④教室等を使って、実際の場面に近い環境を用意する (4)模擬授業研修のプログラムの例を示す(資料2)。また、. 模擬授業研修の講座部分の内容やアドバイス内容の例を巻 末資料に掲載している。 一25一.

(30) (資料2). 模焼授彙所書 プログラム(例). 2009年 ×月××目(×) 9100∼10150 ◎◎小学校. △△市 」(1)プ回グラム. 時. 内. 間. 客. 講座15つのスキルの解説と実際例 (30分) 模擬授業の進め方の説明 (5分) 模擬授業①気になる子の特徴『理解できず手遊び。. 9:00∼9130. 9130∼9135. ごそごそ多い子。」(N〈ん). 国語1年「ひらがな」. 9:35∼9150. 授業者氏名1F先生 気になる子役 氏名1G先生 (15分) 模擬授業②気になる子の特徴rひらがな書けず音読 困難。手遊び多く離席あリ。」(0さん). 国語3年「3年とうげ」. 9=50∼10=05. 授業者氏名:H先生 気になる子役 氏名11先生 (15分) 模擬授業③気1二なる子の特徴r気分にムラあり。興 味のないことには取り組まない。きつい注意すると気. 10=05∼10120. 分を害する。」(P〈ん). 国語5年r詩未確認飛行物体」. 授業者氏名1J先生 気になる子役 氏名1K先生. (15分). 模擬授業④気になる子の特徴rなかなかやる気にな らない。」(Qさん). 10=20∼10=35. 国語3年r漢字スキル(新出漢字)」. 授業者氏名:L先生 気になる子役氏名1M先生 10=35∼10:50. 質疑応答&まとめ アンケート記入. (15分) (10分) (5分). ※研究での内容を混ぜ合わせた仮想プログラムである. 一26一.

(31) 3.介入方法3「授業チェックシート(簡略版)による授業の自己チェック」 (1) 目的. 5つの授業スキ.ルに基づいて作成された授業チェックシート(簡略版) を使っで行う授業の自己チェックが、発達障害を含む特別な教育的二一ズ. のある子どもの在籍する学級の授業改善に有効か、また教師の授業スキル 獲得に有効かを検証する。. また、授業チェックシート(簡略版)を読むだけで、どの程度の授業変. 化があるかを検証することで、介入1と2で行われる授業アドバイス、模 擬授業研修の効果が授業チェックシートの効果とどのような関係にあるの かを検討する。. (2) 介入の期間と頻度. 2009年6月∼7月 研究に関することで学校に訪問したのは、協力の依頼時のみで、あとは 担当者とメール、電話、郵送などの連絡であった(希望者には説明を予定 してし、たが、希望がなかったため)。. (3) 対象校・対象者数(詳細は次節). 対象校2校から、それぞれ2∼3名の教員に依頼している。一当初、性別 や教員経験年数、年齢、特別支援学級担当の有無等に違いを持たせて依頼 する予定をしていたが、対象校や対象者の要望により、そうならなかった。. 対象校の詳細は表2−1−15に、対象者の詳細は表2−1−17∼表2−1−18に 紹介する。. (4)介入の流れ ※ 対象校や対象者の介入時期など、それぞれの詳細については、第 3章結果を参照のこと 自己チェックの介入の流れについて、説明する。 対象者には、授業のビデオ撮影、授業の自己チェック、アンケートなど を実施した。表2−1−4は流れをまとめたものである。. 1)6月上旬∼下旬:対象校への説明と書類送付 ①対象校の管理職や特別支援教育コーディネーター、研究担当者などに説 明を実施し、学校で対象者の希望を募っている。対象者に対しては、依頼 事項を詳しく示した書類を送付して読んでもらうこととした(要望によっ 一27一.

(32) ては事前に説明をさせていただく予定だったが希望者はいなかった)。. ②対象校に対して、対象者への依頼文書、教師経験歴シート(巻末資料 参照)、授業チェックシート(簡略版)、授業の自己チェック後のアンケ ート(巻末資料参照)を送付した。. 表2−1−4 授業チェックシート(簡略版)による授業の自己 チェックの介入の流れ 実施時期. 6月下句冊7月上句 ビデオ撮影^当日肢課後、. 実施内寄 量業⑪ビデオ掘影^. 長茉チェックシート{詳報版)⑭. もしくは敦日以内. 自己干エッウによる記入. 記入翌日、もしくは款日以内長業⑪ビチオ最影日. ヒチオ撮影0当日出課後. 事=後アンケート. 2)6月下旬∼7月中旬:事前のビデオ撮影と自己チェックの実施 ①自己チェックをしてもらう前に(シート自体を見ないように依頼して いる)、授業のビデオを撮影してもらう。. ②授業ビデオ撮影後に、授業チェックシート(簡略版)を使って、授業 の自己チェック(巻末資料参照)をしてもらう。 ③授業の自己チェックとは、授業チェックシート(簡略版)の各項目を 日常的に行っているかどうか「はい」「いいえ」で.チェックをしてもらう ことである。. ④自己チェック後、再度授業を撮影してもらう。. (第1回目の授業ビデオ撮影した教科と同じ教科で撮影してもらえるよ うに依頼しているが、必ずしもそうはなっていない) ⑤ビデオ撮影後、授業の自己チェックに関するアンケート(巻末資料参 照)と教師経験歴シートにも記入してもらう。. 3)7月中旬以降:データの受け取り ①すべてのデータを郵送で送付してもらう。. 4.グループ分けについて. 一28一.

(33) 介入方法の組み合わせによって、前述のグループ1∼3をさらにA∼E の5つのグループに細かく分けて一いる。. グループ1は、一授業アドバイスと模擬授業研修を組み合わせた介入を行. うグループで、AグループとBグループの2つに分かれる。授業アドバイ スと模擬授業研修の介入があるAグループとBグループの違いは、模擬授. 業研修で「授業者」となるAグループと「参加者(子ども役)」となるB グループである。. グループ2は、模擬授業研修のみの介入を行うグループで、Cグループ とDグループの2つに分かれる。模擬授業研修のみの介入があるCグルー プとDグループの違いも、A・Bグループ同様、模擬授業研修で「授業者」 となるCグループと「参加者(子ども役)」となるDグループである。 A∼Dのグループ分けは、春原(2009)の研究で、模擬授業を行う前と 後で教師役(授業者)と子ども役ではr教授・指導効力感」に差があった という結果から、本研究でも差が出るのでは、と考え、授業者(A・C)グ ループと子ども役(B・D)グループを比較して検討するために設定した。 また、AグループとCグループ、BグループとDグループを比較するこ とで、模擬授業研修の効果が授業アドバイスのあるなしでどのような効果 の差があるのかを検討するために設定している。. Eグループは、授業チェックシートのみの影響がどの程度あるのかを検 討するためにも設定しているものである。. グループ3は、授業の自己チェックを行うのみのグループで、Eグルー プが該当する。. A∼Eの各グループと介入方法の関係を各グループの介入方法に○印を 入れ、表2−1−5に示している。また、5つのグループと研究全体との関係 を時期に合わせて整理したものが表2−1−6である。. 表2−1−6名グループと介入方法の関係 グループ名 介入方法 授業アドバイス. 模擬授業 、修. 授業者一 ■ 一 ■ ■ ’ 一 一 ■ 一 ■ 一 I 一 一 . 一 ■ 一. A. O ○一. 一. I. I. 一. 一. C. B. D. E. ○ 一. 一. ■. ○■ ■ 一 . 一 一 一 ■ 一 一. ’. 1. ■. 一. 一. 一. 一. 一. .. ■. 一. 一. .. ■. 一. .. I. 一. 一. 一. 一. 一. ’. 一. 一. ’. 一. ’. I. 一. 一. Q加者. 授業の自己チェック. ○. 一29一.

(34) 研究全体と各グループヘの介入内容. 表2−1−5 時期 グルー一. A B. C D. 5月初旬 ∼6月上旬 対 象. ビ. 5月∼7月上句 介入1:授業アドバイス 十チェックシート. ビ. 授業アドバイス. デ. wオ フ撮. 煢e セ①. 影. 介入なし. ②. 上句. ピ. 月1∼2回程度の. ビ. 模擬授業 参加者. デ. 授業アドバイス. デ. 模擬授業 授業者. 撮 影. 介入なし. 撮. 授業アドバイスを希望. 模擬授業 参加者. ③. した場合は. 影 ④. ∼中旬. オ. オ. 実施. 介入41チェッグシートの自己記入のみ. チヘ. ヒ■■. ア. ピ」. ン. 工. E. ツの. 丁. オ. B 影 ⑪. ⇒. N白 V…i記. g入. ⇒. 丁 オ. 撮. 影 ②. ケ. ⇒. 11月 ∼中旬. 模擬授業 授業者. 撮. 9月∼11月上句 十チェックシート. 十チェックシート. オ. 9月上旬. 介入3:授業アドバイス. 介入21模擬授業研修. ∼中旬. 月1∼2回程度の. 一 者フー. 8月(長期休業中). 7月上旬. 1 卜. 記 入. 5.各グループの解説1「A・Bグループ」 表2−1−7にA・Bグループの介入時期と内容を示した。 違いは、夏季休業中に行われる模擬授業研修の授業者(Aグループ)か 子ども役(Bグループ)かのみである。. 6.各グループの解説2「C・Dグループ」 表2−1−8にC・Dグループの介入時期と内容を示した。 違いは、夏季休業中に行われる模擬授業研修の授業者(Cグループ)か 子ども役(Dグループ)かのみである。. 一30一.

(35) 表2−1−7. A・Bグループの介入時期と内容. 対象者 時期. 各グループ メンバーが すること. Aグループ 授業参アドバイス 十模擬授業研修授業者 月2回程度、授業アドバ. Bグループ 授業アドバイス 十模擬授業研修参加者 月2回程度、授業アドバ. イス(30分程度)を行う。. イス(30分程度)を行う。. 模擬授業研修の模擬授 業の授業者として参加. 模擬授業研修の参加者 として参加する。. する。. 4月下旬∼ 6月上旬 5月中旬∼ 7月上旬. 1)対象者への説明 2)授業のビデオ撮影(1回目)十アンケート. 3)授業アドバイス十アンケート. 月に1∼2回程度実施. 7月中旬. 4)授業のビデ才撮影(2回目)十アンケート. 7∼8月. 5)模擬授業研修. 5)模擬授業研修. (模擬授業. 授業者として参加. 子ども役として参加. 研修). アンケート記入(5分程度). アンケート記入(5分程度). 9月上旬∼ 中旬. 9月上旬∼. 11月上旬 11月上旬 ∼中旬. 11月上旬 ∼中旬. 6)授業のビデオ撮影(3回目)十アンケート 7)授業アドバイス十アンケート. 月に1∼2回程度実施 8)授業のビデオ撮影(4回目)十アンケート 9)研究全休へのアンケート. 一31一.

(36) 表2−1−8. C・Dグループの介入時期と内容. 対象者. Cグループ 模擬授業研修授業者. Dグループ 模擬授業研修参加者. 各グループ メンバーが すること. 模擬授業研修に参加し、. 模擬授業研修に参加す. 模擬授業の授業者とし. る。. 4月下旬∼ 6月上旬 5月中旬∼ 7月上旬 7月中旬. 1)対象者への説明 2)授業のビデオ撮影(1回目)十アンケート. 時期. て授業を行う。. 3)介入なし. 7∼8月. 4)授業のビデオ撮影(2回目)十アンケート 5)模擬授業研修 5)模擬授業研修. (模擬授業. 授業者. 参加者. 研修). アンケート記入(5分程度). アンケート記入(5分程度). 9月上旬∼ 中旬. 9月上旬∼. 11月上旬 11月上旬 ∼中旬. 11・月上旬 ∼中旬. 6)授業のビデオ撮影(3回目)十アンケート 7)介入なし. 8)授業のビデオ撮影(4回目)十アンケート 9)研究全体へのアンケート. 同一の対象校内でA・B・C・Dグループの対象者がいることもあり、A ∼Dグループの介入時期と内容の関係を表2−1−9に示す。. 一32一.

(37) 表2−1−9 対象者 時 期. 各グループ メンバーが すること. グループ別介入の時期と内容(A∼Dグループ) A勿レーブ 授業参観十模擬授業所甥受業者. 授業参観十模擬授業所惨参カ暗. 模擬授業所彦授業音. 月2回程度、授業アドバイス. 月2回程度、授業アドバイス. 模擬授業研修に参加し、模擬. (30分程度)を行う。. (30分程度)を行う。. 模擬授業研修の模擬授業の. 模擬授業研修の参加者として. 授業者として参加する。. 参加する。. 5月初旬∼. ω ω. 7月上旬. Dグ,トプ. 模擬授業所饒勃暗 模擬授業研修に参加する。. 授業の授業者として授業を行 う。. 1)対象者への説明. 6月上旬 5月中旬∼. Cグ几Fプ. Bグループ. 2)授業のビデオ撮影(1回目)十アンケート 3)授業アドバイス十アンケート. 3)介入なし. 月に1∼2回程度実施. 7月中旬. 4)授業のビデオ撮影(2回目)十アンケート. 7∼8月(模. 5)模擬授業研修・授業者. 5)模擬授業研修・参加者. 5)模擬授業研修・授業者. 5)模擬授業研修・参加者. 擬授業研圏. アンケート記入(5分程度). アンケート記入(5分程度). アンケート記入(5分程度). アンケート記入(5分程度). 9月上旬∼. 6)授業のビデオ撮影(3回目)十アンケート. 中旬. 9月上旬∼. 11月上旬 11月上旬 ∼中旬. 11月中旬. 7)授業アドバイス十アンケート. 月に1∼2回程度実施. 7)介入なし 8)授業のビデオ撮影(4回目)十アンケート 9)研究全体へのアンケート.

(38) 7.各グループの解説3「Eグループ」 表2−1−10にC・Dグループの介入時期と内容を示した。. 表2−1−10 Eグループの介入時期と内容 実施内寄. 実施時期. 6月下句〃了月上句 ピチオ撮影^当日政課後、. 量業⑰ビ1テオ撮影^. 量葉チェックシート辞組版)⑰. もしくは敦日以内. 自己チェックによる記入. 記入翌日、もしくは数日以内量業⑰ピチオ電影8. ピチオ掘影6当日放課後. 事後アンケート. 第3項研究の協力校と対象者 A∼Dグループの対象校に対して、2009年4月の時点で、管理職や特 別支援教育コーディネーターに学校の現状に対しての聞き取りやアンケー ト調査を行っている。そのデータと学校要覧を基に対象校の実態を表 2−1−11∼表2−1−14にまとめた。 Eグループの対象校に対しては、管理職や特別支援教育コーディネータ ーに学校の現状に対しての聞き取りのみを行っている。そのデータと学校 要覧を基に対象校の実態を表2−1−15にまとめた。 各校のA∼Eグループ対象者の人数を表2−1−16に、対象者の詳細情報 と行った授業アドバイスの授業内容を表2−1−17∼表2−1−18にまとめた。 対象者は、当初、性別や教員経験年数、年齢、特別支援学級担当の有無 等に違いを持たせて依頼する予定をしていたが、対象校や対象者の要望に より、そうならなかったこともあり、次のような特徴がある。. 全体としては、25名中、女性が16名、教員経験年数10年未満が15 名、特別支援学級経験者が3名、特別支援学校免許所持者1名のみ、通級 指導歴O名と人数に偏りがあることがあげられる。. 授業アドバイスの対象者に20代が11名中7名、女性が11名中7名、 教員・経験年数10年未満が11名中8名と多くなっている。また、小学校 の対象者は1∼4年生までで高学年担当の対象者がいないこともある。. 一34一.

(39) 表2一一11. 対象校の現状(A∼Dグループ). 対象校. 猪名川町立Z中学校. 項目. 学校規模等 (平成 21. 年4月) 特別支援教 育コーデイ. 学級数 21学級(特別支援学級3含む). 児童数 約600名. 個別の指導 計画につい. 2名(通常学級担任・特別支援学級担任) 校内や保護者に対して相談の窓口などの役割が 知らされているが、コーディネーターによる授 業観察や情報収集はできていない。 作成されており、定期的な評価や見直しを行っ ているが、保管方法や活用の仕方が決まってい. て. ない。. 個別の教育 支援計画に. 作成されていない。. ネーター. ついて. 教材・教具 の工夫. 実際の授業で配慮や工夫が行われており実態に 応じて個別指導等も行われているが、特別支援 教育の視点が入った指導計画や教材研究、指導 案、学校全体での教材などの工夫はされていな い。. 校内研修. 特別支援教育に関する研修の年間計画が立てら れているが、発達障害に関する気づきや障害特 性1こ応じた指導・支援方法に関する研修はなさ れていない。. 学校の様子. 落ち着いた雰囲気の学校。道徳の授業研究を毎 年行っている。. 特別支援教育に関する取り組みは始まったばか りで、校内委員会、個別の指導計画などのシス テムはあるが、うまく機能していない。. 一35一.

参照

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