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第2節 授業チェックシート(詳細版)に基づいた模緩
援棄研修の鈷果
夏季休業中に猪名川町立Z中学校、神戸市立Y小学校、たつの市立Xl」1 学校、たつの市立W小学校の4校で模擬授業研修を行った。その結果に
ついて、模擬授業研修後のアンケート、参加者の授業変化、模擬授業研修 後の授業ビデオ撮影後に行ったアンケートの3点を各項でまとめた。模擬授業研修でのコンサルテーションで留意した点は、授業のコンサル
テーションと同様に谷島(2009)や栗原(2008)の先行研究の結果に留
意し、さらに春原(2009)の結果から、気になる子だけでなく、子ども役 をしている教員全体を意識して行うように心がけた。留意した点は、以下 の3点である。(1)模擬授業を行った教員の授業ビデオから事前に情報を集め、授業で の対応法に共通する特徴を見つけ出し、アドバイスの中にビデオの様子 も交えながら、5つの授業スキルの申でもすぐに効果がありそうなこと、
すぐにできそうなことからアドバイスする。
(2)気になる子ども役の教員の模擬授業の際の様子だけでなく、気にな る子ども本人のビデオでの様子も交えながら、対応方法についてアドバ イスする。
(3)出席している教員全体が自分のこととして聞けるように、対象者の 対応の特徴としてではなく、対応法を一般化して伝え、出席者全員に自 分のこととして意識してもらえるようにアドバイスをする。
第1項 所書参加者全体への槙焼授業研書に対してのアン
ケートの結果
1.アンケート実施状況とアンケート内容
模擬授業研修終了後にA〜Dグループの研究対象者を含む全参加者78 名に模擬授業研修についてのアンケートに回答してもらった(78/78 回収率100%)。各校の参加者数や男女数、年齢層などの参加者の内訳は
アンケート集約の巻末資料を参照のこと。アンケート項目は、筆者が行った模擬授業研修についての評価を尋ねて いる。項目、回答方法は表3−2−1の通りである。
アンケートの4件法は、<全く思わなかった><あまり思わなかった>
<少しそう思った><とてもそう思った>をそれぞれ1〜4点に置き換え、
その平均点を表記している。数値が高くなるほど評価が高いことになる。
2.アンケートの結果
アンケートのすべての結果は、巻末資料に示した。
アンケート結果の以下の< >は貿聞紙の項目、自由記述で得られた教 員の回答は「 」で示し、筆者により簡略化、関係する質問項目への移動、
模擬授業研修に直接関係のないことは削除している。
表3−2−1
模擬授業研修に関するアンケートの項目と回答方法
1.授業者の方へ:5つのスキルを模擬授業で意識して行うことが
できましたか。【〈アイコンタクト><立ち位置><机間巡視><言葉を削る><一目で分かる工夫をする>の5項目についてそれ それ4件法】
1−2行いやすかったスキルとその使い方を具体的にあげてくださ い。【自由記述】
1−3行いにくかったスキルと考えられる理由をお書きください。【自 由記述】
2.全員の方へ:気になる子どもたらが授業を理解しやすくなるた めに、今後の授業で5つのスキルを使うことが有効だと思います か。【<アイコンタクト><立ち位置><机間巡視>〈言葉を削る
〉<一目で分かる工夫をする〉の5項目についてそれぞれ4件
法】
2−2有効だと感じたスキルとその使い方を具体的にあげてくださ い。【自由記述】
2−3有効ではないと感じたスキルと考えられる理由をお書きくださ い。【自由記述】
3.気になる子どもたらが授業を理解しやすくなるために、模擬授 業研修は有効だと思いますか。【4件法】
3−2その理由をお書きください。【自由記述】
4.ご自身の授業がより上手になるために、模擬授業研修は有効だ と思いますか。【4件法】
4−2その理由をお書きください。【自由記述】
5.その他、気づいたこと、思ったこと、感じたことをご自由にお 書きください。【自由記述】
(1)質問1「5つのスキルを模擬授業で意識して行うことができました
か」についての結果
※ この項目のみ、模擬授業者16名(A〜Dグループ以外の6名を含
む)が対象になっている1)結果(図3−2−1参照)
①授業者全員の平均は、すべての項目が2.2〜3.2の間にあり、研究対象 者、非対象者に関わらず、中央値の2.5以上は<アイコンタクト><立ち 位置><机間巡視><言葉を削る〉、2.5未満は<一目でわかる工夫をす る>であった。
各 貿 濁:葦・oo の 平
均2、馳
縛 点 2.◎O
ア イ トヨ ノ タ ク
国
1】二で
未分 か る
■模擬授業授業者
迂16名)
簸研究対象劃10名 :A・cグルーブ)
図3−2−1 模擬授業者の模擬授業中の授業スキルヘの意識の平均得点
②模擬授業を行った対象者の模擬授業中の授業スキルヘの意識の平均は、
どのグループでも、 アイコンタクト≦立ち位置>机間巡視<言葉を削る>
一目で分かる工夫 と同じ形をしている。
③授業アドバイスを行ったAグループと行わなかったCグループ、非対象 者の間に、有意な一定の関係や大きな差はみられなかった。
④模擬授業の授業者の男性と女性、30代と20代で、それぞれの前者(男 性、30代)が後者(女性、20代)に較べて模擬授業がうまくいったと感 じており、うまく行ったと感じているグループは模擬授業研修が有効だと もう片方のグループよりも感じていた。
2)アンケートの自由記述
自由記述の中で、プラス評価の表記が10件、マイ才ス評価の表記が4 件であった。結果・考察に関係するもののみを表記している(以後の自由
記述も同様)。自由記述の詳細については巻末資料参照のこと。
自由記述 ( )内は教員歴・年代・性別の順で表記
表記のない項目は未記入(以下のアンケートも同様)
プラス評価(質問1−2)
・アイコンタクトでドントントンと視線を向けるという意識はあま
りなかったので勉強になった(10年30代男性、16年30代女性)
・立ち位置はそれほど意識していなかったが、子どもの意欲に関係
することがわかった(33年50代男性)
・机間巡視と非言語評価(アイコンタクト、指差し、OKサイン、ス キンシップ、九つけなど)の組み合わせの重要さがわかった(12年
30代男性、3年20代男性)
マイプース評価(質問1−3)
・実際の場面と同じようには意識しにくい(5年20代女性、18年
40代女性)・早口でしゃべる癖があるので言葉を削るは非常に難しい(2年30
代男性)
・立ち位置、机間巡視は子どもが目の前にいないので難しい(10年 30代男性)
(2)質問2r授業で5つのスキルを使うことが有効だと思いますか」に
ついての結果1)結果(図3−2−2、図3−2−3参照)
各 質 間 の :3.涌 平 均 簿
,薫
ア クイ
トヲ ノ タ
る目 工で未分 か
錨薇繁対象者(孤名 :A〜Dグループ1)
菱霧対象割析名1)
図3−2−2 全参加者と研究対象者と非対象者の回答平均の比較
①全参加者の回答の平均では、<アイコンタクト>3.94、<立ち位置>
3.85、<机間巡視>3.91、<言葉を削る>3.82、〈一目でわかる工夫を する>3.81だった。また、5つの授業スキルの必要性に対して<とてもそ う思った><少しそう思った>と回答した参加者は、それぞれのスキルに
ついて、<アイコンタクト>78名(100%)、〈立ち位置>77名(約
99%)、<机間巡視>78名(100%)、〈言葉を削る>77名(約9 9%)、〈一目でわかる工夫をする〉77名(約99%)であった。さらに
自由記述でも、rすべてが重要である」という意見が多く見られた。②研究対象者は、すべての授業スキルの有効性について、<とてもそう思 った><少しそう思った>が100%だった。
③研究対象者全員と非対象者の中の模擬授業の授業者全員が、机間巡視の 有効性について、<とてもそう思った>と回答していた。
国工で 未分 か る
図3−2−3 発達障害児の担任とそうでない担任との 授業スキルの有効度の意識の差
④研究対象であるなしに関わらず、発達障害がある子どもを担任している 教員の授業スキルの有効性の平均は、発達障害の子どもを担任していない 教員よりも、アイコンタクトと机間巡視ではほとんど同じで、残りの3つ の授業スキルについては発達障害を担任している方が有効性を感じていた。
<立ち位置>では、発達障害がある子どもを担任している教員の方が発 達障害の子どもを担任していない教員よりも有効性を感じていると、分散 分析の結果、有意差傾向(PくO.10)が認められた(図3−2−3)。
⑤5つの授業スキルの平均は、性別や年代別でも有意な差はなかった。
⑤5つの授業スキルの有効性の平均は、どの小学校の平均であっても中学 校よりも高かった。その中で「言葉を削る」という授業スキルを使うこと に関しては、分散分析の結果、中学校よりも1」1学校の方が有意に高かった
(PくO.05)。(図3−2−4)
質問3.&O.、
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蟹二工二で
未分 か る
●中学絞 鱗小学校
図3−2−4 小学校と中学校の授業スキルの有効度の意識の差
ア イ
トデ ノタ ク
図3−2−5 性別・年齢別の有効度の意識
⑧5つの授業スキルを有効と感じている割合は、すべての授業スキルで研究 対象者と非対象者を合わせた30代が一番高かった(図3−2−5)。各授業ス キルに関して、それぞれの年代間で、有意な一定の関係はみられなかった。
2)アンケートの自由記述
自由記述の中で、プラス評価をした参加者が54人、マイブス評価をし